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マシュー様とサラ様を見て、実際に見るのと聞くのでは違うのだと理解した僕はニールとダニーの方も見てみる事にした。
ただ、ニールとダニーはハナ様の護衛をしているため、僕がついて回るとハナ様まで紙とペンを手に一緒に回りかねないとダニーに言われたのでハナ様がいない休憩時間が合った時や休日限定になったんだけど…
「ハナ様、ここにサインを。」
「ここ?」
「そうです。この陳情書に関しましては…」
はたから見てると元々聖女の力のせいか文字が少し読めるものの、難しい文章の理解が難しいハナ様へのサポートをダニーがしていた。
はたから見たら…なんだけど。
一生懸命書類を見ているハナ様を2人で見守っている…と、見せながら実際は違った。
ハナ様から見ると、後ろ手に組んだニールに少し後ろから倒れない様にニールの腰へと軽く触れてアドバイスをしている感じだ。
「え~っと、この文章…よく分かんない。」
いつもは横で僕も書類を見てたり、基本ダニーとニールはこちらを向いてたから分からなかったけど…
「ハナ様、ここはこの前に行ったアナスタシア地域の川の件ですよ。」
「あ、あそこね。確か……」
「…ぁっ…」
絡めたダニーの指先がニールの指先から指の股へと柔らかく移動し、ピクリとニールの小さな声が漏れた。
凄いなダニー、どうしたら説明しながらあんな動きが出来るんだろう。
ニールは後ろから見ても分かるほど耳が真っ赤になっていた。
「あ?」
「あ゛っ!あ~、アンドレア川でしたっけぇ!」
「そんな名前だったかしら?」
ハナ様の腐女子な聖女の力は発動してないみたいで全く気付いていない。
「フフッ、アドレス川でしょ。忘れたの?」
「あっ…そ…っ、そっかぁ!そうだなっ、忘れてたぁ!」
バッと、繋いだ手を離してニールは自分の頭を掻いた。
「そんな顔を赤くする程恥ずかしがらなくても問題ないわよ。私も忘れてたもの。」
「俺、赤いッスか⁉アハハ~、恥ずかしいぃ。」
「そうだよ~、恥ずかしがらなくてもねぇ~。」
こう見るとダニーが攻に見えるけど、受なんだよね。
ダニー、凄いなぁ…僕も出来るかなぁ。
「どうかした、フィル?」
ハナ様が心配な顔をして僕の顔を見た。
「いえ、何でも。」
「もしかして…ハッ…昨日の夜が激しかったとか⁉」
心配じゃなかった。
僕の表情に気付いて何でダニーやニールには気付かないかな?
「はい、今日の書類は以上です。お疲れ様でした。」
「ハァァアア…疲れたぁ。」
「お疲れ様っス。俺、この書類を届けてきますね。」
さっきの雰囲気が無かったかのようにニールは書類を持ち、ダニーはハナ様が机で突っ伏しているのを少し宥めてから飲み物を作りに別室へと移動した。
「……ハァァ…疲れた…」
「お疲れ様です。」
「…フィル…見た?」
「はい?」
何を?
「さっきのニールよ。すっごくいやらしかったわよねっ!」
……え、気付いてたの?
「え、もしかして気付かなかったの?」
「え…いや…」
「まぁ、この世界はBLの世界だし、BLあるあるでこの世界の人間は気付かないかもね~。」
うんうん…と、変に納得してるけどハナ様…僕もバッチリ気付いたよ。
「私はね…この世界を壊さないように、そして…」
ハナ様が段々と真剣な顔になっていく。
そうか、男同士の恋愛を…僕達の行く末をそんなに心配してくれて…
「いつかは外でも堂々と手を繋ぎ、外でもキスをしても恥ずかしくない世界を見届けて本にしたいのよっ!」
ないんだね、僕の感動を返してほしい。
「真顔で何言ってるんですか。異性相手でも外で大っぴらにキスは嫌です。」
「え~、何でよっ!」
ハナ様の世界では国によっては恋愛もオープンらしく、外でもキスをする人もいるらしい。
結婚式以外の恋人のイベントの日でも、普通の日?でもする人はするらしい。
「例えば湖に遊びに言って…周りが恋人だらけとするでしょ?」
「はい…」
僕ならユーリと…
「周りは相手しか見ていないし軽く頭や髪を掬ってキスをしたり…」
「うんうん…」
この間、思い切ってユーリにしたらお返しに側頭にキスをしてくれたけど…
___チクン___
『…んっ。』
『あっ…ゴメン。緊張して耳に歯が当たったな。』
フフッ…ユーリでも緊張するんだね。
あの時は凄くドキドキしちゃった。
…と、先日の能事を思い出していたら、ハナ様がもっと凄い事を言った。
「軽く唇や首筋にキスしたり。」
___カァァッ…___
「えっ…く…く…唇や、くくく首筋ぃ?」
僕がユーリに…
『……んっ…フィル…ここ…外…っ…』
色気が漂ったユーリを見て……
「………っ‼」
どうしようっ、壁ドンとかするべき⁉
あぁ…フィルの首筋って滑らかで綺麗で……
___ヒュオッ…___
「うわぁっ!フィルッ、今はダニーがいな……っ⁉ウグゥッ‼」
……あれ?吹雪かない。
「あぁあ…フィルッ!」
「はいっ!」
「私、マンガ以外で初めて襲って下さいな可愛過ぎる顔を見たわよっ!何それっ、めちゃくちゃ心臓に悪いっ‼リア充怖いっ!眩しくて消滅しそうだわっ!」
「リア…何…消滅?」
「あぁ~っ、もうっ!そんなエロい顔をユーリが見たら、飛びついて部屋に連れ込んで当分出してもらえないんだからねっ!その顔、気を付けなさいよっ!」
「……っ…エロッて!」
___ゴォオッ!___
「あ゛だだだだだっ!」
___ダダダッ!___
「シィルドォオッ!」
この後、魔力全振りして体力を失ったものの怒り浸透のダニーに散乱した部屋の真ん中でみっちり怒られた。
ただ、ニールとダニーはハナ様の護衛をしているため、僕がついて回るとハナ様まで紙とペンを手に一緒に回りかねないとダニーに言われたのでハナ様がいない休憩時間が合った時や休日限定になったんだけど…
「ハナ様、ここにサインを。」
「ここ?」
「そうです。この陳情書に関しましては…」
はたから見てると元々聖女の力のせいか文字が少し読めるものの、難しい文章の理解が難しいハナ様へのサポートをダニーがしていた。
はたから見たら…なんだけど。
一生懸命書類を見ているハナ様を2人で見守っている…と、見せながら実際は違った。
ハナ様から見ると、後ろ手に組んだニールに少し後ろから倒れない様にニールの腰へと軽く触れてアドバイスをしている感じだ。
「え~っと、この文章…よく分かんない。」
いつもは横で僕も書類を見てたり、基本ダニーとニールはこちらを向いてたから分からなかったけど…
「ハナ様、ここはこの前に行ったアナスタシア地域の川の件ですよ。」
「あ、あそこね。確か……」
「…ぁっ…」
絡めたダニーの指先がニールの指先から指の股へと柔らかく移動し、ピクリとニールの小さな声が漏れた。
凄いなダニー、どうしたら説明しながらあんな動きが出来るんだろう。
ニールは後ろから見ても分かるほど耳が真っ赤になっていた。
「あ?」
「あ゛っ!あ~、アンドレア川でしたっけぇ!」
「そんな名前だったかしら?」
ハナ様の腐女子な聖女の力は発動してないみたいで全く気付いていない。
「フフッ、アドレス川でしょ。忘れたの?」
「あっ…そ…っ、そっかぁ!そうだなっ、忘れてたぁ!」
バッと、繋いだ手を離してニールは自分の頭を掻いた。
「そんな顔を赤くする程恥ずかしがらなくても問題ないわよ。私も忘れてたもの。」
「俺、赤いッスか⁉アハハ~、恥ずかしいぃ。」
「そうだよ~、恥ずかしがらなくてもねぇ~。」
こう見るとダニーが攻に見えるけど、受なんだよね。
ダニー、凄いなぁ…僕も出来るかなぁ。
「どうかした、フィル?」
ハナ様が心配な顔をして僕の顔を見た。
「いえ、何でも。」
「もしかして…ハッ…昨日の夜が激しかったとか⁉」
心配じゃなかった。
僕の表情に気付いて何でダニーやニールには気付かないかな?
「はい、今日の書類は以上です。お疲れ様でした。」
「ハァァアア…疲れたぁ。」
「お疲れ様っス。俺、この書類を届けてきますね。」
さっきの雰囲気が無かったかのようにニールは書類を持ち、ダニーはハナ様が机で突っ伏しているのを少し宥めてから飲み物を作りに別室へと移動した。
「……ハァァ…疲れた…」
「お疲れ様です。」
「…フィル…見た?」
「はい?」
何を?
「さっきのニールよ。すっごくいやらしかったわよねっ!」
……え、気付いてたの?
「え、もしかして気付かなかったの?」
「え…いや…」
「まぁ、この世界はBLの世界だし、BLあるあるでこの世界の人間は気付かないかもね~。」
うんうん…と、変に納得してるけどハナ様…僕もバッチリ気付いたよ。
「私はね…この世界を壊さないように、そして…」
ハナ様が段々と真剣な顔になっていく。
そうか、男同士の恋愛を…僕達の行く末をそんなに心配してくれて…
「いつかは外でも堂々と手を繋ぎ、外でもキスをしても恥ずかしくない世界を見届けて本にしたいのよっ!」
ないんだね、僕の感動を返してほしい。
「真顔で何言ってるんですか。異性相手でも外で大っぴらにキスは嫌です。」
「え~、何でよっ!」
ハナ様の世界では国によっては恋愛もオープンらしく、外でもキスをする人もいるらしい。
結婚式以外の恋人のイベントの日でも、普通の日?でもする人はするらしい。
「例えば湖に遊びに言って…周りが恋人だらけとするでしょ?」
「はい…」
僕ならユーリと…
「周りは相手しか見ていないし軽く頭や髪を掬ってキスをしたり…」
「うんうん…」
この間、思い切ってユーリにしたらお返しに側頭にキスをしてくれたけど…
___チクン___
『…んっ。』
『あっ…ゴメン。緊張して耳に歯が当たったな。』
フフッ…ユーリでも緊張するんだね。
あの時は凄くドキドキしちゃった。
…と、先日の能事を思い出していたら、ハナ様がもっと凄い事を言った。
「軽く唇や首筋にキスしたり。」
___カァァッ…___
「えっ…く…く…唇や、くくく首筋ぃ?」
僕がユーリに…
『……んっ…フィル…ここ…外…っ…』
色気が漂ったユーリを見て……
「………っ‼」
どうしようっ、壁ドンとかするべき⁉
あぁ…フィルの首筋って滑らかで綺麗で……
___ヒュオッ…___
「うわぁっ!フィルッ、今はダニーがいな……っ⁉ウグゥッ‼」
……あれ?吹雪かない。
「あぁあ…フィルッ!」
「はいっ!」
「私、マンガ以外で初めて襲って下さいな可愛過ぎる顔を見たわよっ!何それっ、めちゃくちゃ心臓に悪いっ‼リア充怖いっ!眩しくて消滅しそうだわっ!」
「リア…何…消滅?」
「あぁ~っ、もうっ!そんなエロい顔をユーリが見たら、飛びついて部屋に連れ込んで当分出してもらえないんだからねっ!その顔、気を付けなさいよっ!」
「……っ…エロッて!」
___ゴォオッ!___
「あ゛だだだだだっ!」
___ダダダッ!___
「シィルドォオッ!」
この後、魔力全振りして体力を失ったものの怒り浸透のダニーに散乱した部屋の真ん中でみっちり怒られた。
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