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3章。黒幕の王妃との対決
36話。風魔法の修行。美少女たちからスカートをめくって欲しいとせがまれる
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「驚きの連続だな。まさか、フィアナ嬢から再婚約の申し出を受けるとは思わなんだぞ」
馬車から降りた父上は、機嫌を良くしていた。
上昇志向の強い父上は、かつては俺とフィアナを婚約させるべく奔走していたからな。
「しかし、できればお前には王女殿下を射止めてもらいたい。【栄光なる席次】ナンバー1になれる可能性も出てきたことであるしな。ワシはそのあたり、うまく立ち回るべく、これからブレイズ公爵と話を付けてくる。すまぬが、今夜の奥義の修行はワシ抜きで行うのだぞ」
「……はぁ、それも良いですが、王妃様への対抗策もちゃんと話してくださいよ、父上」
俺は釘を刺しておいた。
「もちろんだとも。もし王妃様が本当に異端者で、その陰謀を阻止できたのならシルフィード伯爵家は……くくくっ、侯爵への陞爵《しょうしゃく》と、領地の加増は間違いないな」
まあ動機はともあれ、父上がやる気になってくれたのは良いことだ。
「しかし、お前には本当に驚かされるな。密かに王妃様を調査していただと? それで、王妃様のこれまでの毒殺の手口まで調べてしまっていたとはな」
「王妃様は、セリカの母親以外にも、国王陛下の寵姫を次々に毒殺していましたからね。まさに、嫉妬に狂った毒婦。セリカを後宮に閉じ込めたら、今回も同じ手で来るハズです。それを逆手に取ります」
王妃の罪をどうやって暴くかについては、すでに策を練り、馬車の中でみんなに話しておいた。
これさえできれば、ブレイズ公爵家の軍勢のみならず、父上のシルフィード騎士団も表立って王妃討伐に動かすことができる。
「王妃様を逆に罠に嵌めるつもりとはな。お前は、末恐ろしい策士だな。それほどの知略、一体、どうやって身に着けた?」
前世の対戦ゲームだとは、さすがに言えない。
相手が打つ手さえ分かれば、対抗策を考えるのはさほど難しくない。
「奥義の修行だが、一つ教えておいてやろう。魔法を極めんとする者は、己の本質、己の業と向き合うことになる。それは、目を逸らしたくなるほど醜い、歪んだ欲望であることがほとんどだ。だが、ソレを否定することなく受け入れろ。そうすれば、お前はもっと強くなれる」
父上は真剣な表情で、俺の肩を叩いた。
「はい、父上」
「お前なら、きっと1週間で【空気抵抗ゼロ】を習得できる。励むのだぞ」
1週間か。できれば王妃との決戦で、未完成でも良いから切り札として使えるようになっておきたい。それには今夜が勝負だ。
「じゃあヴァイス君、寝る前に奥義の修行、一緒にがんばろう! できれば、ランジェリーショップで、ヴァイス君の好みのパンツを買いたいところだったけど……」
セリカが俺に腕を絡めて、顔を赤くした。
うぉ。俺の心臓の鼓動が跳ね上がる。
「パ、パンツは白が良いから大丈夫だ。今、穿いているのは白だよな」
「うん、そうだよぉ。確認して見る?」
セリカが制服のスカートの端を摘んで、チラッと見せた。
うぉおおおっ。美少女と何ていう会話をしているんだ、俺は。
上目遣いで俺を見上げるセリカが恥ずかしそうで、めちゃくちゃカワイイじゃないか。
「衣装は学園の制服のままで良いかな? メイドの格好とか、ネグリジェとか……ヴァイス君が集中できる衣装があったら、着替えるから、なんでも言ってね」
「ネグリジェ? そ、そうか、今夜は同じ部屋で寝るんだったよな」
ヤバい。想像しただけで、鼻血が出そうになる。
今の制服姿のセリカもそそるけど、ネグリジェも良いかも知れないな。
「セリカさん、何の話をされているんですの?」
出迎えに現れた執事と話していたフィアナが、戻って来た。
「風魔法の奥義の修行についてよ」
「あら、そうですか。では、家の者に、寝室に案内させますので、先に向かってくださいな。わたくしは勝負服に着替えてきますわ!」
フィアナは鼻息も荒く、屋敷の奥に駆けて行った。
彼女は奥義の修行には、さほど関心が無いようだ。
「そっ、そそそうだな。太ももが丸見えになるくらいの丈の短いネグリジェがいいな。あっ、下着が透けて見えるようなのはダメだ。それもうれしいけど、今回に限っては逆に萎える」
俺は性癖を思い切り暴露した。
極限まで集中できるようにしなければ、修行の意味が無いからな。
それに、幸か不幸か父上もいないしな……うぉっと、何を考えているんだ俺は。エロいことだけはしないように、気を付けないとな。
「うん、わかったわ。じゃあメイドさん、ネグリジェを用意してもらえるかな?」
「かしこまりました」
「ふむふむ、ソレが兄様の性癖なのですね。わかりました、メモしておきます。メイドさん、私にも同じ夜着をお願いします」
エレナが、何やらメモ帳に書き込んでいた。
うん? なぜ、セリカと同じネグリジェを頼むのだ、この妹は……?
「それと、丈夫な縄も用意してください」
「は? 縄でございますか?」
「はい。修行に使います」
メイドは目をパチクリさせていた。
「ああっ、そうだった。縄もあった方が良いな。さすがはエレナだ、気が利くな」
「エヘヘッ。ヴァイス兄様のためですから」
頭を撫でてやると、エレナはうれしそうに微笑んだ。
俺たちはメイドに豪華な寝室に通された。
衝立の向こう側で、セリカとエレナが用意されたネグリジェに着替えさせてもらっている。
衣擦れの音が聞こえてきて、妄想がメチャはかどる。
「ヴァイスさん、お待たせしましたわ!」
バンと扉が勢い良く開け放たれ、下着の透けたネグリジェ姿のフィアナが飛び込んで来た。
目を釘付けにするようなナイスバディだ。
「さっ、一緒に寝ましてよ!」
「修行をするって言ったのに、聞いていなかったのか!?」
「ヴァイス兄様、今です!」
縄を手にしたエレナが、フィアナにタックルを仕掛けた。
その隙に、俺はフィアナのネグリジェや腕輪などの装飾品に触れて、【超重量】を発動する。
「なっ!? 身体が重い!?」
「最低でも合計500キロの重さになっているハズだ!」
「さすがのフィアナ様でも、これなら動けませんよね」
俺はエレナと協力して、フィアナの手足を縄でグルグル巻きに縛った。
「縛りプレイなんて、いきなりマニアック過ぎますわ!」
と、フィアナは絶叫したが全力で無視だ。これで修行に専念できる。
「お、お待たせ。ヴァイス君、どうかな?」
そこにネグリジェ姿のセリカが顔を出した。
健康的な太ももが、あらわになっているだけでなく、胸も開いている衣装で、俺の興奮はすでにマックスだ。
「イイ! と、特に下着が透けていないのが!」
思わず本音が漏れてしまった。
「えっ? 殿方は下着が透けている方が喜ぶと思っていましたのに、違いますの!?」
「ふっ、ヴァイス兄様のことが何もわかっておられないのですねフィアナ様。兄様は、スカートめくりがお好きなのですよ。めくる喜びが見い出せないような衣装に、興奮されると本気でお思いですか?」
なぜかエレナが勝ち誇ったようなドヤ顔をしていた。
妹に自分の性癖がモロバレしているなんて、めっちゃ恥ずかしいな。
「くぅっ! 年季の差が出てしまいましたわ!」
フィアナは悔しそうに俯く。
「よし、さっそく修行開始だ!」
セリカのネグリジェを、パンツが見えそうで見えないギリギリのところまで、風魔法の気流操作でめくり上げる。
脳髄が焼けるような凄まじい興奮に、思わずガン見してしまう。
「ああっ、いい! ヴァイス君に、好きな人に見られていると思うと興奮しちゃう!」
セリカが身体を大きく震わせた。
それによって気流操作の絶妙な計算が狂い、セリカの白いパンツがチラっと、見えてしまった。
くっ。動かない蝋燭とは異なり、少女を相手にする場合は、動くことも計算に入れないとダメということか。
なんと難しい。そして、奥深い。
いや。考えてみれば、俺──ヴァイスは学園の女子生徒相手に毎日、これをやっていたじゃないか。そうだ、俺ならできる。
考えろ。思考を止めるな。
「ヴァイス君、もっと私を見て! 私だけを! あぁぁあんっ! 見られて興奮するなんて、私って、こんなにも変態だったんだわ!」
セリカが壁に手を付き、俺にお尻を突き出すようなポーズを取った。もっと、俺に見てもらいたいということらしい。
うっ。かわいい。セリカは、俺のことがこんなにも好きなんだな。今日一日で、セリカとの絆がとても深まったのを感じる。
もっと、見たい。しかし、見てはいけない。
その葛藤の中で、集中力が研ぎ澄まされ、俺の気流操作はさらに上の段階へと到達する。まるで、俺が風そのものになったかのような感覚。
その中で気付いた。
そうだ。俺はこの見えそうで見えないチラリズムが好きなのだ。愛していると言っても過言ではない。
くっ、これこそが俺の本質、父上が言っていた目を逸らしたくなるほど醜い、歪んだ欲望というヤツか。
「だけど、俺は決して目を逸らさず、受け入れてみせますよ父上」
それがセリカを。俺の大切な人を守る力を得ることに繋がるなら。
「な、なんですのコレは!? まさか、スカートめくりが風魔法の奥義へと至る道!?」
フィアナが目を見開いた。
「なら、わたくしにも協力できますわ! ヴァイスさん、次はわたくしのスカートをめくってくださいな!」
「何をおっしゃっているんですかフィアナ様。この私だって、ヴァイス兄様にいくらお願いしてもスカートをめくっていただけないのですよ。兄様にスカートをめくっていただく名誉を得たいなんて、婚約破棄したクセにおこがましいです!」
エレナが、フィアナを叱りつけた。
いや、なんだって、俺にそんなにスカートめくりをして欲しいのかわからない。
この2日目の修行を通して、俺は未完成ながらも、風魔法の奥義【空気抵抗ゼロ】を使えるようになった。
決戦での大きな切り札になるハズだ。
馬車から降りた父上は、機嫌を良くしていた。
上昇志向の強い父上は、かつては俺とフィアナを婚約させるべく奔走していたからな。
「しかし、できればお前には王女殿下を射止めてもらいたい。【栄光なる席次】ナンバー1になれる可能性も出てきたことであるしな。ワシはそのあたり、うまく立ち回るべく、これからブレイズ公爵と話を付けてくる。すまぬが、今夜の奥義の修行はワシ抜きで行うのだぞ」
「……はぁ、それも良いですが、王妃様への対抗策もちゃんと話してくださいよ、父上」
俺は釘を刺しておいた。
「もちろんだとも。もし王妃様が本当に異端者で、その陰謀を阻止できたのならシルフィード伯爵家は……くくくっ、侯爵への陞爵《しょうしゃく》と、領地の加増は間違いないな」
まあ動機はともあれ、父上がやる気になってくれたのは良いことだ。
「しかし、お前には本当に驚かされるな。密かに王妃様を調査していただと? それで、王妃様のこれまでの毒殺の手口まで調べてしまっていたとはな」
「王妃様は、セリカの母親以外にも、国王陛下の寵姫を次々に毒殺していましたからね。まさに、嫉妬に狂った毒婦。セリカを後宮に閉じ込めたら、今回も同じ手で来るハズです。それを逆手に取ります」
王妃の罪をどうやって暴くかについては、すでに策を練り、馬車の中でみんなに話しておいた。
これさえできれば、ブレイズ公爵家の軍勢のみならず、父上のシルフィード騎士団も表立って王妃討伐に動かすことができる。
「王妃様を逆に罠に嵌めるつもりとはな。お前は、末恐ろしい策士だな。それほどの知略、一体、どうやって身に着けた?」
前世の対戦ゲームだとは、さすがに言えない。
相手が打つ手さえ分かれば、対抗策を考えるのはさほど難しくない。
「奥義の修行だが、一つ教えておいてやろう。魔法を極めんとする者は、己の本質、己の業と向き合うことになる。それは、目を逸らしたくなるほど醜い、歪んだ欲望であることがほとんどだ。だが、ソレを否定することなく受け入れろ。そうすれば、お前はもっと強くなれる」
父上は真剣な表情で、俺の肩を叩いた。
「はい、父上」
「お前なら、きっと1週間で【空気抵抗ゼロ】を習得できる。励むのだぞ」
1週間か。できれば王妃との決戦で、未完成でも良いから切り札として使えるようになっておきたい。それには今夜が勝負だ。
「じゃあヴァイス君、寝る前に奥義の修行、一緒にがんばろう! できれば、ランジェリーショップで、ヴァイス君の好みのパンツを買いたいところだったけど……」
セリカが俺に腕を絡めて、顔を赤くした。
うぉ。俺の心臓の鼓動が跳ね上がる。
「パ、パンツは白が良いから大丈夫だ。今、穿いているのは白だよな」
「うん、そうだよぉ。確認して見る?」
セリカが制服のスカートの端を摘んで、チラッと見せた。
うぉおおおっ。美少女と何ていう会話をしているんだ、俺は。
上目遣いで俺を見上げるセリカが恥ずかしそうで、めちゃくちゃカワイイじゃないか。
「衣装は学園の制服のままで良いかな? メイドの格好とか、ネグリジェとか……ヴァイス君が集中できる衣装があったら、着替えるから、なんでも言ってね」
「ネグリジェ? そ、そうか、今夜は同じ部屋で寝るんだったよな」
ヤバい。想像しただけで、鼻血が出そうになる。
今の制服姿のセリカもそそるけど、ネグリジェも良いかも知れないな。
「セリカさん、何の話をされているんですの?」
出迎えに現れた執事と話していたフィアナが、戻って来た。
「風魔法の奥義の修行についてよ」
「あら、そうですか。では、家の者に、寝室に案内させますので、先に向かってくださいな。わたくしは勝負服に着替えてきますわ!」
フィアナは鼻息も荒く、屋敷の奥に駆けて行った。
彼女は奥義の修行には、さほど関心が無いようだ。
「そっ、そそそうだな。太ももが丸見えになるくらいの丈の短いネグリジェがいいな。あっ、下着が透けて見えるようなのはダメだ。それもうれしいけど、今回に限っては逆に萎える」
俺は性癖を思い切り暴露した。
極限まで集中できるようにしなければ、修行の意味が無いからな。
それに、幸か不幸か父上もいないしな……うぉっと、何を考えているんだ俺は。エロいことだけはしないように、気を付けないとな。
「うん、わかったわ。じゃあメイドさん、ネグリジェを用意してもらえるかな?」
「かしこまりました」
「ふむふむ、ソレが兄様の性癖なのですね。わかりました、メモしておきます。メイドさん、私にも同じ夜着をお願いします」
エレナが、何やらメモ帳に書き込んでいた。
うん? なぜ、セリカと同じネグリジェを頼むのだ、この妹は……?
「それと、丈夫な縄も用意してください」
「は? 縄でございますか?」
「はい。修行に使います」
メイドは目をパチクリさせていた。
「ああっ、そうだった。縄もあった方が良いな。さすがはエレナだ、気が利くな」
「エヘヘッ。ヴァイス兄様のためですから」
頭を撫でてやると、エレナはうれしそうに微笑んだ。
俺たちはメイドに豪華な寝室に通された。
衝立の向こう側で、セリカとエレナが用意されたネグリジェに着替えさせてもらっている。
衣擦れの音が聞こえてきて、妄想がメチャはかどる。
「ヴァイスさん、お待たせしましたわ!」
バンと扉が勢い良く開け放たれ、下着の透けたネグリジェ姿のフィアナが飛び込んで来た。
目を釘付けにするようなナイスバディだ。
「さっ、一緒に寝ましてよ!」
「修行をするって言ったのに、聞いていなかったのか!?」
「ヴァイス兄様、今です!」
縄を手にしたエレナが、フィアナにタックルを仕掛けた。
その隙に、俺はフィアナのネグリジェや腕輪などの装飾品に触れて、【超重量】を発動する。
「なっ!? 身体が重い!?」
「最低でも合計500キロの重さになっているハズだ!」
「さすがのフィアナ様でも、これなら動けませんよね」
俺はエレナと協力して、フィアナの手足を縄でグルグル巻きに縛った。
「縛りプレイなんて、いきなりマニアック過ぎますわ!」
と、フィアナは絶叫したが全力で無視だ。これで修行に専念できる。
「お、お待たせ。ヴァイス君、どうかな?」
そこにネグリジェ姿のセリカが顔を出した。
健康的な太ももが、あらわになっているだけでなく、胸も開いている衣装で、俺の興奮はすでにマックスだ。
「イイ! と、特に下着が透けていないのが!」
思わず本音が漏れてしまった。
「えっ? 殿方は下着が透けている方が喜ぶと思っていましたのに、違いますの!?」
「ふっ、ヴァイス兄様のことが何もわかっておられないのですねフィアナ様。兄様は、スカートめくりがお好きなのですよ。めくる喜びが見い出せないような衣装に、興奮されると本気でお思いですか?」
なぜかエレナが勝ち誇ったようなドヤ顔をしていた。
妹に自分の性癖がモロバレしているなんて、めっちゃ恥ずかしいな。
「くぅっ! 年季の差が出てしまいましたわ!」
フィアナは悔しそうに俯く。
「よし、さっそく修行開始だ!」
セリカのネグリジェを、パンツが見えそうで見えないギリギリのところまで、風魔法の気流操作でめくり上げる。
脳髄が焼けるような凄まじい興奮に、思わずガン見してしまう。
「ああっ、いい! ヴァイス君に、好きな人に見られていると思うと興奮しちゃう!」
セリカが身体を大きく震わせた。
それによって気流操作の絶妙な計算が狂い、セリカの白いパンツがチラっと、見えてしまった。
くっ。動かない蝋燭とは異なり、少女を相手にする場合は、動くことも計算に入れないとダメということか。
なんと難しい。そして、奥深い。
いや。考えてみれば、俺──ヴァイスは学園の女子生徒相手に毎日、これをやっていたじゃないか。そうだ、俺ならできる。
考えろ。思考を止めるな。
「ヴァイス君、もっと私を見て! 私だけを! あぁぁあんっ! 見られて興奮するなんて、私って、こんなにも変態だったんだわ!」
セリカが壁に手を付き、俺にお尻を突き出すようなポーズを取った。もっと、俺に見てもらいたいということらしい。
うっ。かわいい。セリカは、俺のことがこんなにも好きなんだな。今日一日で、セリカとの絆がとても深まったのを感じる。
もっと、見たい。しかし、見てはいけない。
その葛藤の中で、集中力が研ぎ澄まされ、俺の気流操作はさらに上の段階へと到達する。まるで、俺が風そのものになったかのような感覚。
その中で気付いた。
そうだ。俺はこの見えそうで見えないチラリズムが好きなのだ。愛していると言っても過言ではない。
くっ、これこそが俺の本質、父上が言っていた目を逸らしたくなるほど醜い、歪んだ欲望というヤツか。
「だけど、俺は決して目を逸らさず、受け入れてみせますよ父上」
それがセリカを。俺の大切な人を守る力を得ることに繋がるなら。
「な、なんですのコレは!? まさか、スカートめくりが風魔法の奥義へと至る道!?」
フィアナが目を見開いた。
「なら、わたくしにも協力できますわ! ヴァイスさん、次はわたくしのスカートをめくってくださいな!」
「何をおっしゃっているんですかフィアナ様。この私だって、ヴァイス兄様にいくらお願いしてもスカートをめくっていただけないのですよ。兄様にスカートをめくっていただく名誉を得たいなんて、婚約破棄したクセにおこがましいです!」
エレナが、フィアナを叱りつけた。
いや、なんだって、俺にそんなにスカートめくりをして欲しいのかわからない。
この2日目の修行を通して、俺は未完成ながらも、風魔法の奥義【空気抵抗ゼロ】を使えるようになった。
決戦での大きな切り札になるハズだ。
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