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キミの囁きに、震える。
#2
しおりを挟むもっと、もっと欲しいんだ。
身悶えながら求め、ただ目に映すのは土岐の綺麗な黒瞳だけ。
それだけを見つめ、官能に震える唇から『もっと』と唇の動きだけで伝えれば。眼鏡の奥の瞳がそれとわかるほどに見開き、ゆっくりと艶麗に細められる。
「俺に、こうされるのが、好きか?」
頬を撫でながらの、密やかな問いかけ。
「うんっ、土岐が……お前の指が、いいっ」
その優しい声が嬉しくて、ちゃんとわかってもらいたくて。頬に触れる手に手を重ね、正直に言い募る。
「ん、良い返事だ」
それが伝わったのか、形のいい唇が満足げにつり上がり、さらに先端への刺激が強くなった。
「はっ……あっ、ぁんっ」
「こっちにも、欲しいんだろう?」
「んぁっ……あぁっ……そっち、も? ふっ……んっ、んんっ」
艶やかに低く尋ねられた時には、もう片方の先端も、きゅうっと摘み上げられていた。
素直になった褒美として与えられたのだとわかる、その刺激に。腰まで突き抜けるような快感に。涙で滲んだ目元をそのままに、うんうんと激しく首を縦に振り続けるしかない。
「そういえば、ユニフォーム姿で乱れるお前を見るのは、これが初めてか。ふふっ、なんだか新鮮な気分だな」
「んっ……今日は、練習試合の後だからじゃん。あっ、ふぁ……あぁっ」
「だな。けど、練習用のTシャツ姿よりも、こっちのほうがどこかエロく感じるぞ。お前」
左右の胸の粒をくにくにと弄りながら、土岐が愉しそうに笑ってるが、俺こそ新鮮な気分だ。
普段は、度が過ぎるほどにストイックな印象の土岐が、ユニフォーム姿でこんなに淫靡に笑ってるところなんて誰が想像するだろう。
土岐が、いつも『可愛い』と言い、丹念に可愛がってくれる胸の突起。
ふたつの粒を長い指が順になぞり、きゅっと摘み上げれば、背筋が伸びて息が上がっていく。
捏ねながらギュッと押し潰される刺激に声を上げ、身を震わせる俺に意地悪な言葉が投げかけられる。
そうして、また立ち上げた粒を際限なく可愛がっては、俺をトロトロにおかしくさせていくんだ。
「あぁ、土岐ぃ……はぁっ……あっ」
「可愛い。もっとその声、聞かせろよ」
「ぁんっ……あっ……はぁ、ああぁっ」
あぁ……この刺激、マジで好き。
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