上 下
77 / 79
【番外編】 ___アオ登場!___

4 少し☆【その後】 アオ登場! (秋良→アオ ver.)

しおりを挟む
翌朝目を覚まし、悠を見るとまだ疲れが溜まっていたのか、俺がゆっくり手を外してベッドから離れても起きてこなかった。

そのままこっそりアオ達のいる訓練場へと足を運ぶと…

___バババババ…___

「アオはホバリングが得意だよね~。」

「そうかなぁ?でも楽しいねっ!」

ルゥとレイもインコの姿に戻り飛ぶ訓練の最中みたいだけど、アオが上手にホバリングしながら軽やかに飛んでいた。
やっぱり夢のインコはアオで合ってたな。
アキラ…せっかく自分で選んだのに何だか申し訳ない…

「あっ、ママだ!」

「僕のママだからねっ!」

「……みんなのママだろ?」

おいおい…ルゥやレイまでママ呼びたぁ…一気に俺、子沢山だな…って、いやっ…違うしっ!

インコに戻った3羽が飛びながらもピーチクパーチクかしましい。
すると、スマホ片手に蒼兄ぃがやってきた。

「…いや…ちゃうて。そんな訳ないやろ……え?……却下に決まって…っ…オイッ!」

「蒼兄ぃだ。」

「…何か揉めてるな。」

「パ……蒼兄ぃ!どうしたの?」

___パタパタパタ…ポフッ!___

アオが人間の姿になって蒼兄ぃに抱き着いた。

「アオ、今日も可愛いなぁ…あ、飴ちゃんいるか?」

「うんっ♡」

……大阪のオカン……

「美味し♡人間のお菓子って美味しいね!じゃあ、お礼のチュッ。」

抱き着いて蒼兄ぃの頬にキスをする。

「フフッ、こしょばいな。」

「こしょ…ばい…?パ…うぅん、蒼兄ぃ…これイヤ?」

「ウ゛ッ…めっちゃ可愛過ぎるっ!あっ…あぁ、分からんよな。『こしょばい』は、『擽ったい』って意味やねん。」

おぉ…蒼兄ぃ、超デレデレだ。

「ハァァ…これや…これが欲しかったんや。勝利とデコは突進してくるわ、悠斗はああだわ……秋良と尚は既に成長してたし…くぅっ…」

「パ…違った。蒼兄ぃ、泣いてるの?悲しいの?」

「泣いてへん…これは嬉し涙やっ。」

俺達もだけど、アオは特に小さいから甘やかしたくてウズウズしてたもんなぁ。
孫の気分?
…っていうか…さっきからアオ、蒼兄ぃの事「パパ」って言おうとしてるよな?

「…あ、来て早々すまんがちょっと急用出来たから行ってくるわ。」

「お仕事?」

「ん~…まぁ、そんなもんだ。アオ、今日はにぃに達の課題が出来たら食べたがってたケーキを作ってやるから頑張れよ。」

「うん!」

「じゃあ…ルゥ、レイ、あとを頼む。秋良、悪いけどみんなを見といてくれるか?」

「うん、分かった。」

そう言って訓練場から出て行ったが、暫く経っても蒼兄ぃがなかなか戻って来ない。
心配になり電話しようとしたら、悠が代わりにやって来た。

「ごめん、今日は蒼兄ぃがこっちに戻れないみたいだから俺が迎えに来たよ。ケーキはまた今度だって。今日の訓練は終わりにしようか。」

「え、パパ来ないの?」

「パパ来たじゃん。」

「悠はパパじゃないもんっ。」

「俺が秋良に注いで出来たんだから、俺達の子と変わんないだろ?」

「違うもんっ!ママの中から生まれたもんっ!」

「「…………」」

___ゴゴゴゴゴゴ___

どっちも引かねぇなぁっ。

「ハイハイ。アオ~、そこまでにしなよ?いくら悠が大人気無くても。」

「そうだぞアオ…いくらコイツが蒼兄ぃと違って器が小さくても。」

最初はアオと悠だけだったのが、いつの間にかルゥとレイがアオの横に付いて喧嘩を売った。

「お前ら…喧嘩なら買うぞ。全力で相手してやる。」

「えぇいっ、止めろぉっっ!」

その後もルゥとレイの3人で訓練をするようになり、アオは2人と一緒の部屋で過ごす事が増えた。
夜は頑なにレイが嫌がるので、俺の部屋も…悠が嫌がり…

「じゃあ、俺と一緒に寝ようか。」

「うん!パ……蒼兄ぃと一緒に寝るっ!」

一応「蒼兄ぃ」と呼んでと、言われてるからか…
律儀に名前呼びしているな。
その時、そちらに関心していて……俺はウッカリと蒼兄ぃにも相手がいる事を失念していた。



*********アオ ver.***********


たくさんお勉強して、ここに来て少し経った頃…


「そろそろ1人で寝起きしようか。」

どうしたのパパ、とっても嫌そうな顔してるよ?

「蒼兄ぃ…顔が言葉と合ってないから。俺はもうちょっと一緒でも「甘やかしは駄目だよ。」」

「悠、何言ってるの。じゃあ、僕らと「…俺も蒼兄ぃとコイツに賛成だ。」」

インコの成長は早くて、ママが言うにはそろそろ大人の身体になるんだって。
ルゥとママは「別にまだ良いんじゃない?」って、言ってくれたけど、パパは難しい顔して「教育と心臓に悪い」って、言うし…レイと悠は「大人の事情だ」しか言わない。
僕が大人の身体になったら分かるのかな?

「うん、分かったよ。僕1人で寝る練習するね。」

「すまんな、最近仕事や部屋での…ト…トレーニングでタイミング悪くて…寝る前に来てくれても仕事だったりトレーニングですぐに寝かせてやれなかったからな。」

「時々筋トレで汗かき過ぎたからって、おやすみのギュッが出来なかったもんね。」

何でかシーツをマントみたいにグルグル巻きで出てきたけど…お顔も赤かったし、筋トレって僕よりたくさんしてて凄いよね。

「…蒼兄ぃ…」

「…このままでは俺の身体がもたん…アイツ…アオのいないのを狙って所構わず…」

ん?ママとパパ、難しいお話してる?

「じゃあ僕、身体が大きくなったら一番にパパに見せるね!」

あ、パパって言っちゃった。

「……っ!やっぱり蒼兄ぃがパパ認識じゃないかっ!」

「悠より大人だもん、当たり前でしょ?」

「確かにな。」

「お前ら、外に出ろ。」

「もぅっ、悠も子どもが言ってるのを真に受けるな!アオ、大人の身体になったら2番目で良いから俺にも見せてくれよな。」

「うん!」

そして、数日しない内に僕の身体は大人になったので僕は急いでパパのお部屋に行った。


「………くっ………ぁっ……おまっ……そこ…やめっ……」


パパの声だ。
ドアに鍵が掛かってるから分からないけど、この前聞いたら難しいストレッチしてるって言ってたんだよね。
パパは「若くいる為に筋力は必要」って、いつも話してた。
毎日大変だなぁ…でも、一緒に筋トレしてる人がいるからつまらなくないよね。

___コンコン___

___ドォオオンッ!___

「グゥッッ!」

___バタバタバタッ………ガチャッ!___

「ゴメンなっ、アオ!……っ⁉…ア…アオやんな?」

「そうだよ蒼兄ぃ、僕大人になったっ!」

今まで思い切り見上げていたパパのお顔が近くなって、何だか不思議。
さっきまで少し身体が痛かったけど、すぐに見せたかったんだ。

「おめでとう。でも、まだ変化したばっかりで身体痛いやろ?」

「ううん、大丈夫だよ。一番に蒼兄ぃに見せたかったから。」

あれ、声も少し低くなってる。

「……フフッ、大きくなったな。でも、秋良の目と雰囲気はそのままなせいか可愛いまんまやな。まだ大きくなりそうちゃう?」

頭を撫でられてフワフワする。
パパとママに触られると、フワフワホワホワするんだよね。
でも、ルゥとレイは違うんだよね。
同じ仲間だからかな?
ギュッって、したら…もっと違う気持ちになるのかな?

「あのね、蒼兄ぃ……ギュッ…したい。」

「……っっ…俺、汗臭いで?」

そんな事ないよ、パパ…いつも良い香りするもん。
今だって…

「分かった…良い「訳ないよねぇ。」」

___グイッ!___

「あっ!」

「あ、勝利兄ぃ。」

「アオ、可愛く成長したねぇ。早く秋良に報告しなきゃ。あ、どうせならルゥにも報告しておいで♡蒼…兄ぃはこれから俺ともう少ししなきゃいけないから部屋に戻るね。」

「うん、じゃあ僕みんなの所に報告してくるね!」

「アカンッ、明日にしとけっ!」

「え~…今したいのに…」

「え~、行かせたら面白いのに。」

面白…?

「お前は黙っとけっ。アオの成長は最終段階で、まだもう少し成長すると思うねん。それに、みんな今日の訓練で疲れて寝てるかもやし…急な成長でまだ身体が痛いやろ?あちこち動いてたらしんどなるし、今日は部屋に戻って寝とこかっ。」

パパに色々説得されて、僕は渋々部屋に戻ると…

___ツキン…___

「…痛っ…」

あれ、ホントだ。
何かまた手とか大きくなった気がする。

「ふぁあ……」

トロトロと眠気もやって来る。

___トサッ…___

このお部屋にしてもらった時「よく眠れるようにね♡」って、勝利兄ぃがフワフワのベッドを用意してくれた。
うん、このベッド…横になるとすぐ寝ちゃうんだよねぇ…

僕はあっという間に目が閉じて眠ってしまった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。

カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。 今年のメインイベントは受験、 あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。 だがそんな彼は飛行機が苦手だった。 電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?! あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな? 急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。 さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?! 変なレアスキルや神具、 八百万(やおよろず)の神の加護。 レアチート盛りだくさん?! 半ばあたりシリアス 後半ざまぁ。 訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前 お腹がすいた時に食べたい食べ物など 思いついた名前とかをもじり、 なんとか、名前決めてます。     *** お名前使用してもいいよ💕っていう 心優しい方、教えて下さい🥺 悪役には使わないようにします、たぶん。 ちょっとオネェだったり、 アレ…だったりする程度です😁 すでに、使用オッケーしてくださった心優しい 皆様ありがとうございます😘 読んでくださる方や応援してくださる全てに めっちゃ感謝を込めて💕 ありがとうございます💞

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?

名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。 そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________ ※ ・非王道気味 ・固定カプ予定は無い ・悲しい過去🐜 ・不定期

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。

小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。 そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。 先輩×後輩 攻略キャラ×当て馬キャラ 総受けではありません。 嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。 ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。 だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。 え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。 でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!! ……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。 本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。 こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。

平凡ハイスペックのマイペース少年!〜王道学園風〜

ミクリ21
BL
竜城 梓という平凡な見た目のハイスペック高校生の話です。 王道学園物が元ネタで、とにかくコメディに走る物語を心掛けています! ※作者の遊び心を詰め込んだ作品になります。 ※現在連載中止中で、途中までしかないです。

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。

克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります! 辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。

処理中です...