97 / 145
【17歳】
【17歳】38
しおりを挟む
訓練は軽い昼食を済ませ、夕方まで続いた。
「「「…………」」」
「………今日はここまで………疲れた…」
いやん…クロバイが精霊の森じゃないのに敬語忘れてるぅ。
………確かに…俺も……疲れたよ………真っ白にな……
俺も疲れて昭和のネタに走っても…誰も分かりはしないこの異世界……いや…ライがいても分からん世代だよな……あ…余計に疲れた……
……俺達はフラフラと3人で食事を取って、フラフラと自分の部屋へと戻り……戻り……ん………戻ってねぇ……
「なぁ……」
「…ん?」
「…何だ?」
「お前ら……戻らねぇのか?」
2人が当たり前のように俺の部屋のベッドの上に…俺の両隣にいるんだけど?
「あぁ……それは…」
「シオンの警護の為だ。」
何なんだ、その阿吽の呼吸は。
「………俺…今日は閨どころじゃねぇんだけど?」
「奇遇だな、俺もだ。」
「俺もです。」
俺を挟んで仲良く川の字。
別にベッドはデカいから狭くはないけどさぁ。
「いや…3人仲良く寝るのかよ?」
「大丈夫だろ?ベッドはデカいんだし。」
「今日は俺もオーク様も魔力をそこそこ使い果たして復活に時間が掛かりますから……本当は嫌ですけど…」
「俺だって嫌だよ!なら、どっちが守るかこの場で決めるか⁉」
「望む所です……」
フラフラしながらベッドで立ち上がろうとする2人の腕を捕まえた。
「あ゛~っ!喧嘩は止めっ‼分かったからっ、ほらっ寝るぞ‼」
「でもっ!シオン様ッ!!」
「こんな気持ちで寝れる訳ね~だろ~がっ!」
___秒で寝落ちした。___
練習は数日続いた。
それだけ俺の開放は近かったんだろう。
クロバイに注意されながらもどうにか様になってきた。
気付けば葉も落ち始めて冬支度も始まっている。
「日は近いかもしれませんね……」
「確かにな…」
「そうですね…」
3人の意見は一致しているが俺はさっぱりだ。
「何で分かんの?」
「お前の魔力だよ。」
「えぇ、何だかたまに2人分の力を感じる時があります。」
2人分……俺の中の宝石の分が漏れているという事か?
…………ん………あれ?
「……シオン様?」
「………シオンッ!」
………視界が……歪む………
「…か………だっ!………ン様!!」
クロバイ……何言ってんのか分かんないよ……誰かが俺の足を引っ張っている……おかしいな……水の中じゃないのに……身体が沈んで……行く……
……深く……深く……沈んで……
沈んだ先には……真っ白な……空間。
___エッ………ゥッ……グズッ……___
そして……三角座りで小さな子供が蹲っていた。
「どうしたの?」
こんな所で……あれ………ここ……俺の夢だ……よな?
疑問に思って答えが出る前に相手が出してくれた。
…………あ、この子……7歳の俺だ。
「……っ!」
「あっ……大丈……」
「来ないでっ!」
___バチィッッ!!___
手を差し伸べようとしたらチビっ子の俺に魔力で弾かれる。
身体の周りに魔力がコーティングされてて触ろうとすると攻撃をされる感じだ。
「……お兄ちゃん……誰っ……?やっ……僕……またっ……」
___誰かを傷付けるっ!____
「誰かを傷付け……うぉっっ!」
ヒュッ!と、魔力が鞭の様にしなって飛んでくる。
咄嗟にシールドを貼るが頬に痛みが走った。
「クッ……ちょっと……そこのチビっ子……落ち着け……っ!」
「ふぇ……っ……僕……僕……」
___ゴゴゴゴゴゴ___
周りの景色が禍々しい色に変わっていく。
チビっ子シオンもムクリと起き上がり、涙を流しながらこちらを見た。
「っっ⁉」
___ドォォォンッッ!!!___
「いやぁぁあああああ!!」
閃光と共に衝撃を身体に受ける。
これ……夢だよな?シールド貼ってるとはいえ結構な衝撃なんだけど!
クロバイに習ってなかったらもっとヤバいな、俺。
「お兄ちゃん……誰かに…言われて来たの⁉……ハッ…僕……いらない子なの……?」
「何言って……」
「父上……僕と母上の事……嫌いなんだっ……だから…屋敷……戻らないんだっ!」
「違うって!」
癇癪起こした子ども程たちの悪いものはない。
怒りがピークになって泣き始めたら、何で泣いたのかを途中から分からずネガティブな感情が色々と溢れだす。
「……うっ……やっ……」
チビっ子シオンの周りを更に魔力の膜が出来る。
まるで殻を作って自分を守るように。
「お前……聞けって!違うんだからっ!」
「違わないっっ!」
___バシィッ!___
「ウッ!!」
「……ぁ…っ……」
俺が魔力の攻撃に打たれた姿を見て、チビっ子シオンの魔力が少し弱まった…今だ!
「違うっつ~てんだろうがぁっ!このバカチンがぁぁぁあああっっ!!!」
「……きゃぁっ!!!」
___ジュゥッ!!___
「…………っっ!!」
魔力を押し退けてチビっ子シオンを抱き締めると同時に身体にシールドを貼っているとはいえ身体に激痛が走る。
「ジュゥッ」っていったから、きっと色々怪我はしてるんだろうが…今はそんな事言ってられない。
「……お……兄……」
「大丈夫…て……言ってんだろ……?」
魔力は弱まらず、チビっ子シオンの戸惑いに呼応するようにユラユラと俺の身体を痛めつける。
……あ…ちょっと……ヤバく…………あれ……ない?
気付くと俺の身体が淡く光っていた。
「「「…………」」」
「………今日はここまで………疲れた…」
いやん…クロバイが精霊の森じゃないのに敬語忘れてるぅ。
………確かに…俺も……疲れたよ………真っ白にな……
俺も疲れて昭和のネタに走っても…誰も分かりはしないこの異世界……いや…ライがいても分からん世代だよな……あ…余計に疲れた……
……俺達はフラフラと3人で食事を取って、フラフラと自分の部屋へと戻り……戻り……ん………戻ってねぇ……
「なぁ……」
「…ん?」
「…何だ?」
「お前ら……戻らねぇのか?」
2人が当たり前のように俺の部屋のベッドの上に…俺の両隣にいるんだけど?
「あぁ……それは…」
「シオンの警護の為だ。」
何なんだ、その阿吽の呼吸は。
「………俺…今日は閨どころじゃねぇんだけど?」
「奇遇だな、俺もだ。」
「俺もです。」
俺を挟んで仲良く川の字。
別にベッドはデカいから狭くはないけどさぁ。
「いや…3人仲良く寝るのかよ?」
「大丈夫だろ?ベッドはデカいんだし。」
「今日は俺もオーク様も魔力をそこそこ使い果たして復活に時間が掛かりますから……本当は嫌ですけど…」
「俺だって嫌だよ!なら、どっちが守るかこの場で決めるか⁉」
「望む所です……」
フラフラしながらベッドで立ち上がろうとする2人の腕を捕まえた。
「あ゛~っ!喧嘩は止めっ‼分かったからっ、ほらっ寝るぞ‼」
「でもっ!シオン様ッ!!」
「こんな気持ちで寝れる訳ね~だろ~がっ!」
___秒で寝落ちした。___
練習は数日続いた。
それだけ俺の開放は近かったんだろう。
クロバイに注意されながらもどうにか様になってきた。
気付けば葉も落ち始めて冬支度も始まっている。
「日は近いかもしれませんね……」
「確かにな…」
「そうですね…」
3人の意見は一致しているが俺はさっぱりだ。
「何で分かんの?」
「お前の魔力だよ。」
「えぇ、何だかたまに2人分の力を感じる時があります。」
2人分……俺の中の宝石の分が漏れているという事か?
…………ん………あれ?
「……シオン様?」
「………シオンッ!」
………視界が……歪む………
「…か………だっ!………ン様!!」
クロバイ……何言ってんのか分かんないよ……誰かが俺の足を引っ張っている……おかしいな……水の中じゃないのに……身体が沈んで……行く……
……深く……深く……沈んで……
沈んだ先には……真っ白な……空間。
___エッ………ゥッ……グズッ……___
そして……三角座りで小さな子供が蹲っていた。
「どうしたの?」
こんな所で……あれ………ここ……俺の夢だ……よな?
疑問に思って答えが出る前に相手が出してくれた。
…………あ、この子……7歳の俺だ。
「……っ!」
「あっ……大丈……」
「来ないでっ!」
___バチィッッ!!___
手を差し伸べようとしたらチビっ子の俺に魔力で弾かれる。
身体の周りに魔力がコーティングされてて触ろうとすると攻撃をされる感じだ。
「……お兄ちゃん……誰っ……?やっ……僕……またっ……」
___誰かを傷付けるっ!____
「誰かを傷付け……うぉっっ!」
ヒュッ!と、魔力が鞭の様にしなって飛んでくる。
咄嗟にシールドを貼るが頬に痛みが走った。
「クッ……ちょっと……そこのチビっ子……落ち着け……っ!」
「ふぇ……っ……僕……僕……」
___ゴゴゴゴゴゴ___
周りの景色が禍々しい色に変わっていく。
チビっ子シオンもムクリと起き上がり、涙を流しながらこちらを見た。
「っっ⁉」
___ドォォォンッッ!!!___
「いやぁぁあああああ!!」
閃光と共に衝撃を身体に受ける。
これ……夢だよな?シールド貼ってるとはいえ結構な衝撃なんだけど!
クロバイに習ってなかったらもっとヤバいな、俺。
「お兄ちゃん……誰かに…言われて来たの⁉……ハッ…僕……いらない子なの……?」
「何言って……」
「父上……僕と母上の事……嫌いなんだっ……だから…屋敷……戻らないんだっ!」
「違うって!」
癇癪起こした子ども程たちの悪いものはない。
怒りがピークになって泣き始めたら、何で泣いたのかを途中から分からずネガティブな感情が色々と溢れだす。
「……うっ……やっ……」
チビっ子シオンの周りを更に魔力の膜が出来る。
まるで殻を作って自分を守るように。
「お前……聞けって!違うんだからっ!」
「違わないっっ!」
___バシィッ!___
「ウッ!!」
「……ぁ…っ……」
俺が魔力の攻撃に打たれた姿を見て、チビっ子シオンの魔力が少し弱まった…今だ!
「違うっつ~てんだろうがぁっ!このバカチンがぁぁぁあああっっ!!!」
「……きゃぁっ!!!」
___ジュゥッ!!___
「…………っっ!!」
魔力を押し退けてチビっ子シオンを抱き締めると同時に身体にシールドを貼っているとはいえ身体に激痛が走る。
「ジュゥッ」っていったから、きっと色々怪我はしてるんだろうが…今はそんな事言ってられない。
「……お……兄……」
「大丈夫…て……言ってんだろ……?」
魔力は弱まらず、チビっ子シオンの戸惑いに呼応するようにユラユラと俺の身体を痛めつける。
……あ…ちょっと……ヤバく…………あれ……ない?
気付くと俺の身体が淡く光っていた。
10
お気に入りに追加
2,564
あなたにおすすめの小説
推しの完璧超人お兄様になっちゃった
紫 もくれん
BL
『君の心臓にたどりつけたら』というゲーム。体が弱くて一生の大半をベットの上で過ごした僕が命を賭けてやり込んだゲーム。
そのクラウス・フォン・シルヴェスターという推しの大好きな完璧超人兄貴に成り代わってしまった。
ずっと好きで好きでたまらなかった推し。その推しに好かれるためならなんだってできるよ。
そんなBLゲーム世界で生きる僕のお話。
転生悪役令息、雌落ち回避で溺愛地獄!?義兄がラスボスです!
めがねあざらし
BL
人気BLゲーム『ノエル』の悪役令息リアムに転生した俺。
ゲームの中では「雌落ちエンド」しか用意されていない絶望的な未来が待っている。
兄の過剰な溺愛をかわしながらフラグを回避しようと奮闘する俺だが、いつしか兄の目に奇妙な影が──。
義兄の溺愛が執着へと変わり、ついには「ラスボス化」!?
このままじゃゲームオーバー確定!?俺は義兄を救い、ハッピーエンドを迎えられるのか……。
※タイトル変更(2024/11/27)
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
R指定はないけれど、なんでかゲームの攻略対象者になってしまったのだが(しかもBL)
黒崎由希
BL
目覚めたら、姉にゴリ推しされたBLゲームの世界に転生してた。
しかも人気キャラの王子様って…どういうことっ?
✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻
…ええっと…
もう、アレです。 タイトル通りの内容ですので、ぬるっとご覧いただけましたら幸いです。m(_ _)m
.
魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました
タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。
クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。
死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。
「ここは天国ではなく魔界です」
天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。
「至上様、私に接吻を」
「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」
何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?
ちっちゃくなった俺の異世界攻略
鮨海
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた!
精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!
僕がハーブティーを淹れたら、筆頭魔術師様(♂)にプロポーズされました
楠結衣
BL
貴族学園の中庭で、婚約破棄を告げられたアルフォン伯爵令息。可愛らしい見た目に加え、ハーブと刺繍を愛する彼は、女よりも女の子らしいと言われていた。女騎士を目指す婚約者に「妹みたい」とバッサリ切り捨てられ、婚約解消されてしまう。
ショックのあまり実家のハーブガーデンに引きこもっていたところ、王宮魔術塔で働く兄から助手に誘われる。
喜ぶ家族を見たら断れなくなったエリオットは筆頭魔術師のジェラール様の執務室へ向かう。そこでエリオットがいつものようにハーブティーを淹れたところ、なぜかプロポーズされてしまい……。
「エリオット・ハワード――俺と結婚しよう」
契約結婚の打診からはじまる男同士の恋模様。
アルフォンのハーブティーと刺繍に特別な力があることは、まだ秘密──。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる