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佐奈田さんが自分の部屋に戻った後はいつもの悠斗で安心して晩ご飯を食べに食堂へ行き、今日は自分の部屋で寝るつもりだったんだが…
部屋に行くと俺のベッドは無く、リラックスソファーと小さいテーブルがあり別の部屋へと変貌していた。
マジかぁぁ!
「応える」って言ったから?!
スゲェな!花屋敷の影!!
あ、本棚とBL本はご丁寧にそのままだ。
「アキラ…今日から一緒に寝るけど…最後まではしないから…」
え?最後まではしないから?
__速攻、佐奈田さんを呼んで元の部屋に戻してもらいましたっ!__
俺の香りは…悠斗曰く召喚して初めて抱きしめた時、微かな「石鹸の香り」がしたそうだ。
石鹸の香り……ねぇ……
翌日の朝食、花に詳しそうな隼人に聞いてみた。
「石鹸の様な香りの花?」
「うん、そう。知ってる?」
「ちょっと…ゴメンね。」
隼人が近付いて首元を嗅いだ。
「…んっ…」
「あ、ゴメン……フッ……だから、ゴメンって。」
__ゴゴゴゴ………__
おぅ…後ろから悠斗が俺を引き寄せて殺気だってるぅ…
「とっ取り敢えず、尚弥が席を取ってくれてるんだよな?朝ご飯食べながら話をしようぜ!」
悠斗はムスッとして無言だったが、俺達は朝食を選んで尚弥が取ってくれていたテーブルへ向かった。
「尚弥、おはようっ!待たせてゴメンな!」
明るく挨拶挨拶~………挨…拶…
「あ………アキラ、おはよう。」
あっはぁ~…
尚弥ぁ…見る度に色気が増してくなぁ…このゲーム、1年生で攻略したらどうなるんだっけ…?
覚えてないんだよなぁ…
取り敢えず1年で攻略したら3学期修了後、また1年から新たに新しい攻略対象選択に戻ったような…
「尚弥、体調はどう?大丈夫?」
………主に腰とか…腰とか………
「あ…っ、うん…こないだはゴメンね。色々話したかったのに。」
そりゃ、原因が隣にいりゃあんまり言えないよな。
「またゆっくりと話そうな。あ、隼人。さっき言っていた花なんだけど…」
「花?」
尚弥が首を傾げて聞いてきた。
あ゛~!可愛いな~!!もうっ!
流石ゲームの主人公だぜっ!
「うん。実は俺にも香りが出始めたみたいで。」
尚弥と隼人にはこないだのお茶の時にゲームの話をしないで「異世界から悠斗に召喚されてこの世界に来た。」と話した。
2人は驚いていたけど匂いが無いのと花屋敷の事情ですぐに理解してくれた様だ。
「アキラ、香り嗅がせてもらっても良い?」
「おぅ、良いぜ。」
今日は丸テーブルで食べてたので、少し離れて隣だった尚弥がこちらに椅子を持って移動してきた。
「ちょっと…ゴメンね。」
「あはっ…くすぐったいっ。」
尚弥の髪が首筋に当たり、くすぐったさでちょっと肩をすくめる。
「クスクス…確かにここってくすぐったいよね……ん……ぁっ…確かに匂うかも。」
尚弥が離れて椅子を持ってまた隼人の近くに戻っていった。
あ!また悠斗、ヤキモチ焼…かねぇな…何か微笑ましく見てる…何なんだ?その基準は?!
「う~ん…石鹸ねぇ…石鹸………あ、あれじゃないかな?」
「あるのか?」
「うん、セアノサス…かな。普通のボディソープとかの香り…と、言うよりはこっちの方が近いかも。」
「セアノサス…ねぇ、聞いたことないや。」
まぁ、花自体ほとんど知らないんだけどなぁ。
「俺は…どんな香りでもアキラが好きだよ。」
悠斗が腰に手を回さして耳元で囁く。
「仲良しだねぇ。」
尚弥が嬉しそうに微笑んだ。
「俺達も…仲が良いだろ…?」
隼人も尚弥の腰に手を回して耳元で囁くのは良いが…その尚弥の太腿に置いた手を退けろぉぉっ!
「ぁん…っ…隼人っ!ここ…食堂…!!」
あぁぁ…何なんでしょうね…公認されたらどこでもOKなんスか…?
みんな見事にスルーだぜ…
………いや、スルーじゃねぇな………
こないだのハロウィンでカップルが増えたらしく、周りを見ると…
「あぁ、ちょっとアイツ…起きれなくてブランチボックスをもらいに…」
あぁ…それ、こないだ聞いたなぁ…
あっちは…
「アイツの所へなんか…行かせない……っ!」
「え…?!先輩!ちょっと…待っ!」
先輩に手を引かれて部屋にお持ち帰りされてるだろう可愛い後輩が1人…
「アイツ」を知らんが…何やったんだろ…
みんな自分のことで周りが見えてねぇな……流石はBLの世界だぜ。
「悠斗、今日は尚弥の調子が悪そうだから授業休むよ。」
「分かった。…アキラも「いや!俺は元気だ!!さぁ、授業行こうぜっ!」」
今部屋に戻ったら確実に最後までヤラれるっ!行ってたまるか!
「…じゃあ…行こうか…」
そんな残念そうな顔をしても行かないからなっ!
そして…顔を真っ赤にした尚弥の手を引いて隼人は部屋に戻って行った。
俺が召喚されるまでに1年生で修得する授業はみんなある程度済ませていたそうで、ハロウィン以降の授業は選択授業がメインとなるらしい。
今日は選択授業のみなので、大学のように今日は休みの者や授業を受ける者が出てくる。
…俺、2年生になってもいたら死ぬかな…?
ちなみに俺と尚弥の今日の選択授業は体育で悠斗と隼人は心理学だ。
お互い休みを伝えるには丁度良かった。
「じゃあ、今日は体育館で授業だからもう行かなきゃ。」
席を立とうとしたら悠斗に手を掴まれた。
「?」
「アキラ、今日の授業って体育だけ?」
「うん。」
「分かった。じゃあ、後でね。」
真剣な顔の悠斗が気になりつつ、俺は体育館へ向かった。
部屋に行くと俺のベッドは無く、リラックスソファーと小さいテーブルがあり別の部屋へと変貌していた。
マジかぁぁ!
「応える」って言ったから?!
スゲェな!花屋敷の影!!
あ、本棚とBL本はご丁寧にそのままだ。
「アキラ…今日から一緒に寝るけど…最後まではしないから…」
え?最後まではしないから?
__速攻、佐奈田さんを呼んで元の部屋に戻してもらいましたっ!__
俺の香りは…悠斗曰く召喚して初めて抱きしめた時、微かな「石鹸の香り」がしたそうだ。
石鹸の香り……ねぇ……
翌日の朝食、花に詳しそうな隼人に聞いてみた。
「石鹸の様な香りの花?」
「うん、そう。知ってる?」
「ちょっと…ゴメンね。」
隼人が近付いて首元を嗅いだ。
「…んっ…」
「あ、ゴメン……フッ……だから、ゴメンって。」
__ゴゴゴゴ………__
おぅ…後ろから悠斗が俺を引き寄せて殺気だってるぅ…
「とっ取り敢えず、尚弥が席を取ってくれてるんだよな?朝ご飯食べながら話をしようぜ!」
悠斗はムスッとして無言だったが、俺達は朝食を選んで尚弥が取ってくれていたテーブルへ向かった。
「尚弥、おはようっ!待たせてゴメンな!」
明るく挨拶挨拶~………挨…拶…
「あ………アキラ、おはよう。」
あっはぁ~…
尚弥ぁ…見る度に色気が増してくなぁ…このゲーム、1年生で攻略したらどうなるんだっけ…?
覚えてないんだよなぁ…
取り敢えず1年で攻略したら3学期修了後、また1年から新たに新しい攻略対象選択に戻ったような…
「尚弥、体調はどう?大丈夫?」
………主に腰とか…腰とか………
「あ…っ、うん…こないだはゴメンね。色々話したかったのに。」
そりゃ、原因が隣にいりゃあんまり言えないよな。
「またゆっくりと話そうな。あ、隼人。さっき言っていた花なんだけど…」
「花?」
尚弥が首を傾げて聞いてきた。
あ゛~!可愛いな~!!もうっ!
流石ゲームの主人公だぜっ!
「うん。実は俺にも香りが出始めたみたいで。」
尚弥と隼人にはこないだのお茶の時にゲームの話をしないで「異世界から悠斗に召喚されてこの世界に来た。」と話した。
2人は驚いていたけど匂いが無いのと花屋敷の事情ですぐに理解してくれた様だ。
「アキラ、香り嗅がせてもらっても良い?」
「おぅ、良いぜ。」
今日は丸テーブルで食べてたので、少し離れて隣だった尚弥がこちらに椅子を持って移動してきた。
「ちょっと…ゴメンね。」
「あはっ…くすぐったいっ。」
尚弥の髪が首筋に当たり、くすぐったさでちょっと肩をすくめる。
「クスクス…確かにここってくすぐったいよね……ん……ぁっ…確かに匂うかも。」
尚弥が離れて椅子を持ってまた隼人の近くに戻っていった。
あ!また悠斗、ヤキモチ焼…かねぇな…何か微笑ましく見てる…何なんだ?その基準は?!
「う~ん…石鹸ねぇ…石鹸………あ、あれじゃないかな?」
「あるのか?」
「うん、セアノサス…かな。普通のボディソープとかの香り…と、言うよりはこっちの方が近いかも。」
「セアノサス…ねぇ、聞いたことないや。」
まぁ、花自体ほとんど知らないんだけどなぁ。
「俺は…どんな香りでもアキラが好きだよ。」
悠斗が腰に手を回さして耳元で囁く。
「仲良しだねぇ。」
尚弥が嬉しそうに微笑んだ。
「俺達も…仲が良いだろ…?」
隼人も尚弥の腰に手を回して耳元で囁くのは良いが…その尚弥の太腿に置いた手を退けろぉぉっ!
「ぁん…っ…隼人っ!ここ…食堂…!!」
あぁぁ…何なんでしょうね…公認されたらどこでもOKなんスか…?
みんな見事にスルーだぜ…
………いや、スルーじゃねぇな………
こないだのハロウィンでカップルが増えたらしく、周りを見ると…
「あぁ、ちょっとアイツ…起きれなくてブランチボックスをもらいに…」
あぁ…それ、こないだ聞いたなぁ…
あっちは…
「アイツの所へなんか…行かせない……っ!」
「え…?!先輩!ちょっと…待っ!」
先輩に手を引かれて部屋にお持ち帰りされてるだろう可愛い後輩が1人…
「アイツ」を知らんが…何やったんだろ…
みんな自分のことで周りが見えてねぇな……流石はBLの世界だぜ。
「悠斗、今日は尚弥の調子が悪そうだから授業休むよ。」
「分かった。…アキラも「いや!俺は元気だ!!さぁ、授業行こうぜっ!」」
今部屋に戻ったら確実に最後までヤラれるっ!行ってたまるか!
「…じゃあ…行こうか…」
そんな残念そうな顔をしても行かないからなっ!
そして…顔を真っ赤にした尚弥の手を引いて隼人は部屋に戻って行った。
俺が召喚されるまでに1年生で修得する授業はみんなある程度済ませていたそうで、ハロウィン以降の授業は選択授業がメインとなるらしい。
今日は選択授業のみなので、大学のように今日は休みの者や授業を受ける者が出てくる。
…俺、2年生になってもいたら死ぬかな…?
ちなみに俺と尚弥の今日の選択授業は体育で悠斗と隼人は心理学だ。
お互い休みを伝えるには丁度良かった。
「じゃあ、今日は体育館で授業だからもう行かなきゃ。」
席を立とうとしたら悠斗に手を掴まれた。
「?」
「アキラ、今日の授業って体育だけ?」
「うん。」
「分かった。じゃあ、後でね。」
真剣な顔の悠斗が気になりつつ、俺は体育館へ向かった。
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