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【7歳】
【7歳】2
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父は仕事の合間を見て梅の木を見に来たらしく、そのまま仕事へ戻ってしまった。
う~ん…母には何と言ったものか………
「シオ~~ンッ!」
あ、母だ。
パタパタと走ってくる母。
見た目スタイル良くて美人過ぎるから、性格キツそうに見えるんだけど……
「もうっ!一緒にカヤとクッキー作ろうって言ってたじゃないっ!!」
「…あ、そう言えばそんなお約束してましたね。」
朝食の時に、俺の勉強の時間が終わった後でお菓子を作り、お茶の時間に出来立てマフィンとクッキーを食べようと話していたんだった。
本来侯爵の身分で調理なんて…と、普通なら言われる所だが俺が「1人は寂しいから、みんなで楽しく出来る何かがしたい。」と、お願いして色々と始めた所
今では母も参加して使用人とのコミュニケーションが強化され大家族の様な関係になっている。
「スミマセン…あまりに良い天気に少しお散歩したくなって。」
「もぅ!そんなお祖父様みたいなこと言って!!バツとして、今日はシオンが紅茶を淹れてちょうだいよねっ!」
母よ………紅茶はいつも俺が淹れてるよ……この可愛いヤツめ。
似た者夫婦かよ。
「申し訳ありません、母上。さっ、行きましょう。」
「………行かない。」
「え?」
「………もうっ!倒れて目が覚めてからは急にしっかりして来たけど……2人の時は…『ママ』って呼んでって……言ってるのに……」
…キュンとした。
これが旦那に出りゃなぁ………
「……ママ…行こ?」
小首を傾げて母に手を差し出す。
「…うん♡」
これを旦那に出せ!母っ!!
俺は母の手を引いて屋敷へ戻った。
「あ!シオン様。」
パタパタとカヤが走ってきた。
ゲームでは成人しているカヤは今はまだ少年だ。
いやぁ~、少しあどけなさのあるこの少年があんな色気ある青年に育つんだねぇ………いやはや、目の保養だわ。
「ゴメン、待たせちゃった?」
「いえ…桃の木はどうでした?」
「うん、もうすぐ収穫かなぁ。」
この庭園は基本庭師の管理下にあるが、父が趣味の植物研究で果樹園やら珍しい植物がある温室などがある。
ちなみに「桃」はこちらでは違う言葉だが、転生前の記憶が戻った後は何故か脳内変換されて俺が言った事も相手に変換されているようだ。
いやはや、便利な言葉の世界だ。
ここの桃の木は梅の木同様数回収穫が出来る。
桃の木は3回くらい…だったかな?
「前回の桃のタルトは美味しかったですね、またあぁいう菓子を作ってみたいです。」
「そうだね、初めてにしては上手に出来たよね。」
うんうん、桃のタルトに桃のジュース…美味しかったぁ。
次はジャムを作りたいよなっ♪
「悪役令息」で色々やらかして断罪された後、僻地に飛ばされたら自給自足だからな。
特に家事!
家事は大学を出てから死ぬ前まで1人暮らしだったけど、あまり好きではなかっただよなぁ。
「好き」でするのと「必要だから」でするんじゃ気持ちのモチベーションが違うよな。
幸いここに仕えてくれてる使用人は専門知識の人達の集まりだ。
料理はシェフのお陰で楽しくなって来たし、ここで色々習得しとかなきゃ!!
この世界は男女の夫婦以外に同性同士も存在し、同性同士は結婚儀式を行い精霊の祝福を貰うと子ども出来る身体となる。
ま、僻地へ行く俺には関係ねぇな☆
「シオン、ママは桃の紅茶が飲みたいわ。」
「そうですねぇ…それも今度試してみましょう。カヤ、頼むね。」
「もうっ!シオン、また敬語~!!」
「かしこまりました。エンジュに話しておきます。」
3人でワイワイ話しながら屋敷へと戻る。
使用人への敬語はダメだとカヤに言われたから直したけど、両親へはなかなか直らねぇな。
う~ん…俺の転生前の生活とは大違いだ。
1人は1人で気楽だったが…
こうやってワイワイやるのも楽しいよなぁ。
俺は元々みんなで楽しく騒ぐのは嫌いじゃない。
嫌いじゃないんだが………
___ゴメン……気持ち悪い___
高校の時に言われた告白の返事。
まぁ…俺も若かったよなぁ……
俺は幼稚園の頃から恋愛対象は男だった。
親は同性同士のカップルの友達もいたのでそういった偏見もなく、俺もその感覚で育てられた。
「腐男子」や「ジェンダーレス」も流行り始め………
ウッカリと「大丈夫」って…思ったんだよなぁ…
「俺も好き」なんて、漫画やゲームの話だよな。
高校の放課後……
クラスメートに告白して「気持ち悪い」の返事であっさり玉砕。
ソイツは良い奴で周りに言い回さないヤツだったけどさぁ………
その後そういった場所で相手を探しても、付き合っても………
相手も俺もお互いの理想を押し付けて消滅。
相手がたまたまそうだったのもあるし自分が悪いのも分かるよ。
でもさ…多分認めて欲しかったのかなぁ………
………そして、ある程度オッサンになったら………
親戚には見合いを勧められ、同僚には友達を勧められ、上司には親戚を勧められる。
もうね…………疲れちゃった☆
てな訳で…元々コツコツお金を貯めてたのが「早く脱サラして山に籠もる為」という、更に金を貯める理由となった。
脱サラ引っ越し後の1日目で天に召されるたぁ…思わなかったがな………
俺の恋愛対象は男なのでこの世界に生まれて本当に良かったが…やはり立場は「悪役令息」…好かれる要素ゼロじゃん?
じゃあ、時間は豊富にあるんだからスキル対策は必要だよな。
「あ、シオン様お帰りなさいませ。今日のお夕食にご一緒するメンバーはお掃除担当の者達です。」
執事のクロバイが屋敷の扉を開けて出迎えた。
クロバイ………ゲームじゃ超イケオジなんだが、今は超イケメン………若くても格好良いなぁ。
俺は歳が近かったこのクロバイの声が好きだった。
今は…若いから…音の低さがちょっとまだ足りないかなぁ。
「教えてくれてありがとう。いつもみんなが僕のワガママで一緒に食事を取ってくれるから嬉しいよ。仕事を止めてゴメンね、でも母上と2人は………寂しいから…」
「シオン様の熱意には負けましたが、この事がきっかけで使用人のモチベーションや屋敷への忠誠心も上がっておりますので良かったのかもしれません。私共は良い主に恵まれました。」
「そう?そう思ってもらえると…嬉しいな。」
主………?主は父だろ?
う~ん…これは大改革が必要か?
拗れると大変だからなぁ。
7歳の年に王子に確か会うんだよな…
早く対策しとかなきゃ!
う~ん…母には何と言ったものか………
「シオ~~ンッ!」
あ、母だ。
パタパタと走ってくる母。
見た目スタイル良くて美人過ぎるから、性格キツそうに見えるんだけど……
「もうっ!一緒にカヤとクッキー作ろうって言ってたじゃないっ!!」
「…あ、そう言えばそんなお約束してましたね。」
朝食の時に、俺の勉強の時間が終わった後でお菓子を作り、お茶の時間に出来立てマフィンとクッキーを食べようと話していたんだった。
本来侯爵の身分で調理なんて…と、普通なら言われる所だが俺が「1人は寂しいから、みんなで楽しく出来る何かがしたい。」と、お願いして色々と始めた所
今では母も参加して使用人とのコミュニケーションが強化され大家族の様な関係になっている。
「スミマセン…あまりに良い天気に少しお散歩したくなって。」
「もぅ!そんなお祖父様みたいなこと言って!!バツとして、今日はシオンが紅茶を淹れてちょうだいよねっ!」
母よ………紅茶はいつも俺が淹れてるよ……この可愛いヤツめ。
似た者夫婦かよ。
「申し訳ありません、母上。さっ、行きましょう。」
「………行かない。」
「え?」
「………もうっ!倒れて目が覚めてからは急にしっかりして来たけど……2人の時は…『ママ』って呼んでって……言ってるのに……」
…キュンとした。
これが旦那に出りゃなぁ………
「……ママ…行こ?」
小首を傾げて母に手を差し出す。
「…うん♡」
これを旦那に出せ!母っ!!
俺は母の手を引いて屋敷へ戻った。
「あ!シオン様。」
パタパタとカヤが走ってきた。
ゲームでは成人しているカヤは今はまだ少年だ。
いやぁ~、少しあどけなさのあるこの少年があんな色気ある青年に育つんだねぇ………いやはや、目の保養だわ。
「ゴメン、待たせちゃった?」
「いえ…桃の木はどうでした?」
「うん、もうすぐ収穫かなぁ。」
この庭園は基本庭師の管理下にあるが、父が趣味の植物研究で果樹園やら珍しい植物がある温室などがある。
ちなみに「桃」はこちらでは違う言葉だが、転生前の記憶が戻った後は何故か脳内変換されて俺が言った事も相手に変換されているようだ。
いやはや、便利な言葉の世界だ。
ここの桃の木は梅の木同様数回収穫が出来る。
桃の木は3回くらい…だったかな?
「前回の桃のタルトは美味しかったですね、またあぁいう菓子を作ってみたいです。」
「そうだね、初めてにしては上手に出来たよね。」
うんうん、桃のタルトに桃のジュース…美味しかったぁ。
次はジャムを作りたいよなっ♪
「悪役令息」で色々やらかして断罪された後、僻地に飛ばされたら自給自足だからな。
特に家事!
家事は大学を出てから死ぬ前まで1人暮らしだったけど、あまり好きではなかっただよなぁ。
「好き」でするのと「必要だから」でするんじゃ気持ちのモチベーションが違うよな。
幸いここに仕えてくれてる使用人は専門知識の人達の集まりだ。
料理はシェフのお陰で楽しくなって来たし、ここで色々習得しとかなきゃ!!
この世界は男女の夫婦以外に同性同士も存在し、同性同士は結婚儀式を行い精霊の祝福を貰うと子ども出来る身体となる。
ま、僻地へ行く俺には関係ねぇな☆
「シオン、ママは桃の紅茶が飲みたいわ。」
「そうですねぇ…それも今度試してみましょう。カヤ、頼むね。」
「もうっ!シオン、また敬語~!!」
「かしこまりました。エンジュに話しておきます。」
3人でワイワイ話しながら屋敷へと戻る。
使用人への敬語はダメだとカヤに言われたから直したけど、両親へはなかなか直らねぇな。
う~ん…俺の転生前の生活とは大違いだ。
1人は1人で気楽だったが…
こうやってワイワイやるのも楽しいよなぁ。
俺は元々みんなで楽しく騒ぐのは嫌いじゃない。
嫌いじゃないんだが………
___ゴメン……気持ち悪い___
高校の時に言われた告白の返事。
まぁ…俺も若かったよなぁ……
俺は幼稚園の頃から恋愛対象は男だった。
親は同性同士のカップルの友達もいたのでそういった偏見もなく、俺もその感覚で育てられた。
「腐男子」や「ジェンダーレス」も流行り始め………
ウッカリと「大丈夫」って…思ったんだよなぁ…
「俺も好き」なんて、漫画やゲームの話だよな。
高校の放課後……
クラスメートに告白して「気持ち悪い」の返事であっさり玉砕。
ソイツは良い奴で周りに言い回さないヤツだったけどさぁ………
その後そういった場所で相手を探しても、付き合っても………
相手も俺もお互いの理想を押し付けて消滅。
相手がたまたまそうだったのもあるし自分が悪いのも分かるよ。
でもさ…多分認めて欲しかったのかなぁ………
………そして、ある程度オッサンになったら………
親戚には見合いを勧められ、同僚には友達を勧められ、上司には親戚を勧められる。
もうね…………疲れちゃった☆
てな訳で…元々コツコツお金を貯めてたのが「早く脱サラして山に籠もる為」という、更に金を貯める理由となった。
脱サラ引っ越し後の1日目で天に召されるたぁ…思わなかったがな………
俺の恋愛対象は男なのでこの世界に生まれて本当に良かったが…やはり立場は「悪役令息」…好かれる要素ゼロじゃん?
じゃあ、時間は豊富にあるんだからスキル対策は必要だよな。
「あ、シオン様お帰りなさいませ。今日のお夕食にご一緒するメンバーはお掃除担当の者達です。」
執事のクロバイが屋敷の扉を開けて出迎えた。
クロバイ………ゲームじゃ超イケオジなんだが、今は超イケメン………若くても格好良いなぁ。
俺は歳が近かったこのクロバイの声が好きだった。
今は…若いから…音の低さがちょっとまだ足りないかなぁ。
「教えてくれてありがとう。いつもみんなが僕のワガママで一緒に食事を取ってくれるから嬉しいよ。仕事を止めてゴメンね、でも母上と2人は………寂しいから…」
「シオン様の熱意には負けましたが、この事がきっかけで使用人のモチベーションや屋敷への忠誠心も上がっておりますので良かったのかもしれません。私共は良い主に恵まれました。」
「そう?そう思ってもらえると…嬉しいな。」
主………?主は父だろ?
う~ん…これは大改革が必要か?
拗れると大変だからなぁ。
7歳の年に王子に確か会うんだよな…
早く対策しとかなきゃ!
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