上 下
75 / 87
恋のバカンスは、予言通りにはいかない!?

Only love #8

しおりを挟む



「あ、土岐? その……俺、いつまで、こうされてんの?」

 まさかとは思うけど、念のため。それでも一応、土岐にお伺いを立ててみることにした。あくまで、念のためだ。

「ん? いつまで? さっき、もう少し、と言ったはずだが?」

「あ、そうなん?」

 良かった。俺の気の回しすぎだったみたい。

 あー、ホッとしたよー。そうだよな。いくら土岐でも、そーんなドSな展開あるわけな……。

「あぁ、花火大会が終わるまで、〝あと少し〟だからな」

「……え? 花火、大会?」

 え? 聞き間違い?

「なんだ?」

「あの、ちょっとお尋ねしますが。今のは、もしや花火大会が終わるまで、俺にこうしてるっつー意味ってこと、なん?」

 自分がどんなあられもない体勢で、どこに土岐の手が置かれてる状態なのか、わかった上でこんなこと聞くのはすっげぇ恥ずかしかったけど。聞かずにはいられなかった。だって――。

「花火大会、一時間半もあるんだぞ?」

「もう三十分は過ぎてるから、あと一時間しかない。バルコニーでこうやって楽しめるタイムリミットまで、あと少しじゃないか」

 一時間が、あと少しっ?

 平然と放たれた土岐の言葉に、クラリと眩暈がした。

 しつこいようだが、俺は仰向けに寝転んだ状態だけどな! ついでに言えば、俺のモノへの刺激を再開しながらの言葉だったから余計に、だぞ!

「残り、一時間。一時間ってことは……え、えーとぉ……」

 本気で眩暈がしてきた。コイツのこの真顔は、本気だ。土岐なら、ヤる。ヤるよ、必ず!

 つまり、あと一時間、俺は花火を見ながらこのまま身悶えるハメに……。

「ふぅぅ……仕方ないな。そんな風に喘ぎながら遠い目をされたら、予定を変更せざるを得ないじゃないか」

「ひゃあっ! あっ、それっ……あぁっ」

 いきなりの刺激に、上擦った声があがった。

 れろれろと乳首を舐め上げてた土岐がそれを中断し、カリッと強めに甘噛みしてきたからだ。

「朝までたっぷりコースだから、これくらいの時間配分でちょうどいいのに。次の段階に進めっていう、可愛い催促だな?」

「あっ、あっ……あぁっ!」

「俺の恋人は、実に貪欲だ」

「あっ、駄目っ! そこっ……あっ、やんっ」

 それ、ほんと駄目っ。乳首をカリカリッてする、それ。感じすぎて駄目なんだって。

「ん? 『駄目』? あぁ。こうされるのが『良い』ってことだな。なら、こっちはどうだ?」

「んぁっ……やっ、あぁっ!」

 背が、弓なりに大きくしなった。びくんびくんっと、腰も跳ねる。下へとずり下がった土岐の口内に、俺のモノがパクッと含まれたんだ。


 ――くちゅっ、ちゅうっ

「あっ、そこっ……あ、ぁっ」

 含まれた先端で、土岐の舌が熱くひらめく。それに合わせて、ひくひくと腰が波打ち続けてる。

 性器の形に沿って、ざらりと舐め上げる粘膜の感触が、ぬるりと甘い官能を直接伝えてくるんだよ。堪らない。

「んはっ……あんっ!」

 びくんっと腰が跳ね、下腹がへこんだ。唇をすぼめて、くびれをきゅうっと強く擦りたてる動きが合間に挟まれるから。

 俺が腰を揺らし、声をあげる度、くちゅっくちゅって、いやらしい水音も聞こえてくる。

 そこは土岐の指でさんざんになぶられ、既に濡れそぼっていたから、どっちの水音なのかわかんない。

 俺のヌメリなのか、土岐の唾液なのか。どっちにしろ、ペニスをびっしょりと濡らしてる恥ずかしい音なのは確かだ。

「はぁ……っぁ、やぁっ」

 のけぞった喉から零れ出る吐息は、さっきまでのものとは比べものにならないほどに、熱い。

 下腹の奥も熱い。どこもかしこも熱い。おかしくなりそう。

「ぁっ、土岐っ。それ、駄目っ……俺、駄目ぇ、っ」

 助けてっ。

「ん? お前がこの愛撫を望んだんだろ? 俺は、催促された通りに予定を繰り上げただけだ」

「ひゃっ……あっ!」

 やだ! そんなとこ、咥えながら喋るなよぅ。

 俺にこの快感を与えてるのが、お前のあの形のいい綺麗な唇なんだって現実を、しっかりハッキリ自覚しちまうだろっ。

「あっ、あっ……はっ……あぁっ」

 大好きな甘いテノールが俺の襞を震わせてるんだってことを肌で感じちゃって、余計に、ずくんって疼いちゃうだろっ。

「も、駄目……土岐ぃ……駄目ぇ、っ」

 いつイってもおかしくないくらいに、とっくに張りつめてたけど、もう限界。

 もぉ、確実に弾けちゃう……!


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

催眠アプリ(???)

あずき
BL
俺の性癖を詰め込んだバカみたいな小説です() 暖かい目で見てね☆(((殴殴殴

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

上司と俺のSM関係

雫@3日更新予定あり
BL
タイトルの通りです。

いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜

きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員 Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。 そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。 初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。 甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。 第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。 ※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり) ※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り 初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。

処理中です...