乙女ゲームの攻略対象に転生したのは良いが、相手は聖女ではなくイケメンに成長した神子でした

mana.

文字の大きさ
8 / 22

8☆

しおりを挟む
___カチャ___

「あれ…俺も飲みすぎたかなぁ~。」

おかしい、ランディを介抱しながらきたつもりが俺の足がふらついてきた。

「そうだね。あ、水飲む?」

「そうだなぁ…」

少しフラフラしながら水場へ行き、カップに水を注いでランディに渡した。
次に自分のも入れて飲もうとしたら何故か飲めない。

「あれ~…手に力…入んね…」

「大丈夫?」

「ん~、大丈夫…じゃない…かも?」

ランディの酔いは覚めてきたのか、足取りはしっかりとしていて安心したけど…俺はやっぱり飲みすぎたかも。

「……貸して。」

ランディが俺のカップを手に取り、口に含むと俺の顔に近付いて唇が合わさった。

「…ん………んっ……」

___コク…___

少し生暖かい水が喉を通っていった。

「……飲めたね…」

……美味い……

「なぁ…もっと…」

普段なら言わないのに、何でかもっと欲しくなった。

「ん…良いよ…」

「……っ……んんっ……」

腰を引き寄せられてランディの舌がさっきより深く俺の咥内に入って来て、ピリッと不思議な気持ち良さを感じた。

コイツ…カルロが好きだから…こういう事しちゃダメだよなぁ…

「んぁ……ゴメ…好きなヤツに悪いなぁ。」

「ううん、大丈夫……悪くないから。」

「そう…か…?じゃ……もっと…くれよ…」

「喜んで……」

いかん、眠くて考えがまとまらない。
でも本人が良いってんなら大丈夫か?

俺はその後眠ってしまったらしく、気付いたら次の朝だった。


___チチチチチ…___


あぁ、今日も良い日だ。
この世界は台風や暴風などは全くない。
基本気候の良い毎日だ。
俺は冬の守護者だけど、この春の穏やかな木漏れ日や夏の様な爽やかな風と共に来る陽の光を感じる朝が大好きだ。

「………ん……」

そう……ランディの様なこの………ん゛ん゛ぅ゛っ⁉

「おはよ…アドル。」

目を開けたらキラキラした神子ランディがいて、俺は一気に昨日の失態を思い出した。


___ガバァッ!___



「もっ…」

「も?」

昨日の事が走馬灯の様に一瞬で掛け巡る。

「昨日は大変っ失礼致しましたぁぁあっ‼」

ベッドの上でのジャパニーズ・土下座☆
ここでは通用するのかな?

「えぇえ?どうしたの、急に謝って!」

あ、通じた。

「昨日はゴメン!俺……お前にあんな事……お前はカルロの事好きなのに、あんな事して最低だったよな!」

弟みたいに大事にしてたのに、コイツにこんな冗談でもしちゃいけないと思わせるのはきっとゲームの主人公、神子だからかもしれない。

「俺がカルロを好き?」

「そうだろ?俺とカルロが2人で食事してたら嫌がるじゃんっ。それにカルロの話もよく聞くし…」

「あぁ、それは……アドル、取り敢えず顔を上げて。」

ランディに促されて俺は顔を上げ、向かい合わせで座った。

「…まずはいくつか質問したいんだけど、誰が誰を好きって?」

「え、お前がカルロを。」

「それは違います。」

何故敬語?

「あと、カルロの話はアドルがしてるんでしょ?」

「あっ、そっか。」

「じゃあ、次の質問。アドルはカルロが好きなの?」

「…は?」

「だって、アドルが卒業してから全く会えなかったのに俺はカルロからアドルの話ばかり聞いてたよ。カルロと一緒にいる時間が長かったよね?」

「まぁ、カルロは趣味の菜園と剣術の相手で丁度良いし、リナルドは基本引き籠もりでルビアンは神官関係で忙しく動いているからなぁ。アイツ剣術は俺より弱いし。」

しかもルビアンはジャンク系苦手なんだよな。
結局王宮内では他の守護者と連携しながら過ごすので、必然的に暇…いや、仕事や趣味の合うカルロと一緒になってしまう。


___ギシッ___


「…で、好きなの?」

ん?

「ランディ、近い。」

「答えて。」

「好き…だけど、それは仲間としてだよ。恋愛感情はねぇよ。」

「……そう。」

何なんだよ。

「じゃあ、最後の質問ね。」

「おぅ。」

「俺の事…好き?」

___オレノコト…スキ?___

「おぅ、好きだぞ。」

仲間として大好きだ。
もちろん弟分としてもな。

「……じゃあ……」

___ドサッ___

「…っ……んっ。」

___チュ___

「……俺とこうするの…駄目?」

「☆※○⁉」

何それどういう事⁉

「俺、かなりアピールしたつもりなんだけど……昨日俺からキスしたの忘れた?俺……こういう意味でアドルの事…好きなんだけど…」

___スルッ…___

「に゛ゃあ゛っ!」

服の下に手を入れらてて下腹を撫で上げられる。
ビクッと、身体が反応して変な声が出た。
情報過多で頭が付いていけないっつ~のっ!
混乱しながら言葉を探していたら、ランディが先に口を開いた。

「プッ…にゃあっ…て……」

「な゛っ…何だよっ!お前が変なとこに手を入れるからだろっ!」

肩を震わせて笑いながらランディが離れてくれた。
もぅ、何なんだよっ!本当にっ‼

「ゴメン…でも、好きなのは本気だから。」

「ランディ。」

「アドルの事、本当に好き。だから俺と付き合って欲しい。」

えぇえ……やっぱりゲームのまま行くんですか~?

………ハッ…それって…BL展開じゃん?

乙女ゲームなら抱く側だけど…え、何?
俺、今の状況だと抱かれる側だったよね?

「えっと…お前とだよな。」

「うん、俺との事。」

ここは無自覚に逃げてみるか!

「付き合うって…一緒に飯食べたり?」

「うん、食べさせ合いっこしたり。」

「一緒に出掛けたり?」

「うん、デートの帰りはお泊りしたり。」

挫けねぇなっ。

「あ~、外出から帰って泊まりの日は疲れて寝てしまうかもなぁ。」

「フフッ、そんなのじゃない♡」

本当に挫けねぇなぁ、コイツゥッ‼

「ア…アハハハ、なぁに言ってんのかよく分からんがどこかに行くなら付き合うし、飯をここで食いたいなら来たらいい。カルロもちょこちょこ顔を出すだろうし、賑やかな方が俺も楽しいからな。」

…スマン、カルロよ…お前を盾にさせてもらうぜ…

「ふ~ん…どこまで本気で言ってるのか分からないけど…そう言う事にしておくよ。カルロがここに来るなら剣術の訓練も出来るんだよね?俺、神子の仕事以外はここに来るから…覚悟してよね。」


___本気で口説くから___


妹よ……お前の彼氏が好きなBL展開を、まさかこの俺が経験する事になるたぁ…思いもしなかったぜ…
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

あなたと過ごせた日々は幸せでした

蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。

虚ろな檻と翡翠の魔石

篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」 不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。 待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。 しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。 「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」 記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。 ----------------------------------------- 0時,6時,12時,18時に2話ずつ更新

美少年に転生したらヤンデレ婚約者が出来ました

SEKISUI
BL
 ブラック企業に勤めていたOLが寝てそのまま永眠したら美少年に転生していた  見た目は勝ち組  中身は社畜  斜めな思考の持ち主  なのでもう働くのは嫌なので怠惰に生きようと思う  そんな主人公はやばい公爵令息に目を付けられて翻弄される    

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

絶対に追放されたいオレと絶対に追放したくない男の攻防

藤掛ヒメノ@Pro-ZELO
BL
世は、追放ブームである。 追放の波がついに我がパーティーにもやって来た。 きっと追放されるのはオレだろう。 ついにパーティーのリーダーであるゼルドに呼び出された。 仲が良かったわけじゃないが、悪くないパーティーだった。残念だ……。 って、アレ? なんか雲行きが怪しいんですけど……? 短編BLラブコメ。

ぼくの婚約者を『運命の番』だと言うひとが現れたのですが、婚約者は変わらずぼくを溺愛しています。

夏笆(なつは)
BL
 公爵令息のウォルターは、第一王子アリスターの婚約者。  ふたりの婚約は、ウォルターが生まれた際、3歳だったアリスターが『うぉるがぼくのはんりょだ』と望んだことに起因している。  そうして生まれてすぐアリスターの婚約者となったウォルターも、やがて18歳。  初めての発情期を迎えようかという年齢になった。  これまで、大切にウォルターを慈しみ、その身体を拓いて来たアリスターは、やがて来るその日を心待ちにしている。  しかし、そんな幸せな日々に一石を投じるかのように、アリスターの運命の番を名乗る男爵令息が現れる。  男性しか存在しない、オメガバースの世界です。     改定前のものが、小説家になろうに掲載してあります。 ※蔑視する内容を含みます。

転生したら、主人公の宿敵(でも俺の推し)の側近でした

リリーブルー
BL
「しごとより、いのち」厚労省の過労死等防止対策のスローガンです。過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会へ。この小説の主人公は、仕事依存で過労死し異世界転生します。  仕事依存だった主人公(20代社畜)は、過労で倒れた拍子に異世界へ転生。目を覚ますと、そこは剣と魔法の世界——。愛読していた小説のラスボス貴族、すなわち原作主人公の宿敵(ライバル)レオナルト公爵に仕える側近の美青年貴族・シリル(20代)になっていた!  原作小説では悪役のレオナルト公爵。でも主人公はレオナルトに感情移入して読んでおり彼が推しだった! なので嬉しい!  だが問題は、そのラスボス貴族・レオナルト公爵(30代)が、物語の中では原作主人公にとっての宿敵ゆえに、原作小説では彼の冷酷な策略によって国家間の戦争へと突き進み、最終的にレオナルトと側近のシリルは処刑される運命だったことだ。 「俺、このままだと死ぬやつじゃん……」  死を回避するために、主人公、すなわち転生先の新しいシリルは、レオナルト公爵の信頼を得て歴史を変えようと決意。しかし、レオナルトは原作とは違い、どこか寂しげで孤独を抱えている様子。さらに、主人公が意外な才覚を発揮するたびに、公爵の態度が甘くなり、なぜか距離が近くなっていく。主人公は気づく。レオナルト公爵が悪に染まる原因は、彼の孤独と裏切られ続けた過去にあるのではないかと。そして彼を救おうと奔走するが、それは同時に、公爵からの執着を招くことになり——!?  原作主人公ラセル王太子も出てきて話は複雑に! 見どころ ・転生 ・主従  ・推しである原作悪役に溺愛される ・前世の経験と知識を活かす ・政治的な駆け引きとバトル要素(少し) ・ダークヒーロー(攻め)の変化(冷酷な公爵が愛を知り、主人公に執着・溺愛する過程) ・黒猫もふもふ 番外編では。 ・もふもふ獣人化 ・切ない裏側 ・少年時代 などなど 最初は、推しの信頼を得るために、ほのぼの日常スローライフ、かわいい黒猫が出てきます。中盤にバトルがあって、解決、という流れ。後日譚は、ほのぼのに戻るかも。本編は完結しましたが、後日譚や番外編、ifルートなど、続々更新中。

転生悪役弟、元恋人の冷然騎士に激重執着されています

柚吉猫
BL
生前の記憶は彼にとって悪夢のようだった。 酷い別れ方を引きずったまま転生した先は悪役令嬢がヒロインの乙女ゲームの世界だった。 性悪聖ヒロインの弟に生まれ変わって、過去の呪縛から逃れようと必死に生きてきた。 そんな彼の前に現れた竜王の化身である騎士団長。 離れたいのに、皆に愛されている騎士様は離してくれない。 姿形が違っても、魂でお互いは繋がっている。 冷然竜王騎士団長×過去の呪縛を背負う悪役弟 今度こそ、本当の恋をしよう。

処理中です...