93 / 145
【17歳】
【17歳】34 カヤver.
しおりを挟む
「………はぁ………」
「シオン…大丈夫?」
「……ん~……ちょっと眠いんだよねぇ。」
最近シオンがよく眠る。
ただ眠るだけなら良いんだが……どうも魔力も不安定だ……
「ご飯は部屋で食べる?」
「…うん…その方が良いかなぁ。」
学園から戻ってフラフラしているシオンを早々に眠らせ、今日はこちらに来ると聞いていたオーク様を廊下で待っているとオーク様がやって来た。
「あ、カヤ。シオン……また寝たのか?」
「はい……ちょっと魔力も不安定ですね。」
「……そうか……お前はどう思う?」
「……今の俺の口からは何とも……取り敢えずはクロバイに相談してみます。」
「分かったら教えてくれ……で、お前は今からシオンの食事か?」
「えぇ。貴方がこちらに来るとヒイラギから伺ってましたので…貴方がいるなら少しエンジュとも相談がありますので…戻るまでシオンのそばに……」
「あぁ、そのつもりだ。」
今日はこちらに配置されている騎士の強化を兼ねての剣術訓練の視察と言っていたからクロバイへの相談は今は難しい。
取り敢えずはエンジュの元へ行き、ユズ様が収穫したものを調理してもらってテーブルトレイに乗せた。
___コンコン___
「じゃぁ、俺は部屋に戻る……また明日な…チュッ。」
シオンの頬にキスをしてオーク様が「頼む。」と囁いて部屋を出ていった。
「……よく眠れた?」
「うん、最近どうも眠くて…何でだろう?」
「クロバイに聞いてみるね。何か分かるかもしれない……それより今は……こっちかな。」
最近調子の悪いシオン様を心配してユズ様が「身体に良さそうなものを。」と、カイエに相談して育てた野菜をサンドイッチにしてもらった。
今回はサクラ様も頑張ったようだ。
「トマトやキュウリはユズ様が収穫したやつだよ。今回の果物はサクラ様も初めて挑戦したみたいだね。……早く元気になって欲しいって2人が頑張って収穫したらしいよ。」
「まぁ…学園に通えるくらいだから…大丈夫とは思うんだけど…あ、美味い♪」
美味いと言いながら食べているシオンだけど……いつもより食べるスピードは遅いし…少し身体はダルそうだった。
「なぁ……カヤも……一緒に食べよ?」
「うん。」
俺はベッドに上がってシオンの横に座る。
ふとシオンを見ると少し考え事をしている感じで食べる手が止まっていた。
「シオン…?」
「……あ……ゴメン、考え事してた。」
「お腹空いてなかった?」
「いや……そういう訳でもなかったんだけど……」
やはり…眠気の方が強いんだろうか……
「じゃぁ、下げてくるね。」
食事を下げに行って、戻ってきたらシオンは寝息を立てていた。
規則正しい呼吸に身体の辛さは感じないが……
やはりよく眠るという事はどこかに負担はあるのだろう。
その日の閨は俺の日だったので、警護という名目も兼ねて俺はそばで眠る事にした。
翌日朝……俺は少し早めに目が覚めた。
最近のシオンはふいに遠くへ行ってしまうのではないかと思う事が多い。
俺の元からいなくなる………いや…そんな事はさせない……俺は少し不安に駆られ、隣のシオンを引き寄せて腕にシオンの頭を乗せるとふにゃりと笑ったシオンがこちらに擦り寄って再び眠った。
ずっと……このままなら良いのに……
「……ん…シオン…起きた?」
暫くシオンを眺めていたら薄っすらと目を開けた。
「あれ……カヤ…何で?」
「警護も兼ねて……だけど……昨日の閨は俺だったでしょ?」
「……ぁ…俺……寝てた……」
「……一緒に眠るだけでも嬉しい………そばに……いさせて……」
こちらへ引き寄せるとシオンが目を瞑ったのでキスをする。
「……ん……」
小鳥の啄むようなキスにシオンは擽ったそうに笑った。
「……シオン……大好き…」
「……ん……俺も…好き……」
……大好き………愛してる………
何度も何度も愛を囁く。
シオンの口から紡ぐ「好き」がどんなに俺を舞い上がらせているか…分かってる?
キスだけでこんなに愛おしくなるの……分かってる………?
___コンコン___
「失礼致します。シオン様……学園へ向かうお時間ですが……」
「……あっ!本当だ!!」
「すみません!すぐに準備をします!」
2人で起き上がって急いで準備を行う。
その日も学園は通常通りこなせたようだが、シオンは眠いと帰宅後早々に眠ってしまった。
今日はオーク様の閨の日だ。
警護を兼ねてベッドへ一緒に眠る様だが………
「オーク様……くれぐれも……シオン様の眠りの妨げになる様なご無体は働かないようにお願いしますよ。」
「………お前なぁ…俺を何だと思ってんだ。しねぇよっ………それより……」
「えぇ……明日はクロバイと今回の件の相談をしますので少し時間が掛かるかと思います。昼までには戻りますので……シオンをよろしくお願いします。」
「分かった。」
俺はそのままクロバイと共に精霊の森へ行った。
「シオン…大丈夫?」
「……ん~……ちょっと眠いんだよねぇ。」
最近シオンがよく眠る。
ただ眠るだけなら良いんだが……どうも魔力も不安定だ……
「ご飯は部屋で食べる?」
「…うん…その方が良いかなぁ。」
学園から戻ってフラフラしているシオンを早々に眠らせ、今日はこちらに来ると聞いていたオーク様を廊下で待っているとオーク様がやって来た。
「あ、カヤ。シオン……また寝たのか?」
「はい……ちょっと魔力も不安定ですね。」
「……そうか……お前はどう思う?」
「……今の俺の口からは何とも……取り敢えずはクロバイに相談してみます。」
「分かったら教えてくれ……で、お前は今からシオンの食事か?」
「えぇ。貴方がこちらに来るとヒイラギから伺ってましたので…貴方がいるなら少しエンジュとも相談がありますので…戻るまでシオンのそばに……」
「あぁ、そのつもりだ。」
今日はこちらに配置されている騎士の強化を兼ねての剣術訓練の視察と言っていたからクロバイへの相談は今は難しい。
取り敢えずはエンジュの元へ行き、ユズ様が収穫したものを調理してもらってテーブルトレイに乗せた。
___コンコン___
「じゃぁ、俺は部屋に戻る……また明日な…チュッ。」
シオンの頬にキスをしてオーク様が「頼む。」と囁いて部屋を出ていった。
「……よく眠れた?」
「うん、最近どうも眠くて…何でだろう?」
「クロバイに聞いてみるね。何か分かるかもしれない……それより今は……こっちかな。」
最近調子の悪いシオン様を心配してユズ様が「身体に良さそうなものを。」と、カイエに相談して育てた野菜をサンドイッチにしてもらった。
今回はサクラ様も頑張ったようだ。
「トマトやキュウリはユズ様が収穫したやつだよ。今回の果物はサクラ様も初めて挑戦したみたいだね。……早く元気になって欲しいって2人が頑張って収穫したらしいよ。」
「まぁ…学園に通えるくらいだから…大丈夫とは思うんだけど…あ、美味い♪」
美味いと言いながら食べているシオンだけど……いつもより食べるスピードは遅いし…少し身体はダルそうだった。
「なぁ……カヤも……一緒に食べよ?」
「うん。」
俺はベッドに上がってシオンの横に座る。
ふとシオンを見ると少し考え事をしている感じで食べる手が止まっていた。
「シオン…?」
「……あ……ゴメン、考え事してた。」
「お腹空いてなかった?」
「いや……そういう訳でもなかったんだけど……」
やはり…眠気の方が強いんだろうか……
「じゃぁ、下げてくるね。」
食事を下げに行って、戻ってきたらシオンは寝息を立てていた。
規則正しい呼吸に身体の辛さは感じないが……
やはりよく眠るという事はどこかに負担はあるのだろう。
その日の閨は俺の日だったので、警護という名目も兼ねて俺はそばで眠る事にした。
翌日朝……俺は少し早めに目が覚めた。
最近のシオンはふいに遠くへ行ってしまうのではないかと思う事が多い。
俺の元からいなくなる………いや…そんな事はさせない……俺は少し不安に駆られ、隣のシオンを引き寄せて腕にシオンの頭を乗せるとふにゃりと笑ったシオンがこちらに擦り寄って再び眠った。
ずっと……このままなら良いのに……
「……ん…シオン…起きた?」
暫くシオンを眺めていたら薄っすらと目を開けた。
「あれ……カヤ…何で?」
「警護も兼ねて……だけど……昨日の閨は俺だったでしょ?」
「……ぁ…俺……寝てた……」
「……一緒に眠るだけでも嬉しい………そばに……いさせて……」
こちらへ引き寄せるとシオンが目を瞑ったのでキスをする。
「……ん……」
小鳥の啄むようなキスにシオンは擽ったそうに笑った。
「……シオン……大好き…」
「……ん……俺も…好き……」
……大好き………愛してる………
何度も何度も愛を囁く。
シオンの口から紡ぐ「好き」がどんなに俺を舞い上がらせているか…分かってる?
キスだけでこんなに愛おしくなるの……分かってる………?
___コンコン___
「失礼致します。シオン様……学園へ向かうお時間ですが……」
「……あっ!本当だ!!」
「すみません!すぐに準備をします!」
2人で起き上がって急いで準備を行う。
その日も学園は通常通りこなせたようだが、シオンは眠いと帰宅後早々に眠ってしまった。
今日はオーク様の閨の日だ。
警護を兼ねてベッドへ一緒に眠る様だが………
「オーク様……くれぐれも……シオン様の眠りの妨げになる様なご無体は働かないようにお願いしますよ。」
「………お前なぁ…俺を何だと思ってんだ。しねぇよっ………それより……」
「えぇ……明日はクロバイと今回の件の相談をしますので少し時間が掛かるかと思います。昼までには戻りますので……シオンをよろしくお願いします。」
「分かった。」
俺はそのままクロバイと共に精霊の森へ行った。
11
お気に入りに追加
2,567
あなたにおすすめの小説
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
【完結】悪役令息の従者に転職しました
*
BL
暗殺者なのに無様な失敗で死にそうになった俺をたすけてくれたのは、BLゲームで、どのルートでも殺されて悲惨な最期を迎える悪役令息でした。
依頼人には死んだことにして、悪役令息の従者に転職しました。
皆でしあわせになるために、あるじと一緒にがんばるよ!
本編完結しました!
『もふもふ獣人転生』に遊びにゆく、舞踏会編、はじめましたー!
他のお話を読まなくても大丈夫なようにお書きするので、気軽に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
宰相閣下の執愛は、平民の俺だけに向いている
飛鷹
BL
旧題:平民のはずの俺が、規格外の獣人に絡め取られて番になるまでの話
アホな貴族の両親から生まれた『俺』。色々あって、俺の身分は平民だけど、まぁそんな人生も悪くない。
無事に成長して、仕事に就くこともできたのに。
ここ最近、夢に魘されている。もう一ヶ月もの間、毎晩毎晩………。
朝起きたときには忘れてしまっている夢に疲弊している平民『レイ』と、彼を手に入れたくてウズウズしている獣人のお話。
連載の形にしていますが、攻め視点もUPするためなので、多分全2〜3話で完結予定です。
※6/20追記。
少しレイの過去と気持ちを追加したくて、『連載中』に戻しました。
今迄のお話で完結はしています。なので以降はレイの心情深堀の形となりますので、章を分けて表示します。
1話目はちょっと暗めですが………。
宜しかったらお付き合い下さいませ。
多分、10話前後で終わる予定。軽く読めるように、私としては1話ずつを短めにしております。
ストックが切れるまで、毎日更新予定です。

美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜
飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。
でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。
しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。
秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。
美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。
秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。
無名の三流テイマーは王都のはずれでのんびり暮らす~でも、国家の要職に就く弟子たちがなぜか頼ってきます~
鈴木竜一
ファンタジー
※本作の書籍化が決定いたしました!
詳細は近況ボードに載せていきます!
「もうおまえたちに教えることは何もない――いや、マジで!」
特にこれといった功績を挙げず、ダラダラと冒険者生活を続けてきた無名冒険者兼テイマーのバーツ。今日も危険とは無縁の安全な採集クエストをこなして飯代を稼げたことを喜ぶ彼の前に、自分を「師匠」と呼ぶ若い女性・ノエリ―が現れる。弟子をとった記憶のないバーツだったが、十年ほど前に当時惚れていた女性にいいところを見せようと、彼女が運営する施設の子どもたちにテイマーとしての心得を説いたことを思い出す。ノエリ―はその時にいた子どものひとりだったのだ。彼女曰く、師匠であるバーツの教えを守って修行を続けた結果、あの時の弟子たちはみんな国にとって欠かせない重要な役職に就いて繁栄に貢献しているという。すべては師匠であるバーツのおかげだと信じるノエリ―は、彼に王都へと移り住んでもらい、その教えを広めてほしいとお願いに来たのだ。
しかし、自身をただのしがない無名の三流冒険者だと思っているバーツは、そんな指導力はないと語る――が、そう思っているのは本人のみで、実はバーツはテイマーとしてだけでなく、【育成者】としてもとんでもない資質を持っていた。
バーツはノエリ―に押し切られる形で王都へと出向くことになるのだが、そこで立派に成長した弟子たちと再会。さらに、かつてテイムしていたが、諸事情で契約を解除した魔獣たちも、いつかバーツに再会することを夢見て自主的に鍛錬を続けており、気がつけばSランクを越える神獣へと進化していて――
こうして、無名のテイマー・バーツは慕ってくれる可愛い弟子や懐いている神獣たちとともにさまざまな国家絡みのトラブルを解決していき、気づけば国家の重要ポストの候補にまで名を連ねるが、当人は「勘弁してくれ」と困惑気味。そんなバーツは今日も王都のはずれにある運河のほとりに建てられた小屋を拠点に畑をしたり釣りをしたり、今日ものんびり暮らしつつ、弟子たちからの依頼をこなすのだった。

義兄の愛が重すぎて、悪役令息できないのですが…!
ずー子
BL
戦争に負けた貴族の子息であるレイナードは、人質として異国のアドラー家に送り込まれる。彼の使命は内情を探り、敗戦国として奪われたものを取り返すこと。アドラー家が更なる力を付けないように監視を託されたレイナード。まずは好かれようと努力した結果は実を結び、新しい家族から絶大な信頼を得て、特に気難しいと言われている長男ヴィルヘルムからは「右腕」と言われるように。だけど、内心罪悪感が募る日々。正直「もう楽になりたい」と思っているのに。
「安心しろ。結婚なんかしない。僕が一番大切なのはお前だよ」
なんだか義兄の様子がおかしいのですが…?
このままじゃ、スパイも悪役令息も出来そうにないよ!
ファンタジーラブコメBLです。
平日毎日更新を目標に頑張ってます。応援や感想頂けると励みになります。
※(3/14)ストック更新終わりました!幕間を挟みます。また本筋練り終わりましたら再開します。待っててくださいね♡
【登場人物】
攻→ヴィルヘルム
完璧超人。真面目で自信家。良き跡継ぎ、良き兄、良き息子であろうとし続ける、実直な男だが、興味関心がない相手にはどこまでも無関心で辛辣。当初は異国の使者だと思っていたレイナードを警戒していたが…
受→レイナード
和平交渉の一環で異国のアドラー家に人質として出された。主人公。立ち位置をよく理解しており、計算せずとも人から好かれる。常に兄を立てて陰で支える立場にいる。課せられた使命と現状に悩みつつある上に、義兄の様子もおかしくて、いろんな意味で気苦労の絶えない。

アルファな俺が最推しを救う話〜どうして俺が受けなんだ?!〜
車不
BL
5歳の誕生日に階段から落ちて頭を打った主人公は、自身がオメガバースの世界を舞台にしたBLゲームに転生したことに気づく。「よりにもよってレオンハルトに転生なんて…悪役じゃねぇか!!待てよ、もしかしたらゲームで死んだ最推しの異母兄を助けられるかもしれない…」これは第2の性により人々の人生や生活が左右される世界に疑問を持った主人公が、最推しの死を阻止するために奮闘する物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる