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プリケツをどうにかしたいタヌキ
しおりを挟む「へえ、これがパワーアップした万能薬?」
「うん。でも小さなケガなんかは、いつもの万能薬で充分だと思うよ。こっちはいざって時に、傷を覆うようにたっぷり塗って欲しいんだ。致命的な傷こそ効果覿面だから!」
「アンタはまた売れそうな物作って…」
「あっあと、この間まで王都にいたんだけど、コレお土産」
「王都??えっ…いいのかい?まあ香水じゃないか!」
驚きながらも、香水の瓶を見て喜ぶクロエ。女の人ってこういうの好きだよね。
「ちょっと知り合いのお家でお世話になってたんだ。そんで街に香水の専門店があったからクロエにどうかなって」
城でお世話になっていたなんて言えないからな。まあ、嘘ではないよね?
「へぇ、王都に知り合いがいるなんて良いねえ。私も何度か行ったことはあるんだけど…ああ、良い香りだ…ニナ、アンタはその辺の男共より気が効くねえ」
ジトッと横目で冒険者達を見つつ、シュッと一吹き香水を手首にかけて、うっとりするクロエ。
店主に一番人気の香水を勧められて、嗅がせてもらったんだけど、甘過ぎる香りがどうもクロエのイメージと違った。
渡したい相手は女の人だけど、サバサバしてカッコいい綺麗な人なんだって言ったら、この香りを勧められた。
それをくんくん嗅がせてもらって、これだっ!て思ったんだよね。
スパイシーなハーブが何種類か入ってて、少しだけ甘いジャスミンや薔薇の香りが加えてあるんだって。
「ありがとう、ニナ」
にっこり笑ってオレの頭を撫でるクロエ。喜んでもらえて良かった。
そんで冒険者達には、携帯用干し肉を沢山買ってきたので配り歩いた。
ラオールにはコッソリと、みんなより多めに渡しちゃった。筋肉抱っこのお礼だ。
今日もしっかりと筋肉に顔を埋めさせて頂いたよ。
「うーラオールー、この筋肉が恋しかったよー!!」
ぐりぐりとラオールの腹に抱きつき、おでこを擦り付ける。はあっ、至福…堪らん。
「はははっ!ありがとなっ坊主、旨そうな干し肉だ。こっちじゃあんまり肉の種類がないからなあ、飽きが来てたんだ。助かるぜ!」
ポンポンと軽くオレの頭を叩きながら、干し肉をチェックするラオール。ふっ、さすが筋肉作りには余念がないな!
「ねえ、ラオールぅ、お尻に筋肉つけるにはどうしたらいいの?」
「尻?なんでまた」
「ちょっと引き締めたいな?なんて」
いや、これ切実なのよ。人化してる時はむしろ細っちょのオレ。けどホワイトタヌキに戻ると、まープリケツよ。
この間も、ただ屋敷の廊下をタヌキ姿でテクテク歩いてたんだ。
そしたら後ろで、ララウとククタリや他の使用人さん達が身悶えてて、何?って首を傾げたら、
「顔だけこちらに振り向いて、首コテンはズルいです!」
「あんまり…あんまりお尻…ふりふり…ふりふりさせないで…」
「ニナ様の真っ白でまあるいお尻が、ぷりんぷりんと揺れる度に愛らしすぎて辛いのです…」
って言われて、まー恥ずかしかったよね。オレってそんなにぷりぷりして歩いてたの?って。
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本当に残念なイケメンだよ。
「尻を引き締めるならスクワットだな!」
なるほど!確かにあれは効きそうだ!と正しいスクワットの仕方をラオールに教えて貰ったが、たったの20回で足がぷるぷるになった。
だが頑張ってカッコいい尻を目指すぞ!おーっ!!!
ていうか、人化した姿でスクワットして意味あるの?
わからん。
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