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番外編
蚊帳の外
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御調は頭が真っ白になって、そして、そんな自分に驚いていた。
いつからか。彼女、と呼べる相手がいない時間の方が珍しくなった。人当たりの良さと、爽やかな見た目で相手に与える第一印象が良いのは自覚していた。
いない時間の方が珍しい、というよりも、付き合いたい相手ができて、その時に付き合っている彼女と別れることも、何度もあった。
花音は、そんな相手だった。
もともと音楽仲間として知り合って、年が近いことや、その団体に元々の知り合いが少ないという共通点もあって親しくなった。人見知りだという彼女と話すようになったのは、その団体に所属して一年近く経った、定期演奏会の打ち上げだった。
彼女にとって、自分の外見が好みなのだな、というのは感じ取った。ただ、付き合っている彼女がおり、それを聞いた花音は自分を恋愛対象から除外し、親しい友人、という関係だった。彼女の職場と、当時資格を取るために通っていた専門学校が同じターミナル駅にあって、待ち合わせをして食事をして、そのまま同じ路線だから一緒に帰って。あるいは休みの日に2人で出かけたり。
彼女はいいの、と最初のうちは聞かれたけれど、友達と出かけることもあるでしょうと言えば、納得したようだった。男女、という意識なく男友達も多い彼女にとっては、それほど違和感はなかったのだろうけれど。そんな風に接している自分の方はもう、十分、彼女を意識にのぼらせていた。
付き合っていた彼女から、別れを告げられたのはそんな風にし始めて3ヶ月くらいしてから。その間にあった御調の誕生日に2人で過ごした様子を聞いていた花音は驚いた顔をしていたけれど。
恋愛ごとが苦手だという彼女は、なんと言っていいかわからない様子で、そう、とだけ言った。
1月もしないうちに御調は花音に付き合って欲しい、と言われ。恋愛関係への苦手意識が強い花音は一度は断ったけれど。もともと好感を持っていた相手から迫られれば揺らぎもする。
御調が花音を頷かせるのは、それほど時間は必要なかった。
そうして付き合った期間は、7ヶ月程度。
途中、とても自然に一緒にいるようになった花音の地元の同級生の1人に、御調は同調した。苦手意識が消えない花音は、受け身なことが多くて、それなのに、彼女から独占欲のような、依存のようなものを感じる。付き合う前は同じように話して同じように相手の話を聞いていたのに、いつからか彼女は自分の話しかしなくなったように感じた。
花音の友人は、楽しそうに、当たり前のことのように言った。
昔から、自分が注目されないと、周りがいろんなことやってくれないと納得しない顔する子だからー、と。楽しげに。それは友人のことを普通に話すようにしか聞こえなくて、だから、そうなのか、と妙にスルッと、自分の中にその評価は入ってきた。
御調が、自分のことを話さないから、御調の様子がおかしいからとどうしたの、と花音が尋ねても、なんでもない、今は聞かないで、など、彼女の問いを封じて行ったのは、問いかけることを怖いと思わせ、沈黙を避けるために自分のことを話すしかなくしていったのは、そんな自分の態度だったと、思い至ることはなく。
友達に戻りたいと告げれば、悲しげな目をした。
「優美香?」
ただそれだけ言われた。花音にとっては、自分が御調の前の彼女に図らずもしてしまったことが、我が身に返ったのだと受け止めるしかなかったから。
勘がいいな、怖、なんて、冗談のように御調が言えば、花音はなんとも表現し難いかおで笑って。
その後は、御調が告げたとおり、花音は友人ぶった。付き合う前と同じように遊びや食事に誘っただけだけれど、御調にとっては、それは執着の延長にしか感じられず、もういい加減にしてくれと、メールした。
最低限の言葉、いや、挨拶程度を交わすだけだった期間の後、御調が団体の中で他のメンバーと合わず、出ていけなくなり連絡も取れなくなった時期があった。
ある日、心配するメールが花音から入り、花音には、普通に情けないと自分でも思う、その場に出ていく恐怖を伝えられた。
もう一度、そこに出ていくまで毎週連絡を寄越した。きっと、出てこないだろうと思いながらも迎えにもきていた。
やっと、出て行った時。声をかけようとしたら、目を逸らされた。何を言われるかと怯えるような目だったのだけれど、御調には咎められているようにしか感じられなかった。
それが、花音にとっては、また余計なことをしたとお節介を咎められる怯えの結果だったのだけれど。御調が出てこられなくなったのは、そうなるまで放っておいたお前のせいだと言われたことで植え付けられた、無意識の罪悪感だったのだけれど。
団体の指導者は、戻ってきたことを喜んで。
食事に引きずっていかれ、花音とよりを戻さないのかと言われた。御調にとってそれは考えられないことだったけれど。甘えるだけ甘えてしまうが、そういう対象に見るには、花音はコンプレックスを刺激して、口煩くて、自分のことを知ったかぶって、独占しようとして。そんな風に感じてしまうから。
彼は御調に言う。
御調さんが返事をくれたので、連絡を続けますが。また、お節介をしたと怒られそうでちょっと気が進まないんですけど、心配なのも事実なので。でも、この上外野からまで何か言われたらやってられないので、外野がわたしのやることに一切口出さないように、全部止めてください。
それが、花音が御調と連絡を繋ぎ続ける条件だった、と。
そんな花音と、また親しい友人、の距離になったのは、御調が一回り以上も年下の団体の女の子と遊ぶようになってから。その女の子が、花音にも懐いていて、一緒に出かけようと、一緒にご飯に行こうと、時折言うようになったから。
それでも、主には御調とその子2人で出歩いていたのだが。
そんなある日。2人で行ったテーマパーク。離れたところを歩いて通り過ぎる花音を見つけた。花音も、一緒にいる子も気づかなかったけれど。
その日は、花音の誕生日の前日で。御調やその子の誕生日付近にそのテーマパークに3人できていたのに、花音の誕生日付近に、花音に声もかけずに2人でいる変な罪悪感が湧いた。
花音は小さな子を2人、ベビーカーに乗せて歩いていて、その周囲に何人かいる。子供に好かれる花音は、誰か友人の子を連れているのだろう。
花音の隣を歩く、小学生くらいの男の子が、不意に振り返り、御調と目が合った瞬間。
目を見開き、御調に見に覚えのない嫌悪の目を向けられ、すぐに逸らされたその目は、花音を見上げて手を引く。絶対に、御調に合わせないというように。
それから数年。
関係は変わらないまま。
例年通りの定期演奏会の打ち上げ。二次会に行こうと誘われるのを断っている花音を、御調は何気なく横目に捉えていた。そんな御調の周りには若い女の子たちがキャッキャと言って、構ってくれる御調に話しかけながら写真を撮っている。
やはり二次会には行かない御調は、酒も飲めないから車で帰る。駐車場に向かうと、やはり集団から離れた花音が見えた。送ろうか、と声をかける気には、ならない。他の子なら、ためらわずに考えもせずに出てくる言葉なのに。
その花音が、御調も車を止めている駐車場の入り口で、不意に誰かに腕を取られるのが見えた。
「び…っくりしたぁ」
驚いて振り返ろうとした御調は、花音の至って普通なトーンの声に、身を固くする。
「迎えに来たんだよ」
「目立つからいいって言ったのに」
「目立ってないだろ?」
「目立たなすぎてわたしの心臓に悪い」
「どっちだよ」
くすくすと声に笑いを含んだ男の声。
楽しげな気安いやりとりに思わず振り返ってしまえば、少し前、練習の後に花音を迎えにきていた男だった。
掠め取るように、男は花音にキスをする。驚いて何か言おうとする花音をそのまま車の助手席に押し込んだ男が、御調を一瞥した。
気づかれていた。見ていたのを。
でもそんなことよりも。
頭が真っ白になっていた。
そして、花音にそう言う相手がいることにショックを受けている自分に、驚いていた。
いつからか。彼女、と呼べる相手がいない時間の方が珍しくなった。人当たりの良さと、爽やかな見た目で相手に与える第一印象が良いのは自覚していた。
いない時間の方が珍しい、というよりも、付き合いたい相手ができて、その時に付き合っている彼女と別れることも、何度もあった。
花音は、そんな相手だった。
もともと音楽仲間として知り合って、年が近いことや、その団体に元々の知り合いが少ないという共通点もあって親しくなった。人見知りだという彼女と話すようになったのは、その団体に所属して一年近く経った、定期演奏会の打ち上げだった。
彼女にとって、自分の外見が好みなのだな、というのは感じ取った。ただ、付き合っている彼女がおり、それを聞いた花音は自分を恋愛対象から除外し、親しい友人、という関係だった。彼女の職場と、当時資格を取るために通っていた専門学校が同じターミナル駅にあって、待ち合わせをして食事をして、そのまま同じ路線だから一緒に帰って。あるいは休みの日に2人で出かけたり。
彼女はいいの、と最初のうちは聞かれたけれど、友達と出かけることもあるでしょうと言えば、納得したようだった。男女、という意識なく男友達も多い彼女にとっては、それほど違和感はなかったのだろうけれど。そんな風に接している自分の方はもう、十分、彼女を意識にのぼらせていた。
付き合っていた彼女から、別れを告げられたのはそんな風にし始めて3ヶ月くらいしてから。その間にあった御調の誕生日に2人で過ごした様子を聞いていた花音は驚いた顔をしていたけれど。
恋愛ごとが苦手だという彼女は、なんと言っていいかわからない様子で、そう、とだけ言った。
1月もしないうちに御調は花音に付き合って欲しい、と言われ。恋愛関係への苦手意識が強い花音は一度は断ったけれど。もともと好感を持っていた相手から迫られれば揺らぎもする。
御調が花音を頷かせるのは、それほど時間は必要なかった。
そうして付き合った期間は、7ヶ月程度。
途中、とても自然に一緒にいるようになった花音の地元の同級生の1人に、御調は同調した。苦手意識が消えない花音は、受け身なことが多くて、それなのに、彼女から独占欲のような、依存のようなものを感じる。付き合う前は同じように話して同じように相手の話を聞いていたのに、いつからか彼女は自分の話しかしなくなったように感じた。
花音の友人は、楽しそうに、当たり前のことのように言った。
昔から、自分が注目されないと、周りがいろんなことやってくれないと納得しない顔する子だからー、と。楽しげに。それは友人のことを普通に話すようにしか聞こえなくて、だから、そうなのか、と妙にスルッと、自分の中にその評価は入ってきた。
御調が、自分のことを話さないから、御調の様子がおかしいからとどうしたの、と花音が尋ねても、なんでもない、今は聞かないで、など、彼女の問いを封じて行ったのは、問いかけることを怖いと思わせ、沈黙を避けるために自分のことを話すしかなくしていったのは、そんな自分の態度だったと、思い至ることはなく。
友達に戻りたいと告げれば、悲しげな目をした。
「優美香?」
ただそれだけ言われた。花音にとっては、自分が御調の前の彼女に図らずもしてしまったことが、我が身に返ったのだと受け止めるしかなかったから。
勘がいいな、怖、なんて、冗談のように御調が言えば、花音はなんとも表現し難いかおで笑って。
その後は、御調が告げたとおり、花音は友人ぶった。付き合う前と同じように遊びや食事に誘っただけだけれど、御調にとっては、それは執着の延長にしか感じられず、もういい加減にしてくれと、メールした。
最低限の言葉、いや、挨拶程度を交わすだけだった期間の後、御調が団体の中で他のメンバーと合わず、出ていけなくなり連絡も取れなくなった時期があった。
ある日、心配するメールが花音から入り、花音には、普通に情けないと自分でも思う、その場に出ていく恐怖を伝えられた。
もう一度、そこに出ていくまで毎週連絡を寄越した。きっと、出てこないだろうと思いながらも迎えにもきていた。
やっと、出て行った時。声をかけようとしたら、目を逸らされた。何を言われるかと怯えるような目だったのだけれど、御調には咎められているようにしか感じられなかった。
それが、花音にとっては、また余計なことをしたとお節介を咎められる怯えの結果だったのだけれど。御調が出てこられなくなったのは、そうなるまで放っておいたお前のせいだと言われたことで植え付けられた、無意識の罪悪感だったのだけれど。
団体の指導者は、戻ってきたことを喜んで。
食事に引きずっていかれ、花音とよりを戻さないのかと言われた。御調にとってそれは考えられないことだったけれど。甘えるだけ甘えてしまうが、そういう対象に見るには、花音はコンプレックスを刺激して、口煩くて、自分のことを知ったかぶって、独占しようとして。そんな風に感じてしまうから。
彼は御調に言う。
御調さんが返事をくれたので、連絡を続けますが。また、お節介をしたと怒られそうでちょっと気が進まないんですけど、心配なのも事実なので。でも、この上外野からまで何か言われたらやってられないので、外野がわたしのやることに一切口出さないように、全部止めてください。
それが、花音が御調と連絡を繋ぎ続ける条件だった、と。
そんな花音と、また親しい友人、の距離になったのは、御調が一回り以上も年下の団体の女の子と遊ぶようになってから。その女の子が、花音にも懐いていて、一緒に出かけようと、一緒にご飯に行こうと、時折言うようになったから。
それでも、主には御調とその子2人で出歩いていたのだが。
そんなある日。2人で行ったテーマパーク。離れたところを歩いて通り過ぎる花音を見つけた。花音も、一緒にいる子も気づかなかったけれど。
その日は、花音の誕生日の前日で。御調やその子の誕生日付近にそのテーマパークに3人できていたのに、花音の誕生日付近に、花音に声もかけずに2人でいる変な罪悪感が湧いた。
花音は小さな子を2人、ベビーカーに乗せて歩いていて、その周囲に何人かいる。子供に好かれる花音は、誰か友人の子を連れているのだろう。
花音の隣を歩く、小学生くらいの男の子が、不意に振り返り、御調と目が合った瞬間。
目を見開き、御調に見に覚えのない嫌悪の目を向けられ、すぐに逸らされたその目は、花音を見上げて手を引く。絶対に、御調に合わせないというように。
それから数年。
関係は変わらないまま。
例年通りの定期演奏会の打ち上げ。二次会に行こうと誘われるのを断っている花音を、御調は何気なく横目に捉えていた。そんな御調の周りには若い女の子たちがキャッキャと言って、構ってくれる御調に話しかけながら写真を撮っている。
やはり二次会には行かない御調は、酒も飲めないから車で帰る。駐車場に向かうと、やはり集団から離れた花音が見えた。送ろうか、と声をかける気には、ならない。他の子なら、ためらわずに考えもせずに出てくる言葉なのに。
その花音が、御調も車を止めている駐車場の入り口で、不意に誰かに腕を取られるのが見えた。
「び…っくりしたぁ」
驚いて振り返ろうとした御調は、花音の至って普通なトーンの声に、身を固くする。
「迎えに来たんだよ」
「目立つからいいって言ったのに」
「目立ってないだろ?」
「目立たなすぎてわたしの心臓に悪い」
「どっちだよ」
くすくすと声に笑いを含んだ男の声。
楽しげな気安いやりとりに思わず振り返ってしまえば、少し前、練習の後に花音を迎えにきていた男だった。
掠め取るように、男は花音にキスをする。驚いて何か言おうとする花音をそのまま車の助手席に押し込んだ男が、御調を一瞥した。
気づかれていた。見ていたのを。
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