戦国志

夜神颯冶

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戦国語り

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では現在の日本を、
戦国時代の大名家でたとえれば、
どこが近いだろうか。

それは戦国時代もっとも有名な武将、
織田信長が国、尾張おわりではなかろうか。

この当時の尾張は意外なほど領地りょうちが少なく、
また統一とういつされていなかった。

信長が住む領土はその中の一部で、
一市町村ほどである。

戦国時代の日本を今の世界として見立て、
そのせま領土りょうどを世界の国々とくらべた場合、
その大きさは、この当時の尾張おわりほどである。

酷似こくじしているのはそれだけではなく、
飢饉ききんが続き、
各地でえ死にする人々がいた時代、
この国では米の収穫しゅうかくたよらず、
ぜに(金融)貿易ぼうえきで生計をたてていた。

これは現在の日本とそっくりなのである。

意外に感じるかも知れないが、
食に困らない現代日本において、
飢饉ききん餓死がしする人々がいた時代とは、
違うように感じる読者のため捕捉ほそくしておく。

現代の世界の食料事情は、
この時代の飢饉ききんに非常に近い。

世界の食料事情は緊迫きんぱくしており、
餓死がしする人々がれつをなし、
わずかな食料や水をめぐって、
紛争ふんそうり返している。

この戦国時代においても、
飢饉にあえいだ村々では食料や水を巡り、
乱取らんどり(略奪)がえなかった。

それではその中でも、
最近特に驚異きょういになっている、
中東イスラム国はどこだろうか。

これは戦国時代においては、
本願寺ほんがんじほかならない。

ただ違うのは、
本願寺はこの時代の日の本においては、
大多数を信者にしている事だろうか。

その点では全く同じと言うわけでもないが。

近いと言うのは、
イスラム国が各国で起こす自爆テロである。

この当時の本願寺も、
各国で一向一揆いっこういっきなるテロ行為を煽動せんどうし、
死ねば極楽浄土ごくらくじょうどに行けると教え、
死を恐れない集団と化していた。

 それだけ当時の情勢じょうせいが、
食糧難にあえいでいた事をうかがわせる。

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