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第一章
第11話 英雄の盾
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防御スキル『英雄の盾』
このスキルを発動させると防御力がアップするが敵の攻撃が全て自分に向けられるようになる。
敵の数が五人以上なら防御だけでなく素早さも上がる。
つまり囮役になる為のスキルだ。
金級以上の戦士職なら発動可能なので最上級スキルの中では比較的低レベルで利用できる。
英雄の盾はタンク役をやっている人間なら当たりスキルかもしれない。
うちのパーティーだとパラディンのブロックとか。
元々防御力が高い戦士が使うのが一番いいと思う。
アルヴァは前衛だが剣攻撃メインで防御はそこまで優れていない。
だからよくブロックにも戦闘後に文句を言っていた。もっと完璧に自分たちを守れと。
思い出すだけで申し訳なさにうなだれそうになる。
スキル一覧を読んでいく内にどんどんアルヴァ・グレイブラッドとしての記憶が戻りつつある。
戦闘に関するものばかりだが、それだけでも彼がどれだけ身勝手な人間かがわかる。
八つ当たりでクロノを追放、その後パーティーで冒険に出たら今まで雑魚扱いしていた敵に半殺しに遭う。
主人公によってかけられていたバフがない状態の彼らはまともに戦う事すらできなくなっていた。
強化がなくても各人銀級冒険者、決して弱くはない。ただ今までが異常に強かっただけ。
けれどそのことを認められず、アルヴァはまず気の強い女性陣と対立。そして二人がパーティー脱退。
男だけで再度依頼をこなしに行くが連携が上手く行かずパラディンのブロックが魔物に食われる。
結果シーフのカースにも見捨てられ、クロノを逆恨みしたアルヴァは彼を殺そうと付け狙うのだ。
そしてクロノたちが入った洞窟に後から一人で侵入し、魔物たちに嬲り殺しにされる。
その頃クロノは新しい仲間たちとの初めての冒険に夢中でアルヴァのことなど完全に忘れている。
ごくりと唾を飲み込む。
俺が酒場で頭を打った拍子に前世の自分を思い出さなければ、近い内に辿り着いていた結末だ。
俺が気を配るべきはクロノだけじゃない。彼がパーティーからいなくなっただけで破滅はしなかった。
クロノがかけてくれていたバフの存在を知らず、自分たちの実力を見誤った。それだけが原因でもない。
アルヴァは無能なワンマンリーダーで仲間との絆がなかった。
ブロックが死んだのだっで大怪我をして弱っている彼にタンク役を押し付け続けたからだ。
その役割が出来るのはお前しかいないのだからと。
ならば冒険を止めて街に戻るべきだったのに。
俺は唇を噛みしめ、目の前で光るスキル名に手を伸ばした。
「英雄の盾、取得されるのですね」
知の女神の言葉に俺は頷く。
「ええ、リーダーとして囮役が出来た方がいいと思うので」
俺はあのアルヴァとは違う。もしパーティーが窮地に陥った時は自分を囮にして仲間を逃がそう。
誓いと共に新しい力が体に入ってくるのが分かった。
このスキルを発動させると防御力がアップするが敵の攻撃が全て自分に向けられるようになる。
敵の数が五人以上なら防御だけでなく素早さも上がる。
つまり囮役になる為のスキルだ。
金級以上の戦士職なら発動可能なので最上級スキルの中では比較的低レベルで利用できる。
英雄の盾はタンク役をやっている人間なら当たりスキルかもしれない。
うちのパーティーだとパラディンのブロックとか。
元々防御力が高い戦士が使うのが一番いいと思う。
アルヴァは前衛だが剣攻撃メインで防御はそこまで優れていない。
だからよくブロックにも戦闘後に文句を言っていた。もっと完璧に自分たちを守れと。
思い出すだけで申し訳なさにうなだれそうになる。
スキル一覧を読んでいく内にどんどんアルヴァ・グレイブラッドとしての記憶が戻りつつある。
戦闘に関するものばかりだが、それだけでも彼がどれだけ身勝手な人間かがわかる。
八つ当たりでクロノを追放、その後パーティーで冒険に出たら今まで雑魚扱いしていた敵に半殺しに遭う。
主人公によってかけられていたバフがない状態の彼らはまともに戦う事すらできなくなっていた。
強化がなくても各人銀級冒険者、決して弱くはない。ただ今までが異常に強かっただけ。
けれどそのことを認められず、アルヴァはまず気の強い女性陣と対立。そして二人がパーティー脱退。
男だけで再度依頼をこなしに行くが連携が上手く行かずパラディンのブロックが魔物に食われる。
結果シーフのカースにも見捨てられ、クロノを逆恨みしたアルヴァは彼を殺そうと付け狙うのだ。
そしてクロノたちが入った洞窟に後から一人で侵入し、魔物たちに嬲り殺しにされる。
その頃クロノは新しい仲間たちとの初めての冒険に夢中でアルヴァのことなど完全に忘れている。
ごくりと唾を飲み込む。
俺が酒場で頭を打った拍子に前世の自分を思い出さなければ、近い内に辿り着いていた結末だ。
俺が気を配るべきはクロノだけじゃない。彼がパーティーからいなくなっただけで破滅はしなかった。
クロノがかけてくれていたバフの存在を知らず、自分たちの実力を見誤った。それだけが原因でもない。
アルヴァは無能なワンマンリーダーで仲間との絆がなかった。
ブロックが死んだのだっで大怪我をして弱っている彼にタンク役を押し付け続けたからだ。
その役割が出来るのはお前しかいないのだからと。
ならば冒険を止めて街に戻るべきだったのに。
俺は唇を噛みしめ、目の前で光るスキル名に手を伸ばした。
「英雄の盾、取得されるのですね」
知の女神の言葉に俺は頷く。
「ええ、リーダーとして囮役が出来た方がいいと思うので」
俺はあのアルヴァとは違う。もしパーティーが窮地に陥った時は自分を囮にして仲間を逃がそう。
誓いと共に新しい力が体に入ってくるのが分かった。
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