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___西園寺ルート___
それは、手強いツンデレ…いや、拗らせか?
コイツの攻略は面倒臭くてあまりやっていないけど、今回の実咲は真逆で気さくで明るく誰とでも打ち解けて友達も多い。
教室での休憩時間、マコは先生に呼ばれていない中でもこうやって2人で気楽に話してくれる。
ユキの記憶がなくても前回はバッドエンドだったから今回は実咲と引っ付けてやりたいと思うと、お助けキャラとしては実咲としっかり距離を詰めて色々聞き出しておかないとな。
「マコ、今日の数学の宿題してきた?」
「うん、ユキに教えてもらってどうにか。」
「そっかぁ、ユキ勉強出来るもんな。」
そう言って実咲が俺に微笑む。
ホントにコイツの笑顔は可愛いよなぁ。
「あ、俺分からないところがあったんだけどさ。」
実咲が自分の机から教科書とノートを取り出してこちらに戻って来た時に、後ろからクラスメイトが声を掛けて来た。
「実咲…ゴメン!借りてた本汚しちゃって…弁償する‼」
悲し気な顔をして本を持ってきたクラスメイトに実咲が少し表情を暗くして返事をした。
「ん~…カバーだけっぽい…かな…?」
表紙は今度やる映画のタイトルだった。
「うん、中身は大丈夫なんだけど…」
「じゃあ、良いよ。」
「え?」
「特にこだわりねぇからカバーは外せば良いし、中身無事なら問題ねぇよ。」
ニカッと笑って相手の肩を軽く叩いた。
「ならさ、今度プレミアムアイス奢れよな♪」
「それで良いのか?」
「ん、それで良い。」
男前過ぎるだろ、ツンはどこ行った?
デレもないけどカッコ良すぎるだろっ。
クラスメイトは安心すると別の友達の元へ行き、実咲は再び俺の方を向いた。
「なぁなぁ、ここの問題なんだけどさ…」
「ん…どれどれ…」
「ぁ…それじゃない…こっち…」
顔が近付いて耳に掛けてた髪がハラリと落ちる。
フワリと良い香りが漂い、とてもじゃないけど高校生男子の体臭ではなかった。
うぉぉ…恋愛対象じゃないのにドキドキする…これが攻略対象の魅力ってヤツなのかな?
___グイッ___
「マコ。」
「うわっ!」
実咲と顔を近付けて問題を解いていたら急に後ろへ引っ張られて体勢が崩れ、俺はユキの腕の中にいた。
「……あ…ユキ?」
「良いなぁ…俺だけ仲間外れ?俺、ヤキモチ焼いちゃうよ。」
あ、実咲に近付き過ぎちゃった?
「あぁっ、ゴメンゴメン。」
___ギュッ___
「ユキ、放して。」
「寂しいからヤダ。」
恥ずかしいからって俺にするな、実咲にしてやれ。
「ゴメンッて。実咲がこの問題解けないって言うから教えてたのっ。昨日お前が教えてくれたじゃん。」
「…あぁ、ここね。」
「うん……って…ユキ。」
いつまで引っ付いてんだ。
「何?」
___キーンコーン…___
「あ、チャイムだ。」
「実咲。」
「ありがと、大丈夫。ここだけ分からなかったから。また後でな。」
注意しようとした所でチャイムが鳴り、実咲とユキは自分の席に戻った。
授業中、俺はなかなか集中出来ずに気付けば放課後となった。
****************
「ユキ、そこに座りなさい。」
「…コーヒー淹れてからでも良い?」
「……そうだな…ヨロシクお願いします……」
小さな頃から母に説教をされる時『そこに座れ』と、椅子やソファーに座らされて説教された。
結構立っていた事が多かったから俺はそれで正解なんだけど、今は俺がコーヒー飲みたいと頼んでんのに思わず言っちゃった。
普段俺が座ってたら横に一緒に座ってるからコイツには通用しないよな。
___コト…___
「お待たせ。」
「…ん…ありがと…」
部屋に置いた2人掛けのソファーは母が送ってくれた。
フワフワなソファーは俺とユキのお気に入りのブランドだ。
広い相部屋だからこういった家具も置けるから狭さを感じない。
ユキの母が送ってくれたクッションを胸に抱き、当たり前の様に横に座ったユキに注意した。
「ユキ、最近俺にベッタリし過ぎ。」
「そんな事無いよ。」
「そんな事あるっ。」
俺はユキの手を掴んだ。
「俺の隣に当たり前に座るのは昔からの癖で分かるけど、腰に手を回してるのはどうなんだよっ。」
「あ…」
「もぅ、1学期ももう半ばなんだぞ。まだ不安なのかよ。」
「………」
あ……言い過ぎたかな?
少し俯いたユキの顔を見て俺は反省した。
「…あ…ユキ…」
「……うん…不安…なんだ…」
ぐぅっ!
不安顔からのその上目遣いっ…可愛過ぎるだろっ!
「俺…マコ以外は実咲しかまだ許せる友達がいなくて…」
ユキは表向き人当たりは良いが、なかなか気を許せる友達を作らないため学校では気を張っている事も多い。
だからこそ攻略対象がユキの心に入って行き、心の拠り所となって恋愛と発展して行くんだよな。
「ハンカチは効かないのかよ?」
「…うん…ハンカチよりマコが良い。」
中学までとは違い、セレブばかりの新しい環境での人付き合いは損得勘定で近付いて来るヤツも確かにいた。
でも、それはすぐにいなくなったし心配していた伊集院や財前は点呼や寮の用事以外に接点はない。
ギュウッと抱き締められて、俺はユキの背中に手を回した。
コイツ、大きくなっても小さな子どもみたいなんだよなぁ。
「何か嫌な事あったのか?」
「…あった…」
「何された?」
「…マコが俺に構ってくれなくなった…」
んんん?
「構ってるだろ、今も。」
「違う、構ってくれてない。」
顔を寄せてスリスリと頬を寄せてくる。
最近スキンシップが激しくて、たまに変な感じがするから止めて欲しいんだけどなぁ……
___スリ…___
「…っ…ぁん…」
___ピクンッ___
ほらぁ、変な声出ちゃうしぃっ!
「もぅっ、いい加減にしろっ!」
___ドンッ!___
あぁあっ、恥ずかしいっっ!
思わず突き飛ばしちゃったじゃん!
これは説教が足りないなと顔を上げた時、無表情になっていたユキの顔に俺は思わず謝った。
「…あっ…ユキ、ゴメン。」
「…ちょっと先輩に渡さないといけない書類があったの忘れてた。渡してくるよ。」
「え、書類って…ユキ?」
そう言ってユキはその出すはずの書類も持たず、部屋を出ていった。
それは、手強いツンデレ…いや、拗らせか?
コイツの攻略は面倒臭くてあまりやっていないけど、今回の実咲は真逆で気さくで明るく誰とでも打ち解けて友達も多い。
教室での休憩時間、マコは先生に呼ばれていない中でもこうやって2人で気楽に話してくれる。
ユキの記憶がなくても前回はバッドエンドだったから今回は実咲と引っ付けてやりたいと思うと、お助けキャラとしては実咲としっかり距離を詰めて色々聞き出しておかないとな。
「マコ、今日の数学の宿題してきた?」
「うん、ユキに教えてもらってどうにか。」
「そっかぁ、ユキ勉強出来るもんな。」
そう言って実咲が俺に微笑む。
ホントにコイツの笑顔は可愛いよなぁ。
「あ、俺分からないところがあったんだけどさ。」
実咲が自分の机から教科書とノートを取り出してこちらに戻って来た時に、後ろからクラスメイトが声を掛けて来た。
「実咲…ゴメン!借りてた本汚しちゃって…弁償する‼」
悲し気な顔をして本を持ってきたクラスメイトに実咲が少し表情を暗くして返事をした。
「ん~…カバーだけっぽい…かな…?」
表紙は今度やる映画のタイトルだった。
「うん、中身は大丈夫なんだけど…」
「じゃあ、良いよ。」
「え?」
「特にこだわりねぇからカバーは外せば良いし、中身無事なら問題ねぇよ。」
ニカッと笑って相手の肩を軽く叩いた。
「ならさ、今度プレミアムアイス奢れよな♪」
「それで良いのか?」
「ん、それで良い。」
男前過ぎるだろ、ツンはどこ行った?
デレもないけどカッコ良すぎるだろっ。
クラスメイトは安心すると別の友達の元へ行き、実咲は再び俺の方を向いた。
「なぁなぁ、ここの問題なんだけどさ…」
「ん…どれどれ…」
「ぁ…それじゃない…こっち…」
顔が近付いて耳に掛けてた髪がハラリと落ちる。
フワリと良い香りが漂い、とてもじゃないけど高校生男子の体臭ではなかった。
うぉぉ…恋愛対象じゃないのにドキドキする…これが攻略対象の魅力ってヤツなのかな?
___グイッ___
「マコ。」
「うわっ!」
実咲と顔を近付けて問題を解いていたら急に後ろへ引っ張られて体勢が崩れ、俺はユキの腕の中にいた。
「……あ…ユキ?」
「良いなぁ…俺だけ仲間外れ?俺、ヤキモチ焼いちゃうよ。」
あ、実咲に近付き過ぎちゃった?
「あぁっ、ゴメンゴメン。」
___ギュッ___
「ユキ、放して。」
「寂しいからヤダ。」
恥ずかしいからって俺にするな、実咲にしてやれ。
「ゴメンッて。実咲がこの問題解けないって言うから教えてたのっ。昨日お前が教えてくれたじゃん。」
「…あぁ、ここね。」
「うん……って…ユキ。」
いつまで引っ付いてんだ。
「何?」
___キーンコーン…___
「あ、チャイムだ。」
「実咲。」
「ありがと、大丈夫。ここだけ分からなかったから。また後でな。」
注意しようとした所でチャイムが鳴り、実咲とユキは自分の席に戻った。
授業中、俺はなかなか集中出来ずに気付けば放課後となった。
****************
「ユキ、そこに座りなさい。」
「…コーヒー淹れてからでも良い?」
「……そうだな…ヨロシクお願いします……」
小さな頃から母に説教をされる時『そこに座れ』と、椅子やソファーに座らされて説教された。
結構立っていた事が多かったから俺はそれで正解なんだけど、今は俺がコーヒー飲みたいと頼んでんのに思わず言っちゃった。
普段俺が座ってたら横に一緒に座ってるからコイツには通用しないよな。
___コト…___
「お待たせ。」
「…ん…ありがと…」
部屋に置いた2人掛けのソファーは母が送ってくれた。
フワフワなソファーは俺とユキのお気に入りのブランドだ。
広い相部屋だからこういった家具も置けるから狭さを感じない。
ユキの母が送ってくれたクッションを胸に抱き、当たり前の様に横に座ったユキに注意した。
「ユキ、最近俺にベッタリし過ぎ。」
「そんな事無いよ。」
「そんな事あるっ。」
俺はユキの手を掴んだ。
「俺の隣に当たり前に座るのは昔からの癖で分かるけど、腰に手を回してるのはどうなんだよっ。」
「あ…」
「もぅ、1学期ももう半ばなんだぞ。まだ不安なのかよ。」
「………」
あ……言い過ぎたかな?
少し俯いたユキの顔を見て俺は反省した。
「…あ…ユキ…」
「……うん…不安…なんだ…」
ぐぅっ!
不安顔からのその上目遣いっ…可愛過ぎるだろっ!
「俺…マコ以外は実咲しかまだ許せる友達がいなくて…」
ユキは表向き人当たりは良いが、なかなか気を許せる友達を作らないため学校では気を張っている事も多い。
だからこそ攻略対象がユキの心に入って行き、心の拠り所となって恋愛と発展して行くんだよな。
「ハンカチは効かないのかよ?」
「…うん…ハンカチよりマコが良い。」
中学までとは違い、セレブばかりの新しい環境での人付き合いは損得勘定で近付いて来るヤツも確かにいた。
でも、それはすぐにいなくなったし心配していた伊集院や財前は点呼や寮の用事以外に接点はない。
ギュウッと抱き締められて、俺はユキの背中に手を回した。
コイツ、大きくなっても小さな子どもみたいなんだよなぁ。
「何か嫌な事あったのか?」
「…あった…」
「何された?」
「…マコが俺に構ってくれなくなった…」
んんん?
「構ってるだろ、今も。」
「違う、構ってくれてない。」
顔を寄せてスリスリと頬を寄せてくる。
最近スキンシップが激しくて、たまに変な感じがするから止めて欲しいんだけどなぁ……
___スリ…___
「…っ…ぁん…」
___ピクンッ___
ほらぁ、変な声出ちゃうしぃっ!
「もぅっ、いい加減にしろっ!」
___ドンッ!___
あぁあっ、恥ずかしいっっ!
思わず突き飛ばしちゃったじゃん!
これは説教が足りないなと顔を上げた時、無表情になっていたユキの顔に俺は思わず謝った。
「…あっ…ユキ、ゴメン。」
「…ちょっと先輩に渡さないといけない書類があったの忘れてた。渡してくるよ。」
「え、書類って…ユキ?」
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