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僕とユーリの出会いは8歳の頃に遡る。
辺境伯として父は魔物が住む森の調査や討伐を行っていた。
僕も森で討伐をしたくて何度も父にお願いしたが、首を縦に振ってくれなかった。
何度頼んだか忘れた頃、魔物が少なくなってきたのもあって許可が降りた。
ほとんど魔物を退治出来てタイミング良く僕のスキルアップに良い環境になったのと、そこへ王宮から訓練を兼ねて若い訓練生達がやって来ていたので守りの強化も出来ていたと判断されたのだ。
「わぁぁあああっ!」
広い森の中、周辺を調査していた隊の1人の悲鳴で強い魔物が残っている事を知らされた。
悲鳴を上げたのは父の部隊の中でもそこそこ強い人物だ。
そこから魔物の匂いと咆哮、次第にあちこちから叫び声が響く。
「君っ、フィルを頼むっ!この先に私の部隊の者がいるはずだからっ!」
父は訓練生の1人に僕を託し、屋敷へ戻れと言ってみんなの元へと走って行った。
その訓練生がユーリだ。
森の中で生き残りの大きな魔物に襲われみんなが傷を負っていく。
僕が足手まといなのは十分理解していたのでそれに従いユーリと逃げて父の部隊の人と合流したものの、別の魔物がやってきて僕達は2人で逃げる事になった。
そして…あとほんの少しで森を抜ける所で魔物に追い付かれた。
「危ないっ!」
「わぁあっ!」
___ザシュッ‼︎___
無我夢中で逃げたが、弱い僕に躊躇いもなく魔物が飛び掛ってくる。
もう駄目だとしゃがんだ時ユーリが僕と魔物の間に飛び込み、こめかみから頬を爪で一気に裂かれ血が吹き出しながらも剣を魔物の胸に突き立てると魔石を落として霧と共に消えた。
「くっ…大丈夫…ですか…?」
「…っ⁉︎…お兄さんっ…血が出てるっ!」
「俺は大丈夫…見ての通り獣人ですから。それより貴方が心配です。俺は騎士だから良いけど、貴方は貴族の子息じゃないですか。結婚相手を探すのに、傷を受けては支障が出るで……っ…イタタ…」
ドクドクと流れる鮮血に顔を歪め、大量の出血に顔色も悪くなっていったので僕は慌ててユーリを大きな木を背にして座らせた。
「アハハ……申し訳ありません…ちょっと、血を流し過ぎたかなぁ…」
治療してくれそうな魔術師を呼ぶために周りを見るが、ここには僕とユーリしかいない。
「お兄さん……ちょっと目を閉じててね。」
「…分かりまし……あ。」
「ん、何?」
「俺はユーリ・スチュワート。ユーリと呼んで下さい。貴方は…フィリップ…様…ですよね?」
獣人は人間より体力・運動能力・治癒力が高いため、人間に恐れられて僕が生まれるまで差別を受けていた。
今の王様に変わってから人間以外の王宮騎士団が設立されたり偏見は無くなってはいるけど…こうやって身を挺して僕を守るのが当たり前なのは騎士として当たり前なのは分かる…でも…
色々と騎士になるまで苦労したんだろうなぁ。
「僕は…フィルで良いです……では…」
傷口へ手をかざし、呪文を唱えた。
「ヒールッ!」
___パァァア……___
光と共にユーリの傷口が少しずつ塞がっていく。
これなら……
「フィリップ様っ!」
あれ……
___フワッ…___
父とも母とも違う香りがした。
「ユーリーッ、大丈夫かぁ~?」
あれ?僕……今、倒れた?
「大丈夫だっ!それよりフィリップ様が…っ……大丈夫ですか、フィリップ様?いくら魔力がお強いと言っても貴方はまだ幼い。魔力を使い過ぎないで下さい。」
優しく抱き締められて、フワフワして……
「え~…貴方だって僕と変わらないじゃないですかぁ…それに……こんなに優しい顔をしてるのに傷なんて……嫌ですよ。」
確かにこんなに一気に魔力を使ったのは初めてだ。
そういえば、先生が子どもの身体の間は一気に魔力を放出するなって言ってたっけ?
どんどん力が…抜けて…
「フィリップ様っ!」
もぅ…フィルで良いって言ってるのに…
___僕は良い香りに包まれて意識を無くした___
*********************
「……ん……」
良い香り…お日様をたくさん浴びた草の匂い…晴れた日の森の香りって言ったら良いのかなぁ…さっきの人の匂いもする…
___スリッ…___
「…フィリップ様?」
「っっ⁈」
___バッ!___
思わずもっと嗅いでいたいと擦り寄ったら少し頬を染めたユーリが目の前にいた。
「…やっと目が覚められましたね。大丈夫ですか?」
「ーーーーーっっ‼︎」
「すまない、ユーリ様が目覚められた。馬車を止めてくれ。」
ユーリがホッとした顔を見せた後、馬車の窓を開けて御者に声を掛けた。
何で…何で……どうして僕はユーリの膝の上で寝てたんだ⁈
「ん…あぁ、フィリップ様が俺の服を離さなくて…マントならそのまま外したんですけどね。みんなで服から離そうとしたんですが…フフッ、フィリップ様って力があるんですねぇ。」
「…え…あっ……その………」
___カァァァァ…___
「……ごめんなさい…」
「フフッ、良いですよ。それに…」
フワッ…と、良い香りと共に顔が近付く。
「ちょっと戦いで疲れてたので馬車で俺も寝ちゃいました……内緒…ですよ?」
___トクンッ!___
片目を瞑り、人差し指を唇に当ててイタズラっ子の顔をした。
……この人だ……
「…フィリップ様?」
「フィル、フィルって呼んで。」
「……フィル…様?」
「…っ…好き…」
「ん?」
…っ…僕、何言って…!
「あっ…違っ……っ…あのっ…良かったら僕と、友達になってくれませんか?」
「え、俺…獣人ですよ?それに俺は身分が…」
そんな事は関係ないっ!
「貴方が良いんです。それに止血は出来ましたが僕のせいで怪我もしてますし、一緒に屋敷で治療を受けて下さいっ。」
「う~ん……まぁ、こちらでの訓練はまだ数日ありますし…スチュワート様のお許しがあれば喜んで…」
「本当ですか⁈」
「アハハ、グイグイ来ますねぇ。そうですね、俺の親は爵位を持っていますが貴方の方が爵位がかなり上です。俺はスチュワート様のご意志に従いますよ。」
___コンコン___
「失礼致します、遅くなりました。フィリップ様お目覚めになりましたか?それでは、屋敷に戻るまでに…」
ユーリが魔術師がやってきたので席を変わろうと身じろぎしたので僕は再び服を掴んだ。
「ダメですっ、ユーリも一緒に見て下さい!」
「えっ…俺は部隊に戻って…」
「大きな怪我をしたんですよっ…それに…僕…離れたら…不安ですっ!ねっ、そう思いますよねっ?」
僕は念を込めて魔術師の顔を見ると、黙って頷いてくれた。
「ん~…もう大丈夫じゃ……フフッ、しょうがないなぁ…じゃぁ、俺も診てもらおうかな。」
どうしよう……思わず口にしてしまったけど…舞踏会やお茶会のデビューをして以来、どんな令嬢にもときめいた事が無かったのに。
ユーリの笑顔を見るたびにどんどん心臓が早鐘のように鳴り響き、一瞬でも離れたくない。
___大好きな人に会ったらすぐ分かるわよ___
母上の言葉がふと過ぎる。
うん…そうだね、本当にすぐ分かったよ…
これが僕の初恋。
思わず口に出てしまったけど、今の僕はユーリに守られなければならないほど弱い人間だ。
次に告白するのは強くなってからだ。
そして、僕の魔力がまだ未熟だったせいか…ユーリの傷は残ってしまった。
そして10年後…僕は学園を首席で卒業し、ユーリ一筋だったのと強さを求める事に全振りしてしまって恋愛経験ゼロの僕はなかなか告白出来ずにいたが、ある人との出会いがきっかけで状況が少しずつ変わっていく。
辺境伯として父は魔物が住む森の調査や討伐を行っていた。
僕も森で討伐をしたくて何度も父にお願いしたが、首を縦に振ってくれなかった。
何度頼んだか忘れた頃、魔物が少なくなってきたのもあって許可が降りた。
ほとんど魔物を退治出来てタイミング良く僕のスキルアップに良い環境になったのと、そこへ王宮から訓練を兼ねて若い訓練生達がやって来ていたので守りの強化も出来ていたと判断されたのだ。
「わぁぁあああっ!」
広い森の中、周辺を調査していた隊の1人の悲鳴で強い魔物が残っている事を知らされた。
悲鳴を上げたのは父の部隊の中でもそこそこ強い人物だ。
そこから魔物の匂いと咆哮、次第にあちこちから叫び声が響く。
「君っ、フィルを頼むっ!この先に私の部隊の者がいるはずだからっ!」
父は訓練生の1人に僕を託し、屋敷へ戻れと言ってみんなの元へと走って行った。
その訓練生がユーリだ。
森の中で生き残りの大きな魔物に襲われみんなが傷を負っていく。
僕が足手まといなのは十分理解していたのでそれに従いユーリと逃げて父の部隊の人と合流したものの、別の魔物がやってきて僕達は2人で逃げる事になった。
そして…あとほんの少しで森を抜ける所で魔物に追い付かれた。
「危ないっ!」
「わぁあっ!」
___ザシュッ‼︎___
無我夢中で逃げたが、弱い僕に躊躇いもなく魔物が飛び掛ってくる。
もう駄目だとしゃがんだ時ユーリが僕と魔物の間に飛び込み、こめかみから頬を爪で一気に裂かれ血が吹き出しながらも剣を魔物の胸に突き立てると魔石を落として霧と共に消えた。
「くっ…大丈夫…ですか…?」
「…っ⁉︎…お兄さんっ…血が出てるっ!」
「俺は大丈夫…見ての通り獣人ですから。それより貴方が心配です。俺は騎士だから良いけど、貴方は貴族の子息じゃないですか。結婚相手を探すのに、傷を受けては支障が出るで……っ…イタタ…」
ドクドクと流れる鮮血に顔を歪め、大量の出血に顔色も悪くなっていったので僕は慌ててユーリを大きな木を背にして座らせた。
「アハハ……申し訳ありません…ちょっと、血を流し過ぎたかなぁ…」
治療してくれそうな魔術師を呼ぶために周りを見るが、ここには僕とユーリしかいない。
「お兄さん……ちょっと目を閉じててね。」
「…分かりまし……あ。」
「ん、何?」
「俺はユーリ・スチュワート。ユーリと呼んで下さい。貴方は…フィリップ…様…ですよね?」
獣人は人間より体力・運動能力・治癒力が高いため、人間に恐れられて僕が生まれるまで差別を受けていた。
今の王様に変わってから人間以外の王宮騎士団が設立されたり偏見は無くなってはいるけど…こうやって身を挺して僕を守るのが当たり前なのは騎士として当たり前なのは分かる…でも…
色々と騎士になるまで苦労したんだろうなぁ。
「僕は…フィルで良いです……では…」
傷口へ手をかざし、呪文を唱えた。
「ヒールッ!」
___パァァア……___
光と共にユーリの傷口が少しずつ塞がっていく。
これなら……
「フィリップ様っ!」
あれ……
___フワッ…___
父とも母とも違う香りがした。
「ユーリーッ、大丈夫かぁ~?」
あれ?僕……今、倒れた?
「大丈夫だっ!それよりフィリップ様が…っ……大丈夫ですか、フィリップ様?いくら魔力がお強いと言っても貴方はまだ幼い。魔力を使い過ぎないで下さい。」
優しく抱き締められて、フワフワして……
「え~…貴方だって僕と変わらないじゃないですかぁ…それに……こんなに優しい顔をしてるのに傷なんて……嫌ですよ。」
確かにこんなに一気に魔力を使ったのは初めてだ。
そういえば、先生が子どもの身体の間は一気に魔力を放出するなって言ってたっけ?
どんどん力が…抜けて…
「フィリップ様っ!」
もぅ…フィルで良いって言ってるのに…
___僕は良い香りに包まれて意識を無くした___
*********************
「……ん……」
良い香り…お日様をたくさん浴びた草の匂い…晴れた日の森の香りって言ったら良いのかなぁ…さっきの人の匂いもする…
___スリッ…___
「…フィリップ様?」
「っっ⁈」
___バッ!___
思わずもっと嗅いでいたいと擦り寄ったら少し頬を染めたユーリが目の前にいた。
「…やっと目が覚められましたね。大丈夫ですか?」
「ーーーーーっっ‼︎」
「すまない、ユーリ様が目覚められた。馬車を止めてくれ。」
ユーリがホッとした顔を見せた後、馬車の窓を開けて御者に声を掛けた。
何で…何で……どうして僕はユーリの膝の上で寝てたんだ⁈
「ん…あぁ、フィリップ様が俺の服を離さなくて…マントならそのまま外したんですけどね。みんなで服から離そうとしたんですが…フフッ、フィリップ様って力があるんですねぇ。」
「…え…あっ……その………」
___カァァァァ…___
「……ごめんなさい…」
「フフッ、良いですよ。それに…」
フワッ…と、良い香りと共に顔が近付く。
「ちょっと戦いで疲れてたので馬車で俺も寝ちゃいました……内緒…ですよ?」
___トクンッ!___
片目を瞑り、人差し指を唇に当ててイタズラっ子の顔をした。
……この人だ……
「…フィリップ様?」
「フィル、フィルって呼んで。」
「……フィル…様?」
「…っ…好き…」
「ん?」
…っ…僕、何言って…!
「あっ…違っ……っ…あのっ…良かったら僕と、友達になってくれませんか?」
「え、俺…獣人ですよ?それに俺は身分が…」
そんな事は関係ないっ!
「貴方が良いんです。それに止血は出来ましたが僕のせいで怪我もしてますし、一緒に屋敷で治療を受けて下さいっ。」
「う~ん……まぁ、こちらでの訓練はまだ数日ありますし…スチュワート様のお許しがあれば喜んで…」
「本当ですか⁈」
「アハハ、グイグイ来ますねぇ。そうですね、俺の親は爵位を持っていますが貴方の方が爵位がかなり上です。俺はスチュワート様のご意志に従いますよ。」
___コンコン___
「失礼致します、遅くなりました。フィリップ様お目覚めになりましたか?それでは、屋敷に戻るまでに…」
ユーリが魔術師がやってきたので席を変わろうと身じろぎしたので僕は再び服を掴んだ。
「ダメですっ、ユーリも一緒に見て下さい!」
「えっ…俺は部隊に戻って…」
「大きな怪我をしたんですよっ…それに…僕…離れたら…不安ですっ!ねっ、そう思いますよねっ?」
僕は念を込めて魔術師の顔を見ると、黙って頷いてくれた。
「ん~…もう大丈夫じゃ……フフッ、しょうがないなぁ…じゃぁ、俺も診てもらおうかな。」
どうしよう……思わず口にしてしまったけど…舞踏会やお茶会のデビューをして以来、どんな令嬢にもときめいた事が無かったのに。
ユーリの笑顔を見るたびにどんどん心臓が早鐘のように鳴り響き、一瞬でも離れたくない。
___大好きな人に会ったらすぐ分かるわよ___
母上の言葉がふと過ぎる。
うん…そうだね、本当にすぐ分かったよ…
これが僕の初恋。
思わず口に出てしまったけど、今の僕はユーリに守られなければならないほど弱い人間だ。
次に告白するのは強くなってからだ。
そして、僕の魔力がまだ未熟だったせいか…ユーリの傷は残ってしまった。
そして10年後…僕は学園を首席で卒業し、ユーリ一筋だったのと強さを求める事に全振りしてしまって恋愛経験ゼロの僕はなかなか告白出来ずにいたが、ある人との出会いがきっかけで状況が少しずつ変わっていく。
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