121 / 131
第四章
115話 闇の天使
しおりを挟む
オーリックの姿は衝撃的だった。
首と両の手足が切り落とされている。
不謹慎だが組み立てる前のプラモデルを思い出した。それぐらい現実味が無かった。
「これ、クロノがやったのよ。一瞬だったわ」
息を呑む俺に傍らのミアンが説明してくれる。
俺は最早動くことの無いオーリックを凝視する。魔物の姿のまま息絶えた彼を。
今いる場所はキルケーの魔力と俺たちの夢で作られた精神世界だ。
だから今目の前にあるオーリックの死体は現実の肉体ではない。
それでも。
「今この場で精神が死んだなら肉体があったところで無意味でしょうね」
魂が複数あったり死の淵から戻ってこられたなら話は別ですが。
そう声をかけてきたのはクロノだった。青年の姿の方だ。
「その姿……」
俺が驚いて出した声にクロノは苦笑いで答えた。
今の彼は背後の景色が透けて見えるぐらいに幽かな存在となっている。
きっと姿を保持する為の魔力が足りていないのだ。
「気にしないで。どの道僕が消えるのは当たり前のことなのだから」
「でも……」
「彼だって、役目を終えて消えたのでしょう?」
彼とは、あのアルヴァのことを言っているのだろう。俺は無言で頷いた。
「あの人の場合、役目というよりやりたいことをやったという感じでしょうけど……忘れないであげてくださいね」
「忘れられないよ、忘れられない」
「羨ましいです」
そう消え入りそうな笑みを浮かべて黒髪の青年は言った。
「クロノ……」
「御覧の通り貴男が死にかけていた間にオーリックの脅威は消えました。そしてキルケーの姿も消えた」
代わりに問題が一つ生じました。空気を切り替えるようにクロノは言う。
「本物の方のクロノは自身に限界まで強化を行い、オーリックを屠った。そして返す刀でキルケーに襲い掛かりました」
「凄い気迫とスピードだったわよ。私の目では追えない位に」
ミアンの捕捉に自己強化をしたクロノならそうだろうなと俺は納得する。
「貴男が致命傷を受けたことで激高した彼女は実力以上の強さでした。だから魔族とはいえキルケーが押されていてもおかしくないと感じた」
それが間違いだった。青年の方のクロノが後悔を浮かべる。
「キルケーの表情には本物の焦りが合った。クロノが想定外の強さだったのでしょう。だがあの女魔族はどこまでも狡猾だった」
「私もね、絶対あの魔族はクロノに倒されたって思ったのよ。凄い叫び声あげて消えたし……大した女優ぶりよね」
ミアンの悔しそうな言葉に嫌な予感がどんどんと増してくる。
「キルケー自身は剣で貫かれあっさり消失しました、しかし最後の最後に……」
半透明の青年が後ろを振り返る。彼が何か唱えた途端に何もなかった地面にそれは現れた。
「え……」
呆けた声を俺は上げる。一瞬、クロノだと気づけないぐらい彼女は変貌していた。
短く切り揃えられていた黒髪は地面につく程長くなっていた。まるで漆黒のマントのようだ。
そして身に着けていた衣服はボロキレのようになっていて髪の間から白い肌が見えていた。
けれど、それだけではない。
頭には山羊の角のようなものが生え、額の中心には禍々しく赤い紋章が浮かんでいる。
そしてクロノの背中からは黒い羽根が何枚も生えていた。蝙蝠と鳥の羽が奇妙に混ざり合っている。
変わり果てた彼女は抜き身の剣を大事そうに抱えて地面へ座り込んでいた。それは俺が与えた剣だ。
その瞳は固く閉じられていたが、血のような涙が止まることはなく流れ続けていた。
「クロノ……!」
そのままにしておくことなど出来ず俺は彼女に駆け寄ろうとする。
しかしそれは女炎術師によって止められた。
「駄目っ!」
「離してくれ、ミアン!」
「今クロノに近づいたら呪われちゃうのよ!」
「呪い?」
俺は単語に反応し抵抗を止めた。
「クロノのいる場所、凄い瘴気が渦巻いているの。あの娘の膨大な魔力が呪詛として暴走しているのよ」
そう言われて目を凝らすが、魔力を持たない俺にそれは感知できなかった。
ただ魔族のような姿になったクロノを視界に映していると、どんどん目がぼやけていく。そして痛みが生じ始めた。
悪化しまくったドライアイのようだ。
「彼女を見続けるのははやめて、その内その目や口から血が噴き出す羽目になるわよ」
「それは先に言ってくれ……!」
ミアンの言葉に慌てて視線を逸らす。彼女の額には汗が浮かんでいた。
今のクロノにこの距離で近づくこと自体が魔力の多い者は辛いのかもしれない。
「ミアン、苦しいならここから離れた方が」
「あんたがオーリックに殺されかけた後、クロノの魔力が一気に膨れ上がった。あっという間にオーリックがバラバラになっていた」
俺の言葉を無視するように彼女は声を発した。感情を押し殺したような声だった。
「そしてすぐクロノは女魔族と戦っていた。二人とも凄かったわ。でもクロノは女魔族に対し常に優勢に見えた」
そこに希望を見出してクロノを応援しだす冒険者たちも居た程だ。
ミアンの言葉に俺は彼らの姿を探した。だが容易に視認できる場所にはいなかった。
嫌な予感がする。
「魔族の姿はどんどん醜く、そして猛獣のようになっていった。爪は鋏のように尖り長い牙は口の中に収まらなくなり……そのどちらもクロノの体を傷つけていた」
けれどクロノは近接戦を止めることなく、最終的に魔族の胸を剣で貫いて戦いは終わった。
女炎術師は締めくくるように語り、けれど「だったら良かったのに」と小声で付け足す。
ふらりとよろめいたのを慌てて支えた。
「魔族が塵になった後、クロノは剣を握りしめたままボロボロと泣き始めた。私は彼女に声をかけようと近づいたの。……そして気づいた」
透明な涙が、どんどん赤黒くなっていくことに。
そしてクロノの肌に魔族の爪がつけた傷が全て魔術文字の形をしていることに。
けれど気づいた時には遅かった。
「やばいと思って、距離を取ろうとした瞬間酷い寒気と虚脱感がした。……そう、少し前に魔力封印を受けた時みたいに」
「魔力封印……」
俺がミアンの呆然と言葉を繰り返すと半透明の青年が詳しく説明してきた。
「封印とは少し違いますけどね、今の彼女が行っているのは魔力吸収。ただ……」
「ただ?」
「現状優先されてるのは魔力ですが、それが無くなれば生命力が吸われると思います」
だから他の冒険者たちは魔族化したクロノの視界に入らないようなるべく距離を置いて息を殺しているのです。
青年の言葉に俺は自分から遠く離れた暗がりを振り向いた。
確かに人の気配がするかもしれない。
「でも、それも意味ないかも。この距離でさえ吸われている感覚がするもの。少し前まではそうじゃなかった」
あの娘、範囲を広げているのよ。
ミアンの言葉に俺は唾を飲み込んだ。
首と両の手足が切り落とされている。
不謹慎だが組み立てる前のプラモデルを思い出した。それぐらい現実味が無かった。
「これ、クロノがやったのよ。一瞬だったわ」
息を呑む俺に傍らのミアンが説明してくれる。
俺は最早動くことの無いオーリックを凝視する。魔物の姿のまま息絶えた彼を。
今いる場所はキルケーの魔力と俺たちの夢で作られた精神世界だ。
だから今目の前にあるオーリックの死体は現実の肉体ではない。
それでも。
「今この場で精神が死んだなら肉体があったところで無意味でしょうね」
魂が複数あったり死の淵から戻ってこられたなら話は別ですが。
そう声をかけてきたのはクロノだった。青年の姿の方だ。
「その姿……」
俺が驚いて出した声にクロノは苦笑いで答えた。
今の彼は背後の景色が透けて見えるぐらいに幽かな存在となっている。
きっと姿を保持する為の魔力が足りていないのだ。
「気にしないで。どの道僕が消えるのは当たり前のことなのだから」
「でも……」
「彼だって、役目を終えて消えたのでしょう?」
彼とは、あのアルヴァのことを言っているのだろう。俺は無言で頷いた。
「あの人の場合、役目というよりやりたいことをやったという感じでしょうけど……忘れないであげてくださいね」
「忘れられないよ、忘れられない」
「羨ましいです」
そう消え入りそうな笑みを浮かべて黒髪の青年は言った。
「クロノ……」
「御覧の通り貴男が死にかけていた間にオーリックの脅威は消えました。そしてキルケーの姿も消えた」
代わりに問題が一つ生じました。空気を切り替えるようにクロノは言う。
「本物の方のクロノは自身に限界まで強化を行い、オーリックを屠った。そして返す刀でキルケーに襲い掛かりました」
「凄い気迫とスピードだったわよ。私の目では追えない位に」
ミアンの捕捉に自己強化をしたクロノならそうだろうなと俺は納得する。
「貴男が致命傷を受けたことで激高した彼女は実力以上の強さでした。だから魔族とはいえキルケーが押されていてもおかしくないと感じた」
それが間違いだった。青年の方のクロノが後悔を浮かべる。
「キルケーの表情には本物の焦りが合った。クロノが想定外の強さだったのでしょう。だがあの女魔族はどこまでも狡猾だった」
「私もね、絶対あの魔族はクロノに倒されたって思ったのよ。凄い叫び声あげて消えたし……大した女優ぶりよね」
ミアンの悔しそうな言葉に嫌な予感がどんどんと増してくる。
「キルケー自身は剣で貫かれあっさり消失しました、しかし最後の最後に……」
半透明の青年が後ろを振り返る。彼が何か唱えた途端に何もなかった地面にそれは現れた。
「え……」
呆けた声を俺は上げる。一瞬、クロノだと気づけないぐらい彼女は変貌していた。
短く切り揃えられていた黒髪は地面につく程長くなっていた。まるで漆黒のマントのようだ。
そして身に着けていた衣服はボロキレのようになっていて髪の間から白い肌が見えていた。
けれど、それだけではない。
頭には山羊の角のようなものが生え、額の中心には禍々しく赤い紋章が浮かんでいる。
そしてクロノの背中からは黒い羽根が何枚も生えていた。蝙蝠と鳥の羽が奇妙に混ざり合っている。
変わり果てた彼女は抜き身の剣を大事そうに抱えて地面へ座り込んでいた。それは俺が与えた剣だ。
その瞳は固く閉じられていたが、血のような涙が止まることはなく流れ続けていた。
「クロノ……!」
そのままにしておくことなど出来ず俺は彼女に駆け寄ろうとする。
しかしそれは女炎術師によって止められた。
「駄目っ!」
「離してくれ、ミアン!」
「今クロノに近づいたら呪われちゃうのよ!」
「呪い?」
俺は単語に反応し抵抗を止めた。
「クロノのいる場所、凄い瘴気が渦巻いているの。あの娘の膨大な魔力が呪詛として暴走しているのよ」
そう言われて目を凝らすが、魔力を持たない俺にそれは感知できなかった。
ただ魔族のような姿になったクロノを視界に映していると、どんどん目がぼやけていく。そして痛みが生じ始めた。
悪化しまくったドライアイのようだ。
「彼女を見続けるのははやめて、その内その目や口から血が噴き出す羽目になるわよ」
「それは先に言ってくれ……!」
ミアンの言葉に慌てて視線を逸らす。彼女の額には汗が浮かんでいた。
今のクロノにこの距離で近づくこと自体が魔力の多い者は辛いのかもしれない。
「ミアン、苦しいならここから離れた方が」
「あんたがオーリックに殺されかけた後、クロノの魔力が一気に膨れ上がった。あっという間にオーリックがバラバラになっていた」
俺の言葉を無視するように彼女は声を発した。感情を押し殺したような声だった。
「そしてすぐクロノは女魔族と戦っていた。二人とも凄かったわ。でもクロノは女魔族に対し常に優勢に見えた」
そこに希望を見出してクロノを応援しだす冒険者たちも居た程だ。
ミアンの言葉に俺は彼らの姿を探した。だが容易に視認できる場所にはいなかった。
嫌な予感がする。
「魔族の姿はどんどん醜く、そして猛獣のようになっていった。爪は鋏のように尖り長い牙は口の中に収まらなくなり……そのどちらもクロノの体を傷つけていた」
けれどクロノは近接戦を止めることなく、最終的に魔族の胸を剣で貫いて戦いは終わった。
女炎術師は締めくくるように語り、けれど「だったら良かったのに」と小声で付け足す。
ふらりとよろめいたのを慌てて支えた。
「魔族が塵になった後、クロノは剣を握りしめたままボロボロと泣き始めた。私は彼女に声をかけようと近づいたの。……そして気づいた」
透明な涙が、どんどん赤黒くなっていくことに。
そしてクロノの肌に魔族の爪がつけた傷が全て魔術文字の形をしていることに。
けれど気づいた時には遅かった。
「やばいと思って、距離を取ろうとした瞬間酷い寒気と虚脱感がした。……そう、少し前に魔力封印を受けた時みたいに」
「魔力封印……」
俺がミアンの呆然と言葉を繰り返すと半透明の青年が詳しく説明してきた。
「封印とは少し違いますけどね、今の彼女が行っているのは魔力吸収。ただ……」
「ただ?」
「現状優先されてるのは魔力ですが、それが無くなれば生命力が吸われると思います」
だから他の冒険者たちは魔族化したクロノの視界に入らないようなるべく距離を置いて息を殺しているのです。
青年の言葉に俺は自分から遠く離れた暗がりを振り向いた。
確かに人の気配がするかもしれない。
「でも、それも意味ないかも。この距離でさえ吸われている感覚がするもの。少し前まではそうじゃなかった」
あの娘、範囲を広げているのよ。
ミアンの言葉に俺は唾を飲み込んだ。
10
お気に入りに追加
1,367
あなたにおすすめの小説
フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!
テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~【加筆修正版】
永倉伊織
ファンタジー
神の力によって異世界に転生した長倉真八(39歳)、転生した世界は彼のよく知る「異世界小説」のような世界だった。
転生した彼の身体は20歳の若者になったが、精神は何故か39歳のおっさんのままだった。
こうして元おっさんとして第2の人生を歩む事になった彼は異世界小説でよくある展開、いわゆるテンプレな出来事に巻き込まれながらも、出逢いや別れ、時には仲間とゆる~い冒険の旅に出たり
授かった能力を使いつつも普通に生きていこうとする、おっさんの物語である。
◇ ◇ ◇
本作は主人公が異世界で「生活」していく事がメインのお話しなので、派手な出来事は起こりません。
序盤は1話あたりの文字数が少なめですが
全体的には1話2000文字前後でサクッと読める内容を目指してます。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
家ごと異世界ライフ
ねむたん
ファンタジー
突然、自宅ごと異世界の森へと転移してしまった高校生・紬。電気や水道が使える不思議な家を拠点に、自給自足の生活を始める彼女は、個性豊かな住人たちや妖精たちと出会い、少しずつ村を発展させていく。温泉の発見や宿屋の建築、そして寡黙なドワーフとのほのかな絆――未知の世界で織りなす、笑いと癒しのスローライフファンタジー!
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
全能で楽しく公爵家!!
山椒
ファンタジー
平凡な人生であることを自負し、それを受け入れていた二十四歳の男性が交通事故で若くして死んでしまった。
未練はあれど死を受け入れた男性は、転生できるのであれば二度目の人生も平凡でモブキャラのような人生を送りたいと思ったところ、魔神によって全能の力を与えられてしまう!
転生した先は望んだ地位とは程遠い公爵家の長男、アーサー・ランスロットとして生まれてしまった。
スローライフをしようにも公爵家でできるかどうかも怪しいが、のんびりと全能の力を発揮していく転生者の物語。
※少しだけ設定を変えているため、書き直し、設定を加えているリメイク版になっています。
※リメイク前まで投稿しているところまで書き直せたので、二章はかなりの速度で投稿していきます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる