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【17歳】
【17歳】37
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結局あの後目が覚めずそのまま翌日を迎えてしまった。
___コンコン___
「おはよう……シオン、起きて…」
「……ん……」
「カ…ヤ……」
「朝だよ、起きる事は出来そう?」
「うん……ゴメン、俺…またそのまま寝てたな。」
夢に姉さんが出てきて色々と話していたせいか、グッスリ感はないけどな。
俺はカヤが持って来た朝食を軽く摘んで着替えをし、クロバイの待つ精霊の樹の元へと移動した。
「おはよう、シオン。」
「おはようございます、シオン様。」
クロバイと既に来ていたオークに声を掛けられる。
今日のクロバイの服は執事服ではなく、魔術講義の服装だ。
「シオン様…精霊の樹から夢で話は聞きましたか?」
「えっと……もうすぐ時間が無い………俺に封じ込めた魔力…開放…?」
「そうです。オーク様には先にいらしたので少しお話をしましたが、その事もありますので対策として本日から魔力循環の訓練をして頂きます。」
「本日…から?」
「そうです。本当は導入のみと考えていましたが…思った以上にシオン様の魔力は増幅しております。それにカヤとオーク様との魔力の相性の良さを考えると訓練に入るのは問題は無いかと。」
……魔力循環……相性………
あぁぁぁぁあ!あれかぁ⁉
あれ……凄く大変な事になったじゃん⁉
「他に方法は無いの?」
「無いですね。」
いやんっ!即答!!
「……まぁ……しょうがないな………♪」
「……えぇ……しょうがないですよね……♡」
「………お前ら……言葉と表情が全く噛み合ってねぇぞ……」
声色は真剣なのに顔が満更でもねぇってどうなんだよっ。
「昔の記憶も一気に来んだよな?」
「精霊の樹の言葉を覚えてましたか。えぇ、その通りです。大体の融合してはいると思いますが……核の部分は不明です。
何かしらの形で現れるでしょう。」
本当に主人公のイベントみたいな感じになってきた。
「クロバイ、姉さんは?」
「また夢で現れるかもしれませんが今は眠っていますね。」
「そうか…」
「それでは、時間も無いことですし…取り敢えずは少量の魔力から行いましょう。」
クロバイの話では7歳の覚醒までの俺はかなりネガティブで、父の事はゲームのまま俺が生まれたから良いだろうと浮気をしていて、身体もそんなに強くなく自分は愛されていない存在だと思っていた様だ。
カヤを家族の様に慕い、心の支えでもあったらしい。
その記憶が一気に来るとなると…
「では…3人手を繋いで……そう…では…最初は両方への魔力循環ではなく右手は流して左手は受け止めましましょう…くれぐれも微量ですよ?微量で、お願いします。」
何だかネタのフリの様な気もするが……
俺達は手を握り目を瞑る。
「始めて下さい。」
言われて少しずつ流し始める。
ポカポカと身体の芯が温まり始め……
「「「……くっ!」」」
「熱い熱い熱いっ!」
何だ?今回かなり熱いんだが⁉
「…熱いですか?俺はかなり擽ったいです。」
「……俺は凄く寒い…」
「……前とは少し違いますね。それぞれが成長して少し状態が変わっているかもしれませんね。3人共、思うままに魔力を流してます。相手への思いで魔力を出していると思いますがカヤとオーク様は弱めて。そしてシオン様……真面目にやって下さい。」
「俺、真面目にやってるけどぉ⁉」
今回の魔力循環は、オーク→俺→カヤ→オークとなっているんだが……オークから俺に火の魔力、カヤからオークに氷(水)の魔力、俺はカヤに……擽ったい……一体何の魔力属性だよっ⁉
「難しいな……シオンへの思いが強すぎて…」
「難しいですね……オーク様への(日頃の)思いが強すぎて……」
「難しいなぁ……擽ったいって……何だぁ…?」
……じゃぁ……
「あぁんっ!」
「ブフゥッ!」
「あ゛ぁ゛んっ⁉」
___バチッ!!___
繋いだ手に電気の様な衝撃が走って3人共その場にしゃがみ込んだ。
「加減しろ!馬鹿者がっ!!」
今度は思わずクロバイに敬語が無くなる程3人揃って極端に強過ぎた様だ。
「オーク……お前……なんて魔力流すんだよ………」
腰立たなくなるわっ!
「……ん゛っ………はぁ……シオン様こそ……なんて魔力流すんです…俺笑い死ぬかと思いましたよ……」
「カヤ…お前……俺を消す気で来ただろ⁉なんて魔力流すんだよっ!!」
オークの言葉にカヤが反論した。
「…そもそも…シオン様の事を考えたら、優しく温もりのある魔力を流せるんじゃないでしょうかねぇ?」
「お前こそ……さっきは俺への含みのある思いだったと思うが……日頃の鬱憤でも晴らしてんのかよ?」
「フフフフ……まさか……そんなそんな……」
「フフフ……俺のシオンへの気持ちはお前みたいな生易しい気持ちじゃねぇしな。何ならお前が味わうか?」
「受けて立ちましょう。」
「「フフフフフ……」」
えぇぇぇぇぇ……魔力循環って…こんな人間関係も左右されるもんだっけ?
___ゴゴゴゴゴゴ……___
2人の後ろでクロバイが般若の顔で立っていた。
いやぁっ!○村~っ!!後ろ後ろぉ!
思わず転生前の昭和のネタを思い出す。
「お前達……」
「……カヤッ、オークッ…後ろ…」
「「何だ?」ですか?」
___ゴンッ!___
おぉ。昭和のカミナリオヤジってやつッスね!
ゲンコツ出ました☆
「2人共……シオン様とは別の意味でちゃんとしなさい。しないなら…………シオン様抜きで2人で一緒のベッドで寝てもらいますよ。」
「「頑張りますっ!!」」
ビシッ!と、即答で真顔で返答する2人。
……ってか、別の意味って何だよクロバイッ!
俺、一応悪役令息設定だからねっ……笑いの素質なんて…ないんだからねっっ‼
___コンコン___
「おはよう……シオン、起きて…」
「……ん……」
「カ…ヤ……」
「朝だよ、起きる事は出来そう?」
「うん……ゴメン、俺…またそのまま寝てたな。」
夢に姉さんが出てきて色々と話していたせいか、グッスリ感はないけどな。
俺はカヤが持って来た朝食を軽く摘んで着替えをし、クロバイの待つ精霊の樹の元へと移動した。
「おはよう、シオン。」
「おはようございます、シオン様。」
クロバイと既に来ていたオークに声を掛けられる。
今日のクロバイの服は執事服ではなく、魔術講義の服装だ。
「シオン様…精霊の樹から夢で話は聞きましたか?」
「えっと……もうすぐ時間が無い………俺に封じ込めた魔力…開放…?」
「そうです。オーク様には先にいらしたので少しお話をしましたが、その事もありますので対策として本日から魔力循環の訓練をして頂きます。」
「本日…から?」
「そうです。本当は導入のみと考えていましたが…思った以上にシオン様の魔力は増幅しております。それにカヤとオーク様との魔力の相性の良さを考えると訓練に入るのは問題は無いかと。」
……魔力循環……相性………
あぁぁぁぁあ!あれかぁ⁉
あれ……凄く大変な事になったじゃん⁉
「他に方法は無いの?」
「無いですね。」
いやんっ!即答!!
「……まぁ……しょうがないな………♪」
「……えぇ……しょうがないですよね……♡」
「………お前ら……言葉と表情が全く噛み合ってねぇぞ……」
声色は真剣なのに顔が満更でもねぇってどうなんだよっ。
「昔の記憶も一気に来んだよな?」
「精霊の樹の言葉を覚えてましたか。えぇ、その通りです。大体の融合してはいると思いますが……核の部分は不明です。
何かしらの形で現れるでしょう。」
本当に主人公のイベントみたいな感じになってきた。
「クロバイ、姉さんは?」
「また夢で現れるかもしれませんが今は眠っていますね。」
「そうか…」
「それでは、時間も無いことですし…取り敢えずは少量の魔力から行いましょう。」
クロバイの話では7歳の覚醒までの俺はかなりネガティブで、父の事はゲームのまま俺が生まれたから良いだろうと浮気をしていて、身体もそんなに強くなく自分は愛されていない存在だと思っていた様だ。
カヤを家族の様に慕い、心の支えでもあったらしい。
その記憶が一気に来るとなると…
「では…3人手を繋いで……そう…では…最初は両方への魔力循環ではなく右手は流して左手は受け止めましましょう…くれぐれも微量ですよ?微量で、お願いします。」
何だかネタのフリの様な気もするが……
俺達は手を握り目を瞑る。
「始めて下さい。」
言われて少しずつ流し始める。
ポカポカと身体の芯が温まり始め……
「「「……くっ!」」」
「熱い熱い熱いっ!」
何だ?今回かなり熱いんだが⁉
「…熱いですか?俺はかなり擽ったいです。」
「……俺は凄く寒い…」
「……前とは少し違いますね。それぞれが成長して少し状態が変わっているかもしれませんね。3人共、思うままに魔力を流してます。相手への思いで魔力を出していると思いますがカヤとオーク様は弱めて。そしてシオン様……真面目にやって下さい。」
「俺、真面目にやってるけどぉ⁉」
今回の魔力循環は、オーク→俺→カヤ→オークとなっているんだが……オークから俺に火の魔力、カヤからオークに氷(水)の魔力、俺はカヤに……擽ったい……一体何の魔力属性だよっ⁉
「難しいな……シオンへの思いが強すぎて…」
「難しいですね……オーク様への(日頃の)思いが強すぎて……」
「難しいなぁ……擽ったいって……何だぁ…?」
……じゃぁ……
「あぁんっ!」
「ブフゥッ!」
「あ゛ぁ゛んっ⁉」
___バチッ!!___
繋いだ手に電気の様な衝撃が走って3人共その場にしゃがみ込んだ。
「加減しろ!馬鹿者がっ!!」
今度は思わずクロバイに敬語が無くなる程3人揃って極端に強過ぎた様だ。
「オーク……お前……なんて魔力流すんだよ………」
腰立たなくなるわっ!
「……ん゛っ………はぁ……シオン様こそ……なんて魔力流すんです…俺笑い死ぬかと思いましたよ……」
「カヤ…お前……俺を消す気で来ただろ⁉なんて魔力流すんだよっ!!」
オークの言葉にカヤが反論した。
「…そもそも…シオン様の事を考えたら、優しく温もりのある魔力を流せるんじゃないでしょうかねぇ?」
「お前こそ……さっきは俺への含みのある思いだったと思うが……日頃の鬱憤でも晴らしてんのかよ?」
「フフフフ……まさか……そんなそんな……」
「フフフ……俺のシオンへの気持ちはお前みたいな生易しい気持ちじゃねぇしな。何ならお前が味わうか?」
「受けて立ちましょう。」
「「フフフフフ……」」
えぇぇぇぇぇ……魔力循環って…こんな人間関係も左右されるもんだっけ?
___ゴゴゴゴゴゴ……___
2人の後ろでクロバイが般若の顔で立っていた。
いやぁっ!○村~っ!!後ろ後ろぉ!
思わず転生前の昭和のネタを思い出す。
「お前達……」
「……カヤッ、オークッ…後ろ…」
「「何だ?」ですか?」
___ゴンッ!___
おぉ。昭和のカミナリオヤジってやつッスね!
ゲンコツ出ました☆
「2人共……シオン様とは別の意味でちゃんとしなさい。しないなら…………シオン様抜きで2人で一緒のベッドで寝てもらいますよ。」
「「頑張りますっ!!」」
ビシッ!と、即答で真顔で返答する2人。
……ってか、別の意味って何だよクロバイッ!
俺、一応悪役令息設定だからねっ……笑いの素質なんて…ないんだからねっっ‼
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