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恋のバカンスは、予言通りにはいかない!?
Only love #15
しおりを挟む肌と肌。粘膜と粘膜。それがぶつかり、擦れ合う音が薄闇に響き、互いが発する速い息遣いが密に絡んでいく。
のた打つように激しく穿たれ、背中が跳ねる。シーツの上でのけぞり、無防備に踊る。
「……っぁ……あっ、あぁっ……はぁ、っ」
大きく腰を使った挑むような突き上げに、喘ぐ声が止められない。
「やぁっ……熱い、よ……もぉ、溶け、ちゃ……あぁ、っ」
最奥から込み上げてくる甘い疼きで、腰全体が発熱したようにドロッと蕩けてる。
腹の内側のざわつきと、うねりもすごいんだ。その熱で、自分の限界が近づいてきていることを知った。
「……っ、土岐ぃ、っ」
もう堪らず、その腰に足を回してしがみつき、名を呼ぶ。他に、すがれるものなんてない。
「土岐っ。俺っ、も……駄目ぇ、っ。だから……だからぁっ」
「わかってる。一緒に、だろ?」
「ぁっ……ん、んんっ……はぁ、ぁんっ」
目前に迫った頂点に向かって駆け上がる身体は淫らに蕩け、大きくのけぞり、ひくひくと波打つばかり。
それを支えるためにシーツを鷲掴みしていた右手が不意に捕らえられ、土岐の左手と五本の指全てがしっかりと絡め合わされる。
そして、土岐のもう片方の手は、俺の前髪を掬い上げる。額から後ろへと、優しい動きで丁寧に撫でることをしてくれた。
あぁ……この感触、すげぇ好き。
「武田」
そうして、ランタンの柔い光が照らし出す中。秀麗な容貌が近づき、目線がカチリと合う。
いつも涼しげな印象の土岐だけど、今はその片鱗すら見られない。余裕なさげな熱っぽい瞳が、俺を射抜いてくる。
「いつでもイっていいぞ。このまま、俺を見ながらイけよ」
「あんっ! ああぁっ」
ずくんっと、激しい突き上げ。腹の真ん中で響いた。膝裏が抱え上げられ、速いストロークでゴリゴリと内壁を抉りたててくる。
襞を掻き擦るように、粘膜を引き絞るように、捏ね回される。
俺を追い立てる土岐の動きが、さらに淫蕩に、貪欲になった。
「あっ、土岐っ……土岐ぃっ……も、イっちゃ……っぁ、あっ、ああぁ、っ」
もぉ、駄目っ!
「……っ、武田っ」
「はっ、あぁんっ……やぁっ、あああぁっ!」
背が弓なりに反り返り、のけぞった喉から、ひと際甘い嬌声が漏れ出ていく。
「……っ、くっ……」
白い火花がチカチカと弾けた視界で濃茶色の髪が揺れ、しがみついた相手の短い唸りが俺に降った。
身の内から湧き上がる痺れが充足する腰が、さらに数回、土岐によって大きく揺らされる。
「んはっ……あ、あぁ……んっ」
ずちゅんっと濡れた突き上げを達したばかりの身体にまともに受けた。
土岐が俺の中で果てた感触を粘膜の動きで感じ、半開きの口からは、掠れた喘ぎが吐息と漏れ出る。
「武田」
とめどない官能に粟立ち、蕩けた身体が力強く抱きしめられる。耳朶に吐息まじりの俺の名が伝わる。
名前しか呼ばれてないけど、そこに込められた想いに応えるため、俺も力強く抱きしめ返して伝えたいことを言葉に乗せようとした。
でも、言えたかどうか、よくわからない。
微笑みながら土岐の名を呼んだ直後。今日一番濃い、白い靄が俺を包み、その中に意識の全てが溶け込んでいったから。
唇は、動かしたつもりだった。
「……ぁ、土岐ぃ……好き。好きだよ。すごく、すごくっ――――俺、お前のこと、すげぇ愛してるんだ」
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