キミとふたり、ときはの恋。【冬萌に沈みゆく天花/ふたりの道】

冴月希衣@商業BL販売中

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キミとふたり、ときはの恋。【第五話】

冬萌に沈みゆく天花 —告白—【2一2】

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「涼香? そろそろデザートを頼もうか?」
「あ、うん。お願いっ」
 咀嚼していたものを飲み込み、烏龍茶のグラスに手をかけた、ちょうどそのタイミングでの問いかけ。即座に頷いた。
 相変わらず、ベストタイミングよねー、奏人って。
 既に食べ終わって手持ち無沙汰なのかなという可能性もあるけど、私のお食事が残り僅かな量になっての提案だから、やっぱりタイミングばっちりだわ。

「今日も美味しいね。台湾ラーメンっ」
 もちろん、奏人のタイミングがばっちりなのは、食べてる姿をお向かいから見られてるから、ってことも承知の上なんだけど。だから、ずずっと麺をすすってるところを見られてて恥ずかしいけど、お口周りを軽く拭いてからなら、にこやかに話しかけられる。
「あぁ、今日もパンチの効いた辛味だったよ。寒いから身体が温まっていいけど」
「ほんと、ほんと。でも、私は真夏でも美味しくいただけるけど」
「涼香が激辛もいける口だとは知らなかったから、最初はびっくりしたな。ふふっ」
「奏人、前に私がこのお店に入りたいって言った時、二度見したし。その後、三回くらい確認してきたもんね。『大丈夫? 激辛だよ。辛味に加えて、ニンニクもたっぷり入ってるラーメンだよ?』って」
 甘いスイーツはもちろん大好きだけど、私は、激辛もニンニクも無問題《モウマンタイ》! 奏人の心配はありがたかったけど、問題なくイケちゃうの。
 ただ、奏人とのデートでこのお店に行ったって萌々ちゃんや美也ちゃんに報告したら、ちょっと驚かれて。それで、一般的な高校生デートではニンニクラーメンは食べないんだって教えてもらったのよねー。
 だけど、お醤油味の鶏ガラスープに極細麺。これと、赤唐辛子とニンニクで炒めた激辛ミンチ、ニラ、青ネギ、モヤシとのマッチングは最高に素晴らしいんだもの。やめられない、止まらない、のよ!
 奏人だって、何回も『大丈夫?』って念押ししてきたけど、『涼香が食べたいならいいよ』って、すぐに一緒にお店に入ってくれたし。

 あー、でも、その時の奏人ってば、ひと口めで豪快に麺をすすったものだから、唐辛子が喉に引っかかって盛大に咳き込んでたのよね。テンプレの無表情&端整なお顔立ちが崩れまくって涙目になってた、あれ。ものすごく貴重な記憶よ。ふふっ、懐かしーい!
「お待たせしました。抹茶ソフトクリームです」
「あっ、ありがとうございます」
 きゃー、きたきた! 仕上げの抹茶ソフト! このお店の推しポイントは、台湾ラーメンにソフトクリームがセットになってるとこなのよー。激辛麺の後に食べる抹茶ソフト、最高!


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