強さがすべての魔法学園の最下位クズ貴族に転生した俺、死にたくないからゲーム知識でランキング1位を目指したら、なぜか最強ハーレムの主となった!

こはるんるん

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2章。学園のナンバー1を目指す

12話。王女と同じ部屋で寝るハメになる

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「アルバン様、じゃあ明日から、私とヴァイス君は王宮の同じ部屋で、寝泊まりするということで良いかな?」
「はっ。それが国王陛下と王女殿下のお望みとあれば……ヴァイスの修行は王宮でもつけられますからな」

 父上はセリカに頭を下げた。
 あまりの衝撃に、俺は心臓が止まりそうになった。

 ……えっ、それって、つまり、そういうことだよな?

 いやいや、恋人になったにしても、性急過ぎるでしょうが!

 しかし、セリカをガードし、俺の身の安全をはかる上でも、同じ部屋で寝泊まりすることは必要だ。

 俺は興奮で沸騰しそうになる頭をフル回転させ、ギリギリの妥協点を探す。

「セリカ、結婚するまではプラトニックな関係でいよう! 寝室は同じにするけど、同じベッドで寝るとかは絶対になし! キスも絶対にNG!」

 俺は必死に手を合わせてお願いした。
 セリカのことを本気で愛してもいないのに、キスするなんて、不誠実すぎる。まして、その先のピーとか、想像しただけで鼻血が吹き出てしまいそうだ。

「えっ、恋人同士なのに……?」

 セリカは不安そうな顔をする。

「そんなことをしなくても、俺はセリカを裏切ったりしない。 約束は必ず守るから安心してくれ」

 俺はセリカが一番欲しがっているであろう言葉をかけた。
 セリカは他人から裏切られることを一番恐れる人間だ。

 すぐに、俺を完全に信頼しろと言っても無理だろうが、徐々に信頼してもらえるように努めていかねばならない。

 ……だが、成り行き上、仕方がないとはいえ、セリカを騙す形になってしまったのは心苦しいな。

 王妃とジゼルを倒すことに成功したら、プロポーズはセリカの勘違いだったことをキチンと説明して、いったん恋人関係は解消しよう。

 俺はゲームで大好きだったセリカとは、できれば誠実に向き合いたいんだ。

 もし真実を告げる瞬間が来て、それでもお互いに恋人でいたいと思えるなら、恋人でいれば良いと思う。

 もしかすると、セリカはビックリしてしまうかも知れないが……その際は、ちゃんと謝ろう。きっと、わかってくれると思う。

 それまで、エッチなことは絶対にしないようにしなくちゃな。
 よし、がんばるぞ、俺!

「そうですぞ王女殿下。これぞ、まさしく騎士道精神! 真に王女殿下を愛していなければ出てこない言葉です。ますます見直したぞヴァイスよ。お前こそ、次代の【栄光なる騎士グロリアスナイツ】にふさわしい!」

 父上は快哉を叫んだ。

「そ、そうなの。そういうことなの? やっぱりヴァイス君は、私のことが本気で好きなんだね!?」

 こ、この質問は返答に困るな。

「俺はセリカを大事にしたいから、今はまだキスしたりしないんだ」
「わ、わかったわ。そういうことなら!」

 セリカはパッと顔を輝かせた。

「あぁっ、ヴァイス君って、本当に素敵な人だわ。こんなにも私を愛して、大事にしてくれる人に巡り合えるなんて、思ってもみなかった!」

 えっ。いや、ちょっと誤解なんですが。
 だが、今、この段階で、誤解ですなどとは言えない。
 言ったら何もかもぶち壊しで、俺もセリカも多分、破滅する。

「でも、恋人同士なんだから、これからは手を繋いで学園に通おうよね! それから、ハグもいっぱいして欲しい。それくらいは当然だし、良いでしょう? 私、ヴァイス君の温もりをちょっとでも感じていたいんだ」
「あっ、ああっ、そうだな……うん、それくらいなら」

 俺は困惑しつつも、頷いた。
 さずかに恋人同士という関係上、これはしなくてはならないだろう。

 恋愛初心者の俺にとって、美少女と手を繫いで歩く場面を想像しただけでも、脳汁が出てきてしまう。

 それに、ハグって、要するに抱き締め合うということだよな? ヨーロッパ文化圏では、親愛の証としてやるものだし、これはギリギリOKか?

 うぉ。こんな青春ドラマみたいな日々が来るなんて、夢みたいだ。

 しかも明日からは、セリカと同じ部屋で寝泊まりするなんて……

 ヤ、ヤバい、今夜から、しばらく興奮で寝れなさそうだ。
 これを克服するには。

「父上、修行! 修行をとにかくビシバシつけてください! ぶっ倒れるくらいに!」
「うむ、素晴らしい! 任せておけヴァイスよ!」

 俺と父上は、ガシッと固く手を握り合った。

「そんな……性欲の化身とも言うべきヴァイス兄様が、プラトニックな関係でいよう!?」

 エレナは何か考え込んだ様子だった。
 
「も、もしかして、ヴァイス兄様が急にお変わりになられたのは、セリカ様に本気の恋をしたから……? 真摯にセリカ様を愛し、ま、守り抜こうと……?」

 エレナは深刻そうに呟く。
 それから、何かを断ち切るように絶叫した。

「わ、わかりました! それがヴァイス兄様のお望みなら、く、悔しいですが、このエレナ・シルフィード、全力で二人の恋を応援いたします!」

 な、なにか周囲の勘違いが、取り返しのつかない状況になっている気がするが……
 とにかく、今は修行に打ち込むのが先決だ!
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