可愛くなりたい訳じゃない!

mana.

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イフリートは魔神のせいか、契約をしていないのに人の姿をしていた。
身長は高いがオニキスより低く、ジルコンくらいだ。
転生前にしたゲームのイフリートも人の姿だったし、魔力や神力が高いと人の姿をしてるのかな?

『ん、この姿は気に入らない?ある程度は変わるよ?男の姿だけど。』

___パァ……___

『どう…かな?』

「ある意味アリだな。」
「えぇ、確かに。」
「…可愛いが…増えた…」

「何が⁉」

淡い光に包まれた後に出てきたイフリートは、入学した頃のコーラルを更に可愛くした感じだった。

『ただ、この姿は兄達に禁じられているんだよね…』

「…だろうな。」
「心配で堪らないでしょうしね。」
「俺はそっちが良いと思う!」

身長は俺くらい。華奢で魔神特有の朱色の瞳が無きゃ火を司る天使だ。

「俺は最初のままで良いと思うけど。」

『そう?リオがそう言うなら…じゃあ…ベリルと差を付けるのに少し髪を伸ばそうか。』

___フワッ___

髪を掻き上げると首元までの緩やかなウェーブの髪が肩の下まで伸び、魔法で紐が出てきて緩めに縛る。

『フフッ、ちょっと大人っぽくなったかな?リオ、僕カッコいい?』

「うん!凄くカッコいい!」

「ズルいっ!じゃあ俺も伸ばす!」

「……子どもだなぁ…」
「…子どもですね。」

俺達はイフリートとすぐに打ち解ける事が出来た。
ロード達の元へ戻ることになり、俺は道すがらベリル達の出会いの話を少し聞いた。
ロードとベリルは小さな頃からヤンチャで木登りが得意だったこと、火おこしでイフリートが火を吹き過ぎた所をベリルの水の魔法が暴走したのが逆に良くてすぐに鎮火したこと。
3人で、当時まだ幼いからと禁じられてた魔法を使って空をこっそり飛んだこと。
本当にここでは『王子』の肩書きを外せたんだと思う。
のびのびと、騎士達を振り回しながらも子どもらしく遊んでいたんだろう。

『僕…ロードと早く契約したいなぁ。』

「…名前…もう、リィトじゃん。」

『あ、それなんだけどね…』

___ガサガサ…___

俺達は近道で茂みを抜けると、妖精の庭を完成させたロードとガーネットが待っていた。
どうやら、ドライアドが俺を誘導した精霊に伝言を託したらしい。

「兄様、出来たわ………あ!もしかして、そちらの方は!」

『あぁ、挨拶は良いよ。君はリオの妹のガーネットだね?そして………』

「………お前……」

『うん、リィトだよ…ロード。』

「リィト!」

___ガシッ!___

『もぅっ…忘れてたって?』

「だって、幼い頃だそ?」

『僕は、忘れてなかったよ?』

「……ごめん…」

『良いよ、君達は君達の立場があったんだ。色々勉強することもあって、たまにしか会えなかった僕は忘れるさ。あ、ハーピーに聞いたよ、立派になったね。君も婚約したんだね。』

「あぁ、ガーネットだ。」

紹介されたガーネットがフェンリルの時と同様に優雅なカーテシーで挨拶をする。

『顔は少しリオに似てるね、とても素敵な人だ。』

イフリートはガーネットの手を添えると甲にキスをした。

『チュ…宜しくね…美しいガーネット。今日、君と出会えた事を生涯忘れない……って…令嬢への挨拶はこれで良いのかな、ハーピー?』

『うん!多分っ‼』

……イケメンの無自覚垂らしがいる。
ハーピーも適当に教えないで欲しいなっ。

「ありがとうございます。素敵な殿方…いいえ、魔神様に仰って頂いて恐悦至極にございますわ。」

鮮やかに微笑むガーネット。
凄いな、ガーネット。教育が生かされてる。

「リィト、俺と契約したいのか?」

『うん…と、言うか…既に仮の契約がされているんだよ。』


___契約する時に名前を付ける___


「あ゛。」

「どうした、リオ。」

「なぁ、『リィト』って…どっちが付けたの?」

「あぁ、確か…ロードかな。」

イフリートがロードに契約を求めている理由が分かった。
ロードが名前を付けたからだ。

『フフッ、リオは分かったみたいだね。そう、僕が小さい時に自己紹介をして『リィト』と、名付けたのはロードだよ。子どもだから契約は出来なかったけど、王族のせいか魔力はあったからね。仮の契約として残ったんだよ。』

「幼かったとはいえ、本当にすまない…破棄も出来なかったのか…」

『ううん、それは出来るよ。出来るけど…僕がしたくなかったんだよ。あの日々の思い出は楽しくてね。』

イフリートがロードに近付いて手を握る。

『ねぇ、ロード…僕と契約して?僕は魔神にしては弱いけど、小さな国なら滅ぼす力は蓄えてきたんだよ?僕は武器としても役に立つと思うけどな。』

凄く物騒なこと言ってないかな⁉

「それは心強いわね、ロード♡」

ガーネットの心も強くなってるね!

『だから…契約しよ?』

「………駄目だ。」

『……え?』
『え、契約しないの?』

___ピンッ!___

『痛っ!』

ロードがイフリートの額にデコぴんをした。
あ、これ前にゲームの罰ゲームで俺が教えたやつじゃん。覚えてたんだ。

「契約はする。でも、お前を武器としてじゃない…友人としての契約だ。共に国を支えることに協力をして欲しい。」

『……フフッ、全く…欲がないね。兄様達に聞いた人間達とは大違い、やっぱり僕が思ってた通りのロードだ。そしてベリルも…本当に嬉しい…』

『では、契約は明日の晩にしましょう。』

『そうだね。明日は満月だから魔力も最大限まで高まるだろうし、負担は少ないだろうから。フェンリルにも話しておくよ。』

「あれ、ガーネットの契約は?」

『それは大丈夫よ、リオ。気付かないの?』

「あ…」

ガーネットを見るとフワフワと精霊達が自然と集まっていた。
これなら明日の晩には黙っていても精霊との契約は成立するだろう。

「どの子になるんだろうな。」

「ウフフ、どの子でも嬉しいわ。」

フェンリルとイフリートはロードとベリルがこちらに来られなくなってから友達になり、今ではベリル達より仲が良いそうだ。
フェンリルは一族に暫し別れの報告に戻っているらしい。
連絡を担う精霊に頼めばすぐに戻ると言っていた。

契約は明日。
名前なぁ…何となくは固まってはいるんだけど、明日までに決めなきゃな。
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