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恋のバカンスは、予言通りにはいかない!?
Only love #8
しおりを挟む「あ、土岐? その……俺、いつまで、こうされてんの?」
まさかとは思うけど、念のため。それでも一応、土岐にお伺いを立ててみることにした。あくまで、念のためだ。
「ん? いつまで? さっき、もう少し、と言ったはずだが?」
「あ、そうなん?」
良かった。俺の気の回しすぎだったみたい。
あー、ホッとしたよー。そうだよな。いくら土岐でも、そーんなドSな展開あるわけな……。
「あぁ、花火大会が終わるまで、〝あと少し〟だからな」
「……え? 花火、大会?」
え? 聞き間違い?
「なんだ?」
「あの、ちょっとお尋ねしますが。今のは、もしや花火大会が終わるまで、俺にこうしてるっつー意味ってこと、なん?」
自分がどんなあられもない体勢で、どこに土岐の手が置かれてる状態なのか、わかった上でこんなこと聞くのはすっげぇ恥ずかしかったけど。聞かずにはいられなかった。だって――。
「花火大会、一時間半もあるんだぞ?」
「もう三十分は過ぎてるから、あと一時間しかない。バルコニーでこうやって楽しめるタイムリミットまで、あと少しじゃないか」
一時間が、あと少しっ?
平然と放たれた土岐の言葉に、クラリと眩暈がした。
しつこいようだが、俺は仰向けに寝転んだ状態だけどな! ついでに言えば、俺のモノへの刺激を再開しながらの言葉だったから余計に、だぞ!
「残り、一時間。一時間ってことは……え、えーとぉ……」
本気で眩暈がしてきた。コイツのこの真顔は、本気だ。土岐なら、ヤる。ヤるよ、必ず!
つまり、あと一時間、俺は花火を見ながらこのまま身悶えるハメに……。
「ふぅぅ……仕方ないな。そんな風に喘ぎながら遠い目をされたら、予定を変更せざるを得ないじゃないか」
「ひゃあっ! あっ、それっ……あぁっ」
いきなりの刺激に、上擦った声があがった。
れろれろと乳首を舐め上げてた土岐がそれを中断し、カリッと強めに甘噛みしてきたからだ。
「朝までたっぷりコースだから、これくらいの時間配分でちょうどいいのに。次の段階に進めっていう、可愛い催促だな?」
「あっ、あっ……あぁっ!」
「俺の恋人は、実に貪欲だ」
「あっ、駄目っ! そこっ……あっ、やんっ」
それ、ほんと駄目っ。乳首をカリカリッてする、それ。感じすぎて駄目なんだって。
「ん? 『駄目』? あぁ。こうされるのが『良い』ってことだな。なら、こっちはどうだ?」
「んぁっ……やっ、あぁっ!」
背が、弓なりに大きくしなった。びくんびくんっと、腰も跳ねる。下へとずり下がった土岐の口内に、俺のモノがパクッと含まれたんだ。
――くちゅっ、ちゅうっ
「あっ、そこっ……あ、ぁっ」
含まれた先端で、土岐の舌が熱くひらめく。それに合わせて、ひくひくと腰が波打ち続けてる。
性器の形に沿って、ざらりと舐め上げる粘膜の感触が、ぬるりと甘い官能を直接伝えてくるんだよ。堪らない。
「んはっ……あんっ!」
びくんっと腰が跳ね、下腹がへこんだ。唇をすぼめて、くびれをきゅうっと強く擦りたてる動きが合間に挟まれるから。
俺が腰を揺らし、声をあげる度、くちゅっくちゅって、いやらしい水音も聞こえてくる。
そこは土岐の指でさんざんになぶられ、既に濡れそぼっていたから、どっちの水音なのかわかんない。
俺のヌメリなのか、土岐の唾液なのか。どっちにしろ、ペニスをびっしょりと濡らしてる恥ずかしい音なのは確かだ。
「はぁ……っぁ、やぁっ」
のけぞった喉から零れ出る吐息は、さっきまでのものとは比べものにならないほどに、熱い。
下腹の奥も熱い。どこもかしこも熱い。おかしくなりそう。
「ぁっ、土岐っ。それ、駄目っ……俺、駄目ぇ、っ」
助けてっ。
「ん? お前がこの愛撫を望んだんだろ? 俺は、催促された通りに予定を繰り上げただけだ」
「ひゃっ……あっ!」
やだ! そんなとこ、咥えながら喋るなよぅ。
俺にこの快感を与えてるのが、お前のあの形のいい綺麗な唇なんだって現実を、しっかりハッキリ自覚しちまうだろっ。
「あっ、あっ……はっ……あぁっ」
大好きな甘いテノールが俺の襞を震わせてるんだってことを肌で感じちゃって、余計に、ずくんって疼いちゃうだろっ。
「も、駄目……土岐ぃ……駄目ぇ、っ」
いつイってもおかしくないくらいに、とっくに張りつめてたけど、もう限界。
もぉ、確実に弾けちゃう……!
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