10 / 24
10・犬の手も借りたい?
しおりを挟む
今日、部屋にベアトリスちゃんの婚約者のオーウェンと。
私の大っ嫌いな、犬がいた。
「フカカカカカ!!」
「えっ、ちょっとベロア?!」
「フーッフギャカカカカッ!!」
「あーっ、犬苦手なタイプの猫かあ」
犬が苦手なタイプの猫って何よ!寧ろ得意な方がマイナー側でしょ!
私を抱きかかえているベアトリスちゃんの腕に気を抜いたら爪を立ててしまいそうになる。
何このモコモコした犬!子犬っぽいけど犬ってだけでなんか無理!!猫としての自分がそう叫びまくっている。
「うちで飼ってる猫はこいつのこと可愛がってるからさ、こいつも猫は平気だと思って連れてきたんだけど」
お前か、お前かオーウェン!この天敵っぽいのをベアトリスちゃんの部屋に連れてきたのは!!
っていうか犬が平気とか関係ないの!私が!!私が駄目なの!!さっさとその犬連れてどっか出て行って!!
「フーウ、フーギャウ、フギャアアア!!」
「くーん」
「ほら、こいつは平気なんだよ」
だから私が平気じゃないんだってば!!
「ごめんなさい、オーウェン。ベロアがとても怖がってるわ。一度レックスを籠に入れて頂戴」
「しょーがないなー」
やっとベアトリスちゃんが助け舟を出してくれる。そうだ、さっさとそのレックスとかいう犬を連れて部屋から出て行って頂戴。
ん?レックス?
犬でレックスっていう名前、どこかで聞いたような……。
『ねえ、キミ』
「みゅ?」
話しかけられた方角に視線をやると先程の犬がいた。
思わず毛を逆立てそうになるが、籠の隙間越しだったので先程よりも平静でいられる。
そのせいか犬の言っていることが人間の言葉のようにわかる気がした。
『やっとシズカになった。あのね、ボクはレックス』
「にゅっうにゅ?」
『そう、レックス。今日はキミに会いにきたんだ』
ねえ、ボクとトモダチになってよ。
その台詞に私は前世の記憶を取り戻す。思い出した。オーウェンの飼い犬レックス。
正体は美形のライカンスロープであり……イケFの隠し攻略対象の一人だ。
私の大っ嫌いな、犬がいた。
「フカカカカカ!!」
「えっ、ちょっとベロア?!」
「フーッフギャカカカカッ!!」
「あーっ、犬苦手なタイプの猫かあ」
犬が苦手なタイプの猫って何よ!寧ろ得意な方がマイナー側でしょ!
私を抱きかかえているベアトリスちゃんの腕に気を抜いたら爪を立ててしまいそうになる。
何このモコモコした犬!子犬っぽいけど犬ってだけでなんか無理!!猫としての自分がそう叫びまくっている。
「うちで飼ってる猫はこいつのこと可愛がってるからさ、こいつも猫は平気だと思って連れてきたんだけど」
お前か、お前かオーウェン!この天敵っぽいのをベアトリスちゃんの部屋に連れてきたのは!!
っていうか犬が平気とか関係ないの!私が!!私が駄目なの!!さっさとその犬連れてどっか出て行って!!
「フーウ、フーギャウ、フギャアアア!!」
「くーん」
「ほら、こいつは平気なんだよ」
だから私が平気じゃないんだってば!!
「ごめんなさい、オーウェン。ベロアがとても怖がってるわ。一度レックスを籠に入れて頂戴」
「しょーがないなー」
やっとベアトリスちゃんが助け舟を出してくれる。そうだ、さっさとそのレックスとかいう犬を連れて部屋から出て行って頂戴。
ん?レックス?
犬でレックスっていう名前、どこかで聞いたような……。
『ねえ、キミ』
「みゅ?」
話しかけられた方角に視線をやると先程の犬がいた。
思わず毛を逆立てそうになるが、籠の隙間越しだったので先程よりも平静でいられる。
そのせいか犬の言っていることが人間の言葉のようにわかる気がした。
『やっとシズカになった。あのね、ボクはレックス』
「にゅっうにゅ?」
『そう、レックス。今日はキミに会いにきたんだ』
ねえ、ボクとトモダチになってよ。
その台詞に私は前世の記憶を取り戻す。思い出した。オーウェンの飼い犬レックス。
正体は美形のライカンスロープであり……イケFの隠し攻略対象の一人だ。
1
お気に入りに追加
1,414
あなたにおすすめの小説
一家処刑?!まっぴらごめんですわ!!~悪役令嬢(予定)の娘といじわる(予定)な継母と馬鹿(現在進行形)な夫
むぎてん
ファンタジー
夫が隠し子のチェルシーを引き取った日。「お花畑のチェルシー」という前世で読んだ小説の中に転生していると気付いた妻マーサ。 この物語、主人公のチェルシーは悪役令嬢だ。 最後は華麗な「ざまあ」の末に一家全員の処刑で幕を閉じるバッドエンド‥‥‥なんて、まっぴら御免ですわ!絶対に阻止して幸せになって見せましょう!! 悪役令嬢(予定)の娘と、意地悪(予定)な継母と、馬鹿(現在進行形)な夫。3人の登場人物がそれぞれの愛の形、家族の形を確認し幸せになるお話です。
義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話
よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。
「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。
婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?
こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。
「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」
そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。
【毒を検知しました】
「え?」
私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。
※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです
だって私は、真の悪役なのだから。
wawa
ファンタジー
目が覚めると赤ん坊。
転生先は何処か不明な乙女ゲームの世界。
でもはっきりわかっていることは、自分は間違いなく悪役だってことだけ。
金と権力にものを言わせ、思いのままに生きてみようを突き進む主人公は悪役令嬢リリー。
※1 世界観は乙女ゲーム、ジャンルは恋愛ですが、そこに至るまでの道のりは長く遠く、主人公は恋愛脳ではありません。
※2 主人公目線と第三者目線が発生します。
『小説家になろう』でも掲載しています。
ゲスいお嬢様的日常(仮)
胸の轟
ファンタジー
お気に入り登録ありがとうございます。すごく励みになります。
【乳首を吸うだけの簡単なお仕事です。経験不問】その広告を見た瞬間赤ちゃんになりました。うん、そんなことだと思ってたから悔しくなんてない(血涙)ごく普通の私は、ごく普通に授業サボったり、ごく普通に美少年の匂い嗅いだり、たまにバイオレンスしたりしてだらだら過ごします。
※たまに直してます
今日も学園食堂はゴタゴタしてますが、こっそり観賞しようとして本日も萎えてます。
柚ノ木 碧/柚木 彗
恋愛
駄目だこれ。
詰んでる。
そう悟った主人公10歳。
主人公は悟った。実家では無駄な事はしない。搾取父親の元を三男の兄と共に逃れて王都へ行き、乙女ゲームの舞台の学園の厨房に就職!これで予てより念願の世界をこっそりモブ以下らしく観賞しちゃえ!と思って居たのだけど…
何だか知ってる乙女ゲームの内容とは微妙に違う様で。あれ?何だか萎えるんだけど…
なろうにも掲載しております。
竜の契約者
ホワイトエンド
ファンタジー
一人の青年は魂の半分を失った------
1体の竜は肉体を失った--------
二つの魂は混ざり合い生まれ変わった-----
あの日、全てを失った彼はその身に宿した力を振るう
悪を裁くために
正義をまっとうするために
例え、歪んでいようとも
魔性の悪役令嬢らしいですが、男性が苦手なのでご期待にそえません!
蒼乃ロゼ
恋愛
「リュミネーヴァ様は、いろんな殿方とご経験のある、魔性の女でいらっしゃいますから!」
「「……は?」」
どうやら原作では魔性の女だったらしい、リュミネーヴァ。
しかし彼女の中身は、前世でストーカーに命を絶たれ、乙女ゲーム『光が世界を満たすまで』通称ヒカミタの世界に転生してきた人物。
前世での最期の記憶から、男性が苦手。
初めは男性を目にするだけでも体が震えるありさま。
リュミネーヴァが具体的にどんな悪行をするのか分からず、ただ自分として、在るがままを生きてきた。
当然、物語が原作どおりにいくはずもなく。
おまけに実は、本編前にあたる時期からフラグを折っていて……?
攻略キャラを全力回避していたら、魔性違いで謎のキャラから溺愛モードが始まるお話。
ファンタジー要素も多めです。
※なろう様にも掲載中
※短編【転生先は『乙女ゲーでしょ』~】の元ネタです。どちらを先に読んでもお話は分かりますので、ご安心ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる