目が覚めたらBLゲームの悪役令息になったけど、山に引き籠もりたいので全力で主人公を応援しますっ!

mana.

文字の大きさ
上 下
124 / 145
【番外編】クロバイとの日々 ライVer.

7

しおりを挟む
寮に帰ってよくよく考えたら、転生者としての話や精霊王としての話は一切してなかった。

何をしてたっけ…?


………ナニフェラをされてました………


大事にされるのは嬉しいけど…嬉しいけどさぁ……クロバイ…俺……クロバイが思う程、そんなに心が綺麗じゃないよ…?
心が綺麗なら、こんなに幼馴染に嫉妬しないよ。

「クロバイ……貴方に会いたい…」

さっき別れたばかりなのに…もう貴方が恋しい………
俺は窓から夜空を見上げてポツリと呟いた。


___新学期___


俺はフジ先輩と一緒に先輩達が卒業する前に大量の書類を見直しをしていた。

「フジ先輩、この書類は結構古いんですが…」

「これは…シュレッダーだな。そっちは…」

「これは…」


___ピカッッ!!!___


「「⁉」」


窓から突然眩しい光が差し込んだ。
今日はこの棟の部屋を使っているのは生徒会室とここだけ……光はもしかして…生徒会室⁉

「行くぞっ…ライ!」
「はい!!」

フジ先輩もそう思ったようですぐに声が掛かり、俺達は急いで生徒会室へ走っていった。

___バタバタバタ…!___

「何があった⁉……っ!カリン先輩⁉」
「カリンっ⁉何があった⁉」

部屋へ入ると、倒れている先輩と…乱れている服の姿で、激昂しているカヤとオークをどうにか押さえつけているシオン…何があった?!

「……あっ……フジ先輩っ…説明は後からしますので……今はっ……カリン先輩を医務室へ……っ!ライっ!!2人を…押さえてっっ!!!」

何が何だか分からないけど、異常事態なのは分かったので、取り敢えずフジ先輩はカリン先輩を抱えて医務室へ、俺は2人をどうにか取り押さえることに専念した。

この光景……もしかして…ゲームの……
いや…今はシオンが心配だ。
カヤとオークはカリン先輩が目の前からいなくなるとすぐにシオンの元へ行き、怪我が無い事を確認して少し安心したようだ。
シオンを見ると落ち着いてはいたがすぐには動けなさそうだったので、温かいお茶を飲ませてから屋敷へ帰るように促した。
医務室へ行くとカリン先輩が目を覚していた。

「…やぁ…ライ…」

「大丈夫ですか?」

「本当に…俺が……?」

カリン先輩を見ると顔色が悪い。
フジ先輩を見ると難しい顔をしていた。

「……そうだ…」

「……先輩…覚えてないんですか?」

「……うん…フジから聞いても…全く…」

いつもの様にスキンシップをしたまでは覚えていたのは覚えているけど、シオンを襲った間の記憶は全く無いらしい。
取り敢えず医務室の医者から1週間は休む様に言われ、フジ先輩が様子を見る事になった。

………ゲームの関係か…でも、俺はクロバイルートへ入り、シオンは王子と仲睦まじい。
ただ、クロバイルートではシオンはほとんど登場しないからサイトの情報にはなかったし、こんなトラブルになるとは知らなかった。
俺とフジ先輩は生徒会室へ行って片付けているとカヤがやって来たので、説明をして俺も寮へと戻った。

シオンが屋敷に戻ってから身体の不調が続き、学園を休みがちになり………


___そして、覚醒した___


シオンは無事だろうか………そして…オーク、カヤ…クロバイは怪我をしてないだろうか………?
教室で次の講義の準備をしていたら、クラスメイトから「クロバイ先生からの伝言で、控室に講義の教材を準備する手伝いに来て欲しい」と伝えられた。
クロバイ、学園に講義に来れるという事は無事だろうか?
いや…会うまでは分からない!
俺は最近学園で用意された、クロバイの部屋へと走っていった。


___コンコン___


「ハァ……っ……クロバイ、ライラック・ハシドイですっ。」

「入りなさい。」

「………失礼し…っ……!」

学園ではクロバイと、呼んでいる。
息を整えてドアを開けた途端、腕を引かれてクロバイに引き寄せられ同時に扉を閉められた。

「クロ…んんっ……」

両手で腰をしっかりと固定され、すぐに口の中にクロバイの舌が入ってきた。

「……んぅ……ぁ……っ……」

強く抱き締められて息が少し苦しいのに上顎を刺激されて余計にクラクラする……立ってられない。
しばらく口の中を堪能されて開放された。

「……ハァ……クロバイ……会いたかった……」

「私もだ……ライ……」

ギュッと、首に腕を回して抱きつくとクロバイの香りがする。
クロバイも俺の首元に唇を寄せ、匂いを嗅いだ。

「……んっ……クロバイ…ッ…」

「すまない……ここは…誰かが来てしまう…」

「……じゃぁ……じゃなかったら……?」

「それは………」


___コンコン___
___ビクッ!!___


「クロバイ先生、いらっしゃいますか?1年の……」

そうか…今日は1年の講義があるんだ。

「…少し…待っていてくれ……」

そう言うとクロバイは立ち上がり、ドアを少し開けてから外へ出た。

学園の部屋での逢瀬はあるがキス止まり……お互い2人の時は敬語も無くなり雰囲気は更に良くなった…はず。
でも、フェラをされたのはあの時だけで…大抵は高まる前に身体を離される。
悶々とする日々が続き、ローズウッド家の新年の準備で会えない俺は、シオンに相談グチしに行った。

「……で、今日はどうしたんだよ?」

「……シオンはさ……新年……どうするの?」

そう……もうすぐ新年……もうすぐ俺も18歳の歳だ。

「新年なぁ……俺は多分家族で過すかな。ママも精霊達も復活したし、夜まで騒ぐんじゃない?」

「………だよねぇ……」

…と、なると…クロバイは遅くまで仕事だよね。

「別にクロバイとコッソリ消えてくれても家族だけだからエンジュやカイエもいるし、カヤもいるから大丈夫と思うけど?精霊は食べないからなぁ。姉さんも別に怒りはしないんじゃない?」

「……ありがとう……でもさ、連れ出しても……」

「手は出されないと。」

「…っ……そうなんだよっっ!俺を何だと思ってんの⁉天使じゃないんだよ⁉転生者だよ⁉元大人じゃん⁉経験もあるっちゅーのっ!どうすれば良いと思う??」

「お前っ!仮にも主役だろ⁉もう少しを持てよっ!」

!俺だよ?何夢見てんだよっ!!俺もいい加減たまるっつーの!あんまり生ぬるいこと言ってると……」

俺は先輩に詰め寄った。

「……カヤとオーク……同時に姫始め勧めるぞっっ!!」

「はいっ!考えますっ!!」

「俺達が確実にカップルにならないとシオンも、もしかしたら……ってのがあるでしょ?」

「……断罪……あるのかねぇ…」

「今を考えると無いと思うけどね。」

うん、あの2人を見てると本当に無いと思うんだよね。
愛されてるせいか、最近のシオン……凄く綺麗だもんな。

俺はローズウッド家の新年の祝いに招待される事となった。
泊りになるなら…と、シオンと色々と相談しながら新年に向けて、俺も準備する事にした。
しおりを挟む
感想 33

あなたにおすすめの小説

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

義兄の愛が重すぎて、悪役令息できないのですが…!

ずー子
BL
戦争に負けた貴族の子息であるレイナードは、人質として異国のアドラー家に送り込まれる。彼の使命は内情を探り、敗戦国として奪われたものを取り返すこと。アドラー家が更なる力を付けないように監視を託されたレイナード。まずは好かれようと努力した結果は実を結び、新しい家族から絶大な信頼を得て、特に気難しいと言われている長男ヴィルヘルムからは「右腕」と言われるように。だけど、内心罪悪感が募る日々。正直「もう楽になりたい」と思っているのに。 「安心しろ。結婚なんかしない。僕が一番大切なのはお前だよ」 なんだか義兄の様子がおかしいのですが…? このままじゃ、スパイも悪役令息も出来そうにないよ! ファンタジーラブコメBLです。 平日毎日更新を目標に頑張ってます。応援や感想頂けると励みになります♡ 【登場人物】 攻→ヴィルヘルム 完璧超人。真面目で自信家。良き跡継ぎ、良き兄、良き息子であろうとし続ける、実直な男だが、興味関心がない相手にはどこまでも無関心で辛辣。当初は異国の使者だと思っていたレイナードを警戒していたが… 受→レイナード 和平交渉の一環で異国のアドラー家に人質として出された。主人公。立ち位置をよく理解しており、計算せずとも人から好かれる。常に兄を立てて陰で支える立場にいる。課せられた使命と現状に悩みつつある上に、義兄の様子もおかしくて、いろんな意味で気苦労の絶えない。

嫁側男子になんかなりたくない! 絶対に女性のお嫁さんを貰ってみせる!!

棚から現ナマ
BL
リュールが転生した世界は女性が少なく男性同士の結婚が当たりまえ。そのうえ全ての人間には魔力があり、魔力量が少ないと嫁側男子にされてしまう。10歳の誕生日に魔力検査をすると魔力量はレベル3。滅茶苦茶少ない! このままでは嫁側男子にされてしまう。家出してでも嫁側男子になんかなりたくない。それなのにリュールは公爵家の息子だから第2王子のお茶会に婚約者候補として呼ばれてしまう……どうする俺! 魔力量が少ないけど女性と結婚したいと頑張るリュールと、リュールが好きすぎて自分の婚約者にどうしてもしたい第1王子と第2王子のお話。頑張って長編予定。他にも投稿しています。

悪役令息の七日間

リラックス@ピロー
BL
唐突に前世を思い出した俺、ユリシーズ=アディンソンは自分がスマホ配信アプリ"王宮の花〜神子は7色のバラに抱かれる〜"に登場する悪役だと気付く。しかし思い出すのが遅過ぎて、断罪イベントまで7日間しか残っていない。 気づいた時にはもう遅い、それでも足掻く悪役令息の話。【お知らせ:2024年1月18日書籍発売!】

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?

名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。 そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________ ※ ・非王道気味 ・固定カプ予定は無い ・悲しい過去🐜のたまにシリアス ・話の流れが遅い

アルファな俺が最推しを救う話〜どうして俺が受けなんだ?!〜

車不
BL
5歳の誕生日に階段から落ちて頭を打った主人公は、自身がオメガバースの世界を舞台にしたBLゲームに転生したことに気づく。「よりにもよってレオンハルトに転生なんて…悪役じゃねぇか!!待てよ、もしかしたらゲームで死んだ最推しの異母兄を助けられるかもしれない…」これは第二の性により人々の人生や生活が左右される世界に疑問を持った主人公が、最推しの死を阻止するために奮闘する物語である。

【完結】悪役令息の従者に転職しました

  *  
BL
暗殺者なのに無様な失敗で死にそうになった俺をたすけてくれたのは、BLゲームで、どのルートでも殺されて悲惨な最期を迎える悪役令息でした。 依頼人には死んだことにして、悪役令息の従者に転職しました。 皆でしあわせになるために、あるじと一緒にがんばるよ! 本編完結しました! 『もふもふ獣人転生』に遊びにゆく、舞踏会編、はじめましたー! 他のお話を読まなくても大丈夫なようにお書きするので、気軽に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。

転生悪役令息、雌落ち回避で溺愛地獄!?義兄がラスボスです!

めがねあざらし
BL
人気BLゲーム『ノエル』の悪役令息リアムに転生した俺。 ゲームの中では「雌落ちエンド」しか用意されていない絶望的な未来が待っている。 兄の過剰な溺愛をかわしながらフラグを回避しようと奮闘する俺だが、いつしか兄の目に奇妙な影が──。 義兄の溺愛が執着へと変わり、ついには「ラスボス化」!? このままじゃゲームオーバー確定!?俺は義兄を救い、ハッピーエンドを迎えられるのか……。 ※タイトル変更(2024/11/27)

処理中です...