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【18歳】
【18歳】12
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6月の結婚発表があってからすぐ、クロバイから屋敷の精霊の樹の下に呼ばれた。
そこにはライとクロバイ、ママと姉さん…そして両親がいた。
「今日は……結びの儀式について話しておこうと思う。」
結びの儀式……それは運命の紐を確実のものとする儀式。
精霊王とは命を共にするため、結婚式より絆は確固たるものとなる。
「……今日はアッシュとポーロウニアにも来てもらった。」
最近クロバイも精霊王として振る舞う事も増え、屋敷も口の堅い者を揃えたので口調も精霊の森と変わらない事が増えた。
執事の仕事は癖なのか元々性に合ってたのか、変わらずこなしてくれる。
まぁ、1000年もやってりゃ慣れとかの問題じゃないか。
「………ごめん…父上、母上……」
「何が?」
キョトンとした顔で父が聞く。
「だって……」
いくらユズに後継を任せても……いずれ俺と家族との時間の差がハッキリと出るだろう。
「シオン!」
___ペチッ!___
「あのね、親子は永遠に一緒にいる事は出来ないわ。普通でも私達が先に逝くの。私達がいなくなっても貴方を愛する人がいて、しかも2人もいるんでしょ?それのどこが悲しい事なの?」
「はひゃうえ…」
「幼い頃から知っている良い子で最強の2人よ。最強の安心に悲しむ親はいないわ。いくら長くても……貴方達3人だけじゃないでしょ?」
母は俺の頬を両手で軽く挟んで話した後、そっと手を離した。
「……ね…だから…笑いましょう?」
『私達もしっかりと共に見守るわ。』
『私も一緒よ、シオン。』
「ママ…姉さん…」
そうだ…クロバイもいずれいなくなるが、俺にはママや姉さんもいる。
「それで……オーク。」
「何だ。」
「お前も結びの儀式を行うが……お前には選択肢を与える。」
運命の紐で繋がっている俺達。
結びを確実のものにすると命を繋げる事となるから……そっか。精霊王に合わせて俺が生きるなら、俺に繋がったオークもそれに合わせるよな。
そうなると……
「お前は王族だ……長寿の王族は争いを招く。しかもお前は権力争いにもなる人物だ。シオンとも共に生きるなら、王宮はいずれ離れなければいけないだろう…先日王や次期王になるヘイゼルにも話した。お前をちゃんと話したいと言っているから、しっかりと話してこい。」
「……分かった…」
「あと…………ぁ…と……だな………ライ……私には……無理だ……っ。」
___ん?___
厳格な顔をして今まで話していたクロバイが、急にモジモジしだした。
「フフッ……クロバイ……こういうの、苦手なんだね…可愛い……」
クロバイの手をそっと握り、ライが俺達に向き直った。
「結びの儀式をこの屋敷の樹の下で…俺達の結びの儀式……結婚式をしたいと思っているんだ。アッシュ様とポーロウニア様には了承をもらったよ。俺達の事を知っているみんなを呼びたいけど…参加してくれるかな?」
クロバイの顔を見ると顔を赤くして恥ずかしそうにしながらも、ライを見て微笑んでいた。
「うん。もちろんだよ。」
「結婚式……そうか……結びの儀式としか意識がなかった。」
「……結婚式……」
『そうよ、オーク。結婚式。あなたのご両親、ご兄弟も呼べるわ。』
『王宮の精霊の樹は普段から恥ずかしがりやだからなかなか出てこないけど……可愛いあなたの門出なら、きっと顔を出すわね。』
あ、そういや王宮の精霊の樹って見てねぇな。
「あ、そう言えばそうね。私もお会いした事なかったわ。流石に今回はお会い出来ると思ったのに。」
「うん、王と王妃には会ってるみたいだよ。」
精霊は一般人には見えない。
昔はみんな見えていたようだが、今はよほど心が純粋な者か赤ん坊にしか見えていないようだ。
母は愛し子であったローズウッド家の血を受け継ぐ者として、精霊の樹や精霊と見て触れて話す事が出来る。
父は薄っすらと見えていたそうだが、母と結婚してちゃんと見えるようになった。
ちなみにオークは王族なので見えている。
「オーク……」
「俺は……お前を愛している……」
オークの手が俺の頬に当てられて、俺はその手の上に重ねた。
「……分かってるよ。」
「お前達の儀式は卒業後とする。」
話が終わり、オークは早速王宮へと戻っていった。
「……なぁ…ライ。」
「ん?」
「お前は…今の家族は大丈夫だったのか?」
「あぁ……まぁ、俺は三男だからね。貴族の三男は家には不要でしょ?」
「…そうか。」
悪く言えば、貴族の長男は跡継ぎ、次男はスペア。三男以降は…だっけ?
「フフッ、ウチはそんなんじゃ無いよ。田舎の貴族だもん。仲は良いよ……でもさ、田舎貴族だからこそ、家を出るつもりではいたんだよ。」
俺の顔を見て説明してくれた。
あ、そうか。だからゲームでは気にせず王子に嫁げたのか。
「じゃぁ、俺も寮に戻るよ。」
『ダメよ~、あなたはこっち♪』
『精霊の森で準備をするわよ!儀式はすぐだもの♡』
「え?うそっ……クロバイ⁉」
「……すまない……」
『クロバイ、学園と寮に連絡をよろしくね♡』
ママと姉さんがそう言うと、ライを連れて精霊の森へと消えていった。
そこにはライとクロバイ、ママと姉さん…そして両親がいた。
「今日は……結びの儀式について話しておこうと思う。」
結びの儀式……それは運命の紐を確実のものとする儀式。
精霊王とは命を共にするため、結婚式より絆は確固たるものとなる。
「……今日はアッシュとポーロウニアにも来てもらった。」
最近クロバイも精霊王として振る舞う事も増え、屋敷も口の堅い者を揃えたので口調も精霊の森と変わらない事が増えた。
執事の仕事は癖なのか元々性に合ってたのか、変わらずこなしてくれる。
まぁ、1000年もやってりゃ慣れとかの問題じゃないか。
「………ごめん…父上、母上……」
「何が?」
キョトンとした顔で父が聞く。
「だって……」
いくらユズに後継を任せても……いずれ俺と家族との時間の差がハッキリと出るだろう。
「シオン!」
___ペチッ!___
「あのね、親子は永遠に一緒にいる事は出来ないわ。普通でも私達が先に逝くの。私達がいなくなっても貴方を愛する人がいて、しかも2人もいるんでしょ?それのどこが悲しい事なの?」
「はひゃうえ…」
「幼い頃から知っている良い子で最強の2人よ。最強の安心に悲しむ親はいないわ。いくら長くても……貴方達3人だけじゃないでしょ?」
母は俺の頬を両手で軽く挟んで話した後、そっと手を離した。
「……ね…だから…笑いましょう?」
『私達もしっかりと共に見守るわ。』
『私も一緒よ、シオン。』
「ママ…姉さん…」
そうだ…クロバイもいずれいなくなるが、俺にはママや姉さんもいる。
「それで……オーク。」
「何だ。」
「お前も結びの儀式を行うが……お前には選択肢を与える。」
運命の紐で繋がっている俺達。
結びを確実のものにすると命を繋げる事となるから……そっか。精霊王に合わせて俺が生きるなら、俺に繋がったオークもそれに合わせるよな。
そうなると……
「お前は王族だ……長寿の王族は争いを招く。しかもお前は権力争いにもなる人物だ。シオンとも共に生きるなら、王宮はいずれ離れなければいけないだろう…先日王や次期王になるヘイゼルにも話した。お前をちゃんと話したいと言っているから、しっかりと話してこい。」
「……分かった…」
「あと…………ぁ…と……だな………ライ……私には……無理だ……っ。」
___ん?___
厳格な顔をして今まで話していたクロバイが、急にモジモジしだした。
「フフッ……クロバイ……こういうの、苦手なんだね…可愛い……」
クロバイの手をそっと握り、ライが俺達に向き直った。
「結びの儀式をこの屋敷の樹の下で…俺達の結びの儀式……結婚式をしたいと思っているんだ。アッシュ様とポーロウニア様には了承をもらったよ。俺達の事を知っているみんなを呼びたいけど…参加してくれるかな?」
クロバイの顔を見ると顔を赤くして恥ずかしそうにしながらも、ライを見て微笑んでいた。
「うん。もちろんだよ。」
「結婚式……そうか……結びの儀式としか意識がなかった。」
「……結婚式……」
『そうよ、オーク。結婚式。あなたのご両親、ご兄弟も呼べるわ。』
『王宮の精霊の樹は普段から恥ずかしがりやだからなかなか出てこないけど……可愛いあなたの門出なら、きっと顔を出すわね。』
あ、そういや王宮の精霊の樹って見てねぇな。
「あ、そう言えばそうね。私もお会いした事なかったわ。流石に今回はお会い出来ると思ったのに。」
「うん、王と王妃には会ってるみたいだよ。」
精霊は一般人には見えない。
昔はみんな見えていたようだが、今はよほど心が純粋な者か赤ん坊にしか見えていないようだ。
母は愛し子であったローズウッド家の血を受け継ぐ者として、精霊の樹や精霊と見て触れて話す事が出来る。
父は薄っすらと見えていたそうだが、母と結婚してちゃんと見えるようになった。
ちなみにオークは王族なので見えている。
「オーク……」
「俺は……お前を愛している……」
オークの手が俺の頬に当てられて、俺はその手の上に重ねた。
「……分かってるよ。」
「お前達の儀式は卒業後とする。」
話が終わり、オークは早速王宮へと戻っていった。
「……なぁ…ライ。」
「ん?」
「お前は…今の家族は大丈夫だったのか?」
「あぁ……まぁ、俺は三男だからね。貴族の三男は家には不要でしょ?」
「…そうか。」
悪く言えば、貴族の長男は跡継ぎ、次男はスペア。三男以降は…だっけ?
「フフッ、ウチはそんなんじゃ無いよ。田舎の貴族だもん。仲は良いよ……でもさ、田舎貴族だからこそ、家を出るつもりではいたんだよ。」
俺の顔を見て説明してくれた。
あ、そうか。だからゲームでは気にせず王子に嫁げたのか。
「じゃぁ、俺も寮に戻るよ。」
『ダメよ~、あなたはこっち♪』
『精霊の森で準備をするわよ!儀式はすぐだもの♡』
「え?うそっ……クロバイ⁉」
「……すまない……」
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