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第55話 二学期期末試験
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ガバっと体を起こす。
遅れて電子音が鳴る。
早朝の寒さが俺を襲うが素早い動きでスマホを止めた。
寒い、と思いながらも暖房をつけずにベッドから降りる。
体を震わせつつ眠気を取り払いキッチンへと向かった。
今日の朝食は軽くトーストだ。
いつものように腹いっぱいに食べると眠気がきてしまうからな。
今日は何せ二学期期末試験当日。
試験中に眠気が来たら洒落にならない。
皿を片付け再度部屋に行き単語帳で復習しているとアラームが再度鳴る。
もう時間か、と思いながらもいつもよりも三十分早い登校をした。
★
案の定というか、示し合わせていないのにマンション前で愛莉とばったり会った。
笑みを浮かべていたが顔には緊張していると書いていた。
少しの談笑を挟みつつ俺達は学校に着いた。校舎全体が異様な雰囲気になっており、いつもの校舎と比較するとまるで異世界に迷い込んだような感じを受ける。
校舎内を歩くが静寂の一言。
ピリついた空気の中、俺達は教室へ行き、わかれてそれぞれ席に座った。
席に着くと俺の前の席には女顔の友人が座っているのを発見。
けれど話掛けれるような雰囲気ではない。
パラパラと教科書を捲り最後の詰めをしていた。
紙を捲る音が教室のあちこちでする中、俺も自主勉を開始する。
俺だって負けていられないのだ。
今日だけは皆がライバル。
学年一位、とまでいわなくても多くの人が上位三十位を狙っているだろうから足元をすくわれないようにしないといけない。
教科書を捲っているとチャイムが鳴る。
同時に担任の大黒先生が入ってきて今日の説明をだるそうに言う。
総合的な試験の注意点を言わないといけないことはわかるが、せめて隠してほしい。
学園のアイドルだからこそ許されているが、他の先生が同じ口調で話すと割とガチで殺気を飛ばされると思うから。
「よし。質問はないか? よしないな。むしろするな。ま、健闘を祈るよ」
大黒先生は教師らしくない言葉を吐いて全体を見渡す。
一瞬愛莉の所で目がとまり、そして俺の方を向き、にやぁと嫌な笑みを浮かべて「SHRは終わりだ」と言い出入り口に向かう。
ほぼ同時にチャイムが鳴って朝のSHRが終わった。
★
冷たい熱気が漂う中、最初の科目がやってくる。
最初は現国。担当の先生が大きめの籠を持って教室に入って来た。
復習をする俺達の前でゆっくりと準備をする先生。
正直早くして欲しいと思うのだが、この先生はいつもゆっくりおっとりしているため期待しても無駄だろう。
「では資料などをしまってください」
ゆっくりとした口調で時間が迫っているのを告げる。
ザ、ザと音が鳴る中俺も机の横に掛けてある鞄の中に資料をしまう。
不正防止のためかテストの時は学校指定鞄の中に資料を全部入れるようになっている。
これがどれほどの効果があるのかわからないが、置き勉している人の鞄はすぐわかる。
一先ず机の中も空にする。
スマホもきっちり切り不正にならないように他の要点もクリアしていく。
しかしここまでやって毎回不正・不正疑惑でゼロ点の人が出るのだから不思議である。
時計の針が一分前を指す。
測ったかのように先生が移動を始める。テスト用紙を手に取って「配りますよ」と言いながら一番前の生徒にテスト用紙を裏側で渡す。
受け取った生徒は何も言わずに後ろへ回している。
回している人から視線を正面に戻すとトモが俺にテスト用紙を渡してきた。
それを無言で受け取り後ろに回す。
後ろの人が受け取ったのを確認し正面を向いた。
「わかっているとは思いますけど、不正はしないでくださいね? 」
先生がぐるりと周りを見渡しテスト用紙が行き渡ったことを確認し、口を開いた。
いつもならほんわかするだろう言い方なのだが今日に限ってはその愛嬌は毒だ。
緊張が高まる中時計の音だけが部屋に響く。
空気がピリつく中、——
「では始めてください」
鐘と同時に試験が始まった。
遅れて電子音が鳴る。
早朝の寒さが俺を襲うが素早い動きでスマホを止めた。
寒い、と思いながらも暖房をつけずにベッドから降りる。
体を震わせつつ眠気を取り払いキッチンへと向かった。
今日の朝食は軽くトーストだ。
いつものように腹いっぱいに食べると眠気がきてしまうからな。
今日は何せ二学期期末試験当日。
試験中に眠気が来たら洒落にならない。
皿を片付け再度部屋に行き単語帳で復習しているとアラームが再度鳴る。
もう時間か、と思いながらもいつもよりも三十分早い登校をした。
★
案の定というか、示し合わせていないのにマンション前で愛莉とばったり会った。
笑みを浮かべていたが顔には緊張していると書いていた。
少しの談笑を挟みつつ俺達は学校に着いた。校舎全体が異様な雰囲気になっており、いつもの校舎と比較するとまるで異世界に迷い込んだような感じを受ける。
校舎内を歩くが静寂の一言。
ピリついた空気の中、俺達は教室へ行き、わかれてそれぞれ席に座った。
席に着くと俺の前の席には女顔の友人が座っているのを発見。
けれど話掛けれるような雰囲気ではない。
パラパラと教科書を捲り最後の詰めをしていた。
紙を捲る音が教室のあちこちでする中、俺も自主勉を開始する。
俺だって負けていられないのだ。
今日だけは皆がライバル。
学年一位、とまでいわなくても多くの人が上位三十位を狙っているだろうから足元をすくわれないようにしないといけない。
教科書を捲っているとチャイムが鳴る。
同時に担任の大黒先生が入ってきて今日の説明をだるそうに言う。
総合的な試験の注意点を言わないといけないことはわかるが、せめて隠してほしい。
学園のアイドルだからこそ許されているが、他の先生が同じ口調で話すと割とガチで殺気を飛ばされると思うから。
「よし。質問はないか? よしないな。むしろするな。ま、健闘を祈るよ」
大黒先生は教師らしくない言葉を吐いて全体を見渡す。
一瞬愛莉の所で目がとまり、そして俺の方を向き、にやぁと嫌な笑みを浮かべて「SHRは終わりだ」と言い出入り口に向かう。
ほぼ同時にチャイムが鳴って朝のSHRが終わった。
★
冷たい熱気が漂う中、最初の科目がやってくる。
最初は現国。担当の先生が大きめの籠を持って教室に入って来た。
復習をする俺達の前でゆっくりと準備をする先生。
正直早くして欲しいと思うのだが、この先生はいつもゆっくりおっとりしているため期待しても無駄だろう。
「では資料などをしまってください」
ゆっくりとした口調で時間が迫っているのを告げる。
ザ、ザと音が鳴る中俺も机の横に掛けてある鞄の中に資料をしまう。
不正防止のためかテストの時は学校指定鞄の中に資料を全部入れるようになっている。
これがどれほどの効果があるのかわからないが、置き勉している人の鞄はすぐわかる。
一先ず机の中も空にする。
スマホもきっちり切り不正にならないように他の要点もクリアしていく。
しかしここまでやって毎回不正・不正疑惑でゼロ点の人が出るのだから不思議である。
時計の針が一分前を指す。
測ったかのように先生が移動を始める。テスト用紙を手に取って「配りますよ」と言いながら一番前の生徒にテスト用紙を裏側で渡す。
受け取った生徒は何も言わずに後ろへ回している。
回している人から視線を正面に戻すとトモが俺にテスト用紙を渡してきた。
それを無言で受け取り後ろに回す。
後ろの人が受け取ったのを確認し正面を向いた。
「わかっているとは思いますけど、不正はしないでくださいね? 」
先生がぐるりと周りを見渡しテスト用紙が行き渡ったことを確認し、口を開いた。
いつもならほんわかするだろう言い方なのだが今日に限ってはその愛嬌は毒だ。
緊張が高まる中時計の音だけが部屋に響く。
空気がピリつく中、——
「では始めてください」
鐘と同時に試験が始まった。
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