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【注意】
ネタバレになりますが、固定CP以外のキスシーンが後半に含まれます。
固定CP以外は地雷と言う方はご注意下さい。
***************
何度目だろう………目が覚めたら朝でした……
しかも………指一本動かすのが…苦痛です………
首は動くので横を見ると…
___朝日に浴びた佐奈田さんの片手が悠斗の頭を鷲掴みして…それはそれは綺麗な土下座姿がございました___
あれ……既視感…?
前もあったな……これ……
「アキラ様ぁっ!!この度は本当に、本っっ当ぉ~に申し訳ございませんっっ!私が守護するものに掛かり付けにならなければこんな酷いことにはぁっ!悠斗様も謝れぇぇっ!!」
「………だって……可愛いアキラが…悪い…」
「……っ⁉お~ま~え~は~ア~ホ~かぁぁぁっ!!」
鷲掴んでた手が離れ、そのまま平手でスパァァァンッ!と悠斗の頭を叩く。
……仮にも主……叩いて良いのだろうか…
いや、花屋敷の執事だもんな。良いんだろう…そうしとこ。
「守護するものは成長完了です。アキラ様の体調が戻り次第お連れしますので、それまではコイツ…いや、悠斗様は……」
バキバキ指を鳴らしながら立ち上がって悠斗を見下ろす。
「ちょっと…花屋敷特殊部隊の訓練に放り込んできます………悠斗様……行って来いや。」
親指をクイッと外へ向かれたと同時に花屋敷のガタイの良い影の人が2人出てきて悠斗の両脇を抱えて出ていった。
「嫌だっ!俺はアキラとぉぉっ!!ア~キ~ラァァァッ!!」
「アホかっ!お前がおったら休まらんっちゅ~ねんっ!!ギャーギャー言わんと行って来いっ!」
鼻を鳴らして佐奈田さんがネクタイを緩めてベッドへ腰を掛ける。
心配そうに俺の額へ手を当てた後、頭を撫でくれた。
「アホボンは遠くへ行かしたし、ここからはプライベートや……無理……さしたな……ゴメンな…」
佐奈田さんの手の平がちょっと冷たくて心地良い。
「…ん…大丈夫…じゃないけど……大丈夫…です。ちょっとは……俺のせいでも…あるし…」
自分で言ってて恥ずかしくなった。
「花の香りのせいとはいえ、悠斗様もここまでは無茶させすぎやわ。尚弥様でも昼には動いてたやろ?」
…あ…尚弥……確かに。
「最初は香りが混ざり切るまではみんなそうなんねんけど…悠斗様もアキラ様も特殊やからなぁ…だから少しセーブする様にアキラ様が気絶の間は叩き起こして訓練とか参加させて発散はさせてたんやけど…」
だから………あんな体力オバケになったのか………もぅ気絶しないと思ってたのに。
「影からは……悠斗様の迫力に止める事も出来んかったみたいやわ…」
…あ~…俺も煽ったしなぁ…
「これ…」
コトン…とサイドテーブルに置かれたコーヒーフレッシュくらいの小さな透明なカップは水色のトロッとした液が入っている。
「疲労回復の薬。ルゥが手伝ったからアキラ様に合うように調合してるはずやで。」
「ルゥが?」
「あぁ、レイも一緒にやってたぞ。『ルゥの大切なにぃにだから』だそうや。愛されてんな。」
「俺、レイに何かしたかなぁ…」
「ま、それは本人からまた聞き。それより…飲めるか?」
「ん………無理…そぅ…です……」
頑張って起きようとしたが…無理だった……
「…やんなぁ…」
佐奈田さんが頭を掻き揚げてから影に席を外すように指示をした。
「さて…と…今…俺とアキラ様…2人だけや……ゴメンやで………」
佐奈田さんはサイドテーブルにあった薬を口に含み、俺の頬に手を添えて唇を合わせる。
「………ん………」
ツンツンと少し舌を出して俺の口を開かせて、ゆっくりと薬を流してきた。
「…ん……んぅ………ふっ…」
薬をしっかり馴染ませるように佐奈田さんの舌が俺の舌に優しく絡んでくる。
佐奈田のザルジアンスキアの香りが甘く俺の鼻を擽った。
「ん……こんなもんかな……医療行為とは言え、こんなオッサンの口移しでゴメンな…」
「いえ……佐奈田さんのお相手に申し訳ない…です…」
「フフッ…じゃあ…それは……お互い…ナイショ…やな…」
「…はい…」
佐奈田さんがクスクス笑いながら優しく頬を撫でてくれる。
擽ったくて…気持ちが良くて、思わず擦りよってしまう。
「ホンマ、アキラ様は可愛いなぁ。無理しんと、何かあったらホンマ言ぃや。」
「悠斗のことで?」
「まぁ…それ以外はないやろうしな。」
またクスクスと笑い合う。
そうしているうちにウトウトと眠くなってしまった。
「あの2人はもう俺の教育は終わってアキラ様が寝てる間に他の人間の教育が入るから。ここには俺もいるしSPや影も増やすわ。だから安心して寝とき。食ぅて寝るんが一番や。」
「ありがとう……お兄………ちゃん………」
俺は無意識で言ったようだが、バッ!と、佐奈田さんが振り向いた時には俺は寝息を立てていたそうだ。
佐奈田さんはその後「お兄ちゃん」を脳内再生して癒やされていたらしい。
そこからは俺は完全復活に2日ほど掛かり、悠斗は4日ほど戻って来ませんでした☆
「え?………いやぁ………煩悩が酷すぎてな……」
佐奈田さんが俺が寝てるベッドで一緒にお茶をしながら話しててくれた。
「佐奈田さん?何か疲れてます?」
「アキラ様だけやで…そんな言ぅてくれんの……」
そっかなぁ…
花屋敷ってブラックじゃないとは思うんだけど……泡風呂セットのお礼もまだだし、今度何かリラックスグッズを贈ろう。
___4日後___
フラフラになりながら戻ってきた悠斗はそのまま爆睡し、俺は佐奈田さんに甘やかされて好きな食べ物や飲み物のオンパレードで、泡風呂にもゆっくりと堪能出来てのんびりと過ごす事が出来た。
ネタバレになりますが、固定CP以外のキスシーンが後半に含まれます。
固定CP以外は地雷と言う方はご注意下さい。
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何度目だろう………目が覚めたら朝でした……
しかも………指一本動かすのが…苦痛です………
首は動くので横を見ると…
___朝日に浴びた佐奈田さんの片手が悠斗の頭を鷲掴みして…それはそれは綺麗な土下座姿がございました___
あれ……既視感…?
前もあったな……これ……
「アキラ様ぁっ!!この度は本当に、本っっ当ぉ~に申し訳ございませんっっ!私が守護するものに掛かり付けにならなければこんな酷いことにはぁっ!悠斗様も謝れぇぇっ!!」
「………だって……可愛いアキラが…悪い…」
「……っ⁉お~ま~え~は~ア~ホ~かぁぁぁっ!!」
鷲掴んでた手が離れ、そのまま平手でスパァァァンッ!と悠斗の頭を叩く。
……仮にも主……叩いて良いのだろうか…
いや、花屋敷の執事だもんな。良いんだろう…そうしとこ。
「守護するものは成長完了です。アキラ様の体調が戻り次第お連れしますので、それまではコイツ…いや、悠斗様は……」
バキバキ指を鳴らしながら立ち上がって悠斗を見下ろす。
「ちょっと…花屋敷特殊部隊の訓練に放り込んできます………悠斗様……行って来いや。」
親指をクイッと外へ向かれたと同時に花屋敷のガタイの良い影の人が2人出てきて悠斗の両脇を抱えて出ていった。
「嫌だっ!俺はアキラとぉぉっ!!ア~キ~ラァァァッ!!」
「アホかっ!お前がおったら休まらんっちゅ~ねんっ!!ギャーギャー言わんと行って来いっ!」
鼻を鳴らして佐奈田さんがネクタイを緩めてベッドへ腰を掛ける。
心配そうに俺の額へ手を当てた後、頭を撫でくれた。
「アホボンは遠くへ行かしたし、ここからはプライベートや……無理……さしたな……ゴメンな…」
佐奈田さんの手の平がちょっと冷たくて心地良い。
「…ん…大丈夫…じゃないけど……大丈夫…です。ちょっとは……俺のせいでも…あるし…」
自分で言ってて恥ずかしくなった。
「花の香りのせいとはいえ、悠斗様もここまでは無茶させすぎやわ。尚弥様でも昼には動いてたやろ?」
…あ…尚弥……確かに。
「最初は香りが混ざり切るまではみんなそうなんねんけど…悠斗様もアキラ様も特殊やからなぁ…だから少しセーブする様にアキラ様が気絶の間は叩き起こして訓練とか参加させて発散はさせてたんやけど…」
だから………あんな体力オバケになったのか………もぅ気絶しないと思ってたのに。
「影からは……悠斗様の迫力に止める事も出来んかったみたいやわ…」
…あ~…俺も煽ったしなぁ…
「これ…」
コトン…とサイドテーブルに置かれたコーヒーフレッシュくらいの小さな透明なカップは水色のトロッとした液が入っている。
「疲労回復の薬。ルゥが手伝ったからアキラ様に合うように調合してるはずやで。」
「ルゥが?」
「あぁ、レイも一緒にやってたぞ。『ルゥの大切なにぃにだから』だそうや。愛されてんな。」
「俺、レイに何かしたかなぁ…」
「ま、それは本人からまた聞き。それより…飲めるか?」
「ん………無理…そぅ…です……」
頑張って起きようとしたが…無理だった……
「…やんなぁ…」
佐奈田さんが頭を掻き揚げてから影に席を外すように指示をした。
「さて…と…今…俺とアキラ様…2人だけや……ゴメンやで………」
佐奈田さんはサイドテーブルにあった薬を口に含み、俺の頬に手を添えて唇を合わせる。
「………ん………」
ツンツンと少し舌を出して俺の口を開かせて、ゆっくりと薬を流してきた。
「…ん……んぅ………ふっ…」
薬をしっかり馴染ませるように佐奈田さんの舌が俺の舌に優しく絡んでくる。
佐奈田のザルジアンスキアの香りが甘く俺の鼻を擽った。
「ん……こんなもんかな……医療行為とは言え、こんなオッサンの口移しでゴメンな…」
「いえ……佐奈田さんのお相手に申し訳ない…です…」
「フフッ…じゃあ…それは……お互い…ナイショ…やな…」
「…はい…」
佐奈田さんがクスクス笑いながら優しく頬を撫でてくれる。
擽ったくて…気持ちが良くて、思わず擦りよってしまう。
「ホンマ、アキラ様は可愛いなぁ。無理しんと、何かあったらホンマ言ぃや。」
「悠斗のことで?」
「まぁ…それ以外はないやろうしな。」
またクスクスと笑い合う。
そうしているうちにウトウトと眠くなってしまった。
「あの2人はもう俺の教育は終わってアキラ様が寝てる間に他の人間の教育が入るから。ここには俺もいるしSPや影も増やすわ。だから安心して寝とき。食ぅて寝るんが一番や。」
「ありがとう……お兄………ちゃん………」
俺は無意識で言ったようだが、バッ!と、佐奈田さんが振り向いた時には俺は寝息を立てていたそうだ。
佐奈田さんはその後「お兄ちゃん」を脳内再生して癒やされていたらしい。
そこからは俺は完全復活に2日ほど掛かり、悠斗は4日ほど戻って来ませんでした☆
「え?………いやぁ………煩悩が酷すぎてな……」
佐奈田さんが俺が寝てるベッドで一緒にお茶をしながら話しててくれた。
「佐奈田さん?何か疲れてます?」
「アキラ様だけやで…そんな言ぅてくれんの……」
そっかなぁ…
花屋敷ってブラックじゃないとは思うんだけど……泡風呂セットのお礼もまだだし、今度何かリラックスグッズを贈ろう。
___4日後___
フラフラになりながら戻ってきた悠斗はそのまま爆睡し、俺は佐奈田さんに甘やかされて好きな食べ物や飲み物のオンパレードで、泡風呂にもゆっくりと堪能出来てのんびりと過ごす事が出来た。
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