花霞に降る、キミの唇。

冴月希衣@商業BL販売中

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恋のバカンスは、予言通りにはいかない!?

Only love #13

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「……んぅ、っ……ふ、ぁ」

 ねっとりと絡み合わされた舌がひらめく度、ぴちゃっと濡れた音が鼓膜に響く。

「武田?」

 吐息に混ざった水音に、俺を呼ぶ甘い声が加わる。

「俺を煽ったこと、後悔するなよ?」

「んあっ!」

 きゅうっと腹にくる艶声を聞いた次の瞬間、ひくんっと腰が飛び跳ねた。

「やぁっ……あっ、そこっ」

 内壁の一点。浅い部分を擦りたてるように、ぐりっと強く抉られたんだ。

 甘い痺れが、一気に下腹部に広がっていく。

 ただの痺れじゃない。熱くて熱くて、下半身が溶け落ちてしまいそうなほどの灼熱の痺れなんだよ。

「やっ、土岐っ……ああ、ぁっ」

 これ、堪んない。

「やぁっ、やだっ……あっ、そこぉ、っ」

「知ってる。ここが、お前の良いところだろ?」

 痛いほどの快感に身をよじれば、そんな俺を目を細めて見おろした土岐が、俺の下腹を指先でするりと撫で、薄く笑った。

「はっ、やめっ……あっ、あっ、やあ、ぁっ」

 そして、また大きく腰を揺らめかせ、さらにゴリゴリと抉りたててくる。


 ――ずちゅっ、ずちゅんっ

 いやらしい水音が、俺の中で跳ねる。目の前のチカチカが、やまない。同じ場所ばかり、ピンポイントで責められてるんだ。

「はっ、あぁっ……はぁっ、ぁんっ」

 俺の感じる部分だけを、切っ先で押し潰すように。

 なぁ? これ、駄目だって。こんな風にされたら、俺、またイっちゃう。

 そんなの、駄目だ。また俺だけがイかされるのも嫌だけど。それよりも、今、イっちゃうと――。

「土岐、待って? 今、無理。ほんと無理。だってお前の身体、汚しちゃうっ」

 今、俺が吐き出したら土岐の腹を汚しちまう。それだけは、やだ。

「あ? 何、言ってる。俺がそうさせてるんだ。何の問題もない」

「あっ、やぁっ! あぁっ!」

 また、白い火花が散った。

 土岐の指が下腹部の先端に絡みつき、きゅっと強くそこを扱き始めたから。俺を突き上げる動きは止めずに、だ。

「ほら、イけよ。お前の良い顔、堪能させてくれ」

「あっ、それ、駄目っ! あんっ……も、駄目ぇ、っ、やあぁっ!」
 
 首を振ってる途中で、ひくんっ、ひくんっと。その度にビュクビュクと呆気なく迸っていくモノ。ぬるついた白濁が、互いの腹を汚していくのがわかった。

「やだって、言ったのにぃ」

 土岐に恨み言なんか言いたくなかったけど、つい、ぽろりととこぼれ出てた。

「ん? 俺も言ったぞ? 『何の問題もない』と。――ほら、キスだ」

「んぅ、っ……んっ、っぁ」

 けど、薄く笑った土岐が舌を絡めてきたから、もうそれ以上、何も言えなくなった。


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