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初仕事はヤマタノオロチ退治!?
初仕事はヤマタノオロチ退治!?
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「これで精霊オーディション合格ってことだよね! 晴れてわたしもみうちゃんもアイドルだーーっ! やったぁ!!」
「マイコは今はF級だけど、もとはS級の凄腕精霊わら!」
へぇ、この精霊さんはマイコって名前なのか。
「スカウトするに値する人間がいなかったから契約しなかったどすえ。ちなみにツクヨミはんとは100年来の友達どす」
精霊って長生きなんだな。
「ねぇねぇ、それでさ、初仕事はなんなの? ドラマ? CM? 読者モデル?」
「この世界の娯楽は人間が物怪と戦う姿を見ることどすえ。テレビもYouTubeもその話題ばかりどす」
「なんだか、古代ローマのコロッセオみたいですね」
「なにそれ?」
「剣闘士という戦士が猛獣などと戦うことがエンターテインメントだったらしいです」
みうちゃんは物知りで頼もしいな。
「そういえばさ、物怪ってなんなの? 倒すと消えちゃうし、生き物じゃないみたい」
「アイドルになったからには教えてあげるどす。物怪は地球という世界の人が見た悪夢どすえ。物怪を倒すことで、地球の人たちの病気を治したり、気持ちを落ち着かせたりできるどす。最近は特に物怪が増えているみたいどすえ」
「そうなんだね。ここで頑張れば、みんなを元気にできるし、地球でも人気アイドルになれるなんて最高じゃない! わたし戦うよ!」
「あたしも頑張ります!」
みうちゃんもやる気に燃えている。
「では、初仕事はヤマタノオロチ退治を命じるどす」
「えええっ!? それはHIBIKIのメンバーでも手こずるわらよ?」
「つかみが大事どすえ。いきなり100万再生を狙うどす」
ひ、100万再生。わたしがクマに化けたツクヨミをぶっとばした動画でも100再生だったのに。
「精霊オーディションに合格したみたいだな」
ヒカルくんが森の中に入ってきた。
「友達のマイコわら。仲良くしてわら」
「そうなんだね。おめでとう、ふたりとも」
「それがね、次の仕事はヤマタノオロチ退治みたいなの」
わたしの言葉にヒカルくんが目を丸くした。
「おい! ふたりを殺す気かよ?」
「このふたりならできると思っただけどすえ」
「じゃあ、こういうのはどうだい。コラボ動画。みんなでヤマタノオロチを退治しようじゃないか」
「うーん……」
マイコちゃんは考えているみたい。わたしとしてはタケルくんと一緒に戦えるほうが嬉しいけれど。
「コラボ動画は人気アップのチャンスどすえ! わかったどす。認めるどすえ。じゃあ、ふたりに契約の剣を与えるどす」
光の粒は剣の形になって、次第に光が収まると巨大な剣になった。
「わたしの武器はずいぶんと大きいんだね。でも、すごく軽い。片手で振り回せるよ」
わたしはその場で剣を振るってみた。すごい力があるとは思えないが、アイドルの力があればどうなるのか見てみたい。
「あたしの武器はレイピアっていう細身の剣ですね! がんばります!」
「じゃあ、契約もできたし、ドラゴンでまた戻ろうか」
タケルくんが首飾りを握りしめるとまたドラゴンが飛んで来た。ものすごく便利だけれど、わたしって飛行機とかジェットコースターが実は苦手なんだよね。ひとりでは操縦できないかな。
「空の旅は楽しいですよね!」
みうちゃんは空の旅が得意みたいだ。意外に勇敢なのかもしれない。
「マイコは今はF級だけど、もとはS級の凄腕精霊わら!」
へぇ、この精霊さんはマイコって名前なのか。
「スカウトするに値する人間がいなかったから契約しなかったどすえ。ちなみにツクヨミはんとは100年来の友達どす」
精霊って長生きなんだな。
「ねぇねぇ、それでさ、初仕事はなんなの? ドラマ? CM? 読者モデル?」
「この世界の娯楽は人間が物怪と戦う姿を見ることどすえ。テレビもYouTubeもその話題ばかりどす」
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「なにそれ?」
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「そうなんだね。ここで頑張れば、みんなを元気にできるし、地球でも人気アイドルになれるなんて最高じゃない! わたし戦うよ!」
「あたしも頑張ります!」
みうちゃんもやる気に燃えている。
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ひ、100万再生。わたしがクマに化けたツクヨミをぶっとばした動画でも100再生だったのに。
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ヒカルくんが森の中に入ってきた。
「友達のマイコわら。仲良くしてわら」
「そうなんだね。おめでとう、ふたりとも」
「それがね、次の仕事はヤマタノオロチ退治みたいなの」
わたしの言葉にヒカルくんが目を丸くした。
「おい! ふたりを殺す気かよ?」
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「じゃあ、こういうのはどうだい。コラボ動画。みんなでヤマタノオロチを退治しようじゃないか」
「うーん……」
マイコちゃんは考えているみたい。わたしとしてはタケルくんと一緒に戦えるほうが嬉しいけれど。
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「わたしの武器はずいぶんと大きいんだね。でも、すごく軽い。片手で振り回せるよ」
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