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「マコ、夏休みどうする?」
夏休み前、実咲とユキの3人で昼食を食べていた時に話を振られた。
「ん~…どうしよう。」
実は直前に両親から連絡があり、海外の友達に不幸があって急遽夏休みの大半はそちらにいると言われたのだ。
他の寮生で夏休みも実家に帰省しないヤツもいるので帰らないという選択肢もあるんだけど…
「実はさ、ウチの両親がこないだ新しく別荘を買ったんだけど…」
おぉ、セレブだねぇ。
軽い気持ちで別荘買えるなんて凄い金持ちだよなぁ。
「この夏行く予定が仕事がめいいっぱい入って行けないんだって。親戚呼ぶつもりで食材の手配もしてたらしくてさ。良かったら俺達で1週間くらい泊まって欲しいって。」
「でも、親戚呼んで…だろ?3人じゃ食べ切れないんじゃないか?」
「それは大丈夫!今回俺の幼馴染を連れてくるから。学校は違うけど良いヤツだし、すぐに友達になれるよ。」
実咲の幼馴染…そんなヤツいたかなぁ…
「ユキは実家に帰るのか?」
ユキの家は両親共に忙しく。俺の家と違ってドライな所があるから長期休みは必ず帰れと言う家ではない。
家族仲が悪いという訳ではないし、子どもが望めば仕事も調整してくれる。
俺が行けば喜んで相手をしてくれるけど子どもは子どもとしての楽しい事を優先して欲しいという方針なので、選択肢はユキにあった。
「マコが俺の実家に泊まる予定だったけど…」
え、そんな予定ありました?
「マコが実咲の別荘に行くなら俺も一緒に行く。」
「よし、じゃあ決まりだ。食材とか諸々は問題ない。着替えとか持って…あ、近くに海があるから水着持ってこいよな♪」
「分かった。」
俺達は別荘で過ごす話に花を咲かせ、あっという間に夏休みへと突入した。
**************
「はじめまして、森之宮 誠司です。」
___あ、コイツだっ!___
夏休みに入り、俺達は別荘にやってきた。
海が近いだけあって爽やかな風に乗って潮の香りがする中、実咲の隣に立つ人物を見てハッキリと思い出した。
本来の寮長、森之宮 誠司だ。
…そうだった、隣の実咲が副寮長だ。
そっか攻略対象者も寮組いたよな。
でも何で同じ学年になってんだ?
森之宮は高長身で低めの声に爽やかな感じ……そうだよ、ユキとの一番の推しカップリング!
この場合、リバありのカップリングだったよなぁ~♪
…何で忘れてたんだろ?
じゃあ、実咲がダメなら森之宮…いやいや、今の実咲とのカップリングも…それはそれで良いんだけどさぁ。
今回の森之宮は……
「…実咲、どうしよう…何か怒らせちゃったかな…」
…森之宮が怯えてる?まさかの…受⁉
「あ~…違う違う。」
実咲が見る方向に俺も向けると…
___ゴゴゴ…___
何故敵意を向けている、ユキ。
「あ~…もぅ。ユキ、よく聞け。」
___グイッ___
「んっ!」
「「⁉」」
実咲が森之宮の首に腕を回してキスをした。
「プハッ…こういう事っ。お前らも付き合ってんだろ?だから今回呼んだのっ。俺1人じゃ寂しいもん。」
「実咲、恥ずかしいよっ。」
「良いだろ、減るもんじゃないし。」
「減るよっ、僕のメンタルが!」
真っ赤な顔をして森之宮が実咲に抗議する。低音ヴォイス男子の照れ…キュンとした。
あれ、森之宮って『俺』だったよね?『僕』になってる。
えぇ~?受ですか??今回森之宮受ッスか⁉
今回で初のワンコ攻??
でも、森之宮ってこんな性格だっけ……攻の略対象者という事は思い出したけど…見た目は優しそうな雰囲気で純粋そうなんだけど何か引っ掛かる。
推しカップルではあったけど、確か選択肢によっては豹変するから慎重に言葉を選んでた気がするんだけどなぁ。
…って、今はそんな事じゃなくて。
「え…何で俺達の事知って…」
「んなもんユキを見てたら分かる。前以上にお前にベッタリじゃん。それに、こうでもしないとユキも警戒するからさ。」
ユキを見るとうんうんと、安心した顔に戻っていた。
「実咲、この人が前に言ってた人?」
ユキが嬉しそうに美咲に聞いた。
「うん、俺の片思いだったヤツ。諦めてたけど告白してくれたんだ。」
俺には全くその片鱗も見せなかったけど、そうだったんだ。
でも、実咲は受オンリーだから森之宮は攻になるんだけど、どう見ても受☓受コンビ。
でも頭のどこかで『違う』って、言ってんだよなぁ。
「実咲、もう良いから。早く中に入ろ?」
「あ、そうだな。部屋はそれぞれ俺と誠司、ユキとマコで2部屋用意してる。部屋は少し離したけど…それは察してくれよな。」
実咲が森之宮の手を繋いで俺達を見た。
___察してくれよな?___
あ。
___ボンッ!___
察した。
「実咲!」
「え~、だってさぁ。」
俺と同様、さっきより更に顔を真っ赤にして森之宮が実咲に抗議した。
…いや、端から見たらイチャイチャなんだけどさ。
いやはや、良いですな。この雰囲気。
壁気分が復活して……
「……俺達も…気にせず過ごせるね♡」
___ボシュッ!___
ユキが2人にあてられて俺の耳元に囁いた。
「ユキッ!」
「アハハ、ゴメンゴメン。」
気を取り直して…人目を気にしなくて良いこの別荘、そして目の前にいる攻略対象者同士のBLカップル。
何度人生を経験しても、このイレギュラーな可愛い☓イケメンのイチャラブはゲームでは見られない裏側の世界なので思い切り堪能しなければ!
___ゾクッ…___
「…んんっ?」
「マコ、どうしたの?」
「いや…ちょっと寒気が…」
どうしたんだろう、風邪気味か?
「これ着て。」
ユキが念の為にと持ってきていたカーディガンを俺に着せた。
フワリと香るユキの香り。
同じ洗剤を使っているのに体臭なのか微妙に違う。
___ゾクン…___
「……っ…」
「まだ寒い?」
「ううん…」
違う…これは寒気ではない…腹の奥から……う~ん、腹が冷えた?
「あ、部屋にも風呂はあるけど、この別荘は前のオーナーがこだわりでジャクジーの風呂もあるんだって。せっかくだから先に入って来いよ。窓から見える景色はかなり凄いらしいぞ。食事は管理人の人に頼んだから、後で食堂に集合な。」
「うん。」
「分かった。」
手を引かれて俺は部屋に荷物を置き、ジャグジーのある部屋へと移動した。
夏休み前、実咲とユキの3人で昼食を食べていた時に話を振られた。
「ん~…どうしよう。」
実は直前に両親から連絡があり、海外の友達に不幸があって急遽夏休みの大半はそちらにいると言われたのだ。
他の寮生で夏休みも実家に帰省しないヤツもいるので帰らないという選択肢もあるんだけど…
「実はさ、ウチの両親がこないだ新しく別荘を買ったんだけど…」
おぉ、セレブだねぇ。
軽い気持ちで別荘買えるなんて凄い金持ちだよなぁ。
「この夏行く予定が仕事がめいいっぱい入って行けないんだって。親戚呼ぶつもりで食材の手配もしてたらしくてさ。良かったら俺達で1週間くらい泊まって欲しいって。」
「でも、親戚呼んで…だろ?3人じゃ食べ切れないんじゃないか?」
「それは大丈夫!今回俺の幼馴染を連れてくるから。学校は違うけど良いヤツだし、すぐに友達になれるよ。」
実咲の幼馴染…そんなヤツいたかなぁ…
「ユキは実家に帰るのか?」
ユキの家は両親共に忙しく。俺の家と違ってドライな所があるから長期休みは必ず帰れと言う家ではない。
家族仲が悪いという訳ではないし、子どもが望めば仕事も調整してくれる。
俺が行けば喜んで相手をしてくれるけど子どもは子どもとしての楽しい事を優先して欲しいという方針なので、選択肢はユキにあった。
「マコが俺の実家に泊まる予定だったけど…」
え、そんな予定ありました?
「マコが実咲の別荘に行くなら俺も一緒に行く。」
「よし、じゃあ決まりだ。食材とか諸々は問題ない。着替えとか持って…あ、近くに海があるから水着持ってこいよな♪」
「分かった。」
俺達は別荘で過ごす話に花を咲かせ、あっという間に夏休みへと突入した。
**************
「はじめまして、森之宮 誠司です。」
___あ、コイツだっ!___
夏休みに入り、俺達は別荘にやってきた。
海が近いだけあって爽やかな風に乗って潮の香りがする中、実咲の隣に立つ人物を見てハッキリと思い出した。
本来の寮長、森之宮 誠司だ。
…そうだった、隣の実咲が副寮長だ。
そっか攻略対象者も寮組いたよな。
でも何で同じ学年になってんだ?
森之宮は高長身で低めの声に爽やかな感じ……そうだよ、ユキとの一番の推しカップリング!
この場合、リバありのカップリングだったよなぁ~♪
…何で忘れてたんだろ?
じゃあ、実咲がダメなら森之宮…いやいや、今の実咲とのカップリングも…それはそれで良いんだけどさぁ。
今回の森之宮は……
「…実咲、どうしよう…何か怒らせちゃったかな…」
…森之宮が怯えてる?まさかの…受⁉
「あ~…違う違う。」
実咲が見る方向に俺も向けると…
___ゴゴゴ…___
何故敵意を向けている、ユキ。
「あ~…もぅ。ユキ、よく聞け。」
___グイッ___
「んっ!」
「「⁉」」
実咲が森之宮の首に腕を回してキスをした。
「プハッ…こういう事っ。お前らも付き合ってんだろ?だから今回呼んだのっ。俺1人じゃ寂しいもん。」
「実咲、恥ずかしいよっ。」
「良いだろ、減るもんじゃないし。」
「減るよっ、僕のメンタルが!」
真っ赤な顔をして森之宮が実咲に抗議する。低音ヴォイス男子の照れ…キュンとした。
あれ、森之宮って『俺』だったよね?『僕』になってる。
えぇ~?受ですか??今回森之宮受ッスか⁉
今回で初のワンコ攻??
でも、森之宮ってこんな性格だっけ……攻の略対象者という事は思い出したけど…見た目は優しそうな雰囲気で純粋そうなんだけど何か引っ掛かる。
推しカップルではあったけど、確か選択肢によっては豹変するから慎重に言葉を選んでた気がするんだけどなぁ。
…って、今はそんな事じゃなくて。
「え…何で俺達の事知って…」
「んなもんユキを見てたら分かる。前以上にお前にベッタリじゃん。それに、こうでもしないとユキも警戒するからさ。」
ユキを見るとうんうんと、安心した顔に戻っていた。
「実咲、この人が前に言ってた人?」
ユキが嬉しそうに美咲に聞いた。
「うん、俺の片思いだったヤツ。諦めてたけど告白してくれたんだ。」
俺には全くその片鱗も見せなかったけど、そうだったんだ。
でも、実咲は受オンリーだから森之宮は攻になるんだけど、どう見ても受☓受コンビ。
でも頭のどこかで『違う』って、言ってんだよなぁ。
「実咲、もう良いから。早く中に入ろ?」
「あ、そうだな。部屋はそれぞれ俺と誠司、ユキとマコで2部屋用意してる。部屋は少し離したけど…それは察してくれよな。」
実咲が森之宮の手を繋いで俺達を見た。
___察してくれよな?___
あ。
___ボンッ!___
察した。
「実咲!」
「え~、だってさぁ。」
俺と同様、さっきより更に顔を真っ赤にして森之宮が実咲に抗議した。
…いや、端から見たらイチャイチャなんだけどさ。
いやはや、良いですな。この雰囲気。
壁気分が復活して……
「……俺達も…気にせず過ごせるね♡」
___ボシュッ!___
ユキが2人にあてられて俺の耳元に囁いた。
「ユキッ!」
「アハハ、ゴメンゴメン。」
気を取り直して…人目を気にしなくて良いこの別荘、そして目の前にいる攻略対象者同士のBLカップル。
何度人生を経験しても、このイレギュラーな可愛い☓イケメンのイチャラブはゲームでは見られない裏側の世界なので思い切り堪能しなければ!
___ゾクッ…___
「…んんっ?」
「マコ、どうしたの?」
「いや…ちょっと寒気が…」
どうしたんだろう、風邪気味か?
「これ着て。」
ユキが念の為にと持ってきていたカーディガンを俺に着せた。
フワリと香るユキの香り。
同じ洗剤を使っているのに体臭なのか微妙に違う。
___ゾクン…___
「……っ…」
「まだ寒い?」
「ううん…」
違う…これは寒気ではない…腹の奥から……う~ん、腹が冷えた?
「あ、部屋にも風呂はあるけど、この別荘は前のオーナーがこだわりでジャクジーの風呂もあるんだって。せっかくだから先に入って来いよ。窓から見える景色はかなり凄いらしいぞ。食事は管理人の人に頼んだから、後で食堂に集合な。」
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