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それぞれのクリスマスは終わり、冬休みも突入していたので、寮では居残り組はお正月の準備帰省組は帰省の準備であちこちバタバタしている。

隼人はあれから何か悠に相談があるとかで夜に2人で別室にいた。
そういや、クリスマスプレゼントでお世話になったアクセサリーの業者の人も途中から来てたな。
何かスマホ片手に急いで帰ってったけど…大人気なんだなぁ。
悠はクリスマスの時に「俺だけのサポートキャラ」とは言っていたけどそうもいかず、やはりちょこちょこ相談は受けている。
俺は召喚されて帰省もないから居残り組でのんびりしたい所なんだが…クリスマスプレゼントに理事長から和服もらったしなぁ…花屋敷に来いってことだよなぁ?
何か準備した方が良いのかなぁ。

クリスマスツリーは片付けられたが毛の長いラグを気に入ったのでリビングにそのまま置いてもらっている。
そのまま背凭れの大きなクッションにうつ伏せに凭れながら食堂のお正月限定おせち料理のメニューを眺めていたら、戻ってきた悠が上から覆い被さってきた。

「ただいま。ゴメンね…1人にさせ…て。」

「ウップッ!」

「お正月?」

悠が横で仰向けに寝て俺を自分の上に引き寄せる。

「そ…う…俺は…異世界人だからさ。実家ないし。」

「花屋敷に行かない?」

「花屋敷………んっ…ちょっ……悠…」

ゴソゴソと服の中に手を入れて弄りはじめた。

「ん~…チュ……チュッ……行こうよ……んっ…」

金木犀の香りが俺を誘ってくる…

「んんっ……家族っ…でぇ…過ごす…んぅ………だっ………ろぉおっ!」

俺の身体をひっくり返らせて俺の服を器用に脱がせながら手は伸びた状態で手首を掴まれ、そのまま乳首を喰まれた。

あひりゃあきら……ひこぉいこぉ…よ…ん………」

「大事な…は…なしにぃ……乳首を……噛む…なぁっ!」

段々俺の香りも混ざり始める。
悠は喰んでいた俺の乳首から離れ、ギラギラした目でこちらを見た…

「………ベッド…行く…?」


___あぁ…俺は…このオレンジのに弱い___


「……手ぇ…離して…」

離された手を悠の首に回す。

「……ここで………良ぃ……」

「了…解…」

「ん………ぅ………」

静かな空間にクチュクチュと舌の絡む音がする。
花の香りも次第に芳醇な香りへと変わっていく…まるで熟していくワインのように……
良いお酒に気持ち良く酔って行くって……こんな感じなのかな?
温かくて、気持ち良くて……
お互い交換する唾液でさえ…甘い……

「秋……良……ん…好き……チュ…」

「ん……俺…も……ぅん……」

悠の唇が徐々に下に降りて行く。
基本激しいエッチが多いが、こういうエッチはお互いをゆっくりと感じ合えるから好きだ。
身体中をキスをされて、身体中を触れられる。
沢山の「好き」をくれて、沢山の「愛してる」をくれる。
俺は…悠に何か返せてるのかなぁ…


___ジュッ!___


「んぅっ!」

悠が太腿の付け根を強く吸った後こちらへゆっくりと顔を向けた。

「………考えごと……?」

「あ………ゴメ…」

考えごとをしてたら悠の愛撫の反応が薄くなったらしい。

「………こっちこそ…ゴメンね……」

「…え?」

え………ちょっと待って?
悠斗さん………いつものオレンジ以外に茶色が混ざって…琥珀みたい………じゃなくてっ!!

「考えちゃうヒマをあげちゃうほど、エッチが物足りなかった……ね…んむっ。」

「あぁんっ!」

ひっかりしっかりと…ん…む……わひゃらなくわからなく…ぅ…なぅなるまで………ホロトロホロトロ……ん…にね……ん…」

「ひゃっんっ!あっ…やっ……ごめ…っ!!やぁぁぁ!噛まなっ…イッ…くっ………やんっ!!」

悠が俺のペニス咥え、カリの所で唇を止めて鈴口を刺激しながらワザと喋り、含んでいない所は手で扱く。

「んっんっぅうっ……イ……クッ……イッちゃ…………あっんんんぅ!」

悠の唾液と俺の先走りで音が次第に変わっていく。
ジュポジュポと悠の口の中で俺のペニスは猛り出し、久々に喉の奥へ導かれて締め付けられて悠の中に精を放った。

「んっ……ゴクッ………ふっ…ぅ……」

「悠っ!ゴメン‼」

「ん……大丈夫…チュッ…」

悠が口を拭ってから身体を起こし、俺の唇に触れるだけのキスをする。

「久々で………美味しかった……ご馳走さま♡」

「………………っ!」

カァァァッ!
何てこと言うんだっ!!恥ずかしいっ!
BLの世界にすっかり溶け込んだと思っていたが…俺もまだまだなようだ。
そのまま悠に何も考えられないほど明け方までトロトロにされた。

冬休みに入ってから、花屋敷家は新年祈り舞の準備で忙しいらしいのだが、今回はルゥとレイも巫女と一緒に舞を舞うらしい。
近くにいた方がもちろん良いのだが学園の敷地内なら守護するものの加護は受けられるので、ルゥとレイは連日舞の稽古でなかなか会えていない。
今日も悠が相談を受けに外に出た時に入れ違いで2人がやって来て俺に日にちはズレたがクリスマスプレゼントをくれた。

「にぃに…これ…」

「開けて良いのか?」

「うん!」

小さな箱を開けると中身はピアスだった。

「綺麗な緑だな…」

悠の目の色みたいだ。

「クロムダイオプサイトって言うんだって。」

「この石の言葉は『幸せの道標』…だそうだ。にぃににピッタリ…」

「2人共ありがとう。でも俺…ピアスは憧れなんだけど開けるのが痛そうでしてないんだよなぁ。」

「大丈夫。」
「…痛くない。」

2人はそれぞれピアスを持って俺の耳にピアスを当て、そっと願いを込めた。

「「この者に幸多き日々を…」」

ポゥ…と、光がピアスを包み、耳に定着する。

「にぃに…痛い?」

「あ、痛くない。大丈夫だ。」

「俺達の加護を強化した。」

「フフッ、ありがとう。」

「俺達もクリスマスプレゼントはお互いピアスにしたんだ♪あ、指輪はレイがくれたけどお揃いだよ!」


___指輪___


レイの左に輝く指輪を見る。
シンプルなプラチナリングだが、中側に俺と同じ石が埋め込まれてるらしい。
それは良いんだけど…指輪…左手の薬指?
2人は…そういう感じになったのか?

「ルゥ?レイと…番になったの?」

「番?何それ?それより、レイに指もにぃにと同じ場所にはめてくれたんだぁ♪フフッ。」

「…………レイ……?」

「……今はで良い…今は…」

しょんぼりするレイがいた。
先は長そうだな………
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