弟の友達がイケメンで困る

Aki

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弟の友達と運命の人

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「この間の告白の返事なんだが……」

凛は少し不安げな顔をしたが、奏斗は続ける。

「俺は凛のことが好きだ」
「……!ほんとですか!?」
「ああ。でも、俺の話を聞いた上でまだ俺のことが好きでいてくれるか分かんねぇ」
「絶対に気持ちは変わらないです。話、聞かせてください」
「……ああ、分かった」

そして、奏斗は自分の話を始めた。

「俺は、物心着いた時から男なのに可愛いものが好きでな。
俺自身、それを受け入れてこれまで生きてきた。
でも、そんな生き方を否定する奴もいて……
それでも、気にしないふりして自分を押し通してきた。
そんな俺を気に入ってか、不良集団に誘われて俺はそん中に入ってしまったのよ。
いわゆる元ヤンなんだよ、俺は」

凛は奏斗の話を静かに聞いている。
そんな中、奏斗は続ける。

「それともうひとつ。
俺は重度の面食いだ。
ほんとは、人目見た時から凛に一目惚れしていた。
俺のどタイプだったんだ。
最初はそれを恋と言ってはいけないと思ってた。
だから、自分の気持ちをはっきりさせるためにデートの誘いに乗った。
デート、行ってよかったよ。
おかげで、俺のこの気持ちは、恋なんだって気づけた」

凛は「奏斗さん……」 と呟く。

「これまでの話を聞いて、凛はどう思った?」
「好きです。気持ちは変わりません」
「ふっそうか……」

少し間をあけて、凛は真剣な顔で話した。

「俺の話も、きいてくれますか?」
「ああ、もちろんだ」

そして、凛も話し始める。

「実は俺、奏斗さんに1回会ったことがあるんです」

奏斗は驚きはしなかった。
会ったことがあるなら、今までの行動は不思議ではない。

「あのときも今日みたいな感じで不良に絡まれていました。
そんなとき、奏斗さんが助けてくれて……
俺は初めて恋をしました。
あのときは髪は染めてなくて覚えてないかもしれないですが……」

奏斗はハッとした。
1度かっこいい男の子を助けた覚えがあるからだ。

「もしかして、公園で絡まれていた黒髪の……!」
「覚えてくれていたんですね。あのとき貰ったクマのキーホルダー、まだ大切に持っていますよ」

そう言って、スクールバッグを見せた。
デートのときにお揃いで買ったクリっとした目のクマのキーホルダーの横には、もうひとつの可愛いクマのキーホルダーがついてあった。
そう、奏斗は、凛を助けたとき、震えていた凛を元気づけるためにキーホルダーをあげたのだ。

「この間、奏斗さんが帰ってきたとき、再会できたのは運命なんじゃないかって
初対面にも関わらず、攻めすぎちゃいましたね……」

恥ずかしそうにしている凛に奏斗はニカっと笑って言った。

「運命だな。神様に感謝しねぇとな」
「はい!」

凛の目には涙が溜まっていた。
そして、奏斗は「少し待っていてくれ」 と言い、自室へ入っていった。
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