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出会い〜天上界へ
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あ~…目が霞む……声も…出ない…身体…重……っ…
「……声は…聞こえてるはずです……」
「瑠佳!」
「瑠佳、お母さんよ!」
あ…父さん、母さん来れたんだぁ…
「瑠佳くん……っ…!」
おばさん、ゴメンね……俺も先に逝っちゃって…
人間、聴力は最後の方まで残るってホントだなぁ…元々痛みは無かったけど…怠さや気持ち悪さはもうないや……良かったぁ…最期はこの人は入れてって、メモしたの…看護師さん分かってくれたんだ。
こういうのって血縁者以外は入れないって言うしさ。
でもやっぱ、別れるギリギリまでいたいじゃん?
「やぁっ!………瑠……っ…佳…………」
「…………!」
耳も駄目になったかぁ~…あれ?身体が異様に軽くなってきた。
___フワッ…___
あれ?この匂い……
「…ルカ。」
このスパイスが入った香り…俺を呼ぶ声……
「迎えに来た。」
迎え?
「手を伸ばして。」
……ん~…っ……手ぇ…上がらないよ、無理だよぉ……
「フッ…出来るよ、頑張れ。」
そんな、赤ちゃんみたいに『アンヨは上手』みたいなあやし方、止めてよね。
「クスクス…じゃあ…仕上げだ。」
___ピ──────………___
俺が引き上げられてアルさんの胸に飛び込んだと同時に、俺の心臓は止まり………身体は抜け殻となった。
「…やっぱり…アルさん?」
顔を上げると白いスーツを着たアルさんに………何これ……コスプレ?
「……っ…痛っ……ルカ…これ一応本物だから…」
「えっ⁉あっ…ゴメン!」
背中にある白くて大きな羽根は今日の青空に合って、まるで撮影中と言われてもおかしくない格好だ。
「似合わないかな?」
「ううん、似合い過ぎてて…でも何で?」
何でアルさんの声は聞こえて、下にいる俺の亡骸に向かって泣いてるみんなの声は聞こえないんだろう?
「…あぁ、ちょっと話したかったから今は防音の魔法を掛けたんだ。それよりルカ、落ち着いてるな。」
「えっ…いやっ……驚いてるよ?うん…ただ、死んだことより…あ…俺、死んでるよね?それよりアルさんに驚いてる。」
「それについては追々話すよ。君は癌で亡くなったんだよ。若かったから進行が早かったんだ。」
「うん、病気は先生に聞いたから知ってる。」
下を見ると母さんとおばさんが大泣きしてる。
「下に行ってみる?」
「…うん。」
アルさんに手を差し伸べられて一緒にフワリと降りていく。
近くへ行くとほんの少し、声が聞こえた。
『頑張ったね、もう…辛くないね。』
母と父が泣きながら俺の頬をさすってキスをする。
『………愛してるよ………』
そうだ、ウチは根っからの日本人の家系なのに『愛してる』は日常で使われていた。
窓の外で話しているような、少し抑えた声だったけど…うん、ちゃんと聞こえたよ。
「ねぇ、アルさん。」
「何だ?」
「俺の声って…届かないよね。」
「そうだな、お盆でもないしな…でも…」
アルさんは手を上げて少し呪文らしき言葉を唱えた。
___フワッ…___
「……っ!瑠佳⁈」
俺の気持ちが入った風が両親やおばさんの周りに吹いていく。
あ、俺って分かってくれたんだ。
愛してるよ…母さん、父さん…
ゴメンね、おばさん…看取ってくれてありがと。
みんなが窓を向いている。
フフッ、俺……廊下側にいるんだけどなぁ。まぁ、幽霊ってこんなもんか。
「じゃぁ…ちょっと上に行く前に、屋上に行こうか。」
「どうしたら良いの?」
俺、フワフワ浮いて安定し辛いんだよね。
「おいで。」
アルさんが両手を広げた。
何となく胸にすっぽり収まるのが正解な気がしてそのままアルさんに抱き着いて、目を開けると屋上だった。
「ルカ、俺の仕事…知りたかったよね。」
___バサッ!___
晴れた日に映える、大きな綺麗な白い羽根。
「…天使?」
「ルカが思ってる天使とは…ちょっと違うかも…だけどな。」
「俺を連れてくの?」
「俺の本来の役目ではないんだが…ちょっとルカに紹介したい人がいてね、まずは天上界に行こうか。」
俺は再びアルさんに抱き着いて移動したけど…あれ、天上界に行くって言ったよね?
到着した場所は、どこかの撮影場所に連れて行かれたのかと疑うような…真っ白で綺麗な場所だけど……
___どう見ても、綺麗な市役所だった___
************
「いらっしゃいませ、天上界へようこそっ!本日貴方のご案内を担当致しますミキエルと申します。これから…っ⁉……アルエル様っっ?」
テンション高くノートサイズのタブレット片手に白いスーツを着た天使が、アルさんを見て固まった。
「すまない、この子は俺が地上で知り合った子でね。ちょっと審査を飛ばしてゼスに会わせたいんだけど…無理かな?」
「それは「無理に決まってるだろ、馬鹿者が!」」
ド緊張な天使の後ろから、髪の長い大天使の雰囲気を醸し出してる天使がやってきた。
あ、高そうなローブみたいなものを羽織ってるから上司かな?
うん、この顔で平社員とかないよね。絶対、課長以上だ。
「ゼス、問題ない。この子は…」
「馬鹿者、物事には順序ってものがあるだろう。この子は天上界に来たばかりで何も状況を把握してないんだぞ。お前の都合で混乱させるな。すまないね、高木 瑠佳さん。」
「いえ、アルさんにはとてもお世話になってましたから。お迎えもアルさんで本当に良かったです。俺の事はさん付けは結構です。どうぞルカと呼んで下さい。」
「気を遣わせてすまない。では、お言葉に甘えよう。私はゼスルス…私もゼスで良い、よろしく頼む。」
そう言うとゼスさんは俺に真っ白なタブレットを見せた。
「今日こちらに来るという報告は上がっていたし君の情報はこちらに届いているよ。ほら、君の世界で言うクラウドで共有だから、最初の手続きはタブレットだけで事足りる。昔は全て手書きでの管理で魔法の力の消費が大変だったけど、今はこの世界もシステム化の途中でね。理想を追求したら……この通り、君の世界で言う市役所のようになったんだ。」
うん、本当に市役所だ。
周りを見ると……
「はぁい、受付はこちらです!」
「失礼致します、番号札をお渡し致します。少々お待ち下さい。」
「はい、では次はこちらの課までお願いします。」
……今『課』って言ったよね?
ちょっと…市役所というより…何だろ…セレブな健康診断?のサロン??俺の想像力が追いつかない。
「では…はい……センターへ、ご移動を…」
「センター?」
「あぁ、後で君にも紹介するよ。でもますは…天上界に慣れようね。」
見た目は綺麗過ぎて冷たそうだったけど、話すと凄く優しそうな人だ。
こんな上司が欲しかったなぁ。
「ルカ、取り敢えず一通りの手続きを済ませておいで。今の天上界は君達の世界の文献とは少し違うと思うよ。ミキエル、頼んだよ。」
「あの…ゼスルス様ぁ。」
「俺がアテンドする。」
「アル、お前の役目は違うだろ。ローブを羽織って上に進捗報告だ。」
「ルカ、大丈夫か?」
顔には『引き留めて』って書いてる気がする。
「お仕事あるんでしょ?俺はミキエルさんがいるから大丈夫だよ。ゼスさん、俺…またアルさんに会えるんですよね?」
「あぁ、もちろんだ。」
「じゃぁ、行かなきゃ。お仕事大事だよ。」
「…と、いう事だ。ルカの方が余程分かってる。行ってこい。」
「……分かった…怖い思いとかさせるなよ。」
「ひゃっ!」
「ミキエルを怖がらせるな、早く終われば早くルカに会えるんだぞ?」
「ミキエル…怖い思いをさせた、すまない。」
「いぇっ。」
謝罪をされてもミキエルはガタガタと震えていた。
「ルカ…」
フワッと、アルさんが俺を優しく抱き締める。
「初めての場所で不安だろう…何かあったらすぐに呼ぶんだぞ?俺はどんなことをしても助けに行くからな。」
「フフッ、アルさんってば。俺、そんな小さな子供じゃないよ。」
アルさんが少し寂しそうに俺から離れ、俺はミキエルさんに案内してもらうことになった。
「……声は…聞こえてるはずです……」
「瑠佳!」
「瑠佳、お母さんよ!」
あ…父さん、母さん来れたんだぁ…
「瑠佳くん……っ…!」
おばさん、ゴメンね……俺も先に逝っちゃって…
人間、聴力は最後の方まで残るってホントだなぁ…元々痛みは無かったけど…怠さや気持ち悪さはもうないや……良かったぁ…最期はこの人は入れてって、メモしたの…看護師さん分かってくれたんだ。
こういうのって血縁者以外は入れないって言うしさ。
でもやっぱ、別れるギリギリまでいたいじゃん?
「やぁっ!………瑠……っ…佳…………」
「…………!」
耳も駄目になったかぁ~…あれ?身体が異様に軽くなってきた。
___フワッ…___
あれ?この匂い……
「…ルカ。」
このスパイスが入った香り…俺を呼ぶ声……
「迎えに来た。」
迎え?
「手を伸ばして。」
……ん~…っ……手ぇ…上がらないよ、無理だよぉ……
「フッ…出来るよ、頑張れ。」
そんな、赤ちゃんみたいに『アンヨは上手』みたいなあやし方、止めてよね。
「クスクス…じゃあ…仕上げだ。」
___ピ──────………___
俺が引き上げられてアルさんの胸に飛び込んだと同時に、俺の心臓は止まり………身体は抜け殻となった。
「…やっぱり…アルさん?」
顔を上げると白いスーツを着たアルさんに………何これ……コスプレ?
「……っ…痛っ……ルカ…これ一応本物だから…」
「えっ⁉あっ…ゴメン!」
背中にある白くて大きな羽根は今日の青空に合って、まるで撮影中と言われてもおかしくない格好だ。
「似合わないかな?」
「ううん、似合い過ぎてて…でも何で?」
何でアルさんの声は聞こえて、下にいる俺の亡骸に向かって泣いてるみんなの声は聞こえないんだろう?
「…あぁ、ちょっと話したかったから今は防音の魔法を掛けたんだ。それよりルカ、落ち着いてるな。」
「えっ…いやっ……驚いてるよ?うん…ただ、死んだことより…あ…俺、死んでるよね?それよりアルさんに驚いてる。」
「それについては追々話すよ。君は癌で亡くなったんだよ。若かったから進行が早かったんだ。」
「うん、病気は先生に聞いたから知ってる。」
下を見ると母さんとおばさんが大泣きしてる。
「下に行ってみる?」
「…うん。」
アルさんに手を差し伸べられて一緒にフワリと降りていく。
近くへ行くとほんの少し、声が聞こえた。
『頑張ったね、もう…辛くないね。』
母と父が泣きながら俺の頬をさすってキスをする。
『………愛してるよ………』
そうだ、ウチは根っからの日本人の家系なのに『愛してる』は日常で使われていた。
窓の外で話しているような、少し抑えた声だったけど…うん、ちゃんと聞こえたよ。
「ねぇ、アルさん。」
「何だ?」
「俺の声って…届かないよね。」
「そうだな、お盆でもないしな…でも…」
アルさんは手を上げて少し呪文らしき言葉を唱えた。
___フワッ…___
「……っ!瑠佳⁈」
俺の気持ちが入った風が両親やおばさんの周りに吹いていく。
あ、俺って分かってくれたんだ。
愛してるよ…母さん、父さん…
ゴメンね、おばさん…看取ってくれてありがと。
みんなが窓を向いている。
フフッ、俺……廊下側にいるんだけどなぁ。まぁ、幽霊ってこんなもんか。
「じゃぁ…ちょっと上に行く前に、屋上に行こうか。」
「どうしたら良いの?」
俺、フワフワ浮いて安定し辛いんだよね。
「おいで。」
アルさんが両手を広げた。
何となく胸にすっぽり収まるのが正解な気がしてそのままアルさんに抱き着いて、目を開けると屋上だった。
「ルカ、俺の仕事…知りたかったよね。」
___バサッ!___
晴れた日に映える、大きな綺麗な白い羽根。
「…天使?」
「ルカが思ってる天使とは…ちょっと違うかも…だけどな。」
「俺を連れてくの?」
「俺の本来の役目ではないんだが…ちょっとルカに紹介したい人がいてね、まずは天上界に行こうか。」
俺は再びアルさんに抱き着いて移動したけど…あれ、天上界に行くって言ったよね?
到着した場所は、どこかの撮影場所に連れて行かれたのかと疑うような…真っ白で綺麗な場所だけど……
___どう見ても、綺麗な市役所だった___
************
「いらっしゃいませ、天上界へようこそっ!本日貴方のご案内を担当致しますミキエルと申します。これから…っ⁉……アルエル様っっ?」
テンション高くノートサイズのタブレット片手に白いスーツを着た天使が、アルさんを見て固まった。
「すまない、この子は俺が地上で知り合った子でね。ちょっと審査を飛ばしてゼスに会わせたいんだけど…無理かな?」
「それは「無理に決まってるだろ、馬鹿者が!」」
ド緊張な天使の後ろから、髪の長い大天使の雰囲気を醸し出してる天使がやってきた。
あ、高そうなローブみたいなものを羽織ってるから上司かな?
うん、この顔で平社員とかないよね。絶対、課長以上だ。
「ゼス、問題ない。この子は…」
「馬鹿者、物事には順序ってものがあるだろう。この子は天上界に来たばかりで何も状況を把握してないんだぞ。お前の都合で混乱させるな。すまないね、高木 瑠佳さん。」
「いえ、アルさんにはとてもお世話になってましたから。お迎えもアルさんで本当に良かったです。俺の事はさん付けは結構です。どうぞルカと呼んで下さい。」
「気を遣わせてすまない。では、お言葉に甘えよう。私はゼスルス…私もゼスで良い、よろしく頼む。」
そう言うとゼスさんは俺に真っ白なタブレットを見せた。
「今日こちらに来るという報告は上がっていたし君の情報はこちらに届いているよ。ほら、君の世界で言うクラウドで共有だから、最初の手続きはタブレットだけで事足りる。昔は全て手書きでの管理で魔法の力の消費が大変だったけど、今はこの世界もシステム化の途中でね。理想を追求したら……この通り、君の世界で言う市役所のようになったんだ。」
うん、本当に市役所だ。
周りを見ると……
「はぁい、受付はこちらです!」
「失礼致します、番号札をお渡し致します。少々お待ち下さい。」
「はい、では次はこちらの課までお願いします。」
……今『課』って言ったよね?
ちょっと…市役所というより…何だろ…セレブな健康診断?のサロン??俺の想像力が追いつかない。
「では…はい……センターへ、ご移動を…」
「センター?」
「あぁ、後で君にも紹介するよ。でもますは…天上界に慣れようね。」
見た目は綺麗過ぎて冷たそうだったけど、話すと凄く優しそうな人だ。
こんな上司が欲しかったなぁ。
「ルカ、取り敢えず一通りの手続きを済ませておいで。今の天上界は君達の世界の文献とは少し違うと思うよ。ミキエル、頼んだよ。」
「あの…ゼスルス様ぁ。」
「俺がアテンドする。」
「アル、お前の役目は違うだろ。ローブを羽織って上に進捗報告だ。」
「ルカ、大丈夫か?」
顔には『引き留めて』って書いてる気がする。
「お仕事あるんでしょ?俺はミキエルさんがいるから大丈夫だよ。ゼスさん、俺…またアルさんに会えるんですよね?」
「あぁ、もちろんだ。」
「じゃぁ、行かなきゃ。お仕事大事だよ。」
「…と、いう事だ。ルカの方が余程分かってる。行ってこい。」
「……分かった…怖い思いとかさせるなよ。」
「ひゃっ!」
「ミキエルを怖がらせるな、早く終われば早くルカに会えるんだぞ?」
「ミキエル…怖い思いをさせた、すまない。」
「いぇっ。」
謝罪をされてもミキエルはガタガタと震えていた。
「ルカ…」
フワッと、アルさんが俺を優しく抱き締める。
「初めての場所で不安だろう…何かあったらすぐに呼ぶんだぞ?俺はどんなことをしても助けに行くからな。」
「フフッ、アルさんってば。俺、そんな小さな子供じゃないよ。」
アルさんが少し寂しそうに俺から離れ、俺はミキエルさんに案内してもらうことになった。
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