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【17歳】
【17歳】1
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___2年生になりました___
「受付はこっちだよ。おめでとう。名前と学科を教えてもらっても良いかな?」
「…あ…ありがとう…ござぃますっ!騎士学科です!名前は…」
フフッ、新1年生…可愛いなぁ。
俺達もこんなだったのかなぁ…
まだ着こなしていない新しい制服に上級生に緊張して……
………緊張…無かったな………
今日は早速3人で生徒会の入学式のお手伝いだ。
今年の新入生は俺の何気ない呟きで学科ごとのリボンを付けることになった。
だって、去年は誰がどの学科か全く分からなかったんだよね。
「じゃぁ、新入生のリボンを付けるねぇ……」
「……は……ぃ…」
「ん?顔が赤いね…熱でも…あ、オーク?」
新入生の額で熱を計ろうとしたらオークに腕を掴まれ、リボンも取られた。
「リボンは…俺が付けよう……おめでとう、新入生くん。」
「はっ!はぃっっ‼ありがとうございますっっ!!!」
あれ?今度は青くなった?
「シオン様…シオン様は名前の確認をお願い致します。こちらは俺達で……」
ん?カヤまで?
「「「あぁぁぁ!」」」
…っ⁉周りの反応スゲェな!
流石は学年の文武両道イケメン2トップだよなぁ。
俺みたいなヒョロヒョロよりイケメンの方がテンション上がって嬉しい悲鳴出るよな。うんうん。
ここまで悲鳴も上がりゃ悔しいもねぇわ。
「では…こちら側へ。お願いしますね。」
ニッコリ笑うカヤとオーク。
……何だろう……王子と執事のはずが、魔王と参謀に見えるのは気のせいか?
「ハイハイ、コイツ無自覚だから…………」
無自覚⁉どうせリボンも無自覚に曲がって付けてるよな!きっとっ‼
カヤとオークがボソボソと新入生に何かを言って新入生が頷いてる。
……どうせ不器用だよ!悪かったな!
___コソコソ内緒話___
コイツ無自覚だかだから…………
「……コイツは俺達だけで十分だから…手を出したら…分かってるな……」
「そうですねぇ……どうしましょうか……フフフ……」
シオンに見えない様に新入生に向かって圧力を掛ける2人でした。
式の時間となり、書類を生徒会室に届けようとしたらカヤとオークが届けるから中庭で待ってる様に言われた。
今年の生徒会は確か…
生徒会長はカリン先輩
副会長はフジ先輩
書記は同じ学年の騎士学科のアオギリ…だろ?
何故か未だに2人に遮られて会えやしねぇっ!
会うの楽しみだったのにぃぃっ!
ガックリしながら中庭へ行くと、ライが杖を片手に立っていた。
誰もいない中庭で…春の温かい光に照らされて……
……んんん?
……これ……
立ち入っちゃダメなヤツかも。
俺は中庭に入らず、通路の影でライを見ていた。
ライが杖を振ると花が囲うように舞っていく。
キラキラと降り注ぐ光の中で、鳥までも数羽飛んできて歌う様に飛んでいた。
あ、アイツ去年の雛か?
ライが飛んできた鳥と仲良さそうに杖を使って遊んでいる。
「アハハッ!」
…………ライ…いや…楠本よ………お前……キャラ作ってるだろ…………
半分呆れて声を掛けようとした所で反対の通路から声がした。
「………お前……何…故………」
クロバイ…?
……何でここに……?
「……ぁっ!スミマセン‼……生徒会の仕事が一旦終わったので、片付け前の休憩で来てました。……あの……貴方は……?」
ライがはしゃいだ事を見られて恥ずかしがるな仕草をした後、顔を赤くしたまま聞いた。
……ゲームで知ってんだろ?クロバイだよっ!
「…し…失礼致しました……私はローズウッド家に使えるクロバイと申します。あの…貴方は……?」
………これってライが言ってたクロバイとのイベントか⁉
クロバイが少し焦ってる。
「……ライラック……です……」
クロバイがライの元へと歩いていく。
「……あぁ…貴方がて……ハッ………いえ…シオン様から…いつもお話を伺っております…お世話になっております……ライラック様。」
今「転生者」って言いそうになってたな。
「…ライ………ライと呼んで下さい。」
クロバイは引き寄せられるようにライの手を掴んだ。
2人が並ぶとライは大きいが、更に大きなクロバイが来ると元々顔は可愛いから小さく可愛く見えるもんだな。
花は2人の出会いを祝福するようにヒラヒラと舞い、音楽でも流れるんじゃないかという程2人の世界になっていたが、ゆっくりとライの手を離してこちらを向いた。
「………で………いつまでご覧になっているつもりでしょうか……シオン様。」
「ハッ‼」
ヤベッ!バレてる‼
「シオンッ!見てたのっ⁉恥ずかしいっっ‼」
ライが更に顔を真っ赤にしてこちらを見た。
本当に気付いてなかったんだな、コイツ。
じゃぁ、さっきのもコイツの素か。
転生前は気付かなかったなぁ。
「ゴメン……何…か……楽しそうで……」
邪魔してゴメェェェンッ!
「カヤ達は?」
「あ…もうすぐ来ると思う。それよりクロバイ、どうしてここへ?」
「ご報告が遅れましたが…今年から特別講師として月に1度魔法指導で招かれまして…執事の業務に差し障りましたら即辞めるお話はしております。」
………オークだな………
最近魔法指導の時間がオークだけ無い事もあるからな。
きっと授業に入れる様に王様に言ったんだろう。
「良いんじゃないかな?俺も少しでもクロバイに習いたいし。」
それにライの為にもな。
「ありがとうございます。」
クロバイの後ろでライが「あ・り・が・と・う」と口パクで言っていた。
「待たせたな、シオン。あれ?クロバイ来てたのか。」
「えぇ、今日は学園長へ挨拶に。」
書類を届け終わったカヤとオークがやって来た。
「それでは戻りましょうか………それでは……ライ様……また講義でお会いしましょう。」
「はい…クロバイ…先生……」
ザァ…ッと、心地良い風が吹く。
ライの顔は……恋する者の顔だ。
クロバイが好きなんだなぁ……
「…どうかしましたか?」
「あ、ゴメン。何でもない、帰ろ。」
俺達は屋敷へと戻った。
「受付はこっちだよ。おめでとう。名前と学科を教えてもらっても良いかな?」
「…あ…ありがとう…ござぃますっ!騎士学科です!名前は…」
フフッ、新1年生…可愛いなぁ。
俺達もこんなだったのかなぁ…
まだ着こなしていない新しい制服に上級生に緊張して……
………緊張…無かったな………
今日は早速3人で生徒会の入学式のお手伝いだ。
今年の新入生は俺の何気ない呟きで学科ごとのリボンを付けることになった。
だって、去年は誰がどの学科か全く分からなかったんだよね。
「じゃぁ、新入生のリボンを付けるねぇ……」
「……は……ぃ…」
「ん?顔が赤いね…熱でも…あ、オーク?」
新入生の額で熱を計ろうとしたらオークに腕を掴まれ、リボンも取られた。
「リボンは…俺が付けよう……おめでとう、新入生くん。」
「はっ!はぃっっ‼ありがとうございますっっ!!!」
あれ?今度は青くなった?
「シオン様…シオン様は名前の確認をお願い致します。こちらは俺達で……」
ん?カヤまで?
「「「あぁぁぁ!」」」
…っ⁉周りの反応スゲェな!
流石は学年の文武両道イケメン2トップだよなぁ。
俺みたいなヒョロヒョロよりイケメンの方がテンション上がって嬉しい悲鳴出るよな。うんうん。
ここまで悲鳴も上がりゃ悔しいもねぇわ。
「では…こちら側へ。お願いしますね。」
ニッコリ笑うカヤとオーク。
……何だろう……王子と執事のはずが、魔王と参謀に見えるのは気のせいか?
「ハイハイ、コイツ無自覚だから…………」
無自覚⁉どうせリボンも無自覚に曲がって付けてるよな!きっとっ‼
カヤとオークがボソボソと新入生に何かを言って新入生が頷いてる。
……どうせ不器用だよ!悪かったな!
___コソコソ内緒話___
コイツ無自覚だかだから…………
「……コイツは俺達だけで十分だから…手を出したら…分かってるな……」
「そうですねぇ……どうしましょうか……フフフ……」
シオンに見えない様に新入生に向かって圧力を掛ける2人でした。
式の時間となり、書類を生徒会室に届けようとしたらカヤとオークが届けるから中庭で待ってる様に言われた。
今年の生徒会は確か…
生徒会長はカリン先輩
副会長はフジ先輩
書記は同じ学年の騎士学科のアオギリ…だろ?
何故か未だに2人に遮られて会えやしねぇっ!
会うの楽しみだったのにぃぃっ!
ガックリしながら中庭へ行くと、ライが杖を片手に立っていた。
誰もいない中庭で…春の温かい光に照らされて……
……んんん?
……これ……
立ち入っちゃダメなヤツかも。
俺は中庭に入らず、通路の影でライを見ていた。
ライが杖を振ると花が囲うように舞っていく。
キラキラと降り注ぐ光の中で、鳥までも数羽飛んできて歌う様に飛んでいた。
あ、アイツ去年の雛か?
ライが飛んできた鳥と仲良さそうに杖を使って遊んでいる。
「アハハッ!」
…………ライ…いや…楠本よ………お前……キャラ作ってるだろ…………
半分呆れて声を掛けようとした所で反対の通路から声がした。
「………お前……何…故………」
クロバイ…?
……何でここに……?
「……ぁっ!スミマセン‼……生徒会の仕事が一旦終わったので、片付け前の休憩で来てました。……あの……貴方は……?」
ライがはしゃいだ事を見られて恥ずかしがるな仕草をした後、顔を赤くしたまま聞いた。
……ゲームで知ってんだろ?クロバイだよっ!
「…し…失礼致しました……私はローズウッド家に使えるクロバイと申します。あの…貴方は……?」
………これってライが言ってたクロバイとのイベントか⁉
クロバイが少し焦ってる。
「……ライラック……です……」
クロバイがライの元へと歩いていく。
「……あぁ…貴方がて……ハッ………いえ…シオン様から…いつもお話を伺っております…お世話になっております……ライラック様。」
今「転生者」って言いそうになってたな。
「…ライ………ライと呼んで下さい。」
クロバイは引き寄せられるようにライの手を掴んだ。
2人が並ぶとライは大きいが、更に大きなクロバイが来ると元々顔は可愛いから小さく可愛く見えるもんだな。
花は2人の出会いを祝福するようにヒラヒラと舞い、音楽でも流れるんじゃないかという程2人の世界になっていたが、ゆっくりとライの手を離してこちらを向いた。
「………で………いつまでご覧になっているつもりでしょうか……シオン様。」
「ハッ‼」
ヤベッ!バレてる‼
「シオンッ!見てたのっ⁉恥ずかしいっっ‼」
ライが更に顔を真っ赤にしてこちらを見た。
本当に気付いてなかったんだな、コイツ。
じゃぁ、さっきのもコイツの素か。
転生前は気付かなかったなぁ。
「ゴメン……何…か……楽しそうで……」
邪魔してゴメェェェンッ!
「カヤ達は?」
「あ…もうすぐ来ると思う。それよりクロバイ、どうしてここへ?」
「ご報告が遅れましたが…今年から特別講師として月に1度魔法指導で招かれまして…執事の業務に差し障りましたら即辞めるお話はしております。」
………オークだな………
最近魔法指導の時間がオークだけ無い事もあるからな。
きっと授業に入れる様に王様に言ったんだろう。
「良いんじゃないかな?俺も少しでもクロバイに習いたいし。」
それにライの為にもな。
「ありがとうございます。」
クロバイの後ろでライが「あ・り・が・と・う」と口パクで言っていた。
「待たせたな、シオン。あれ?クロバイ来てたのか。」
「えぇ、今日は学園長へ挨拶に。」
書類を届け終わったカヤとオークがやって来た。
「それでは戻りましょうか………それでは……ライ様……また講義でお会いしましょう。」
「はい…クロバイ…先生……」
ザァ…ッと、心地良い風が吹く。
ライの顔は……恋する者の顔だ。
クロバイが好きなんだなぁ……
「…どうかしましたか?」
「あ、ゴメン。何でもない、帰ろ。」
俺達は屋敷へと戻った。
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