もふもふホワイトタヌキに転生したオレ～ほら第二王子、もふもふしてもいいんだゼ☆

幸せな朝食

あれから、王子とアーネラ様とオレとの3人で朝食を食る事になった。

アティカスはもう朝食を終えてしまっていたみたいで、今は朝の鍛練に勤しんでいる。

屋敷のシェフが作ってくれるご飯は、めちゃくちゃ美味しいんだ。
多分だけど、オレ用のご飯はオレの舌に合わせてくれてるんだよね。

味が薄めで、素材の味がしっかり味わえるモノが多い。
濃い味も好きなんだけど、たまに食べるからこそ美味しいんだよね。



「はあ…素敵でしたわ。あのヘアスタイルも、清潔感と勇ましさが相まって…」

「だよね！あの髪紐、オレが森に帰る前にお世話になったお礼として、プレゼントしたんだよ」

「まあっ！！ナイスセンスですわ、ニナ！！とてもアティカス様にとてもお似合いでしたわっ」

「えへへ」

アティカスってば、あの髪紐を使ってくれてれんだな。プレゼントした物を、あんな風に大事に使ってもらえるのは嬉しい。

王子の首もとを見る。第2ボタンまで開けた、シャツから覗く白い石。
ぼんやりと、淡く光る石ににんまりしてしまう。



王子が首を傾けて、

「？どうしたの、ニナ」

と聞いてきた。オレはニッコリ笑って、何でもないよと答えた。

王子は目をぱちくりしたあと、オレの頭を優しく撫でた。

「ニナは可愛いな」

「王子もカッコいいよ」

二人で顔を見合せ、笑い合う。
オレって本当に幸せ者だ。
きっと屋敷の料理だって、事前に王子がシェフに伝えておいてくれたのだと思う。

凄く大切にしてもらっている事を、当たり前にしてはいけない。
感謝の気持ちと、オレも何かしてあげたいと思う気持ちで胸が一杯になる。

目の前で、紅茶を一口飲んだアーネラ様が、

「はあ…あのルイが…本当に信じられませんわね」

と呆れたように呟いた。