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恋のバカンスは、予言通りにはいかない!?
Only love #7
しおりを挟む「それに、場所のことも気にしなくていい。ここはプライベートビーチだし、三階の一色たちのことを気にする必要もない。アイツらがいる展望スペースは逆サイドだ。そもそも、お前の声は花火の音がかき消してくれてる」
けど、婉然と微笑んだ土岐によって、俺にとっての恥ずかし大問題は華麗にスルーされ。淡々と説明がなされながらチュッチュッと軽いキスが何度も唇に降ってくる。
「つまり、お前の可愛い声は俺にしか聞こえない」
「んぁっ! あっ、そこっ」
「ということで、もう少し、ここで良い声をあげておこうか」
「やぁっ……あっ、やっ、ぁんっ」
何が、『ということで』なのか。艶めいた笑みを妖しく変化させた土岐の手が俺の股間をグッと掴み、下着の上から擦りたてる動きを開始してきた。
乳首を弄られまくってる間にとっくに反応してた先端への突然の刺激に、腰が大きく跳ねてしまう。
「ん? 嫌と言ったか? そんなはずはないだろ? これは、お前が望んだことなのに」
「え? ひゃっ……あっ」
「上と下、同時に可愛がってほしいんだろう?」
「んぅっ、あ、違っ……はっ、んんっ」
言ってないよ? 俺は、どっちも選べなかっただけ。けど、問答無用で膨らみを揉みしだいてくる恋人に、それは通じない。
だって俺、「嫌」って言いながら待ってる。土岐の指が乳首に伸びてくるのを。
俺に覆い被さり、キスを仕掛けてきた相手の浴衣に胸をすりすりと擦りつけ、ふたつの粒も同時に弄ってもらえるのをすげぇ期待して待ってるんだ。
そんな俺の浅ましいおねだりに、土岐が気づかないわけがない。すぐに、舌が離れた。
そして、下の膨らみを揉みしだく手の動きは止めずに、俺を見おろす深い黒瞳がすーっと細められていく。
「そんな可愛いねだり方、どこで覚えた?」
土岐の視線と声に冷ややかなものを感じたけれど、よくわからないまま口を開く。
「え、知らない。俺、ただ、触ってほしくて、それで……」
そしたら、するっと出てた。恥ずかしい本心が。
男なのに、乳首触ってほしいとか、そんなの言えないって思ってたはずなのに。
羞恥よりも、期待と欲のほうが大きく勝ってたんだ。
「そうか。なら、いい。だが、先にこっちだな――――腰、上げろ」
「……っ、あっ」
『腰上げろ』って言われた時にはもう、下着は片側半分ずり下げられてた。そんで、無意識に命令通りに動いてた俺の腰のせいで、それは一気に剥ぎ取られてしまう。
「こんなに張りつめさせて、窮屈だったろう?」
下着が取り去られ、ふるんと勃ち上がった性器の先端に長い指が絡んでくる。
「はっ……あんっ」
すかさず強く扱かれ、ひくんっと身が波打った。
――ドーンッ
ちょうどその時、打ち上がったピンクの筋がパカッと開いて、大きなハートマークが夜空に描かれた。
うわ、なんてタイムリー。
淫らな期待で早鐘を打ったようになってる心臓が、そのハートの熱に感化されたように、さらに熱く跳ねる。
そうして、その熱に浸った思考は、俺の唇を勝手に動かしていくんだ。
「あ……もぉ、触って? なぁ、こっちも……乳首もっ」
――ドンッ、ドォン
ピンクのハートマークに続いて、オレンジと赤、青のハートマークが連続して打ち上がる。
「あっ……はぁ、っ」
藍色の空に散らばっていく光の軌跡を視界に映しながら、俺は身を波打たせてる。
「ん……や、そこっ」
「ここが、良いんだろ?」
俺の願いはすぐに聞き入れられ、土岐の熱い口腔内で胸の粒がいいようになぶられてるんだ。
さらに左手でもう片方の乳首を摘まみ、くにくにと捻りながら、下の膨らみを包んだ右手からも淫靡な刺激が送り込まれてる。
柔く緩やかに撫で回し。また、追い立てるように少しの激しさを込めて、性急に。
同時に、三箇所。しなやかな指が、緩急をつけて巧みな動きで俺を弄り倒してくる。
「んっ、あっ……やぁっ」
トロッと濡れそぼった、下腹部のくびれ部分。その先端にかかった爪が窪みにきゅっと食い込み、ビリッと走った電流に腰がうねった。
艶めかしく這い回る、しなやかで淫らな指。執拗で容赦のない、熱い唇。
土岐から与えられる全てに、身体が火照る。加えられる熱の全てに心が乱され、蕩かされる。
「はっ……ふぅ、っ、んん」
けどさ。俺、いつまでこうされてんだろ。
まさかとは思うけど、花火大会が終わるまで、ここでこの体勢が続くとか、それはないよな?
花火が上がってる間はずっと身体弄って、声をあげさせとくとか……そんなこと、まさか思ってないよな?
いくらドS属性の土岐でもさ。そんなことあるわけない、よな?
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