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エピローグ【その後】
後編
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『シオン~!』
「わぁっ!」
『助けてよっ!シオン!!』
「どうした、ツムギ。」
リビングでお茶をしていたら王宮の精霊の樹が泣き付いてきた。
『…っ…あんたの息子が離してくんないんでしょぉっっ!何で僕、精霊の樹なのに腰痛いのさっ!』
「ふあぁぁ…帰すかよ…王様…お前をヤラしい目で見んじゃん…あ…おはよ…パパ……」
頭をポリポリと搔いてやって来たのは可愛かった双子の片割れのカエデ……昔は俺に半分似ていたのが、今や完全にカヤになった。
……いや…中身は…違うんだけどな…
『愛妻家なのにそんな事あるわけないじゃん!カエデが見える所にいっぱい痕付けるからでしょ⁉…僕っ…今日は王宮に帰んなきゃいけないのにっ…今の王様…厳しいんだよっ……わぁあ!』
「大丈夫大丈夫♪オークパパがどうにかしてくれるって♡」
ひょいとツムギを抱えて再び自分の寝室へと戻っていった。
「…んな訳あるか!俺を何年前の王族と思ってんだっ!!」
「……流石はオークの血を引いて…元気だねぇ…」
「…お前の血もしっかりと引いてんだけどなぁぁ…しかも顔はお前ソックリだろうがよっ!」
「止めろよ、2人共~っ!そりゃ見た目はカヤで中身はオークそっくりに育ったけどさぁ…カエデは俺達3人の息子だろ?」
「「………」」
………あ……ヤバい……!
「ふ~ん…あぁして…良いんだ……」
「成る程……見える所に付けて良いんだ……」
「………あの…その……俺……今日…用事で王宮に……」
「あぁ…大丈夫だ…俺が行く………カヤ…俺は夜な……」
「了解……帰りは深夜でも良いからね♪」
「ちょっ早で帰ってきてやるわっ!」
「じゃぁ…シオン……行こ…♡」
「わぁっ!」
俺はカヤにお姫様抱っこをされて寝室へと向かう。
「カヤッ……今日はローズ……」
「あぁ…大丈夫。ローズはローズウッド家に執事見習いの日だから……今日は向こうで泊まりだよ。」
味方…いない…だとぅ⁉
「だから…カエデは明日の昼までは出てこないだろうし…俺とオークで…存分に愛するから……覚悟しといてね…チュッ。」
「んぅっ!」
………あれから1000年の月日が流れた。
あの後、ローズウッド家はサクラとミズキが継いで精霊の祝福で子どもを作り、今も名は残っている。
ローズウッド家にはエンジュとザクロの子孫・ヒイラギとカイエの子孫もいて、顔や性格の名残は少しあった。
あと、アゼリアは…あの後オークの兄弟の1人に嫁いだ。
俺達の子ども3人の内、カエデは何と王宮の精霊の樹に猛アタックし、運命の紐が何故か結ばれて晴れて愛し子となった。
ただ寿命は分からない。精霊王ほど精霊の樹達の寿命は長くない。
精霊王を産むママやローズウッド家の姉さんは特例だそうだが、まぁ…次の樹が生まれるまで俺達と共に生きるんだろう。
「ツムギ」と付けられた王宮の精霊の樹は、主張が出来るまで強くなった。
カエデに相談されて考えた名前だけど、「ツムギ」は「紬ぐ」…人との関係を紬ぐ意味を込めた。
ミズキは寿命が普通だったのか…それとも本人がそうしたのか分からないが…サクラと共に歳を取り、サクラを看取った後に亡くなった。
普段から好んで飲んでいたハーブティを俺達には絶対飲ませなかったから…精霊が早く歳を取る薬か何かを調合していたのかもしれない。
ダフニは突然変異で精霊としての血が濃く出たのか、途中まで不老長寿でいたが700年前に王子と出会ってからは次第に老いていき、偶然同じ日に老衰で亡くなった。
大人のみんなも、ユズもサクラ達もどの子も俺達みんなで看取った。
みんなの最期は口々に「幸せだった」と、微笑んで逝った。
********
……そして…
「あぁ……そろそろだ……」
「フフ…そうだね……少し…力が抜けてきた…」
300年前…
クロバイとライを…ローズが生まれた樹の下で…俺達みんなで見送った。
「…ローズ…おいで…」
「ライ…パパ……やだ……やだよ…」
いやいやと、子供の様に振るローズにライは笑った。
「触れる内に…いつもみたいに…抱き締めさせて…ね?」
泣くのを精一杯我慢するローズにライは手招きをして呼び寄せる。
「……ローズ……シオンと変わってくれて…ありがとう……そして……お前も…俺の…息子だよ……」
「パパッ…!」
最初は俺に一番懐いていたけど、最期はずっとライにベッタリでクロバイがヤキモチを焼く程だった。
それくれらい、ライはローズを愛した。
「ローズ…お前もミズキと同じくらい愛してるよ…どうか…幸せに…生きて…」
「……ぅんっ…!」
「センパイ…」
俺に伸ばす手が…薄い…
「…ローズを…お願い…あと……俺……スッゴイ…幸せだった…センパイも…もっと…幸せになってね…」
「うん…俺も…今十分…幸せだから…大丈夫だよ…安心しな。」
「ヘヘッ…幼馴染に勝った…ぞぉっ…!」
「フッ…まだ…そんな事を言って……私は生まれ変わっても……ずっと…ライ…例え転生前の世界へ戻っても…私はお前を探して…愛するよ…」
クロバイの足は…もう見えていなかった。
「もう…消えそう…だね…クロバイ…最期まで…キスして…」
「もちろん…喜んで……」
2人の唇が重なり…深くなった時…姿は細かい光となって、小さな光が2つ…空へと舞っていった。
********
不老長寿になっても腰は痛い……
こんな時にサクラやミズキが育ててくれたハーブティは本当にありがたい…
カヤとオークに散々抱かれた俺は、ローズがこちらに戻ってくるまでにどうにか体力を取り戻した。
ローズは今、ある精霊と運命の紐が結ばれようとしている。
「パパ…僕…最近…何か胸がドキドキする…」
「あ、凄いな。お前は分かるんだ。」
俺達は今、家のリビングでお茶をしていた。
……俺は分かんなかったもんなぁ。
カヤとオークが用事から戻ってきた所で話を振った。
「ローズ…これからパパ達と大事なお話をしようか。」
「お話?」
「そう…ローズ、今度一緒に精霊の森へ行こう。」
「行って良いの?」
「うん、会わせたい子がいるんだよ。」
「精霊の樹が生まれたんだ!うん、会いたいっ!」
……そう、生まれたんだよ…次代の精霊王が……
カヤの見立てでは運命の紐はローズに結ばれようとしている。
「会ってみて、嫌な感じとかあったら…すぐにパパに言うんだぞ?」
「え?精霊に怖い子とかいるの?」
いないはずだよ……だって……
「………初めまして……」
「……はじめまして……」
そう…お互いを見詰める目が…俺達と一緒だもん。
さぁ…たった今、次代の精霊王も俺達の愛息に結ばれた。
幸せは分かち合わなきゃね。
さっそく、今日はみんなを呼んで祝福の祝いだ。
みんな、俺達は今も幸せだよ。
きっと俺達が逝く時はクロバイ達みたいにキラキラと綺麗に逝かないのは確実だけど……きっと結婚式のようにギャーギャ―最期まで言い合って終わるんだろう。
「フフッ…」
「シオン?」
「どうかしたか?」
「あぁ…なんでもない。」
時間はまだまだある。
俺達はもっと幸せに、この子達も幸せにしなきゃな。
end.
「わぁっ!」
『助けてよっ!シオン!!』
「どうした、ツムギ。」
リビングでお茶をしていたら王宮の精霊の樹が泣き付いてきた。
『…っ…あんたの息子が離してくんないんでしょぉっっ!何で僕、精霊の樹なのに腰痛いのさっ!』
「ふあぁぁ…帰すかよ…王様…お前をヤラしい目で見んじゃん…あ…おはよ…パパ……」
頭をポリポリと搔いてやって来たのは可愛かった双子の片割れのカエデ……昔は俺に半分似ていたのが、今や完全にカヤになった。
……いや…中身は…違うんだけどな…
『愛妻家なのにそんな事あるわけないじゃん!カエデが見える所にいっぱい痕付けるからでしょ⁉…僕っ…今日は王宮に帰んなきゃいけないのにっ…今の王様…厳しいんだよっ……わぁあ!』
「大丈夫大丈夫♪オークパパがどうにかしてくれるって♡」
ひょいとツムギを抱えて再び自分の寝室へと戻っていった。
「…んな訳あるか!俺を何年前の王族と思ってんだっ!!」
「……流石はオークの血を引いて…元気だねぇ…」
「…お前の血もしっかりと引いてんだけどなぁぁ…しかも顔はお前ソックリだろうがよっ!」
「止めろよ、2人共~っ!そりゃ見た目はカヤで中身はオークそっくりに育ったけどさぁ…カエデは俺達3人の息子だろ?」
「「………」」
………あ……ヤバい……!
「ふ~ん…あぁして…良いんだ……」
「成る程……見える所に付けて良いんだ……」
「………あの…その……俺……今日…用事で王宮に……」
「あぁ…大丈夫だ…俺が行く………カヤ…俺は夜な……」
「了解……帰りは深夜でも良いからね♪」
「ちょっ早で帰ってきてやるわっ!」
「じゃぁ…シオン……行こ…♡」
「わぁっ!」
俺はカヤにお姫様抱っこをされて寝室へと向かう。
「カヤッ……今日はローズ……」
「あぁ…大丈夫。ローズはローズウッド家に執事見習いの日だから……今日は向こうで泊まりだよ。」
味方…いない…だとぅ⁉
「だから…カエデは明日の昼までは出てこないだろうし…俺とオークで…存分に愛するから……覚悟しといてね…チュッ。」
「んぅっ!」
………あれから1000年の月日が流れた。
あの後、ローズウッド家はサクラとミズキが継いで精霊の祝福で子どもを作り、今も名は残っている。
ローズウッド家にはエンジュとザクロの子孫・ヒイラギとカイエの子孫もいて、顔や性格の名残は少しあった。
あと、アゼリアは…あの後オークの兄弟の1人に嫁いだ。
俺達の子ども3人の内、カエデは何と王宮の精霊の樹に猛アタックし、運命の紐が何故か結ばれて晴れて愛し子となった。
ただ寿命は分からない。精霊王ほど精霊の樹達の寿命は長くない。
精霊王を産むママやローズウッド家の姉さんは特例だそうだが、まぁ…次の樹が生まれるまで俺達と共に生きるんだろう。
「ツムギ」と付けられた王宮の精霊の樹は、主張が出来るまで強くなった。
カエデに相談されて考えた名前だけど、「ツムギ」は「紬ぐ」…人との関係を紬ぐ意味を込めた。
ミズキは寿命が普通だったのか…それとも本人がそうしたのか分からないが…サクラと共に歳を取り、サクラを看取った後に亡くなった。
普段から好んで飲んでいたハーブティを俺達には絶対飲ませなかったから…精霊が早く歳を取る薬か何かを調合していたのかもしれない。
ダフニは突然変異で精霊としての血が濃く出たのか、途中まで不老長寿でいたが700年前に王子と出会ってからは次第に老いていき、偶然同じ日に老衰で亡くなった。
大人のみんなも、ユズもサクラ達もどの子も俺達みんなで看取った。
みんなの最期は口々に「幸せだった」と、微笑んで逝った。
********
……そして…
「あぁ……そろそろだ……」
「フフ…そうだね……少し…力が抜けてきた…」
300年前…
クロバイとライを…ローズが生まれた樹の下で…俺達みんなで見送った。
「…ローズ…おいで…」
「ライ…パパ……やだ……やだよ…」
いやいやと、子供の様に振るローズにライは笑った。
「触れる内に…いつもみたいに…抱き締めさせて…ね?」
泣くのを精一杯我慢するローズにライは手招きをして呼び寄せる。
「……ローズ……シオンと変わってくれて…ありがとう……そして……お前も…俺の…息子だよ……」
「パパッ…!」
最初は俺に一番懐いていたけど、最期はずっとライにベッタリでクロバイがヤキモチを焼く程だった。
それくれらい、ライはローズを愛した。
「ローズ…お前もミズキと同じくらい愛してるよ…どうか…幸せに…生きて…」
「……ぅんっ…!」
「センパイ…」
俺に伸ばす手が…薄い…
「…ローズを…お願い…あと……俺……スッゴイ…幸せだった…センパイも…もっと…幸せになってね…」
「うん…俺も…今十分…幸せだから…大丈夫だよ…安心しな。」
「ヘヘッ…幼馴染に勝った…ぞぉっ…!」
「フッ…まだ…そんな事を言って……私は生まれ変わっても……ずっと…ライ…例え転生前の世界へ戻っても…私はお前を探して…愛するよ…」
クロバイの足は…もう見えていなかった。
「もう…消えそう…だね…クロバイ…最期まで…キスして…」
「もちろん…喜んで……」
2人の唇が重なり…深くなった時…姿は細かい光となって、小さな光が2つ…空へと舞っていった。
********
不老長寿になっても腰は痛い……
こんな時にサクラやミズキが育ててくれたハーブティは本当にありがたい…
カヤとオークに散々抱かれた俺は、ローズがこちらに戻ってくるまでにどうにか体力を取り戻した。
ローズは今、ある精霊と運命の紐が結ばれようとしている。
「パパ…僕…最近…何か胸がドキドキする…」
「あ、凄いな。お前は分かるんだ。」
俺達は今、家のリビングでお茶をしていた。
……俺は分かんなかったもんなぁ。
カヤとオークが用事から戻ってきた所で話を振った。
「ローズ…これからパパ達と大事なお話をしようか。」
「お話?」
「そう…ローズ、今度一緒に精霊の森へ行こう。」
「行って良いの?」
「うん、会わせたい子がいるんだよ。」
「精霊の樹が生まれたんだ!うん、会いたいっ!」
……そう、生まれたんだよ…次代の精霊王が……
カヤの見立てでは運命の紐はローズに結ばれようとしている。
「会ってみて、嫌な感じとかあったら…すぐにパパに言うんだぞ?」
「え?精霊に怖い子とかいるの?」
いないはずだよ……だって……
「………初めまして……」
「……はじめまして……」
そう…お互いを見詰める目が…俺達と一緒だもん。
さぁ…たった今、次代の精霊王も俺達の愛息に結ばれた。
幸せは分かち合わなきゃね。
さっそく、今日はみんなを呼んで祝福の祝いだ。
みんな、俺達は今も幸せだよ。
きっと俺達が逝く時はクロバイ達みたいにキラキラと綺麗に逝かないのは確実だけど……きっと結婚式のようにギャーギャ―最期まで言い合って終わるんだろう。
「フフッ…」
「シオン?」
「どうかしたか?」
「あぁ…なんでもない。」
時間はまだまだある。
俺達はもっと幸せに、この子達も幸せにしなきゃな。
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