もふもふホワイトタヌキに転生したオレ～ほら第二王子、もふもふしてもいいんだゼ☆

不埒な庭師と不埒なタヌキ

屋敷の中にある、広大な庭の片隅に白い塊が落ちていた。


「ニナ様、起きて」

ここにいたのか、と中腰になり声をかけた。


無防備にも、ふにゃりとピンクの腹を出したヘソ天状態のニナに、少しだけ身体がプルリと震える。


「ぴゃぁーすぴぃー…ぴゃーぶみー」

「…」

独特なイビキを奏でるホワイトタヌキ。

人差し指で、おでこの中心を優しくグリグリする。

「ぶぴぃ～ん…ぶびぶ…」

「お腹…冷やしますよ」

頬をカリカリと指で擽ると、横からピンクの舌が伸びてきてペロンと舐められる。
はっと、ニナを見るが寝ぼけながらペロペロ指を舐めている。

ゆっくりと口元に指を持っていけば、パクリと甘噛みされ、チロチロとピンク色の舌で舐められる。

ゴクリと喉を鳴らしたその時、頭を叩き割られたのかと錯覚する程の衝撃が起きた。

「こんのっ！！変態庭師がぁぁああっ！！！！」

「びみゃあっつっ！！！！」

変態庭師の頭に踵落としが決まったと同時、ニナも飛び起きた。

「ニナ様！こちらに！」

と、驚きの鼻水舌ペロ顔面状態のニナを、もふりと抱っこして守り隠すのはメガネクール美人のメイドのララウ。

頭を押さえ、ジトリと涙目でララウを睨むのは庭師のククタリ。無表情ながらもイケメンなのだが、ニナを見る目が変態てきなのな残念な所だ。

「変態…じゃない。ニナ様が…可愛すぎるのがいけないんだ」

「ふんっ。女に言い寄られたら、すぐさま朝までコースのクズの癖に！
今だって、そっそんな卑猥なモノを首につけて！！お可愛らしいニナ様のお目に触れさせないで」

あーびっくりしたぁ。…オレってば、また薬草作りの途中で寝ちゃったんだなぁ。

ん？卑猥なモノ？？

ふわぁっ、とララウの腕の中でアクビをしながチラリとククタリを見る。

少しはだけたシャツから覗く首筋には、赤い跡のようなモノがある。

ふぅっと息をつき、「…つけないでって言ったのに」と首をさするククタリに、けがわらしいっ！！けがわらしいっ！！と更にオレを抱きしめるララウ。ぐえっ。

赤い跡…キスマーク。マーキング…。急に顔が熱くなる。

ホワイトタヌキの姿で良かった。
人化したままだったら、茹でダコのように真っ赤になり、ララウに心配かけるだろう。

はあ…あの日、この身体になって初めて発情したみたいだ。
オレってば…オレのキステクニックで王子をめちゃくちゃにしちゃったっ！！(ちょっとだけ？王子の方が上だけど)

はぁ可愛かったなぁ王子。どの角度から見ても、可愛いくて、イケメンなんだもん。

しかも何で身体からあんな良い匂いするの？ずるくない？
アレが更に頭をおかしくさせるんだよね。

そんでもって、何で王子にマーキングしたくなっちゃったんだろう？発情期こわい！

王子も王子でオレの首に…キス…きゃあっ！！エロいよ！あんなん発情されちゃうわ！

…だめだ興奮してしまう。
…ていうか苦…じい…。
あ…れ？ララウ…これ以上力入れられちゃうと…

「っとにあんたは！！」

「あっ、ニナ様鼻血…あと目がいっちゃってる…」

「えっ…?いっいやぁっ！！！ニナ様っっ？！！ニナ様ぁーー！！」



遠退く意識の中で思った。

オレ、当分、王子の事を考えるのやめます…じゃないとまともな薬が作れそうにないからぁっ！！









※いつもお読みになってくださりありがとうございます。
嬉しいコメントもありがとうございました。
初コメの方も本当にありがとうございます！
楽しく読ませて頂きました( *´艸)

R18の件ですが、少しずつ書いてみようと思います。

このお話を書き出した頃は、15話程度で終わらせようと思っていたので保険でR15にしていました。
ですが、やはりBLというくくりとニナの成長を描いていく上で、その先も書いてみたいなと思うようになりました。

ただ、苦手な方もいらっしゃると思いますので、必ず事前にマークを入れますので宜しくお願いしますm(__)m
コメントしてくださった方、全然我が儘じゃありません、私が我が儘ですので。。申し訳ないです。

皆様、もう少しだけニナのお話に付き合ってくだされば幸いです。これからも宜しくお願いします(*^^*)