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モルダ様の配慮なのか、後回しにされていた剣舞を教えてもらう事になった。
今回もベリルが一緒に受けると聞いてはいたが、せっかくだし…と、この国の聖女であるベリーも一緒に受けるらしい。
ベリー、久々だけど元気かなぁ…
ガーネットがベリーと最近一緒に講義を受ける事が多いらしく、ガーネットに付き添うパールからも話しはよく聞いていたけど、やっぱり会いたいよね。
………と、思ってたんだけど………
「ベリー、久し振り。」
「………カッ……ハァァァアア………」
「…ベリー?」
___ズシャアッッ‼___
「メシアッッ‼」
「め…飯…?」
「ベリー⁈」
扉を開けてベリーと目があった途端にベリーが変な行動に出た。
これ、転生前にTVで見た事がある。
全身うつ伏せって…『匍匐前進』……いや、違うな。
これ…『五体投地』…ってんだっけ?
仏教のお祈りだったよね?
「話には聞いてたけど…こんなに…眩しっ!」
……何だろう…愉快な聖女に加速が掛かってる気がする……俺が嫁ぐ未来の国王の心配もだけど、我が国の聖女の心配までしなきゃいけないのか…いかん…目眩がしてきた。
「聖女とは…こんなに奇怪な動きをする存在なんだろうか?」
「ベリル、思ってる事が言葉に出てるよ。これはベリーとパール限定だから、取り敢えずお口チャックしような~。」
「はわわわ…ジルコンさんまで……あぁぁぁ…愛されオーラが凄い…尊い……あぁ…転生して良かったぁぁぁあ…」
「……フッ…ありがとうございます。」
「ハァァアア……尊過ぎ……っ…召されるっ!」
「召されないでっ!」
跪いて両手を天に掲げているベリー。
…空に神でもいるんだろうか?
「あの…ベリー…取り敢えず落ち着いてもらっても良いかな?」
「……ハッ!私ったらっ、ごめんなさい。パールとガーネットから聞いてはいたのだけど、まさか2人がここまで愛されキラキラになってるとは……」
「ストロベリー嬢……お口の端に雫が…」
「あぁあああん……」
ヨダレを垂らしてるベリーに爽やかに跪いてハンカチを差し出すジルコン。
……コイツ…
「雫って……ジルコン…お前、面白がってやってんだろ?」
「…あ、分かった?いや…正直こんな聖女って面白すぎて。文献と全く違うのな。」
「いや、多分ベリーだけだよ。」
「失礼致します…そろそろ始めてもよろしいでしょうか…?」
舞の為に隣の国から特別講師として来てくれた先生が恐る恐る聞いてきた。
確かに未知の世界なこのカオスな風景は恐怖だよな。
「あ、スミマセン。今回はわざわざ俺の為にありがとうございます。宜しくお願いします。」
「あっっ、恐れ多すぎますっ!どうか、頭を上げて下さいませっ‼」
俺と講師はお互いペコペコとお辞儀をしながら、やがてお互い苦笑いしてしまった。
きっとこの人、良い人だ。
「俺の事はリオと呼んで下さい。宜しくお願いします。」
「こちらこそ……未来の我が国の王妃になられる方にお会い出来る機会を頂きありがとうございます。どうか私の事はゴシェとお呼び下さいませ。」
ゴシェはベリルの侍従になる為に現在見習いで勉強中らしいが、幼い頃からの付き合いで幼馴染らしい。
俺と身長が同じくらいか…やった!コーラルに背を越され儚げイケメンに育ってしまったが仲間が出来たぞ!
「ゴシェ、何もお前が来なくても良かっただろう?」
「ベリル様がこちらに定期連絡を怠ってるからでしょ!貴方は全く…だからお目付け役で私が来たんですよっ!これからは私もこちらで勉強しますからねっっ!」
「……あ…ゴメン…」
そうだよな、俺自分の事でいっぱいいっぱいだった。
「いえ、リオ様は何も悪くはごさいません。こちらでお勉強されるのはこちらの王とのお話で問題は無いのですから。一番の問題はベリル様ですっ!少しでもリオ様の環境を整えておこうとしてるのにベリル様は…」
「あ~っ、分かったよっ!悪かった‼父上や母上には手紙を出すからっ!」
「ジルコン様とリオ様のお父上からお手紙を送って頂いております。取り敢えず貴方は将来の王としての自覚をですねぇ……」
アクアがベリルにお説教をしているが、ベリルは何だか嬉しそうだ。
やっぱり同じ国の…しかも幼馴染との再会は嬉しいだろうなぁ。
「…ゴホンッ…大変失礼致しました…それでは、舞を始めましょう。それでは、いきなり剣を持って踊るのも危険ですので今日は基本動作から…」
あと…と、渡されたのは小さな鈴付きのストール?
「練習着みたいなものですね。こちらをこの様に…腰に巻いて下さい。」
「え…こんな感じ…?」
「…っと…これは…」
……これってもしかして……
「何かベリーダンスな感じの衣装だよね…」
「ベリー様のダンス…ですか?」
「あっ、違うのっ!私の転生前というか…ベリーダンスって言うダンスがあって…」
そうか、これ…確かにベリーダンスの衣装みたいだ。
……ハッ……って、事は………
足捌き、手の動き…どれをとってもまごう事なきベリーダンスだった。
腰を…こう…かな…ベリーダンスって大昔に巫女が踊っていたっていう説もあるんだっけ?
これって女の人の方が良いんじゃないかとベリーを見たんだけど……
___シャン…チャッ…ッ…ジャンッ!___
「あ゛あ゛あ゛ぁぁぁ…腰痛ぁぁぁああいっ!」
「リオ様、その調子です。ベリー様、無理に腰を捻りすぎです。」
……前言撤回……
___シャン…シャン…シャラララララ………___
「ジルコンさん、素晴らしいです。ベリル様、手の位置が低いっ。こちらでもリオ様に教えたいなら鍛錬する様にと言ってたのに…さてはサボってましたね?」
「クソッ…なぜバレた⁈」
「アハハ、これ…楽しいですねぇ♪」
「あぁぁぁ…私…壁になりたいぃぃ…」
…ジルコンの方が妖艶に踊れて絵になってました……
オニキスいなくて良かったデス…
今回もベリルが一緒に受けると聞いてはいたが、せっかくだし…と、この国の聖女であるベリーも一緒に受けるらしい。
ベリー、久々だけど元気かなぁ…
ガーネットがベリーと最近一緒に講義を受ける事が多いらしく、ガーネットに付き添うパールからも話しはよく聞いていたけど、やっぱり会いたいよね。
………と、思ってたんだけど………
「ベリー、久し振り。」
「………カッ……ハァァァアア………」
「…ベリー?」
___ズシャアッッ‼___
「メシアッッ‼」
「め…飯…?」
「ベリー⁈」
扉を開けてベリーと目があった途端にベリーが変な行動に出た。
これ、転生前にTVで見た事がある。
全身うつ伏せって…『匍匐前進』……いや、違うな。
これ…『五体投地』…ってんだっけ?
仏教のお祈りだったよね?
「話には聞いてたけど…こんなに…眩しっ!」
……何だろう…愉快な聖女に加速が掛かってる気がする……俺が嫁ぐ未来の国王の心配もだけど、我が国の聖女の心配までしなきゃいけないのか…いかん…目眩がしてきた。
「聖女とは…こんなに奇怪な動きをする存在なんだろうか?」
「ベリル、思ってる事が言葉に出てるよ。これはベリーとパール限定だから、取り敢えずお口チャックしような~。」
「はわわわ…ジルコンさんまで……あぁぁぁ…愛されオーラが凄い…尊い……あぁ…転生して良かったぁぁぁあ…」
「……フッ…ありがとうございます。」
「ハァァアア……尊過ぎ……っ…召されるっ!」
「召されないでっ!」
跪いて両手を天に掲げているベリー。
…空に神でもいるんだろうか?
「あの…ベリー…取り敢えず落ち着いてもらっても良いかな?」
「……ハッ!私ったらっ、ごめんなさい。パールとガーネットから聞いてはいたのだけど、まさか2人がここまで愛されキラキラになってるとは……」
「ストロベリー嬢……お口の端に雫が…」
「あぁあああん……」
ヨダレを垂らしてるベリーに爽やかに跪いてハンカチを差し出すジルコン。
……コイツ…
「雫って……ジルコン…お前、面白がってやってんだろ?」
「…あ、分かった?いや…正直こんな聖女って面白すぎて。文献と全く違うのな。」
「いや、多分ベリーだけだよ。」
「失礼致します…そろそろ始めてもよろしいでしょうか…?」
舞の為に隣の国から特別講師として来てくれた先生が恐る恐る聞いてきた。
確かに未知の世界なこのカオスな風景は恐怖だよな。
「あ、スミマセン。今回はわざわざ俺の為にありがとうございます。宜しくお願いします。」
「あっっ、恐れ多すぎますっ!どうか、頭を上げて下さいませっ‼」
俺と講師はお互いペコペコとお辞儀をしながら、やがてお互い苦笑いしてしまった。
きっとこの人、良い人だ。
「俺の事はリオと呼んで下さい。宜しくお願いします。」
「こちらこそ……未来の我が国の王妃になられる方にお会い出来る機会を頂きありがとうございます。どうか私の事はゴシェとお呼び下さいませ。」
ゴシェはベリルの侍従になる為に現在見習いで勉強中らしいが、幼い頃からの付き合いで幼馴染らしい。
俺と身長が同じくらいか…やった!コーラルに背を越され儚げイケメンに育ってしまったが仲間が出来たぞ!
「ゴシェ、何もお前が来なくても良かっただろう?」
「ベリル様がこちらに定期連絡を怠ってるからでしょ!貴方は全く…だからお目付け役で私が来たんですよっ!これからは私もこちらで勉強しますからねっっ!」
「……あ…ゴメン…」
そうだよな、俺自分の事でいっぱいいっぱいだった。
「いえ、リオ様は何も悪くはごさいません。こちらでお勉強されるのはこちらの王とのお話で問題は無いのですから。一番の問題はベリル様ですっ!少しでもリオ様の環境を整えておこうとしてるのにベリル様は…」
「あ~っ、分かったよっ!悪かった‼父上や母上には手紙を出すからっ!」
「ジルコン様とリオ様のお父上からお手紙を送って頂いております。取り敢えず貴方は将来の王としての自覚をですねぇ……」
アクアがベリルにお説教をしているが、ベリルは何だか嬉しそうだ。
やっぱり同じ国の…しかも幼馴染との再会は嬉しいだろうなぁ。
「…ゴホンッ…大変失礼致しました…それでは、舞を始めましょう。それでは、いきなり剣を持って踊るのも危険ですので今日は基本動作から…」
あと…と、渡されたのは小さな鈴付きのストール?
「練習着みたいなものですね。こちらをこの様に…腰に巻いて下さい。」
「え…こんな感じ…?」
「…っと…これは…」
……これってもしかして……
「何かベリーダンスな感じの衣装だよね…」
「ベリー様のダンス…ですか?」
「あっ、違うのっ!私の転生前というか…ベリーダンスって言うダンスがあって…」
そうか、これ…確かにベリーダンスの衣装みたいだ。
……ハッ……って、事は………
足捌き、手の動き…どれをとってもまごう事なきベリーダンスだった。
腰を…こう…かな…ベリーダンスって大昔に巫女が踊っていたっていう説もあるんだっけ?
これって女の人の方が良いんじゃないかとベリーを見たんだけど……
___シャン…チャッ…ッ…ジャンッ!___
「あ゛あ゛あ゛ぁぁぁ…腰痛ぁぁぁああいっ!」
「リオ様、その調子です。ベリー様、無理に腰を捻りすぎです。」
……前言撤回……
___シャン…シャン…シャラララララ………___
「ジルコンさん、素晴らしいです。ベリル様、手の位置が低いっ。こちらでもリオ様に教えたいなら鍛錬する様にと言ってたのに…さてはサボってましたね?」
「クソッ…なぜバレた⁈」
「アハハ、これ…楽しいですねぇ♪」
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