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10・犬の手も借りたい?
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今日、部屋にベアトリスちゃんの婚約者のオーウェンと。
私の大っ嫌いな、犬がいた。
「フカカカカカ!!」
「えっ、ちょっとベロア?!」
「フーッフギャカカカカッ!!」
「あーっ、犬苦手なタイプの猫かあ」
犬が苦手なタイプの猫って何よ!寧ろ得意な方がマイナー側でしょ!
私を抱きかかえているベアトリスちゃんの腕に気を抜いたら爪を立ててしまいそうになる。
何このモコモコした犬!子犬っぽいけど犬ってだけでなんか無理!!猫としての自分がそう叫びまくっている。
「うちで飼ってる猫はこいつのこと可愛がってるからさ、こいつも猫は平気だと思って連れてきたんだけど」
お前か、お前かオーウェン!この天敵っぽいのをベアトリスちゃんの部屋に連れてきたのは!!
っていうか犬が平気とか関係ないの!私が!!私が駄目なの!!さっさとその犬連れてどっか出て行って!!
「フーウ、フーギャウ、フギャアアア!!」
「くーん」
「ほら、こいつは平気なんだよ」
だから私が平気じゃないんだってば!!
「ごめんなさい、オーウェン。ベロアがとても怖がってるわ。一度レックスを籠に入れて頂戴」
「しょーがないなー」
やっとベアトリスちゃんが助け舟を出してくれる。そうだ、さっさとそのレックスとかいう犬を連れて部屋から出て行って頂戴。
ん?レックス?
犬でレックスっていう名前、どこかで聞いたような……。
『ねえ、キミ』
「みゅ?」
話しかけられた方角に視線をやると先程の犬がいた。
思わず毛を逆立てそうになるが、籠の隙間越しだったので先程よりも平静でいられる。
そのせいか犬の言っていることが人間の言葉のようにわかる気がした。
『やっとシズカになった。あのね、ボクはレックス』
「にゅっうにゅ?」
『そう、レックス。今日はキミに会いにきたんだ』
ねえ、ボクとトモダチになってよ。
その台詞に私は前世の記憶を取り戻す。思い出した。オーウェンの飼い犬レックス。
正体は美形のライカンスロープであり……イケFの隠し攻略対象の一人だ。
私の大っ嫌いな、犬がいた。
「フカカカカカ!!」
「えっ、ちょっとベロア?!」
「フーッフギャカカカカッ!!」
「あーっ、犬苦手なタイプの猫かあ」
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私を抱きかかえているベアトリスちゃんの腕に気を抜いたら爪を立ててしまいそうになる。
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っていうか犬が平気とか関係ないの!私が!!私が駄目なの!!さっさとその犬連れてどっか出て行って!!
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「くーん」
「ほら、こいつは平気なんだよ」
だから私が平気じゃないんだってば!!
「ごめんなさい、オーウェン。ベロアがとても怖がってるわ。一度レックスを籠に入れて頂戴」
「しょーがないなー」
やっとベアトリスちゃんが助け舟を出してくれる。そうだ、さっさとそのレックスとかいう犬を連れて部屋から出て行って頂戴。
ん?レックス?
犬でレックスっていう名前、どこかで聞いたような……。
『ねえ、キミ』
「みゅ?」
話しかけられた方角に視線をやると先程の犬がいた。
思わず毛を逆立てそうになるが、籠の隙間越しだったので先程よりも平静でいられる。
そのせいか犬の言っていることが人間の言葉のようにわかる気がした。
『やっとシズカになった。あのね、ボクはレックス』
「にゅっうにゅ?」
『そう、レックス。今日はキミに会いにきたんだ』
ねえ、ボクとトモダチになってよ。
その台詞に私は前世の記憶を取り戻す。思い出した。オーウェンの飼い犬レックス。
正体は美形のライカンスロープであり……イケFの隠し攻略対象の一人だ。
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