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逃避失敗
しおりを挟む帰り道。
照りつける太陽に背を向け、
悶々とするコンクリートの地面を見つめて
ひたすら自分の家へと歩く。
来未の家と祖母の家を繋ぐのは車1台が通るのがやっとの、迫っ苦しいこの道だけ。
両サイドには田んぼがぎっしりと植えられている。
これ、あれみたいだ。
あれ。
そうだ。
ランウェイ。
でもランウェイとは本来きらびやかな、スタイルのいいモデルとか、そうゆう人達こそ、相応しいのに。
そんな道を私は家の鍵を片手に、ボロボロの草履でひたすら歩く。生き恥を晒しているみたいだった。
頭上には青空が広がる中どこまで行っても
同じ立ち位置で、同じ速度で飛び続ける名前すら知らない鳥が2匹。
その意図したかのような変わらぬ綺麗すぎる配置に思わず目を奪われる。
私は
薄汚れて汚い。
そう思えてしまって、仕方なかった。
綺麗なものを見ると…
余計に。
なんだかこの世にある薄汚い言葉を全てぶつけられたようななんとも言えない気持ちになった。
笑っちゃうくらい自分が惨めで仕方がない。
滞在時間30分強。
何のために行ったんだっけ。
考えた。
そうだ。
久々の祖母からのメールに、私は……
現実逃避が出来ると思ってしまったんだ。
1日パジャマ。
起きる、食べる、テレビ、寝る。
そんな生活が主流になっただらしなく、最悪と化した自分を……こんな自分を少しでも忘れられれば。
そんな思いで行ったんだった。
久々の外出。
たとえ家から1キロちょっとの移動でも
着替えて…
髪の毛を括って…
家の鍵を握って…
そんな事をしていたら、私はもしかしたら
不登校じゃない、どこにでもいるありきたりな高校生になれるんじゃないかと
そう……
思ってしまったんだ。
私はそんな淡い期待ばかりに飛びついた、ただのアホだ。
それに。何も知らない子供の無邪気な姿は…
「”くるみたーん”」
なんだか余計、胸が痛んだ気がした。
学校なんて、まだ気にしなくていいそんな年頃の女の子は無意識に昔の自分と重ねてしまう。
「くるみたんはちょうらい、
なにになるのー?」……
さっきそんな質問をされたけれど、なにも答えられなかった。
「えーなんだろうなぁ」と。
笑って、誤魔化してしまった。
私…昔は、将来何になりたがってたんだっけ。
忘れちゃった。
いつの間にかグンと間近に迫った将来…
自分が何者になっているのか、とか、そうゆう事を考えると心底気持ちが悪くなる。
それはきっと、
どう将来を想像しても
”学校”という場所がチラついてしまうから。
今も…また気持ち悪くなってきて、手の平に爪をギューと食い込ませる。
血が出るほどじゃない。
あーなんか痛いなーって思ったら速やかに手の力を抜く。
くっきりと、ついた爪の痕は数秒後には跡形もなく消えた。
なんだか……
うんざりした。
自分の、あまりの情けなさに───────。
家に帰って、沈むようにソファに横たわり、
逃げ込むようにテレビをつけた。
「なんでやねん!」
最近テレビでよく見る旬の芸人のツッコミが真っ先に耳に届く。画面が鮮やかに彩られる。
「あはは……」
笑って、みた。
笑う。
ただただ、
笑う。
けど、無理無理上げた口角はすぐにスっと、下がる。あっという間に。
「ほんと…どうしたらいいんだろ」
思わず呟いてみる。
呟いたところでどうにもならない事は……
知っているけれど───────。
ソファに立て掛けられたクッションを枕代わりにし、来未は息をするように目を閉じた。
来未は芝生の上で仰向けに寝っ転がっていた。
「死んだり、消えたり、したいなぁ」
来未は蛇口の水が元から
少しだけ捻ってあったみたいに
流れ出るようにそう呟いていた。
ほぼ無意識だ。
呟いてから、「あ、あの夢だ」と、思う。
思った矢先だった。
「なんでー?」
雲1つない青空で埋め尽くされた来未の視界のど真ん中に、彼が映り込む。
今度は「わぁ…っ!?」などと、素っ頓狂な声を出す事はなかった。
だから赤面する事も、なかった。
色白で、傷1つない彼の肌を見て、彼は赤面する事があるのだろうか、とふとそんなくだらない疑問が一瞬だけ思い浮かぶ。
彼は今日もブレザーを着ていた。私も前と同じように制服を着ていた。
「なんでー?」
彼が再び尋ねてくる。
ビー玉みたいなまん丸で透き通る瞳だった。
「え…」
別に誰にも聞かせるつもりはなかった。
”死んだり、消えたり、したい”
そんな願望が彼の耳に届いてしまっていたみたいで来未は気まづく、薄ら笑いを浮かべる事しか出来なかった。
前は
「学校に、行ってきた」と。
「楽しかったよ」と。
見栄を張って、強がったり、絶対に普通とは掛け離れている癖に普通を装ったり、しちゃったけど…今日の来未には装う気力もなかった。
「いいや」と思ってしまった。
「…ういてるからだよ」
来未は正直に言った。
言って、少しだけ身構える。けれど…
「ういてる、ってどういういみ?」
そんな構えなど無駄だった。
すぐにそう思った。そのくらい彼は呑気で能天気なようだった。ついでに”ういてる”の意味を知らない彼が来未の目にはとてつもなく、羨ましく思えた。
「仲間はずれ、って意味、かな…」
そんな説明をしている自分が、惨めったらしくなって、途端に胸が締め付けられる。
私がちゃんとやれてれば、”ういてる”なんて言葉の意味を彼に教える事はなかっただろうな、と行けなかった別ルートを考えた。
「男の子はいいなぁ」
ふと、口をついて出た一言だった。
特に、これと言って深い意味はなく。
本当に、ふと。だ。
いや。もしかしたらわざとわざわざ声に出してしまったかもしれない。
”仲間はずれ”
さっきそう的確にハッキリと声に出した事によって来未は自分自身が置かれた状況がとてつもなく恥ずかしいもので、言ってしまえば、そこから命からがら逃げてきた、死にかけの、消えかけの…そんなちっぽけな存在に感じて、いたたまれなくなってしまって、
そんな自分の感情を、ちょっと緩和したかったのだ。だから別にこれは聞き流してくれて、全然良かった。ただの自己満に近い言葉だった。
でも、こっちが思う以上に、彼はそれを気に留めているみたいで、表情筋全てをキョトンとさせた彼は「なんでー?」と尋ねてくる。
「楽そうだなーって。気楽そう。」
出来る事なら私も、男子に生まれたかった。女子なんて嫌い。面倒くさくて、本当に嫌い。肩を落として、来未は俯いた。
しばらく彼からは何も返って来なかったから来未は黙って唇を噛んで俯き続けていた。
この話題は、ここで後味悪く終わったのかもしれない。そう思い顔を上げた直後だった。
「きみがういた、のは、
おんなのこ、だから、なの?」
彼が、不思議そうにそう問い掛けてきた。
「……」
来未は硬直した。
こんな事を自分で白状するのは、やっぱり、気が引けたけど、来未は静かに
首を振った───────。
「ううん。違う」
視界の端には私の姿を愚直に見つめ続ける彼が居た。
そんな姿に…思ってしまった。期待、してしまった。何も知らない彼に、今なら無条件に受け止めて貰えるような。そんな気がして、来未は高台から飛び降りるかのように意を決して、息を吸い込んだ。
「私…だから。……私だから───────ういたの」
来未は夢の中にも関わらず、再びゆっくりと目を閉じた。
「私学校でね…、
ちょっと、嫌な事があったんだ」
”ちょっと”で濁した”嫌な事”を
来未は割と鮮明に
思い出していた───────。
***
高校へ入学して、来未は二宮菜月と坂本美月とよく、一緒にいた。
入学式の日。
2人は、来未の席の近くで「名前、1文字違いだね!」と楽しそうに話していた。
2人は来未よりも、距離が近くて、仲良し。来未はそこに、少し遅れて入った形だった。
2人も高校で出会ったみたいだから元は私と同じスタート地点だったかもしれないけど
菜月と美月
来未はいいな、と思った。
”名前が1文字違い”
そういう接点があの2人にはあって、来未にない。
だから、3人グループだったけれど思い返せば、来未だけはいつもどこか、蚊帳の外、みたいな感じだった。
「来未ってさ、いっつも何考えてるか分かんなくない?」
そんな時だった。
耳にしてしまったのは。
「それなー?ニッコニッコニッコニッコしてるよねーちょいキモくね?」
「こんな感じー?」
少しだけ席を立った一瞬のタイミングで
2人は来未の……
悪口を言っていた───────。
「あははっ…!まって!ちょー似てる!」
「あ、来未…」
2人が、教室に戻ってきた来未に気付く。
「…」
気付いて、
とても気まづそうに、顔を見合せた。
「今の話、聞いてた?」
「大丈夫!大丈夫!キモイよね私!知ってる知ってる。あはは…」
間髪入れずに来未はそう言った。
完璧に自分に向けられた悪口を来未はニコニコして受け入れたのだ。結構な無理をして。
その翌日からだった。
来未が、
なんか”ういてる”
と感じ始めたのは。
「大丈夫!大丈夫!キモイよね私!知ってる知ってる。あはは…」
あの時。来未が精一杯ニコニコして受け入れたのは……そうすれば、なんとかやれるんじゃないかと思ったから。
今まで通り。
たとえ来未だけがいつも蚊帳の外みたいになってても。
それでも、1人ではない。
だから、なんとか、”今まで通り”が続行出来ると思ったんだと思う。
だけどそんな考えは甘かったし、思いのほか、しっかりういちゃった。苦しかった。
こうなるともう…全て上手くいかない気がして、
来未はあの日から、学校へ行くのを
プツリ。と
やめたのだ─────。
***
「…っ」
彼に、
話してしまった。嫌な事を。
涙が零れた。
芝生に落ちる。落ちてゆく。止まらなくて、ドバドバ出てくる。
夢の中だから、別にいいか。という気持ちもあった。だからここでは割と、素直に泣けた。
「学校…っ、つまんない…。行きたくない。辞めたい…っ、、、」
ペタンと芝生に座り込んで来未は泣いた。
泣きながら隣に居る彼に、来未はどうしようもなくそんな思いをぶつける。
「そうなんだ…」
でも彼は別に今後のアドバイスや励ましをしてくれた訳じゃなかった。
ただ、隣で寄り添って来未と一緒に……
「うーー…ぇーーん…」……
泣いてくれた。
「どうして君が泣くの」
来未がそう聞くと彼は、言った。
「きみがないてるから」
と───────。
夢は、そこで終わりを迎えた。
ゆっくりと現実に引き戻される最中。
来未の脳内で、優しい声が、まるで残り香のように再生される。
「ぼくはどんなきみでも、おうえんしてるよ」
彼の声。彼の口調だった。
「……っ」
目が覚めた来未は、泣いていた。
現実にも、影響してしまったみたいだ。
ティッシュを顔に押し当て、来未はつけっぱなしで寝てしまったテレビ画面をボーと眺める。
と、その時だ。
ピンポ───────ン……
来未の家のチャイムが鳴った。
まだ、夢の余韻が酷く残る来未は「あっ」と声を上げた。
まだ目が赤いかもしれない。こんな顔を見られるのは嫌だった。
けど場合によっては出なければいけない。
来未の家の斜め後ろのおばあさんは
居留守を使うと酷く怒る。その不在が居留守なのか。そうでないのか。何故か見分けがつくのだ。
立ち上がった来未はインターホンに駆け寄る。
「え……」
誰も居ない、テレビの音声だけが淡々と流れるダイニングの端で来未は短く声が漏れた。
インターホンに映っていたのは、
菜月と美月だった。
時刻は17時10分。
ちょうど学校が終わり、下校時刻真っ只中だった。きっと、学校帰りにここへ来たのだろう。
どうしたものか、と。
来未には頭を悩ませる時間があった。
友達が家に来た!とお気楽に玄関ドアを開けられる余裕など、今の来未にあるものか。
しばらく、硬直してインターホンの画面を
来未は眺めていた。
やがて、2人は去っていこうと、こちらに背を向けた。
「はぁ……」
ほっとして、来未から安堵のため息が漏れる。
来未が学校を休むようになって、2人は今日。初めてここに来た。
何の用だか知らないけれど、来未はとにかく、安心した。
けれどインターホン越しに映し出される
去っていく2人の背中から目が離せずにいた。
「……」
来未の中には、まだ残っていた。
「ぼくはどんなきみでも、おうえんしてるよ」
という言葉が。
「まって!」
インターホンは勿論オフ。
2人に聞こえたりしないのに、来未は叫んでいた。そして気付いたら玄関ドアを開けていた。
本当に無意識に近い咄嗟の行動だけど、来未は
そうしたかった───────。
表札の辺りで2人が来未の方を振り返る。
今にも帰る所だった。
「来未……」
玄関ドアを開けた来未を見て、2人はまた、こちらに歩を進めた。
「……久しぶり」
か細い声が来未から出た。
「「久しぶり……」」
2人の声が揃った。
「あの、ね、来未……え、と…」
さっそく美月は何かを言いたそうにしていて、視線をあちらこちらに彷徨わせている。それを見かねたのか、菜月も口を開く。
「え、とね、私達さ……」
しかし菜月も、美月の後に続いて、視線を彷徨わせるばかりだ。
来未はしばらく、そんな2人を見ている事しか出来なかったけど、口を開いた。
「え、と」を繰り返す2人に向けて、未来は言ったのだ。
「ごめん」 と。
しかし、なんてタイミングなのだろうか。
2人も、同時に「ごめん」と言った。
3人の声が綺麗にピタッと揃ったのだ。
ちなみにその直後に3人が放った「え?」も、揃った。
「え、なんで来未が謝るの、だってあれは私達が……」
2人は呆気に取られたみたいにポカンと不思議そうな眼差しを来未に向ける。
確かに。来未の悪口をあぁいう形では
言って欲しくなかったのは事実。
あの悪口に、来未が深く傷付き、学校へ行く気を無くしたのも事実だ。けど……
「私ずっと、対等じゃない、って思ってた」
視線を落とし、来未は手をギュッと、静かに握って、勇気を出した。打ち明けた。
「対等?」
ポカンと口を開けたままの美月が尋ねる。
「うん」
新学期。新しい高校。新しい環境。
初っ端から割と打ち解けていた2人の間に
来未は入った。だから来未は、一刻も早く、”追い付こう”と、思っていた。
だから過剰に笑ったりして、いわゆる、”話を合わせる”をした。もちろん。そんな事をわざわざしなくても、2人に、素直に共感出来る話もあった。
3人といた、全ての時間を、そう過ごしていた訳じゃない。だけど、してしまっていた時間も、確かにあった。
来未は2人と対等になりたいと思いながらも微かに壁を、作り出していたのだ。
それに気付いた時。来未は思った。
来未も悪い、と───────。
だから来未は、今までの自分が3人といる時。心のどこかで引け目のように感じてしまっていた、という事を話した。
来未が話している最中。
「うん」とか「そっか」とか相槌を欠かさず打ってくれた2人に向けて来未は言う。ここだけは、強く。言った。
「だから……変に気、使ったり、作り笑い、とか、そういう事はもうしない」
来未が学校に行けるようになったとして、
そこで2人がまた来未と仲良くしてくれるかどうかは分からない。
これは、2人に向けて、というより2人以外でも、そうする。という来未なりの……
決意表明のようなものだった。
「だけど2人の話は、時々、思い出し笑いしちゃうくらい本当に面白い時もあったの」
補足のように来未は2人の顔を交互にちゃんと見つめて、そう言った。
今までの時間。
何もかもが嘘だった訳じゃない。
全てが作り笑いだった訳じゃない。
それは本当に本当だった。
そこだけはどうしても分かって欲しくて。
たからそれを弁解しようと発した言葉だったが、
菜月が、「ぷっ…」と小さく吹き出す。
「時々かい……っ」
それに続いて美月が突っ込んでくる。
「いや……っ、まぁ、時々、っていうか、
週2ペースぐらい、かな。」
「本当に、時々だ」
納得したように、だけど不機嫌な感じでもなく、むしろちょっとスッキリしたような顔でそう呟いた美月の一言に、つい笑みが零れる。
「あははっ……」
来未につられるように2人も笑い出して、
来未は”本当の事”を少し細かく話してみた。
例えば。どの話は、思い出し笑いをしてしまうくらい本当に面白いものだったのか。
「犬のしっぽがなんか……っ、ボサボサだったのは、ほんとにおもしろかった」
「えぇ、それ!?」と2人にビックリされたけど
ここ1ヶ月。いや。2人と出会ってからの
蟠り、とも言える時間が、この一瞬で埋まっていくようだった。
帰り際。
2人は来未にもう一度言った。
「ほんとにごめん」と。
「いいよ」と言った来未に、2人は「学校で待ってるね」と微笑んで、帰って行った。
素直に嬉しかった。
最初は出ようか迷ったものだったが、出て良かった。久々に2人に会えて良かった。と思った。
久々の高揚感に、来未は2人の姿が見えなくなるまで玄関先で
手を振った。
笑顔を貼り付けて、自分を取り繕う事が
2人と仲良くなるためには必要な事だと来未は思ったからそうしていた。
だけど、内心。
この付き合い方は間違っているんじゃないかと思う時もあった。
そんなモヤモヤをさっき……
”どんなきみでも”と。
”おうえんしてる”と。
言ってくれた彼に来未は正直。
認めて貰えたような気がした。
受け止めてもらえたような気がした。
今までみたいに1度傷ついた事を根に持って学校に行かないままでもいいかもしれない。
今までみたいに上辺だけの自分を保って
またこれからも人と付き合って
いってもいいかもしれない。
”今まで”と何も、変わらない自分で居ても、いいのかもしれない。
どこに転がっても、
”どんな”になっても、
来未には”おうえんしてる”と
言ってくれた人が、確かにいる。
だったら……
”自分の非を認めてもいいかもしれない”
来未はそう思ったのだ。
思う事が、出来たのだ。
名も知らない、現実に、実在すらしていないかもしれない不確実な彼の存在に、来未は前へ進む原動力になり得る何かを貰ったのだ。
だけどこれは。
その不在が居留守なのか。そうでないのか。何故か見分けがつく来未の家の斜め後ろのおばあさんに同じセリフを言われたとして。きっとあまり響く言葉ではなかったと思う。
彼だから。
彼の言葉だから。
きっと響くものがあった。
来未にとって何か変わりたい、と思う
きっかけに繋がったと思う。
来未にとって
死んでしまいたいと思う程、
消えてしまいたいと思う程の、
大きな悩みだったけど、
いい方へ、進んでいけそうな気がしていた。
照りつける太陽に背を向け、
悶々とするコンクリートの地面を見つめて
ひたすら自分の家へと歩く。
来未の家と祖母の家を繋ぐのは車1台が通るのがやっとの、迫っ苦しいこの道だけ。
両サイドには田んぼがぎっしりと植えられている。
これ、あれみたいだ。
あれ。
そうだ。
ランウェイ。
でもランウェイとは本来きらびやかな、スタイルのいいモデルとか、そうゆう人達こそ、相応しいのに。
そんな道を私は家の鍵を片手に、ボロボロの草履でひたすら歩く。生き恥を晒しているみたいだった。
頭上には青空が広がる中どこまで行っても
同じ立ち位置で、同じ速度で飛び続ける名前すら知らない鳥が2匹。
その意図したかのような変わらぬ綺麗すぎる配置に思わず目を奪われる。
私は
薄汚れて汚い。
そう思えてしまって、仕方なかった。
綺麗なものを見ると…
余計に。
なんだかこの世にある薄汚い言葉を全てぶつけられたようななんとも言えない気持ちになった。
笑っちゃうくらい自分が惨めで仕方がない。
滞在時間30分強。
何のために行ったんだっけ。
考えた。
そうだ。
久々の祖母からのメールに、私は……
現実逃避が出来ると思ってしまったんだ。
1日パジャマ。
起きる、食べる、テレビ、寝る。
そんな生活が主流になっただらしなく、最悪と化した自分を……こんな自分を少しでも忘れられれば。
そんな思いで行ったんだった。
久々の外出。
たとえ家から1キロちょっとの移動でも
着替えて…
髪の毛を括って…
家の鍵を握って…
そんな事をしていたら、私はもしかしたら
不登校じゃない、どこにでもいるありきたりな高校生になれるんじゃないかと
そう……
思ってしまったんだ。
私はそんな淡い期待ばかりに飛びついた、ただのアホだ。
それに。何も知らない子供の無邪気な姿は…
「”くるみたーん”」
なんだか余計、胸が痛んだ気がした。
学校なんて、まだ気にしなくていいそんな年頃の女の子は無意識に昔の自分と重ねてしまう。
「くるみたんはちょうらい、
なにになるのー?」……
さっきそんな質問をされたけれど、なにも答えられなかった。
「えーなんだろうなぁ」と。
笑って、誤魔化してしまった。
私…昔は、将来何になりたがってたんだっけ。
忘れちゃった。
いつの間にかグンと間近に迫った将来…
自分が何者になっているのか、とか、そうゆう事を考えると心底気持ちが悪くなる。
それはきっと、
どう将来を想像しても
”学校”という場所がチラついてしまうから。
今も…また気持ち悪くなってきて、手の平に爪をギューと食い込ませる。
血が出るほどじゃない。
あーなんか痛いなーって思ったら速やかに手の力を抜く。
くっきりと、ついた爪の痕は数秒後には跡形もなく消えた。
なんだか……
うんざりした。
自分の、あまりの情けなさに───────。
家に帰って、沈むようにソファに横たわり、
逃げ込むようにテレビをつけた。
「なんでやねん!」
最近テレビでよく見る旬の芸人のツッコミが真っ先に耳に届く。画面が鮮やかに彩られる。
「あはは……」
笑って、みた。
笑う。
ただただ、
笑う。
けど、無理無理上げた口角はすぐにスっと、下がる。あっという間に。
「ほんと…どうしたらいいんだろ」
思わず呟いてみる。
呟いたところでどうにもならない事は……
知っているけれど───────。
ソファに立て掛けられたクッションを枕代わりにし、来未は息をするように目を閉じた。
来未は芝生の上で仰向けに寝っ転がっていた。
「死んだり、消えたり、したいなぁ」
来未は蛇口の水が元から
少しだけ捻ってあったみたいに
流れ出るようにそう呟いていた。
ほぼ無意識だ。
呟いてから、「あ、あの夢だ」と、思う。
思った矢先だった。
「なんでー?」
雲1つない青空で埋め尽くされた来未の視界のど真ん中に、彼が映り込む。
今度は「わぁ…っ!?」などと、素っ頓狂な声を出す事はなかった。
だから赤面する事も、なかった。
色白で、傷1つない彼の肌を見て、彼は赤面する事があるのだろうか、とふとそんなくだらない疑問が一瞬だけ思い浮かぶ。
彼は今日もブレザーを着ていた。私も前と同じように制服を着ていた。
「なんでー?」
彼が再び尋ねてくる。
ビー玉みたいなまん丸で透き通る瞳だった。
「え…」
別に誰にも聞かせるつもりはなかった。
”死んだり、消えたり、したい”
そんな願望が彼の耳に届いてしまっていたみたいで来未は気まづく、薄ら笑いを浮かべる事しか出来なかった。
前は
「学校に、行ってきた」と。
「楽しかったよ」と。
見栄を張って、強がったり、絶対に普通とは掛け離れている癖に普通を装ったり、しちゃったけど…今日の来未には装う気力もなかった。
「いいや」と思ってしまった。
「…ういてるからだよ」
来未は正直に言った。
言って、少しだけ身構える。けれど…
「ういてる、ってどういういみ?」
そんな構えなど無駄だった。
すぐにそう思った。そのくらい彼は呑気で能天気なようだった。ついでに”ういてる”の意味を知らない彼が来未の目にはとてつもなく、羨ましく思えた。
「仲間はずれ、って意味、かな…」
そんな説明をしている自分が、惨めったらしくなって、途端に胸が締め付けられる。
私がちゃんとやれてれば、”ういてる”なんて言葉の意味を彼に教える事はなかっただろうな、と行けなかった別ルートを考えた。
「男の子はいいなぁ」
ふと、口をついて出た一言だった。
特に、これと言って深い意味はなく。
本当に、ふと。だ。
いや。もしかしたらわざとわざわざ声に出してしまったかもしれない。
”仲間はずれ”
さっきそう的確にハッキリと声に出した事によって来未は自分自身が置かれた状況がとてつもなく恥ずかしいもので、言ってしまえば、そこから命からがら逃げてきた、死にかけの、消えかけの…そんなちっぽけな存在に感じて、いたたまれなくなってしまって、
そんな自分の感情を、ちょっと緩和したかったのだ。だから別にこれは聞き流してくれて、全然良かった。ただの自己満に近い言葉だった。
でも、こっちが思う以上に、彼はそれを気に留めているみたいで、表情筋全てをキョトンとさせた彼は「なんでー?」と尋ねてくる。
「楽そうだなーって。気楽そう。」
出来る事なら私も、男子に生まれたかった。女子なんて嫌い。面倒くさくて、本当に嫌い。肩を落として、来未は俯いた。
しばらく彼からは何も返って来なかったから来未は黙って唇を噛んで俯き続けていた。
この話題は、ここで後味悪く終わったのかもしれない。そう思い顔を上げた直後だった。
「きみがういた、のは、
おんなのこ、だから、なの?」
彼が、不思議そうにそう問い掛けてきた。
「……」
来未は硬直した。
こんな事を自分で白状するのは、やっぱり、気が引けたけど、来未は静かに
首を振った───────。
「ううん。違う」
視界の端には私の姿を愚直に見つめ続ける彼が居た。
そんな姿に…思ってしまった。期待、してしまった。何も知らない彼に、今なら無条件に受け止めて貰えるような。そんな気がして、来未は高台から飛び降りるかのように意を決して、息を吸い込んだ。
「私…だから。……私だから───────ういたの」
来未は夢の中にも関わらず、再びゆっくりと目を閉じた。
「私学校でね…、
ちょっと、嫌な事があったんだ」
”ちょっと”で濁した”嫌な事”を
来未は割と鮮明に
思い出していた───────。
***
高校へ入学して、来未は二宮菜月と坂本美月とよく、一緒にいた。
入学式の日。
2人は、来未の席の近くで「名前、1文字違いだね!」と楽しそうに話していた。
2人は来未よりも、距離が近くて、仲良し。来未はそこに、少し遅れて入った形だった。
2人も高校で出会ったみたいだから元は私と同じスタート地点だったかもしれないけど
菜月と美月
来未はいいな、と思った。
”名前が1文字違い”
そういう接点があの2人にはあって、来未にない。
だから、3人グループだったけれど思い返せば、来未だけはいつもどこか、蚊帳の外、みたいな感じだった。
「来未ってさ、いっつも何考えてるか分かんなくない?」
そんな時だった。
耳にしてしまったのは。
「それなー?ニッコニッコニッコニッコしてるよねーちょいキモくね?」
「こんな感じー?」
少しだけ席を立った一瞬のタイミングで
2人は来未の……
悪口を言っていた───────。
「あははっ…!まって!ちょー似てる!」
「あ、来未…」
2人が、教室に戻ってきた来未に気付く。
「…」
気付いて、
とても気まづそうに、顔を見合せた。
「今の話、聞いてた?」
「大丈夫!大丈夫!キモイよね私!知ってる知ってる。あはは…」
間髪入れずに来未はそう言った。
完璧に自分に向けられた悪口を来未はニコニコして受け入れたのだ。結構な無理をして。
その翌日からだった。
来未が、
なんか”ういてる”
と感じ始めたのは。
「大丈夫!大丈夫!キモイよね私!知ってる知ってる。あはは…」
あの時。来未が精一杯ニコニコして受け入れたのは……そうすれば、なんとかやれるんじゃないかと思ったから。
今まで通り。
たとえ来未だけがいつも蚊帳の外みたいになってても。
それでも、1人ではない。
だから、なんとか、”今まで通り”が続行出来ると思ったんだと思う。
だけどそんな考えは甘かったし、思いのほか、しっかりういちゃった。苦しかった。
こうなるともう…全て上手くいかない気がして、
来未はあの日から、学校へ行くのを
プツリ。と
やめたのだ─────。
***
「…っ」
彼に、
話してしまった。嫌な事を。
涙が零れた。
芝生に落ちる。落ちてゆく。止まらなくて、ドバドバ出てくる。
夢の中だから、別にいいか。という気持ちもあった。だからここでは割と、素直に泣けた。
「学校…っ、つまんない…。行きたくない。辞めたい…っ、、、」
ペタンと芝生に座り込んで来未は泣いた。
泣きながら隣に居る彼に、来未はどうしようもなくそんな思いをぶつける。
「そうなんだ…」
でも彼は別に今後のアドバイスや励ましをしてくれた訳じゃなかった。
ただ、隣で寄り添って来未と一緒に……
「うーー…ぇーーん…」……
泣いてくれた。
「どうして君が泣くの」
来未がそう聞くと彼は、言った。
「きみがないてるから」
と───────。
夢は、そこで終わりを迎えた。
ゆっくりと現実に引き戻される最中。
来未の脳内で、優しい声が、まるで残り香のように再生される。
「ぼくはどんなきみでも、おうえんしてるよ」
彼の声。彼の口調だった。
「……っ」
目が覚めた来未は、泣いていた。
現実にも、影響してしまったみたいだ。
ティッシュを顔に押し当て、来未はつけっぱなしで寝てしまったテレビ画面をボーと眺める。
と、その時だ。
ピンポ───────ン……
来未の家のチャイムが鳴った。
まだ、夢の余韻が酷く残る来未は「あっ」と声を上げた。
まだ目が赤いかもしれない。こんな顔を見られるのは嫌だった。
けど場合によっては出なければいけない。
来未の家の斜め後ろのおばあさんは
居留守を使うと酷く怒る。その不在が居留守なのか。そうでないのか。何故か見分けがつくのだ。
立ち上がった来未はインターホンに駆け寄る。
「え……」
誰も居ない、テレビの音声だけが淡々と流れるダイニングの端で来未は短く声が漏れた。
インターホンに映っていたのは、
菜月と美月だった。
時刻は17時10分。
ちょうど学校が終わり、下校時刻真っ只中だった。きっと、学校帰りにここへ来たのだろう。
どうしたものか、と。
来未には頭を悩ませる時間があった。
友達が家に来た!とお気楽に玄関ドアを開けられる余裕など、今の来未にあるものか。
しばらく、硬直してインターホンの画面を
来未は眺めていた。
やがて、2人は去っていこうと、こちらに背を向けた。
「はぁ……」
ほっとして、来未から安堵のため息が漏れる。
来未が学校を休むようになって、2人は今日。初めてここに来た。
何の用だか知らないけれど、来未はとにかく、安心した。
けれどインターホン越しに映し出される
去っていく2人の背中から目が離せずにいた。
「……」
来未の中には、まだ残っていた。
「ぼくはどんなきみでも、おうえんしてるよ」
という言葉が。
「まって!」
インターホンは勿論オフ。
2人に聞こえたりしないのに、来未は叫んでいた。そして気付いたら玄関ドアを開けていた。
本当に無意識に近い咄嗟の行動だけど、来未は
そうしたかった───────。
表札の辺りで2人が来未の方を振り返る。
今にも帰る所だった。
「来未……」
玄関ドアを開けた来未を見て、2人はまた、こちらに歩を進めた。
「……久しぶり」
か細い声が来未から出た。
「「久しぶり……」」
2人の声が揃った。
「あの、ね、来未……え、と…」
さっそく美月は何かを言いたそうにしていて、視線をあちらこちらに彷徨わせている。それを見かねたのか、菜月も口を開く。
「え、とね、私達さ……」
しかし菜月も、美月の後に続いて、視線を彷徨わせるばかりだ。
来未はしばらく、そんな2人を見ている事しか出来なかったけど、口を開いた。
「え、と」を繰り返す2人に向けて、未来は言ったのだ。
「ごめん」 と。
しかし、なんてタイミングなのだろうか。
2人も、同時に「ごめん」と言った。
3人の声が綺麗にピタッと揃ったのだ。
ちなみにその直後に3人が放った「え?」も、揃った。
「え、なんで来未が謝るの、だってあれは私達が……」
2人は呆気に取られたみたいにポカンと不思議そうな眼差しを来未に向ける。
確かに。来未の悪口をあぁいう形では
言って欲しくなかったのは事実。
あの悪口に、来未が深く傷付き、学校へ行く気を無くしたのも事実だ。けど……
「私ずっと、対等じゃない、って思ってた」
視線を落とし、来未は手をギュッと、静かに握って、勇気を出した。打ち明けた。
「対等?」
ポカンと口を開けたままの美月が尋ねる。
「うん」
新学期。新しい高校。新しい環境。
初っ端から割と打ち解けていた2人の間に
来未は入った。だから来未は、一刻も早く、”追い付こう”と、思っていた。
だから過剰に笑ったりして、いわゆる、”話を合わせる”をした。もちろん。そんな事をわざわざしなくても、2人に、素直に共感出来る話もあった。
3人といた、全ての時間を、そう過ごしていた訳じゃない。だけど、してしまっていた時間も、確かにあった。
来未は2人と対等になりたいと思いながらも微かに壁を、作り出していたのだ。
それに気付いた時。来未は思った。
来未も悪い、と───────。
だから来未は、今までの自分が3人といる時。心のどこかで引け目のように感じてしまっていた、という事を話した。
来未が話している最中。
「うん」とか「そっか」とか相槌を欠かさず打ってくれた2人に向けて来未は言う。ここだけは、強く。言った。
「だから……変に気、使ったり、作り笑い、とか、そういう事はもうしない」
来未が学校に行けるようになったとして、
そこで2人がまた来未と仲良くしてくれるかどうかは分からない。
これは、2人に向けて、というより2人以外でも、そうする。という来未なりの……
決意表明のようなものだった。
「だけど2人の話は、時々、思い出し笑いしちゃうくらい本当に面白い時もあったの」
補足のように来未は2人の顔を交互にちゃんと見つめて、そう言った。
今までの時間。
何もかもが嘘だった訳じゃない。
全てが作り笑いだった訳じゃない。
それは本当に本当だった。
そこだけはどうしても分かって欲しくて。
たからそれを弁解しようと発した言葉だったが、
菜月が、「ぷっ…」と小さく吹き出す。
「時々かい……っ」
それに続いて美月が突っ込んでくる。
「いや……っ、まぁ、時々、っていうか、
週2ペースぐらい、かな。」
「本当に、時々だ」
納得したように、だけど不機嫌な感じでもなく、むしろちょっとスッキリしたような顔でそう呟いた美月の一言に、つい笑みが零れる。
「あははっ……」
来未につられるように2人も笑い出して、
来未は”本当の事”を少し細かく話してみた。
例えば。どの話は、思い出し笑いをしてしまうくらい本当に面白いものだったのか。
「犬のしっぽがなんか……っ、ボサボサだったのは、ほんとにおもしろかった」
「えぇ、それ!?」と2人にビックリされたけど
ここ1ヶ月。いや。2人と出会ってからの
蟠り、とも言える時間が、この一瞬で埋まっていくようだった。
帰り際。
2人は来未にもう一度言った。
「ほんとにごめん」と。
「いいよ」と言った来未に、2人は「学校で待ってるね」と微笑んで、帰って行った。
素直に嬉しかった。
最初は出ようか迷ったものだったが、出て良かった。久々に2人に会えて良かった。と思った。
久々の高揚感に、来未は2人の姿が見えなくなるまで玄関先で
手を振った。
笑顔を貼り付けて、自分を取り繕う事が
2人と仲良くなるためには必要な事だと来未は思ったからそうしていた。
だけど、内心。
この付き合い方は間違っているんじゃないかと思う時もあった。
そんなモヤモヤをさっき……
”どんなきみでも”と。
”おうえんしてる”と。
言ってくれた彼に来未は正直。
認めて貰えたような気がした。
受け止めてもらえたような気がした。
今までみたいに1度傷ついた事を根に持って学校に行かないままでもいいかもしれない。
今までみたいに上辺だけの自分を保って
またこれからも人と付き合って
いってもいいかもしれない。
”今まで”と何も、変わらない自分で居ても、いいのかもしれない。
どこに転がっても、
”どんな”になっても、
来未には”おうえんしてる”と
言ってくれた人が、確かにいる。
だったら……
”自分の非を認めてもいいかもしれない”
来未はそう思ったのだ。
思う事が、出来たのだ。
名も知らない、現実に、実在すらしていないかもしれない不確実な彼の存在に、来未は前へ進む原動力になり得る何かを貰ったのだ。
だけどこれは。
その不在が居留守なのか。そうでないのか。何故か見分けがつく来未の家の斜め後ろのおばあさんに同じセリフを言われたとして。きっとあまり響く言葉ではなかったと思う。
彼だから。
彼の言葉だから。
きっと響くものがあった。
来未にとって何か変わりたい、と思う
きっかけに繋がったと思う。
来未にとって
死んでしまいたいと思う程、
消えてしまいたいと思う程の、
大きな悩みだったけど、
いい方へ、進んでいけそうな気がしていた。
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