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第9話 お姫様なの?
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***
翌朝、携帯の着信音で目を覚ます葵。
「……ん。こんな朝早くに誰だ?
あ、蓮……もしもし」
携帯画面に表示されていたのは昨日連絡先を交換したばかりの蓮だった。
「今起きたのか? 昨日別れた場所にいる。早く来いよ」
それは迎えに来たことを知らせる電話だった。
「ごめん。今から準備するから先に行って」
「だから……昨日言っただろ? お前は俺らが守る。行動は共にしろ!」
「……すぐ準備する」
葵は眠たい目を擦りながら準備をした。
準備といっても、化粧はしない為、着替えて顔を洗い歯を磨いたら終了だ。
「蓮どこだ?」
急いで昨日別れた場所に来たが単車も蓮の姿も見当たらなかった。
「おい!」
「うわっ! びっくりした!」
突然声をかけられ驚く葵。
ベンツの後部座席の窓から顔を出していたのは蓮だった。
「色気のねぇ声。早く乗れ」
「うるさいな。車なんだ」
葵は言われるがまま後部座席に乗り込む。
「ああ。ほら、メシ。朝食わない派なら別にいいけど」
「……ありがとう」
「おう」
葵に礼を言われ照れる蓮。
蓮が渡したのはどこかのコンビニ買ってきたであろう、おにぎりだった。
「到着しました」
学校に着く頃にはおにぎりは食べ終えており、凌の言葉を合図に2人は車を降りた。
校門から少し離れた所で降りた2人。
人通りが少なかったはずが、校門に近づくにつれ、まばらに人が増えてくる。
「(相変わらず、壁の落書きすごいな……)」
元々たくさんの落書きがされていた校舎だが、
真新しいスプレーの落書きもあった。
「ねえ、なんか凄い見られるんだけど。やっぱり蓮と歩いてるから?」
校門を抜けると登校してきた生徒たちの視線が刺さる。
「違うだろ。お前だよ。久しぶりに女が転校してきたから嬉しいんだろ」
「え、あたし?」
「ああ。俺ら1年が入学した時は女が5人くらいいたからな」
「5人……みんなすぐ辞めたの?」
「長くて1週間だな。早いやつだと入学したその日に辞めたらしい」
元々は不良も通うような男子校。
入学してきた女子生徒達は日々恐怖と隣合わせだった。
いつ襲われてもおかしくない状況に耐えられなくなり、入学した5名の女子生徒は皆自主退学となった。
「まあ、見た目がこんなんだと辞めたくもなるよね」
「(普通の子なら……あたしは慣れてるから平気だけど)」
「葵は大丈夫なのか?」
「あたしは全然平気」
「変な女」
蓮はそう言うと鼻で笑った。
靴を履き替え教室へ。
1年生の教室は4階。そこに辿り着くまで、至る所に生徒が屯していた。
「あれ、噂の転校生じゃね?」
「めっちゃ可愛いじゃん。声かけてみるか」
「やめとけ。あの子と一緒にいるの相葉だぞ」
「じゃあ白狼のお姫様かよ」
「なんだ、残念」
廊下にいた男3人組は蓮を見るなりそそくさと逃げていった。
「ねえ、あたしお姫様なの? みんなの重荷になってない?」
「まあ、お姫様でもなんでもいいんじゃね。重荷にはならないから気にするな」
「そっか。ありがとう」
教室に入ると昨日は所々空いていた席がうまっていた。
「え、テスト?」
席に着いた葵は黒板に目を向け驚いた。
転校してきた次の日が期末テストだということに──
翌朝、携帯の着信音で目を覚ます葵。
「……ん。こんな朝早くに誰だ?
あ、蓮……もしもし」
携帯画面に表示されていたのは昨日連絡先を交換したばかりの蓮だった。
「今起きたのか? 昨日別れた場所にいる。早く来いよ」
それは迎えに来たことを知らせる電話だった。
「ごめん。今から準備するから先に行って」
「だから……昨日言っただろ? お前は俺らが守る。行動は共にしろ!」
「……すぐ準備する」
葵は眠たい目を擦りながら準備をした。
準備といっても、化粧はしない為、着替えて顔を洗い歯を磨いたら終了だ。
「蓮どこだ?」
急いで昨日別れた場所に来たが単車も蓮の姿も見当たらなかった。
「おい!」
「うわっ! びっくりした!」
突然声をかけられ驚く葵。
ベンツの後部座席の窓から顔を出していたのは蓮だった。
「色気のねぇ声。早く乗れ」
「うるさいな。車なんだ」
葵は言われるがまま後部座席に乗り込む。
「ああ。ほら、メシ。朝食わない派なら別にいいけど」
「……ありがとう」
「おう」
葵に礼を言われ照れる蓮。
蓮が渡したのはどこかのコンビニ買ってきたであろう、おにぎりだった。
「到着しました」
学校に着く頃にはおにぎりは食べ終えており、凌の言葉を合図に2人は車を降りた。
校門から少し離れた所で降りた2人。
人通りが少なかったはずが、校門に近づくにつれ、まばらに人が増えてくる。
「(相変わらず、壁の落書きすごいな……)」
元々たくさんの落書きがされていた校舎だが、
真新しいスプレーの落書きもあった。
「ねえ、なんか凄い見られるんだけど。やっぱり蓮と歩いてるから?」
校門を抜けると登校してきた生徒たちの視線が刺さる。
「違うだろ。お前だよ。久しぶりに女が転校してきたから嬉しいんだろ」
「え、あたし?」
「ああ。俺ら1年が入学した時は女が5人くらいいたからな」
「5人……みんなすぐ辞めたの?」
「長くて1週間だな。早いやつだと入学したその日に辞めたらしい」
元々は不良も通うような男子校。
入学してきた女子生徒達は日々恐怖と隣合わせだった。
いつ襲われてもおかしくない状況に耐えられなくなり、入学した5名の女子生徒は皆自主退学となった。
「まあ、見た目がこんなんだと辞めたくもなるよね」
「(普通の子なら……あたしは慣れてるから平気だけど)」
「葵は大丈夫なのか?」
「あたしは全然平気」
「変な女」
蓮はそう言うと鼻で笑った。
靴を履き替え教室へ。
1年生の教室は4階。そこに辿り着くまで、至る所に生徒が屯していた。
「あれ、噂の転校生じゃね?」
「めっちゃ可愛いじゃん。声かけてみるか」
「やめとけ。あの子と一緒にいるの相葉だぞ」
「じゃあ白狼のお姫様かよ」
「なんだ、残念」
廊下にいた男3人組は蓮を見るなりそそくさと逃げていった。
「ねえ、あたしお姫様なの? みんなの重荷になってない?」
「まあ、お姫様でもなんでもいいんじゃね。重荷にはならないから気にするな」
「そっか。ありがとう」
教室に入ると昨日は所々空いていた席がうまっていた。
「え、テスト?」
席に着いた葵は黒板に目を向け驚いた。
転校してきた次の日が期末テストだということに──
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