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第三章
55話 主役は遅れてやってくる
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火猪についてだが、実は存在だけは以前から知っていた。
知の女神エレナから貰ったスキル本の写しに記載があったからだ。
剣士用高位スキル『魔獣斬り』の取得条件としてこの魔物の討伐が必須と書かれていた。
金級以上推奨の高位スキルなのに求められる数は一体、その時点で弱い敵ではないことがわかる。
しかし火猪の生息地域について本では火山や岩石地帯、一部の洞窟などと記載されていた。
この街は全く条件に当てはまらない。
毒スライムが森の奥に居た件といいおかしなことばかりだ。
そんなことを考えながら俺は数メートル離れた先の赤い猪を睨んだ。
「大人しくお家に帰ってくれるなら見逃してやっても……無理か」
半分冗談で半分本気だった台詞を言い終わる前に魔物は突進してくる。
体当たりを食らうつもりはない。下手に組み合ったらこちらの体まで燃えてしまうからだ。
俺は賭けに出る。
巨大スライム戦後、死にかけた俺はエレナの神殿で新しいスキルを得た。
それは自分より高いレベルの強敵にのみ効く。
「強者への、威圧だったか?」
スキル名を口にした途端不思議な気分になる。
強敵に対する緊張と期待、余裕と戦闘意欲が俺の全身を満たし始めた。
火猪には特に変わった様子は見られない。そこまで極端に戦闘力に差はないということか。
だがこのスキルは敵だけに作用するものでないと判明した。
ほどほどの高揚感は恐れを抑え込み冷静さを与えてくれる。今からやることにうってつけだった。
「俺を燃やしてみろよ、豚野郎」
人語を理解できたのかそれとも雰囲気で罵倒されていることを察したのか火猪が突進を止めた。
俺の背後は石の壁だ。巻き添えで燃える可能性は低い。
しかしそれは逃げ場がないということだった。当然魔物もそれぐらいわかっている。
だから止まったのだ。こちらのリクエスト通りこんがりと火達磨にする為に。
火猪の体がぶわりと大きくなる。息を大量に吸ったのだろう。
そして次の行動の予測は吐いている。
俺は全力で魔物に向かいダッシュした。距離の関係で体当たりのようになる。
「ブゴッ?!」
驚いて鼻を鳴らす火獣の口に俺は凍り付いたスライムを捻じ込んだ。
火を吐く為大きく開かれた孔に無理やり捻じ込んでいく。自分がされたらかなり嫌だ。
ポイズンスライムが火獣の口中に収まった直後、その顔に対し布を広げその上から抱きしめるようにする。
相撲のがぶり寄りに近い体制で全身で押さえ付ける。
布は火猪がスライムを吐き出せなくする為の蓋であり、俺の体が燃えない為の盾代わりだ。
『これね、悪食トカゲっていう魔物の胃袋で出来てるんだ。一枚あると凄い便利だよ~』
『悪食トカゲ?』
『そう、腐肉でも毒草でも焼け石でも何でも食べる変な魔物。そのせいで胃袋がやたらと丈夫なんだよね~これはモグリの錬金術師が実験用に飼育していた奴だから特に毒と火に防御耐性があるんだ~』
毒に汚染されている土地でもこれを敷けば安心して眠れるし、なんなら溶岩の上でもいける。
値段は金貨八十枚とお買い得。
ノアにスライムと共にこの布を手渡された時の会話を思い出す。
高い割に使い道が少ないと思ったが、確かに値段相応の価値はあるかもしれない。
「グ、グゴゴ」
「飲み込むのはスライムだけにしてくれよ、布の弁償はしたくないんでなっ」
思惑通り火に弱いスライムは火猪の体内で溶け毒液へと変わっていっているようだった。
濁った声を上げながら短い首を振って逃げ出そうとする魔物を俺は必死に邪魔する。
壁に頭がガンガンぶつかって痛い。感覚としては暴れ馬相手のロデオのようなものだ。
振り落とされないように必死でしがみつく。
暫く耐えていると魔物の動きがゆっくりと鈍くなっていった。俺は勝利を確信する。
火猪が毒耐性を持っていなくて本当に良かった。
こうやって短くない時間、俺一人で抑え込めているのも毒で体が弱っていっているからだろうか。
しかし、熱い。
ノアから借りた悪食トカゲの皮が猪の全身を覆えるサイズでは無かったので仕方がない。
恐らく魔物が死ねば纏っている炎も消えるだろう。それまで我慢比べだ。
通り魔に刺された時もこんな風にしがみついていたなと思い出す。
あの時は痛くて熱くて最後はどんどん寒くなっていった。
「おい、大丈夫か!」
熱でぼうっとしていた体に冷たい水がかけられる。
トマスではないが似た体格の若い男が空の桶を持ってこちらを見ていた。
彼が他の仲間に呼びかけると次から次へと水が体に降りそそいできた。
建物の隙間に設置してある防火桶に雨水を貯めておいたものだろう。
少し臭うが、それでも有難い。熱で気絶する可能性が減ったからだ。
「その布、火は通さないみたいだが、アンタ何をやってるんだ?」
「……この猪にポイズンスライムを食わせたから、毒で死ぬのを待ってる」
「ポイズンスライム?なんでそんな物を持って……?」
不審そうな声を現場のリーダー格らしき青年が遮る。
「おい、今はそれよりこの兄ちゃんに水をぶっかけろ!火傷しちまうぞ!」
「建物の消火終わったな?なら空いてる奴は医者連れてこい!あと団長もだ!」
「この猪、弱ってるな。俺たちで叩き殺してもいいのか?」
そう尋ねられ俺は首を振る。
「木の棒は止めろ、燃える」
「なら槍だな、心臓刺したらすぐ死ぬだろ」
詰所から持ってくるから少し待ってろ。そう男に言われ、早くしてくれと軽口を叩く。
気を緩めたのが悪かったのかもしれない。いや実際悪かったのだ。
「グボォ!」
火猪が急に力を取り戻し暴れ始める。それはまるで爆発のようだった。
俺に話しかけていた男が後ろ足で蹴られ吹っ飛ぶ。
そして正面から対峙していた俺の体も首を大きく振ることで空中へと弾き飛ばした。
地面に落ち呻く俺へ血泡を吐きながら火猪が襲い掛かってくる。
それを必死で避け転がることで距離を稼いだ。
その小さな目は徐々に濁りながらもこちらを炯々と睨みつけてくる。
もう半分死んでいるようなものだ。だからこその凄みが眼前の獣には会った。
その瞳に宿る決意には俺も見覚えがあった。
「死なばもろともって奴かよ、面倒な奴だなお前は……」
自重交じりに吐いた言葉に応えるように獣が吠える。途端その牙が灼熱の色に変じた。
きっとそれは掠っただけでも服を焼き皮膚を焼き焦がす。
だが相手がその程度で済ますつもりはないことも理解していた。
俺がしたように中へ中へと深く突き入れるつもりなのだろう。今更ながらに恐怖を感じた。
そんな俺の耳に利発さと繊細を兼ね備えた声が響く。
「……アルヴァさんから離れろ!」
少し離れた場所で赤い瞳をぎらぎらと輝かせたクロノが剣を構えていた。
知の女神エレナから貰ったスキル本の写しに記載があったからだ。
剣士用高位スキル『魔獣斬り』の取得条件としてこの魔物の討伐が必須と書かれていた。
金級以上推奨の高位スキルなのに求められる数は一体、その時点で弱い敵ではないことがわかる。
しかし火猪の生息地域について本では火山や岩石地帯、一部の洞窟などと記載されていた。
この街は全く条件に当てはまらない。
毒スライムが森の奥に居た件といいおかしなことばかりだ。
そんなことを考えながら俺は数メートル離れた先の赤い猪を睨んだ。
「大人しくお家に帰ってくれるなら見逃してやっても……無理か」
半分冗談で半分本気だった台詞を言い終わる前に魔物は突進してくる。
体当たりを食らうつもりはない。下手に組み合ったらこちらの体まで燃えてしまうからだ。
俺は賭けに出る。
巨大スライム戦後、死にかけた俺はエレナの神殿で新しいスキルを得た。
それは自分より高いレベルの強敵にのみ効く。
「強者への、威圧だったか?」
スキル名を口にした途端不思議な気分になる。
強敵に対する緊張と期待、余裕と戦闘意欲が俺の全身を満たし始めた。
火猪には特に変わった様子は見られない。そこまで極端に戦闘力に差はないということか。
だがこのスキルは敵だけに作用するものでないと判明した。
ほどほどの高揚感は恐れを抑え込み冷静さを与えてくれる。今からやることにうってつけだった。
「俺を燃やしてみろよ、豚野郎」
人語を理解できたのかそれとも雰囲気で罵倒されていることを察したのか火猪が突進を止めた。
俺の背後は石の壁だ。巻き添えで燃える可能性は低い。
しかしそれは逃げ場がないということだった。当然魔物もそれぐらいわかっている。
だから止まったのだ。こちらのリクエスト通りこんがりと火達磨にする為に。
火猪の体がぶわりと大きくなる。息を大量に吸ったのだろう。
そして次の行動の予測は吐いている。
俺は全力で魔物に向かいダッシュした。距離の関係で体当たりのようになる。
「ブゴッ?!」
驚いて鼻を鳴らす火獣の口に俺は凍り付いたスライムを捻じ込んだ。
火を吐く為大きく開かれた孔に無理やり捻じ込んでいく。自分がされたらかなり嫌だ。
ポイズンスライムが火獣の口中に収まった直後、その顔に対し布を広げその上から抱きしめるようにする。
相撲のがぶり寄りに近い体制で全身で押さえ付ける。
布は火猪がスライムを吐き出せなくする為の蓋であり、俺の体が燃えない為の盾代わりだ。
『これね、悪食トカゲっていう魔物の胃袋で出来てるんだ。一枚あると凄い便利だよ~』
『悪食トカゲ?』
『そう、腐肉でも毒草でも焼け石でも何でも食べる変な魔物。そのせいで胃袋がやたらと丈夫なんだよね~これはモグリの錬金術師が実験用に飼育していた奴だから特に毒と火に防御耐性があるんだ~』
毒に汚染されている土地でもこれを敷けば安心して眠れるし、なんなら溶岩の上でもいける。
値段は金貨八十枚とお買い得。
ノアにスライムと共にこの布を手渡された時の会話を思い出す。
高い割に使い道が少ないと思ったが、確かに値段相応の価値はあるかもしれない。
「グ、グゴゴ」
「飲み込むのはスライムだけにしてくれよ、布の弁償はしたくないんでなっ」
思惑通り火に弱いスライムは火猪の体内で溶け毒液へと変わっていっているようだった。
濁った声を上げながら短い首を振って逃げ出そうとする魔物を俺は必死に邪魔する。
壁に頭がガンガンぶつかって痛い。感覚としては暴れ馬相手のロデオのようなものだ。
振り落とされないように必死でしがみつく。
暫く耐えていると魔物の動きがゆっくりと鈍くなっていった。俺は勝利を確信する。
火猪が毒耐性を持っていなくて本当に良かった。
こうやって短くない時間、俺一人で抑え込めているのも毒で体が弱っていっているからだろうか。
しかし、熱い。
ノアから借りた悪食トカゲの皮が猪の全身を覆えるサイズでは無かったので仕方がない。
恐らく魔物が死ねば纏っている炎も消えるだろう。それまで我慢比べだ。
通り魔に刺された時もこんな風にしがみついていたなと思い出す。
あの時は痛くて熱くて最後はどんどん寒くなっていった。
「おい、大丈夫か!」
熱でぼうっとしていた体に冷たい水がかけられる。
トマスではないが似た体格の若い男が空の桶を持ってこちらを見ていた。
彼が他の仲間に呼びかけると次から次へと水が体に降りそそいできた。
建物の隙間に設置してある防火桶に雨水を貯めておいたものだろう。
少し臭うが、それでも有難い。熱で気絶する可能性が減ったからだ。
「その布、火は通さないみたいだが、アンタ何をやってるんだ?」
「……この猪にポイズンスライムを食わせたから、毒で死ぬのを待ってる」
「ポイズンスライム?なんでそんな物を持って……?」
不審そうな声を現場のリーダー格らしき青年が遮る。
「おい、今はそれよりこの兄ちゃんに水をぶっかけろ!火傷しちまうぞ!」
「建物の消火終わったな?なら空いてる奴は医者連れてこい!あと団長もだ!」
「この猪、弱ってるな。俺たちで叩き殺してもいいのか?」
そう尋ねられ俺は首を振る。
「木の棒は止めろ、燃える」
「なら槍だな、心臓刺したらすぐ死ぬだろ」
詰所から持ってくるから少し待ってろ。そう男に言われ、早くしてくれと軽口を叩く。
気を緩めたのが悪かったのかもしれない。いや実際悪かったのだ。
「グボォ!」
火猪が急に力を取り戻し暴れ始める。それはまるで爆発のようだった。
俺に話しかけていた男が後ろ足で蹴られ吹っ飛ぶ。
そして正面から対峙していた俺の体も首を大きく振ることで空中へと弾き飛ばした。
地面に落ち呻く俺へ血泡を吐きながら火猪が襲い掛かってくる。
それを必死で避け転がることで距離を稼いだ。
その小さな目は徐々に濁りながらもこちらを炯々と睨みつけてくる。
もう半分死んでいるようなものだ。だからこその凄みが眼前の獣には会った。
その瞳に宿る決意には俺も見覚えがあった。
「死なばもろともって奴かよ、面倒な奴だなお前は……」
自重交じりに吐いた言葉に応えるように獣が吠える。途端その牙が灼熱の色に変じた。
きっとそれは掠っただけでも服を焼き皮膚を焼き焦がす。
だが相手がその程度で済ますつもりはないことも理解していた。
俺がしたように中へ中へと深く突き入れるつもりなのだろう。今更ながらに恐怖を感じた。
そんな俺の耳に利発さと繊細を兼ね備えた声が響く。
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