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キミの囁きに、震える。

#4

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「ん? 今の言葉で感じたのか? お前……まさか本当に、花宮先輩との淫らな妄想を思い浮かべたりしたんじゃないだろうな? もしくは、そういう願望があるか、だが」

 眼鏡の奥の黒瞳がすうっと細められ、鋭い視線が低い声とともにレンズ越しに突き刺さってきた。

「……違っ。俺が好きなのは、お前だけっ。お前が俺をこんなに熱くさせるから、それで俺っ……こんな風におかしくなっちゃうんだってば」

 これは本当だ。だって、実際、土岐にしか感じない。

 土岐が触れた耳だから、こんなにいつまでも熱を持ってるんだ。

 ヤキモチを妬いてくれるから、宮さまの幻影だって見てしまう。

「あぁ……ふっ、そうか。こっちも触ってもらいたくて待ってるのか? 仕方ない。まだ焦らしてやろうかと思っていたが」

 必死で言い募った俺の本心に、唇を引き上げて意地悪な笑みを浮かべた土岐の手が動いた。下に、向かって。

「あ……」

 背中を支えてくれていたほうの手が、ユニフォームパンツの後ろ側から、するりと中に滑り込んでくる。

「あ……っ、んっ」

 下着の上からでもハッキリとわかる、肌をなぞる指の感触に、ひくりと身が震えた。

 俺を震わせた指が、双丘をするりと撫でおろしてから前に回っていく。

「あっ、そこっ……あっ、あぁっ……」

 俺が待ちかねていたその中心に、土岐の手の温もりが、ぴたりと添えられた。

 あぁ、待ってた。これを待ってたんだ。

 ふるふると揺れながら、そこに触れてくれるのを待ってた先端で、土岐の親指がぬるりと円を描く。

「ふぁっ……ああ、ん……ぁっ」

 ヌメリを帯びた部分で与えられる刺激に身体の力が抜け、視界もにじんでいく。

 支えがほしくて、熱い吐息を吐き出し続ける口を開けたまま、体重を預けてすがりつけば。

「もっと、欲しいか?」

 ヌメリを楽しむようにゆるゆると動いていた指先が不意に止まり、爪先が窪みにくっと食い込んできた。そのまま、きゅうっと力を込められる。

「んあっ……あぁっ、土岐ぃ……」

 腰が跳ねる。波打つように揺れて、止められない。

 強い刺激と、俺に注がれる土岐の愉しそうな表情の両方に、身体の芯が熱く蕩けていく。

「いいか? たっぷりと悦くしてやるから、ちゃんと声をあげて、舌を出せ。――ほら、お前のイイところは、ここだろう?」

「んはっ……あぁ、っ……あっ、んんっ」

 うん、そこ。待ってたのは、そこだよ?

 だから、もっと弄って? もっと。

 俺、お前の手で、おかしくなりたい。

 もっと。もっと、くれよ。

 いくらでも、舌、差し出すから――。


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