リナリアの夢

終章

リナリアの夢【３】

　大好きなブルーグレーの瞳が、愛を告げながら近づいてくるのを幸福に浸って待つ。



　——僕を見て。この恋に気づいて。



　リナリアに託した乃亜の想いは、愛しい熱をくれる年下の恋人と紡ぐ未来で新たな花を咲かせるのだろう。


「乃亜？　一緒に住む話、今日が初日ってことでいい？　がっついてるって思われるかもだけど。俺、もう一日も離れたくないんだ」

「もちろん。ワンルームですけど、うちに来てください。次の休みには、もっと広い家を探しに行きましょう」

「ワンルームかぁ。出来るだけ手加減するけど、めっちゃ啼かせたら、ごめん」



　恋を告げ、愛を与え、二人で見られる至福の夢を抱きしめる日々には、明るい希望しかない。







【了】