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「フィル…」
「…ん……」
目を開けると朝日が入る寝室の窓が開かれ、心地良い風と光が程よく僕らを照らす。
そして、横を見ると嬉しそうにこちらを見つめるユーリがいた。
「おはよ…」
「…っ……おは…よ。」
昨日、ここに到着してすぐにあんな事になり…僕の努力は虚しく気絶するまで抜かれたんだよね……あぁ…だから地味にヒリヒリするのか。
一応森の中の調査もあったから傷薬持ってきたけど…陰茎もヒールで治るのかな?
「昨日は…ゴメン…俺…あんなに触りたいと思ったのが初めてで……止められなかった。」
「え?」
「いつも1回すれば満足だったんだけどさ…フィルのあんな顔見たら……っ…挿れないから、抜き合いなら良いよな?」
「良くないっ。」
良くないっ、それは良くないっ!
「気持ち良くなかったか?」
「え゛…いやっ……気持ちは…良かった…よ?」
「じゃぁ…」
尻尾ブンブン振って…もうっ、なんて可愛いんだよっ!
「あぁあっ、調査があるでしょ!調査が終わるまで…触るの禁止っ!」
両手を広げてブンブン振っていた尻尾は一気にシュンと垂れ、耳も一緒に元気がなくなって垂れた。
「ハハッ、王宮の騎士団のエースなんでしょ?そんなに可愛くてどうするんだよ。」
「フィルだって、魔術師団では氷の魔術師とか言われてるのに…そんなに俺を煽って可愛過ぎるのずるいぞ。」
___カァッ!___
「可愛くないよっ。」
あれ…?
「フフッ、可愛いよ。」
僕…水の暴走…してない?
ブレスレットを見ると、少しヒビが入っているけど全く暴走していなかった。
何で?
「その可愛い笑顔とか…」
ユーリの手が僕の頬に触れる。
「…その俺の心を鷲掴みするような拗ねた姿とか…」
「…っ…」
ユーリの手が優しく唇をなぞる。
「その俺を誘う唇も…」
「んっ…」
「俺以外のヤツに見せるなよ。」
…もしかして…僕の暴走って感情を我慢してたから暴走してたのかな?
少し考えたものの、ユーリの舌が更に深く入ってきたので僕は考えるのをやめた。
下半身に手が伸びた時に我に返ってユーリを引き剥がして川沿いの調査に向かう事にした。
「1日でも早く調査が完了したら休日が増えるから、今のままじゃ休日返上になるかもねぇ。」
…と、言った途端…
「多分…この地形で…この……うん…確か………」
真剣な顔付きで仕事を始めたユーリは…
「分かった。今日の夜、ここで野営をするぞ。荷物を取りに行こう。」
サクサクと解決へと向かった。
******************************
___ホゥ…ホゥ…___
森の奥深くからフクロウの声がする。
「そういえば…フクロウの獣人っているの?」
「ん~…いるぞ…あ、そこ持っててくれ。」
ユーリが言うには獣人でも人間のように話せない獣で魔力がない獣は動物、魔力があり獰猛な獣は魔獣と呼ぶそうだ。
種族自体は大昔に枝分かれし、今では全く違う生き物らしい。
「だから昔は見た目で判断つきにくいと獣人も殺されてきた。そこから人間に近い俺たち獣人が生き残り、今は人の姿に俺の様に耳や尻尾があったり背中に羽があったりする獣人で人間に襲われることは無くなった。」
「怖かっただろうね。」
「あぁ、父の祖父…曽祖父は少し毛が濃かったから幼い時はかなり苦労したそうだ。今の王が人間以外の騎士団を設立してくれなければ、俺達は傭兵になるしか道はなかっただろうな。」
僕達の王、ケイリー・L・ウェブスターは魔獣討伐をしながらユーリの曽祖父の様な獣人を保護し、森の奥で魔獣に殺されて孤児となった子ども達も保護して人間以外の孤児院の運営も始めた。
院長は獣人に理解のある引退した第1騎士団の騎士や魔術師に依頼したおかげか、将来魔術師や騎士を目指す子ども達が増えているという。
……そんな出来た王の息子が…あれだ…どうしたらあんな王子が生まれるかなぁ。
「もしそうなら、父に頼んでウチの部隊に入れてもらったよ。」
「フッ…今となってはそれも良かったかもな。」
屋敷で2人…いつも一緒……あ゛。
「ん、どうした?」
アイツもいた。
坊っちゃんと呼ぶアイツが。
「ううん、やっぱり今が良い。」
「騎士団と魔術師団で寮が離れてるのに?」
「フフッ、入団した時の僕みたいな事言ってるよ。屋敷と寮の距離に比べたら近いじゃん。」
「少し離れると想像するだけで胸が締め付けられるなんてな。本当に俺は本気で好きになった事がなかったんだな。」
「ユーリ。」
「テントはこれでよし!じゃぁ、川に行こうか。」
ユーリが僕に手を伸ばして僕の手を掴む。
ここに来てからずっと手を繋がれたり後ろから抱き締められたり…一時も離れる事がない。
川のそばに近付くと暗い中でも流れる音がした。
清らかな空気が辺りを漂い、魔獣が出てくる気配はなかった。
「危ないぞ、転ぶなよ。」
「うん、ありがと…ハッ!」
緩やかな斜面でもユーリが気を使って僕を支えようとする。
「…じゃないっ、僕がユーリを守るんだよっ!」
「お前、魔術師だろ?」
「でも、ユーリを守りたいよ。」
「昨日、あんなに俺にしがみついて善がったのに?」
___カァッ!___
「あれはっ、ユーリが!」
あんなに激しく扱きながらあちこち触ったり吸ったり…
何度僕が上に覆い被さってもそのまま僕の胸に吸い寄せられるように吸い付くしっ。
覆い被さったまま体勢が崩れて四つん這いになったらそのまま手を伸ばして陰茎を扱きながら僕の顔を覗き込むから倒れないように必死だった。
「あんなにむしゃぶり付きたくなるなんてフィルだけだよ。」
「な゛っ!」
「クスクス、そんな顔も可愛いな。」
「もうっ、揶揄わないでよ……あ…」
「来たな…」
___フワ…___
川の真ん中から1つ…また1つ…小さな光が生まれてフワフワと飛び始めた。
「わぁ…綺麗…何だろう…これ…」
キラキラと光る優しい玉…
触るとチリンと鈴の音と共に玉が弾けてキラキラと光る粉になって消えた。
しかも、その粉を浴びると身体が軽くなる。
「…あれ?」
…昨日たくさん触られてヒリヒリする場所が消えている。
「やっぱりな。」
「やっぱり?」
「あぁ、ここは傷を癒すための聖水に似た水の源泉があるのかもしれない。」
聖水…僕達癒し魔法を使える者は少なく、聖女の様にたくさんの癒しのパワーを持った者はほぼいない。
そのため、聖水を加工してポーションを作るのだが…その原料となる聖水は今の所王宮内の1ヶ所のみだったのでこうやって見つかったのは奇跡だろう。
「元々ここは大昔に召喚された聖女が余生を過ごすために用意されていた所だ。今は騎士団の保養所となったが、元々王族のものだったし森の中だから使用する者は少なかったから気付かれなかったんだろうな。」
あちこちで鈴の音とキラキラ光る粉が舞っていく。
「フィル…下を見ろ。」
「わぁ…」
煌めきに反射して川がキラキラと輝いている。
まるで川の上に綺麗な光の花が咲いているようだ。
「光の花畑みたいだね…ねぇ、ユーリ…キスしたい。」
「あぁ、俺も思ってた。」
キラキラと光る花畑の中で…ゆっくりとユーリと唇を合わせる。
「…ん…」
チリン…チリン…と、優しく僕らを包み込む鈴の音に包まれて僕はユーリを抱き締めた。
「僕…この景色…一生忘れないよ。」
「俺も…」
ユーリが僕の腰に手を回す。
僕らはお互いを引き寄せ、しばらく川沿いの花畑を眺めていた。
「…ん……」
目を開けると朝日が入る寝室の窓が開かれ、心地良い風と光が程よく僕らを照らす。
そして、横を見ると嬉しそうにこちらを見つめるユーリがいた。
「おはよ…」
「…っ……おは…よ。」
昨日、ここに到着してすぐにあんな事になり…僕の努力は虚しく気絶するまで抜かれたんだよね……あぁ…だから地味にヒリヒリするのか。
一応森の中の調査もあったから傷薬持ってきたけど…陰茎もヒールで治るのかな?
「昨日は…ゴメン…俺…あんなに触りたいと思ったのが初めてで……止められなかった。」
「え?」
「いつも1回すれば満足だったんだけどさ…フィルのあんな顔見たら……っ…挿れないから、抜き合いなら良いよな?」
「良くないっ。」
良くないっ、それは良くないっ!
「気持ち良くなかったか?」
「え゛…いやっ……気持ちは…良かった…よ?」
「じゃぁ…」
尻尾ブンブン振って…もうっ、なんて可愛いんだよっ!
「あぁあっ、調査があるでしょ!調査が終わるまで…触るの禁止っ!」
両手を広げてブンブン振っていた尻尾は一気にシュンと垂れ、耳も一緒に元気がなくなって垂れた。
「ハハッ、王宮の騎士団のエースなんでしょ?そんなに可愛くてどうするんだよ。」
「フィルだって、魔術師団では氷の魔術師とか言われてるのに…そんなに俺を煽って可愛過ぎるのずるいぞ。」
___カァッ!___
「可愛くないよっ。」
あれ…?
「フフッ、可愛いよ。」
僕…水の暴走…してない?
ブレスレットを見ると、少しヒビが入っているけど全く暴走していなかった。
何で?
「その可愛い笑顔とか…」
ユーリの手が僕の頬に触れる。
「…その俺の心を鷲掴みするような拗ねた姿とか…」
「…っ…」
ユーリの手が優しく唇をなぞる。
「その俺を誘う唇も…」
「んっ…」
「俺以外のヤツに見せるなよ。」
…もしかして…僕の暴走って感情を我慢してたから暴走してたのかな?
少し考えたものの、ユーリの舌が更に深く入ってきたので僕は考えるのをやめた。
下半身に手が伸びた時に我に返ってユーリを引き剥がして川沿いの調査に向かう事にした。
「1日でも早く調査が完了したら休日が増えるから、今のままじゃ休日返上になるかもねぇ。」
…と、言った途端…
「多分…この地形で…この……うん…確か………」
真剣な顔付きで仕事を始めたユーリは…
「分かった。今日の夜、ここで野営をするぞ。荷物を取りに行こう。」
サクサクと解決へと向かった。
******************************
___ホゥ…ホゥ…___
森の奥深くからフクロウの声がする。
「そういえば…フクロウの獣人っているの?」
「ん~…いるぞ…あ、そこ持っててくれ。」
ユーリが言うには獣人でも人間のように話せない獣で魔力がない獣は動物、魔力があり獰猛な獣は魔獣と呼ぶそうだ。
種族自体は大昔に枝分かれし、今では全く違う生き物らしい。
「だから昔は見た目で判断つきにくいと獣人も殺されてきた。そこから人間に近い俺たち獣人が生き残り、今は人の姿に俺の様に耳や尻尾があったり背中に羽があったりする獣人で人間に襲われることは無くなった。」
「怖かっただろうね。」
「あぁ、父の祖父…曽祖父は少し毛が濃かったから幼い時はかなり苦労したそうだ。今の王が人間以外の騎士団を設立してくれなければ、俺達は傭兵になるしか道はなかっただろうな。」
僕達の王、ケイリー・L・ウェブスターは魔獣討伐をしながらユーリの曽祖父の様な獣人を保護し、森の奥で魔獣に殺されて孤児となった子ども達も保護して人間以外の孤児院の運営も始めた。
院長は獣人に理解のある引退した第1騎士団の騎士や魔術師に依頼したおかげか、将来魔術師や騎士を目指す子ども達が増えているという。
……そんな出来た王の息子が…あれだ…どうしたらあんな王子が生まれるかなぁ。
「もしそうなら、父に頼んでウチの部隊に入れてもらったよ。」
「フッ…今となってはそれも良かったかもな。」
屋敷で2人…いつも一緒……あ゛。
「ん、どうした?」
アイツもいた。
坊っちゃんと呼ぶアイツが。
「ううん、やっぱり今が良い。」
「騎士団と魔術師団で寮が離れてるのに?」
「フフッ、入団した時の僕みたいな事言ってるよ。屋敷と寮の距離に比べたら近いじゃん。」
「少し離れると想像するだけで胸が締め付けられるなんてな。本当に俺は本気で好きになった事がなかったんだな。」
「ユーリ。」
「テントはこれでよし!じゃぁ、川に行こうか。」
ユーリが僕に手を伸ばして僕の手を掴む。
ここに来てからずっと手を繋がれたり後ろから抱き締められたり…一時も離れる事がない。
川のそばに近付くと暗い中でも流れる音がした。
清らかな空気が辺りを漂い、魔獣が出てくる気配はなかった。
「危ないぞ、転ぶなよ。」
「うん、ありがと…ハッ!」
緩やかな斜面でもユーリが気を使って僕を支えようとする。
「…じゃないっ、僕がユーリを守るんだよっ!」
「お前、魔術師だろ?」
「でも、ユーリを守りたいよ。」
「昨日、あんなに俺にしがみついて善がったのに?」
___カァッ!___
「あれはっ、ユーリが!」
あんなに激しく扱きながらあちこち触ったり吸ったり…
何度僕が上に覆い被さってもそのまま僕の胸に吸い寄せられるように吸い付くしっ。
覆い被さったまま体勢が崩れて四つん這いになったらそのまま手を伸ばして陰茎を扱きながら僕の顔を覗き込むから倒れないように必死だった。
「あんなにむしゃぶり付きたくなるなんてフィルだけだよ。」
「な゛っ!」
「クスクス、そんな顔も可愛いな。」
「もうっ、揶揄わないでよ……あ…」
「来たな…」
___フワ…___
川の真ん中から1つ…また1つ…小さな光が生まれてフワフワと飛び始めた。
「わぁ…綺麗…何だろう…これ…」
キラキラと光る優しい玉…
触るとチリンと鈴の音と共に玉が弾けてキラキラと光る粉になって消えた。
しかも、その粉を浴びると身体が軽くなる。
「…あれ?」
…昨日たくさん触られてヒリヒリする場所が消えている。
「やっぱりな。」
「やっぱり?」
「あぁ、ここは傷を癒すための聖水に似た水の源泉があるのかもしれない。」
聖水…僕達癒し魔法を使える者は少なく、聖女の様にたくさんの癒しのパワーを持った者はほぼいない。
そのため、聖水を加工してポーションを作るのだが…その原料となる聖水は今の所王宮内の1ヶ所のみだったのでこうやって見つかったのは奇跡だろう。
「元々ここは大昔に召喚された聖女が余生を過ごすために用意されていた所だ。今は騎士団の保養所となったが、元々王族のものだったし森の中だから使用する者は少なかったから気付かれなかったんだろうな。」
あちこちで鈴の音とキラキラ光る粉が舞っていく。
「フィル…下を見ろ。」
「わぁ…」
煌めきに反射して川がキラキラと輝いている。
まるで川の上に綺麗な光の花が咲いているようだ。
「光の花畑みたいだね…ねぇ、ユーリ…キスしたい。」
「あぁ、俺も思ってた。」
キラキラと光る花畑の中で…ゆっくりとユーリと唇を合わせる。
「…ん…」
チリン…チリン…と、優しく僕らを包み込む鈴の音に包まれて僕はユーリを抱き締めた。
「僕…この景色…一生忘れないよ。」
「俺も…」
ユーリが僕の腰に手を回す。
僕らはお互いを引き寄せ、しばらく川沿いの花畑を眺めていた。
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