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キミとふたり、ときはの恋。【第二話】

立葵に、想いをのせて【4−3】

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「どうだった? TRICOLOREは。長時間いたから疲れたんじゃない?」
「すっごく楽しかった。お料理も美味しかったし、お店の雰囲気も居心地も最高だったわぁ。奏人こそ、お疲れ様。長時間の立ち仕事で疲れたでしょ?」
 お互いにねぎらいの言葉を掛け合って、手に持ったドリンクを同時にひと口飲んだ。
 問題集を買うという奏人につき合って書店に寄った後、私の家に向かう途中の公園で休憩中。私のお母さんに奏人が電話してくれて、ちょっとだけ寄り道することにしたの。
 移動販売のカフェで買ったほうじ茶ラテをベンチに座って飲みながら、私の頭の中は奏人への質問のことでいっぱいだ。
 けれど、ちゃんと順序立てて聞かないと、と思えば思うほど、何から話せばいいのかわからなくなってきた。
 でも、これを飲んだらもう帰らなくちゃいけないから。だから――。
「あのっ! かっ、奏人っ? ちょっと質問いいですかっ?」
「ん? いいよ、何?」
 いきなりの『質問』なのに、真っ直ぐ目を見て聞き返してくれたのが嬉しくて、さらに続けた。
「えとえと、先週ね、お店に学校のお友達が来てたって聞いたんだけど。そ、その人、誰ですかっ」
「え? 『誰』って。マネージャーだけど? 部活の」
「え……」
 マネージャーって……やっぱり、都築さんだったんだ。私、そのこと、聞いてないよ?
「涼香? どうしたの?」
 強張った頬に、優しく手が添えられた。
「かな……」
 確認するまでもないのかな? でも、聞かないと。
「マネージャーさんって……都築さん?」
「うん。都築だけじゃないけどね、来たのは。監督がさ、一緒に連れてきたんだよ。有馬キャプテンとマネージャーたちを」
「えっ。マネージャー、たち?」
 マネージャー『たち』って……。
「そう。前に言ったろ? 監督の元教え子が青司さんだって」
「あっ」
 そうだ。聞いてたわ、私。
 バスケ部の顧問の橘先生。その元教え子が御園さんで、だから奏人のバイトの許可もすんなり下りたんだった。
「俺は、どうせ来るなら、有馬キャプテンと二人で来てほしかったけどね。先輩のマネージャーがうるさく絡んできて、かなり迷惑だったよ」
「そっ、それ! それよ! 女子がベタベタ触ってたって聞いたから! それで私っ……あっ」
 しまった! 気になってたことだから、つい口から出ちゃった。
 うわわ。私、こんなに前のめりで意気込んじゃって、どうしよう。
 えーと……ちょっと席を立っても、いいですか?


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