可愛くなりたい訳じゃない!

mana.

文字の大きさ
上 下
32 / 105

31☆

しおりを挟む
「楽しんでるだろ?」

だって、顔が笑ってる。

「フフッ、どうかな……」

「ん……っ…」

腰を引き寄せられてキスをした時、どこかでソファーが当たったような感触があった。

___コンコン___

「失礼致します……お待たせしました…あれ、いない?」

___バタン___

「……プハッ…お前っ!」

「フフフッ…シィー…まだ近くにいるかも。」

ノックと同時にキスをしたままソファーの裏に隠れた。
子どものような隠れんぼをしている訳ではないので、騎士も俺達が別の部屋に行ったと解釈してすぐに出ていった。

「ヤキモチ焼いてる婚約者に…何かしてくれることないの?」

「ぁっ…それは…」

立ち上がると同時に下半身を引き寄せて、ベリルが俺のズボンを脱がせた。
手慣れてんな、コイツ。

「……どうした?」

「…ん~…手慣れてんなって…思って。」

「フフッ、今度がリオがヤキモチ焼いてる?チュッ。」

「んっ…キスで誤魔化すな…あっ…」

首筋にキスをしながら嬉しそな顔をして俺を見た。

「そんな顔をしてくれたから…チュ…許してやる…チュ…それに…」

___ギュッ!___

「んんっ!急に捕ま…っ‼︎」

「チュ…その格好……我慢できない…ジュッ!」

「んぅ!」

「声…我慢しないで。」

「や…だ…っ!」

だって、ここ学校だぞ⁈
ラリマーさんだっていつ戻ってくるか。

「…こんなになってるのに…やめて…帰る?」

首筋のキスや愛撫で猛った先走りの陰茎を下から指で撫でられた。

「あぁっ……んんっ!」

「手でその可愛い声を塞ぐな。」

「やだっ…手ぇ離せっ…あっ。」

「ダメだ…ん…」

思わず感じで出てしまった声に自分で驚いて両手で口を塞いだら、ベリルに簡単に外されて俺の手の代わりにベリルの唇が塞ぐ。

「……ん…ぅ……ふっ…っっ!」

空いた手は再び下半身へ伸びて陰茎を優しく扱かれる。
ラリマーがいなくなってから徐々に移動したらしく、部屋の隅に追いやられていた。
この状態でラリマーが戻ってきたら…いや…痺れを切らしてジルコンが来たら…俺…死ねる!

「…ふぁ…んんっ……もう…っい…っっ…」

それに…ちょっと…ヤバい…

「…リオ…ちょっと後ろ向いて…そう…壁に手をついて」

「…ん…?」

ちょっと待って?

「足を閉じて。」

この状況…

「…あっ……ん…」

身体を動かすだけでシャツの擦れで感じてしまう。

「……煽るな…」

「…煽って…あんっ!」

ちょっと待ってぇぇ!
ベリルが背骨を指でなぞる。
シャツの上からでもゾクゾクする…

……脱いで触られたら…どうなるんだろう……
「脱いで触ったら……どうなるんだろうな…リオ。」

俺の考えが読まれてる⁈

「あぁっ!」

後ろからベリルが覆い被さる感触が、思わず少し…出てしまったと思う。
俺…また受け身⁈

「…しっかり閉じて……そう…今日は…ゆっくり出来ないから…な…っ。」

___ヌリュ……___

「あぁぁあっ!」

ゆっくりと熱くて硬いものが俺の陰茎の下から上に重なってくる。
そそり勃つ俺の陰茎より更に硬くて大きいものが最後まで重なるとベリルの手で2つを包んだ。

「…リオ…熱い…な…」

「…や…っ…熱…ぃっ!」

「動くぞ…」

___パチュ…クチュ……___

陰茎同士が擦れる度に耳元でベリルの熱い息が耳に掛かる。

「ベリ…ルッ……やっ…誰か…くる…それにぃ!」

「大丈夫…っ!」

___パチュン!___

「ん゛ぅっ!」

「…ごめん…っ…もう…我慢……出来ないっ!」

グチュグチュ音がする…下半身は熱い……これ…素股…って言うんだよな…
こんなに気持ち良いんだ…俺…また受け身だけど。
俺が立っているのも難しくなった時。ベリルの両手が俺の腰を強く掴む。

「リオッ!」
「あぁあっ!」

2人で同時に果てた。

「……はぁ…良かった…リオッ…」
「ん……はっ…ぁ…」

俺はヘナヘナと床へ倒れてしまった。

「…もぅ…俺、元々聖女に興味なんかなかったのに……あと…学園じゃ…もう…するなよな。」

「…………」

「何だ…その沈黙は。」

「……善処はしよう…」

……またする気だろ…
俺は差し伸べられたベリルの手を掴んで立ち上がり、魔法で身体や服についた精液を綺麗にした。

「あぁ…もう少しこのまま「な、訳にいかねぇだろ!」」

ズボンを履き終わった頃に半泣きのラリマーが戻ってきた。

「あぁぁあっ!ここでしたか!」

「……ごめん。」

本当にごめん。

「すまない、急用で部屋を離れてて。」

「ジルコンさんも途中でオニキスさんと一緒に探してくれていたようですがなかなかお姿が見えなくて…いらっしゃって本当に良かった。それでは、屋敷までお送りしますね。」

どうやらラリマーは探知魔法は不得意らしい。

「……お前、ラリマーに今度何か送れよ…」

「え~…じゃぁ、またここでや…」

___ドスッ!___

「ウ゛ッ‼︎」

「どうかされましたか?」

「何も、じゃぁガーネット達の所に行こうか。」

俺は渾身の力でベリルの腹を肘で打ち付けたはずなのに、ベリルは少しうめいただけで悪戯っ子のように笑ってこちらを見詰めていた。
クソッ…俺…何だか自分の理想とかけ離れている気がする。

「リオ、ゴメン。」

「何が?」

「さっきの…気持ち良くなか「シィ!」」

ラリマーが前にいるのに!何言ってんだ‼︎

「お前のせいじゃない。」

そうだ、これはベリルのせいじゃない。
俺自身の気持ちの問題だ。
可愛いものが好きでも、カッコ良く…そう、ベリルやロード…オニキス…は無理だけど…アウィン達のような…カッコ良くありたい。
ガーネット達の元へ戻ると、目を赤くした聖女と手を繋ぐガーネットとロードがいた。

「兄様、今夜はストロベリー様を屋敷へ招待したわ。少し長いお話もしたくて。」

「俺もしたかったけど…ジルコンが怖いから遠慮したけどね。」

うん、正しい判断だ。
屋敷に戻る途中、ベリルから「夜に屋敷に行く」と言われて別れた。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜

きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員 Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。 そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。 初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。 甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。 第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。 ※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり) ※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り 初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。

【第1章完結】悪役令息に転生して絶望していたら王国至宝のエルフ様にヨシヨシしてもらえるので、頑張って生きたいと思います!

梻メギ
BL
「あ…もう、駄目だ」プツリと糸が切れるように限界を迎え死に至ったブラック企業に勤める主人公は、目覚めると悪役令息になっていた。どのルートを辿っても断罪確定な悪役令息に生まれ変わったことに絶望した主人公は、頑張る意欲そして生きる気力を失い床に伏してしまう。そんな、人生の何もかもに絶望した主人公の元へ王国お抱えのエルフ様がやってきて───!? 【王国至宝のエルフ様×元社畜のお疲れ悪役令息】 ▼第2章2025年1月18日より投稿予定 ▼この作品と出会ってくださり、ありがとうございます!初投稿になります、どうか温かい目で見守っていただけますと幸いです。 ▼こちらの作品はムーンライトノベルズ様にも投稿しております。

鬼上司と秘密の同居

なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳 幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ… そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた… いったい?…どうして?…こうなった? 「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」 スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか… 性描写には※を付けております。

学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語

紅林
BL
『桜田門学院高等学校』 日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である

完結·助けた犬は騎士団長でした

BL
母を亡くしたクレムは王都を見下ろす丘の森に一人で暮らしていた。 ある日、森の中で傷を負った犬を見つけて介抱する。犬との生活は穏やかで温かく、クレムの孤独を癒していった。 しかし、犬は突然いなくなり、ふたたび孤独な日々に寂しさを覚えていると、城から迎えが現れた。 強引に連れて行かれた王城でクレムの出生の秘密が明かされ…… ※完結まで毎日投稿します

社畜だけど異世界では推し騎士の伴侶になってます⁈

めがねあざらし
BL
気がつくと、そこはゲーム『クレセント・ナイツ』の世界だった。 しかも俺は、推しキャラ・レイ=エヴァンスの“伴侶”になっていて……⁈ 記憶喪失の俺に課されたのは、彼と共に“世界を救う鍵”として戦う使命。 しかし、レイとの誓いに隠された真実や、迫りくる敵の陰謀が俺たちを追い詰める――。 異世界で見つけた愛〜推し騎士との奇跡の絆! 推しとの距離が近すぎる、命懸けの異世界ラブファンタジー、ここに開幕!

家事代行サービスにdomの溺愛は必要ありません!

灯璃
BL
家事代行サービスで働く鏑木(かぶらぎ) 慧(けい)はある日、高級マンションの一室に仕事に向かった。だが、住人の男性は入る事すら拒否し、何故かなかなか中に入れてくれない。 何度かの押し問答の後、なんとか慧は中に入れてもらえる事になった。だが、男性からは冷たくオレの部屋には入るなと言われてしまう。 仕方ないと気にせず仕事をし、気が重いまま次の日も訪れると、昨日とは打って変わって男性、秋水(しゅうすい) 龍士郎(りゅうしろう)は慧の料理を褒めた。 思ったより悪い人ではないのかもと慧が思った時、彼がdom、支配する側の人間だという事に気づいてしまう。subである慧は彼と一定の距離を置こうとするがーー。 みたいな、ゆるいdom/subユニバース。ふんわり過ぎてdom/subユニバースにする必要あったのかとか疑問に思ってはいけない。 ※完結しました!ありがとうございました!

黄色い水仙を君に贈る

えんがわ
BL
────────── 「ねぇ、別れよっか……俺たち……。」 「ああ、そうだな」 「っ……ばいばい……」 俺は……ただっ…… 「うわああああああああ!」 君に愛して欲しかっただけなのに……

処理中です...