可愛くなりたい訳じゃない!

mana.

文字の大きさ
上 下
80 / 105

79☆

しおりを挟む
離宮の生活も最終日。
俺とベリルは離宮の庭園の芝生に座って話していた。
明日から元の生活が始まる。
いや…元の生活じゃない、俺はベリルの国に嫁ぐために勉強も始まるんだよな。
きっと、生活は様変わりするだろう。

「どうした?」

「…あ、いや…」

だからこそ、この時間は愛おしく感じる。

「……明日からすれ違いな日が多くなりそうかなって思ってさ。」

「リオ…」

少し傷心気味な俺に対し、その言葉を聞いたベリルの顔が対象的過ぎるんだけど。

「……何でそんなに嬉しそうなんだよ。」

「あ、すまない。だって…俺と離れたくないって事だろ?」

「…っ……違っ…!」

「…クスッ…違う?」

ベリルが俺の方へ寝転がり、膝に頭を乗せると腰へと両手を伸ばして甘え始めた。

「ちょっと…んっ…擽ったいよ。」

「ん…草の香りと…フフッ……リオの香りがするな。」

___スリッ…___

「…っ……!」

顔をイヤイヤとする様に振りながら俺の身体の匂いを嗅いだ。
いや…これ…ちょっと…ジャレてるというよりは……

「……んんっ……ベリルッ…鼻で……止めっ………んぁっ…」

「………あ…リオの…………香りが強くなったな…」

「もぉっ…!」

イヤイヤする姿が可愛らしいと思ったのは一瞬、すぐに俺の股関に顔を埋めて布越しから鼻で形を確かめながら、俺の反応を楽しみだした。 

「フフッ…硬くなってきた…」

「やっ……ちょっと…離れ…ろぉっ…!」

___ギュッ___

「やだね……スゥ…」

___ビクンッ!___

「……吸ぅ…なぁっっ…!」

俺は身じろぎするがベリルの両手が逃げるのを許してくれない。

「……やっ……ベリルッ……服…汚れちゃ……」

ここに来てから何度も着替える羽目になって途中で半裸で過ごす日もあったけどさ…もう少しまったり出来ないのかよっ。

「…リオ……顔……見せて…」

「…っ……や…だっ。」

片腕で自分の顔を隠しながら、もう片方の手で顔を上げたベリルの目を塞いだ。

「そんな可愛らしい顔、俺が見逃す訳無いだろ?」

ゆっくりと腕を外され、熱く見詰められる。
きっと今…俺はかなり赤くなってると…思う。

「フフッ、俺のリオはいつも可愛いな。」

「……可愛ぃ…言う…な…」

「それでこそリオだ。」

起き上がったベリルが俺に覆い被さる。
普通の園庭でこんな事は絶対に恥ずかしくて出来ないけど、ここは誰も入って来ない2人だけの世界。

「…………」

「どうした?」

ベリルの髪の色は、薄い水色なのに陽に当たるとガラスの様にキラキラと輝いている。
そして俺を写す甘くて揺れる蜂蜜色の瞳……

「綺麗な髪だな…って、思って。」

ベリルの髪をすくって太陽に当てる。
転生前には絶対に巡り会えない不思議な色…

「お前のオレンジの髪も綺麗じゃないか。」 

「…いや…俺の髪はどこにでもいるだろ。」

ベリルの髪は王族特有と言われている。

「お前のその陽だまりの様な髪……チュ…そして…チュ…琥珀色の甘い瞳……」

「ん……っ…んん……」

ベリルの顔が近付き、瞼から鼻先……そして唇が深く合わさった。

「…ん……ハァ…この甘い唇だって…全てが綺麗で…そして愛らしい…」

「もっ……綺麗……とか…んっ……愛らしいとか……あんっ…」

「愛らしい姿を愛らしいと言って何が悪いんだ?」

「…だからっ…俺はカッコ良く………んんぅっ!」

沢山愛撫されて勃ち上がり始めた陰茎を刺激され俺は撓り、芝生の青草の良い香りが鼻を擽った。
ここの芝生は良く手入れをされているので草も柔らかく痛くはないんだけど……

「……ここで……?」

「……ダメ?」

「……んぅ………ちょっ…待っ…」

明日からこんな場所では出来ないもんな…いや…ベリルならしそ…いやいやっ…そうじゃなくてっ…せめて下に布を敷いて欲しいんだけど…

「あぁ、敷布か……じゃあ…」

ベリルが自分の上着を脱いで俺の下に敷いた。

「これで大丈夫だろ?」

「…これ…」

ベリルが今まで着ていた服のせいか、前からも後ろからもベリルの香りがするなんて。

「ベリルに包まれてる感じが凄くて…わぁっ!」

下着まで一気に脱がされて、外気が心地良く俺の下半身を撫でる。

「…んぅっ…っっ!」

___ズズッ…___

指をゆっくりと出し入れされながら俺の耳元で囁いた。

「お前は俺を煽るのが上手すぎる…その調子で…俺におねだりも上手になってみようか?」

「…やっ…何…んっ…」

「…久々に…指だけで…イッてみるか?」

「…あっ…んっ…そんな…のっ…無…理ぃ…っ!」

ここに来て毎日抱かれているので身体はベリルを欲している。
指だけでイケる訳がない…もうすでに…

「……ぁ…っっ…んんっ……ひゃっ…」

___グリュッ!___

「んぅっっ!」

ビクンッ!と、前立腺を刺激されて身体が反応するものの、物足りなさが無意識に俺の腰を動かしていく。

「フフッ…リオ…腰…揺れてる…」

「ぁ…やっ…ベリ…ル……」

「何…クチュ…」

クチュクチュと下半身で鳴る音と、耳を愛撫する舌の音が俺の頭をおかしくする。

「…もっ…許し…」

「リオ…言って…」

__ズズ…___

「あぁ…っ!」

___チュプッ___

「んんっ!」

俺の先走りがトロトロとベリルの指に垂れて、抜いた指を俺に見せつける様に舐めた。

「……まだが良い?」

……負けた……

「……やだ……」

もう良いや。
俺は観念してベリルの首に腕を回して引き寄せた。

「……もう…お前の…ちょうだい……たくさん…中に…出して良い…からっ…」

「フフッ…よく出来ました。」

「……何だよ、その上からぁ……んあぁぁああっっ!」

___ズズズッ!___

俺も結構我慢したと思うけど、ベリルは更に我慢したようだ。
今までで感じた事のない程、はち切れんばかりの熱くて硬いベリルの陰茎を受け入れる羽目となった。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

乙女ゲームのサポートメガネキャラに転生しました

西楓
BL
乙女ゲームのサポートキャラとして転生した俺は、ヒロインと攻略対象を無事くっつけることが出来るだろうか。どうやらヒロインの様子が違うような。距離の近いヒロインに徐々に不信感を抱く攻略対象。何故か攻略対象が接近してきて… ほのほのです。 ※有難いことに別サイトでその後の話をご希望されました(嬉しい😆)ので追加いたしました。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

小悪魔系世界征服計画 ~ちょっと美少年に生まれただけだと思っていたら、異世界の救世主でした~

朱童章絵
BL
「僕はリスでもウサギでもないし、ましてやプリンセスなんかじゃ絶対にない!」 普通よりちょっと可愛くて、人に好かれやすいという以外、まったく普通の男子高校生・瑠佳(ルカ)には、秘密がある。小さな頃からずっと、別な世界で日々を送り、成長していく夢を見続けているのだ。 史上最強の呼び声も高い、大魔法使いである祖母・ベリンダ。 その弟子であり、物腰柔らか、ルカのトラウマを刺激しまくる、超絶美形・ユージーン。 外見も内面も、強くて男らしくて頼りになる、寡黙で優しい、薬屋の跡取り・ジェイク。 いつも笑顔で温厚だけど、ルカ以外にまったく価値を見出さない、ヤンデレ系神父・ネイト。 領主の息子なのに気さくで誠実、親友のイケメン貴公子・フィンレー。 彼らの過剰なスキンシップに狼狽えながらも、ルカは日々を楽しく過ごしていたが、ある時を境に、現実世界での急激な体力の衰えを感じ始める。夢から覚めるたびに強まる倦怠感に加えて、祖母や仲間達の言動にも不可解な点が。更には魔王の復活も重なって、瑠佳は次第に世界全体に疑問を感じるようになっていく。 やがて現実の自分の不調の原因が夢にあるのではないかと考えた瑠佳は、「夢の世界」そのものを否定するようになるが――。 無自覚小悪魔ちゃん、総受系愛され主人公による、保護者同伴RPG(?)。 (この作品は、小説家になろう、カクヨムにも掲載しています)

今世はメシウマ召喚獣

片里 狛
BL
オーバーワークが原因でうっかり命を落としたはずの最上春伊25歳。召喚獣として呼び出された世界で、娼館の料理人として働くことになって!?的なBL小説です。 最終的に溺愛系娼館主人様×全般的にふつーの日本人青年。 ※女の子もゴリゴリ出てきます。 ※設定ふんわりとしか考えてないので穴があってもスルーしてください。お約束等には疎いので優しい気持ちで読んでくださると幸い。 ※誤字脱字の報告は不要です。いつか直したい。 ※なるべくさくさく更新したい。

【完結】悪役令息の従者に転職しました

  *  
BL
暗殺者なのに無様な失敗で死にそうになった俺をたすけてくれたのは、BLゲームで、どのルートでも殺されて悲惨な最期を迎える悪役令息でした。 依頼人には死んだことにして、悪役令息の従者に転職しました。 皆でしあわせになるために、あるじと一緒にがんばるよ! 本編完結しました! 『もふもふ獣人転生』に遊びにゆく、舞踏会編、はじめましたー! 他のお話を読まなくても大丈夫なようにお書きするので、気軽に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。

普段「はい」しか言わない僕は、そばに人がいると怖いのに、元マスターが迫ってきて弄ばれている

迷路を跳ぶ狐
BL
全105話*六月十一日に完結する予定です。 読んでいただき、エールやお気に入り、しおりなど、ありがとうございました(*≧∀≦*)  魔法の名手が生み出した失敗作と言われていた僕の処分は、ある日突然決まった。これから捨てられる城に置き去りにされるらしい。  ずっと前から廃棄処分は決まっていたし、殺されるかと思っていたのに、そうならなかったのはよかったんだけど、なぜか僕を嫌っていたはずのマスターまでその城に残っている。  それだけならよかったんだけど、ずっとついてくる。たまにちょっと怖い。  それだけならよかったんだけど、なんだか距離が近い気がする。  勘弁してほしい。  僕は、この人と話すのが、ものすごく怖いんだ。

学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語

紅林
BL
『桜田門学院高等学校』 日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

処理中です...