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ハナ様は話を聞くと僕とあまり変わらない年齢と聞いて驚いた。
「へぇ、ハナ様って俺達とあんまり変わらないんですねぇ。」
ハナ様の希望もあり、聖女専属の騎士はニールとダニーとなった。
ダニーは副団長ということもあったが相手は聖女。
国を挙げての警護となるので王も反対はしなかったらしい。
ハナ様は何故か獣人のユーリの事も知っていたが、王とダグラス様の判断でまだ会ってはいない。
王宮もどんな聖女が召喚されるか分からなかった事もあり、ある程度は準備していたのだが思った以上に整えなければいけない事も多く、第2騎士団との顔合わせは延期されていた。
聖女への刺激にならないようになるべく鉢合わせしない配置を組まれたため、僕はユーリと1週間も会えていない。
会いたくて第2騎士団の寮へ行っても城の周辺の警護や王との謁見でタイミングが合わないのだ。
僕はユーリ以外の人と…と、いうか女性と話すのは少し苦手なので人当たりの良いダニーと元気なニールがハナ様の相手をしてくれるのは正直ありがたかった。
「え~、私達が異世界に行くとよく若く見られるって漫…いえっ…本にあったけど、いくつだと思ったの?」
2人には既に敬語は無くなっている。
2人をハナ様に付けたのは正解だったようだ。
「「…12歳?」」
あ、僕も思った。
「な゛っ!」
「違うんですか?」
「…えっ…もしかして…16?いやいやそんな歳じゃないでしょう。」
僕らの成人は18歳。
まさかね、話し方も幼いし…そこまで…
「20ですっ!」
「「「えぇっ⁉︎」」」
驚いた!
12でないなら16くらいかと思っていたけど…20歳⁉︎
僕より年上⁉︎
「へぇ、俺は19でフィルは18なんですよ。年上かぁ…見えないっすね。」
___ドカッ!___
「オグゥッ!」
「ハナ様になんて言葉使いしてんのさっ!ダメでしょ!」
「ウフフ、大丈夫ですよ。その方が私も気が楽だし…確か、ダニーさんは確か…若くして騎士団に入団して団長が魔獣討伐で大怪我して退団した時に当時副団長だったリチャ…リチャードさんに推薦されて副団長になったんですよね?だから私とも歳が近いでしょ?」
「…何故それを…」
「へぇ、凄いっすね。それも聖女の力ですか?」
「…ウフフ、実は私の世界では貴方達はゲームの世界の住人なんですよ。」
「「ゲェム…」」
ゲェム…召喚された時にも思ったが、そのゲェムとは一体なんなんだろう…太古の昔、今は文献にしか残ってないが、人間の奥底に眠る力…千里眼の一種なんだろうか?
今は魔力の方が勝って僕達の世界には存在しないと言われているけど、昔召喚された聖女が持っていた力だと聞く。
「BLゲーム…物語を作り出す遊びって言ったら良いのかしら。私が知ってる貴方達の世界は好きな人物同士をくっつける…言ったら私達は恋の先導者って所かしら?」
「恋の……」
「えぇ、この世界はまだ異性同士の結婚が主でしょ?」
「はい。」
「そうですね。」
そう…裏では同性同士もあるけど…それは表立ってある訳ではない。
獣人やエルフはそういった考え方はなく、個人と個人の付き合いとなるから…
獣人達の偏見が無くなって来たと同時に、この異性間のみの婚姻や付き合い方も変わって来ているが…まだ未知数なので情報が少ない。
「この世界はね、BL…すなわち『ボーイズラブ』の世界なのよ。」
「「「ボーイズラブ…」」」
ボーイズ…確か…男の子って意味だったよね?
ラブ…恋愛…愛…
「ボーイズ…ラブって、なんすか?」
ニールも同じ事を思ったらしい。
「戦いにしては…最近激しい戦いは魔物討伐くらいで…それもほとんどフィルの家の部隊で殲滅したよね?」
「うん、あとは見逃した魔物の退治と聖女の力で大地の浄化がメインになると思うんだけど…」
「ふっふっふっ…」
「ハナ様?」
「ボーイズラブとはっ、男同士の恋愛を意味するのっ!この世界は美形男子をカップリングして楽しむゲームの世界なんですよっ!」
「…え~、何言ってんのかな…って、痛いっ!痛いよっダニー!」
___ギリギリギリ…___
「痛くしてんだよニール…そろそろ黙ろうか?」
「いやっ、俺そもそもそんな話してねぇしっ!」
ニールの目が何となく怖い気もするけど…
「ハナ様、取り敢えず落ち着きましょうか?俺達は騎士団や魔術師団内では同性愛はタブーとされてませんけど、まだまだ偏見はあります。いくら聖女とはいえ見方が変わると貴女への待遇が変わるかもしれません。あ、王子は大丈夫です。あの人フィル狙いですから。」
「狙わせないからっ。」
「えーっ、やっぱりそうなのねっ!…王子×フィルフィルは攻略しやすいし王道だったからなぁ…」
「え、やっぱりって…ハナ様の世界では王子はフィルと付き合うんですか?」
「ん~…付き合うどころか…」
ハナ様が言葉を選びながら僕を見て行った。
「…あ~…私が知ってるゲームでは攻めでも受けでも選択肢でどうとでもなるんだけどね…フィルフィルはある1人を除いてほぼ受なのよ。」
「…う…け?」
「そう、受け。『受け身』ね。女性側ってこと。」
「…っ⁉︎」
「おぉ…」
「なるほど。」
え…ちょっと待って?僕…抱かれるの??
ユーリに?…ちょっと待って…頭が回らない……
「唯一攻めになる相手は…獣人のユーリ・スチュワート。その人だけだよ。」
___ドキッ!___
「へぇ、ユーリまで知ってるんですねぇ。」
「ハナ様の世界は凄いですね。俺達の世界に来る前から知り尽くしているんじゃないですか?」
「そうでもないよ?だってゲームだもん。見えない所はいっぱいだよ。だから教えてね♪」
「もちろんです。」
「俺達のお力になれる事があれば何なりとお申し付けを。」
ユーリ…僕…ユーリと恋人になるチャンスがあるんだ…
「私の世界では遊び世界だけど、ここはリアルに息をして命がある世界だもんね……うんっ、決めたっ!この世界のBLの愛の伝道師に…俺は…なるっ‼︎」
「…え…俺…?」
「ギャハハハッ!ハナ様っっ、おもしれぇ~!」
___ゴスッ!___
「グゥッ‼︎」
両手を握りしめ、何かの使命感に燃えているハナ様を見て…少しの期待と多大な不安を感じる僕がいた。
「へぇ、ハナ様って俺達とあんまり変わらないんですねぇ。」
ハナ様の希望もあり、聖女専属の騎士はニールとダニーとなった。
ダニーは副団長ということもあったが相手は聖女。
国を挙げての警護となるので王も反対はしなかったらしい。
ハナ様は何故か獣人のユーリの事も知っていたが、王とダグラス様の判断でまだ会ってはいない。
王宮もどんな聖女が召喚されるか分からなかった事もあり、ある程度は準備していたのだが思った以上に整えなければいけない事も多く、第2騎士団との顔合わせは延期されていた。
聖女への刺激にならないようになるべく鉢合わせしない配置を組まれたため、僕はユーリと1週間も会えていない。
会いたくて第2騎士団の寮へ行っても城の周辺の警護や王との謁見でタイミングが合わないのだ。
僕はユーリ以外の人と…と、いうか女性と話すのは少し苦手なので人当たりの良いダニーと元気なニールがハナ様の相手をしてくれるのは正直ありがたかった。
「え~、私達が異世界に行くとよく若く見られるって漫…いえっ…本にあったけど、いくつだと思ったの?」
2人には既に敬語は無くなっている。
2人をハナ様に付けたのは正解だったようだ。
「「…12歳?」」
あ、僕も思った。
「な゛っ!」
「違うんですか?」
「…えっ…もしかして…16?いやいやそんな歳じゃないでしょう。」
僕らの成人は18歳。
まさかね、話し方も幼いし…そこまで…
「20ですっ!」
「「「えぇっ⁉︎」」」
驚いた!
12でないなら16くらいかと思っていたけど…20歳⁉︎
僕より年上⁉︎
「へぇ、俺は19でフィルは18なんですよ。年上かぁ…見えないっすね。」
___ドカッ!___
「オグゥッ!」
「ハナ様になんて言葉使いしてんのさっ!ダメでしょ!」
「ウフフ、大丈夫ですよ。その方が私も気が楽だし…確か、ダニーさんは確か…若くして騎士団に入団して団長が魔獣討伐で大怪我して退団した時に当時副団長だったリチャ…リチャードさんに推薦されて副団長になったんですよね?だから私とも歳が近いでしょ?」
「…何故それを…」
「へぇ、凄いっすね。それも聖女の力ですか?」
「…ウフフ、実は私の世界では貴方達はゲームの世界の住人なんですよ。」
「「ゲェム…」」
ゲェム…召喚された時にも思ったが、そのゲェムとは一体なんなんだろう…太古の昔、今は文献にしか残ってないが、人間の奥底に眠る力…千里眼の一種なんだろうか?
今は魔力の方が勝って僕達の世界には存在しないと言われているけど、昔召喚された聖女が持っていた力だと聞く。
「BLゲーム…物語を作り出す遊びって言ったら良いのかしら。私が知ってる貴方達の世界は好きな人物同士をくっつける…言ったら私達は恋の先導者って所かしら?」
「恋の……」
「えぇ、この世界はまだ異性同士の結婚が主でしょ?」
「はい。」
「そうですね。」
そう…裏では同性同士もあるけど…それは表立ってある訳ではない。
獣人やエルフはそういった考え方はなく、個人と個人の付き合いとなるから…
獣人達の偏見が無くなって来たと同時に、この異性間のみの婚姻や付き合い方も変わって来ているが…まだ未知数なので情報が少ない。
「この世界はね、BL…すなわち『ボーイズラブ』の世界なのよ。」
「「「ボーイズラブ…」」」
ボーイズ…確か…男の子って意味だったよね?
ラブ…恋愛…愛…
「ボーイズ…ラブって、なんすか?」
ニールも同じ事を思ったらしい。
「戦いにしては…最近激しい戦いは魔物討伐くらいで…それもほとんどフィルの家の部隊で殲滅したよね?」
「うん、あとは見逃した魔物の退治と聖女の力で大地の浄化がメインになると思うんだけど…」
「ふっふっふっ…」
「ハナ様?」
「ボーイズラブとはっ、男同士の恋愛を意味するのっ!この世界は美形男子をカップリングして楽しむゲームの世界なんですよっ!」
「…え~、何言ってんのかな…って、痛いっ!痛いよっダニー!」
___ギリギリギリ…___
「痛くしてんだよニール…そろそろ黙ろうか?」
「いやっ、俺そもそもそんな話してねぇしっ!」
ニールの目が何となく怖い気もするけど…
「ハナ様、取り敢えず落ち着きましょうか?俺達は騎士団や魔術師団内では同性愛はタブーとされてませんけど、まだまだ偏見はあります。いくら聖女とはいえ見方が変わると貴女への待遇が変わるかもしれません。あ、王子は大丈夫です。あの人フィル狙いですから。」
「狙わせないからっ。」
「えーっ、やっぱりそうなのねっ!…王子×フィルフィルは攻略しやすいし王道だったからなぁ…」
「え、やっぱりって…ハナ様の世界では王子はフィルと付き合うんですか?」
「ん~…付き合うどころか…」
ハナ様が言葉を選びながら僕を見て行った。
「…あ~…私が知ってるゲームでは攻めでも受けでも選択肢でどうとでもなるんだけどね…フィルフィルはある1人を除いてほぼ受なのよ。」
「…う…け?」
「そう、受け。『受け身』ね。女性側ってこと。」
「…っ⁉︎」
「おぉ…」
「なるほど。」
え…ちょっと待って?僕…抱かれるの??
ユーリに?…ちょっと待って…頭が回らない……
「唯一攻めになる相手は…獣人のユーリ・スチュワート。その人だけだよ。」
___ドキッ!___
「へぇ、ユーリまで知ってるんですねぇ。」
「ハナ様の世界は凄いですね。俺達の世界に来る前から知り尽くしているんじゃないですか?」
「そうでもないよ?だってゲームだもん。見えない所はいっぱいだよ。だから教えてね♪」
「もちろんです。」
「俺達のお力になれる事があれば何なりとお申し付けを。」
ユーリ…僕…ユーリと恋人になるチャンスがあるんだ…
「私の世界では遊び世界だけど、ここはリアルに息をして命がある世界だもんね……うんっ、決めたっ!この世界のBLの愛の伝道師に…俺は…なるっ‼︎」
「…え…俺…?」
「ギャハハハッ!ハナ様っっ、おもしれぇ~!」
___ゴスッ!___
「グゥッ‼︎」
両手を握りしめ、何かの使命感に燃えているハナ様を見て…少しの期待と多大な不安を感じる僕がいた。
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