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3章。国王との決戦

49話。神域の一撃

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「ほう、おもしろい。では、剣聖を超えし、余の秘剣を見せてやろう」

 シュナイゼルも腰を落として、ボクたちは鏡合わせのように同じ構えを取る。
 膨れ上がる闘気がぶつかり合い、王座の間を震わせた。

「エリザ! スキルを使わせてもらうぞ!」

「はっ! ルカ様、ご存分に!」

 エリザのスキル【巨人の力(タイタンパワー)】を共有、発動する。
 筋力の能力値を10秒だけ10倍アップするスキルだ。

『ルカ様、わたくしもお力添えしますわ!』

 さらにアンジェラのスキル【魔法ブーストA】を共有、発動。【筋力強化(ストレンクス・ブースト)】のバフ魔法を自分にかけて、筋力を限界以上まで引き上げる。

「……つうっ!」

 無茶な筋力強化のため、全身のあちこちの筋繊維が破断し、骨が軋む。スキルと魔法のありえない重ねがけの代償は、想像以上だった。

 だが、ボクのスキル【コピー復元】は、それらのダメージを瞬時に回復した。

「ほう、なるほど。すさまじい力だ」

 シュナイゼルが賞賛の吐息を漏らす。
 瞬間的に、ヤツ以上の能力値を得れば、必ず競り勝てる。それがボクの狙いだった。

「これで筋力はお前を超えたハズだ!」

 激痛の中、ボクは自分を奮い立たせる。この一撃が通用しなければ、もはや打つ手はない。
 この一撃にすべてを込めて、ヤツを倒す。

「そうだ。それでこそ、倒しがいがあるというものだ……!」

 シュナイゼルも覇気をみなぎらせる。
 ボクたちは、踏み込むや剣閃を同時に放った。

「変移抜刀【二天刃】!(へんいばっとう、にてんじん)」

 斬撃を複製した!? 一瞬、息を呑む。
 シュナイゼルが繰り出した【天破雷神閃】がふたつに分裂した。

 刃のひとつはボクの首を。もうひとつは、ボクの弱点である呪いの腕輪めがけて疾走する。

 シュナイゼルのスキル【複製】を攻撃に応用した、まさに超絶の絶技だった。

 永遠にも引き伸ばされる刹那の瞬間。それは起きた。

『私の力もお使いください!』

=========

イルティアのスキル【光翼(シャイニング・フェザー)】を共有します。

同スキルは、すでに保有していたため、統合、進化しました。

 スキル効果が、全能力値6倍アップにパワーアップ!

=========

 ボクの剣は光となって加速した。

「ぉおおおおっ!」

 師匠から、いや父さんから受け継いだ【天破雷神閃】をシュナイゼルに叩き込む。

 王座の間を衝撃派が突き抜け、支柱が弾け飛び、床が裂けた。

 シュナイゼルの秘剣は、ボクに届かなかった。ヤツは、仰向けに地面に倒れた。
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